著者
横瀬 久芳 山本 茂
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩鉱 (ISSN:09149783)
巻号頁・発行日
vol.91, no.3, pp.86-101, 1996 (Released:2006-12-13)
参考文献数
25
被引用文献数
3 4

To understand the character of deep-seated crustal components, we have investigated the crustal xenoliths, in Pleistocene andesites from the Kinbo volcano, northwest Kyushu, Japan. Various types of rocks, such as gneiss, Px granulite, Ho-Pl amphibolite, hornblendite, Ho±Cpx gabbro and granitoids, are found as crustal xenolith in the andesites. The average chemical compositions of the crustal xenoliths in Araoyama and Ishigamiyama are similar to those of tholeiitic basalt and basaltic andesite, respectively.     There is no interaction zone between the xenoliths and host andesites in their appearance indicating that the thermal difference between them was small at entrainment. However, complex disequilibrium textures, including breakdown of hydrous minerals, plagioclase with sieve texture and quenched anatectic melt, occur in thin section of almost all the samples. These textures indicate that pyrometamorphism of the xenoliths resulted from the heating of basaltic magma erupted at early stage of the volcano. The parent rocks, eliminating the influence of pyrometamorphism from the xenoliths, presumably equilibrated under amphibolite facies condition, and were heterogeneous basic gneiss as a whole. Based on the lithologic and chemical character of the basic gneiss combined with reported geophysical data in this region, it is expected that the basic gneiss may widely distribute as the crustal components under the Conrad discontinuity in the northwest Kyushu.
著者
田中 修 広 三寿 池田 洋
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.40-46, 1966

フィールドパイアス型ベータトロンはflux-forcingと呼ばれる2つの磁気回路をもっている点で普通型べータトロンと異なっている。軌道磁界に静磁界のバイアスをかけることにより加速時間を長くし, 交流励磁だけの場合に比べて加速エネルギーを2倍近く増加させることができる。したがって, べータトロン本体の大きさの割合にエネルギーが大幅に上げられる。しかし, 中心磁束と軌道磁界の間に位相のズレを生じ, そのためにバイアス角に限界があり, X線出力は現在までに45°のバイアス角まででている。けれども, 中心磁束と軌道磁界の位相のズレから, 電子の安定軌道が自然に拡大する, いわゆるセルフエクスパンジョンの現象と安定軌道半径が連続可変であることから電子軌道について興味ある知識が得られた。また, 高エネルギーX線によるラジオグラフィの技術が進歩し, 重量金属物体の透過試験にも使用されている。
著者
田中 薫 王 冰 古橋 舞子 村上 正弘 尚 奕 藤田 和子 大山 ハルミ 早田 勇
出版者
Journal of Radiation Research 編集委員会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.243, 2007

mitigatorは、事故によって放射線にさらされた後、明らかな生物学的結果が出てしまう前に与えると有効であるものをいう。新たなmitigatorの研究は、より効果的で安全な臨床治療法を開発するためだけでなく、被爆者の予後の改善に有用である。一方、生まれる直前に子宮内高線量被ばく(6.5Gy)を受けたことによって引き起こされる新生仔死亡(骨髄死)には、cell killing effectが重要な役割を演じている。そこで、本研究では、照射後に複数のアポトーシス阻害剤を併用投与し、新生仔死亡が軽減されるかどうか検討を行った。<BR>妊娠18日目のICRマウスに、1.8Gy/minの線量率で、6.5GyのX線を全身照射した (これは、離乳前の新生児の約40パーセントが死亡する条件である)。照射5分後に妊娠マウスの腹腔内にオルトバナジン酸ナトリウム(Na<SUB>3</SUB>VO<SUB>4</SUB>, VD)15mg/kgを単独、あるいはカスペース阻害剤(Z-VAD) 1mg/マウス とともに投与した。妊娠マウスは自然出産させ、新生仔の生残と発育状況(体重)を調べ、さらに、子供の(7週齢)末梢血血液象と大腿骨の骨髄をそれぞれ、自動血球計数装置と小核試験法を使って調べた。<BR>VD単独投与により、新生仔の生残と発育状況への影響が有意に軽減され、さらにVDとZ-VADの併用によって、いくつかのendpointにおいてより大きな効果が認められた。これらのことは、アポトーシス阻害剤の併用投与が、高線量放射線被爆の治療法として将来に大きな可能性を持っていることを示している。
著者
上条 末夫
出版者
駒澤大学法学会
雑誌
法学論集 (ISSN:04393287)
巻号頁・発行日
no.12, pp.p100-130, 1975-11
著者
多久嶋 亮彦
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.120, no.2, pp.97-103, 2017-02-20 (Released:2017-03-23)
参考文献数
20

顔面神経は第二鰓弓由来の末梢神経であり, 顔面神経の運動神経線維が分布する表情筋も, 第二鰓弓由来の組織である. 先天性顔面神経麻痺は原因として神経原性と表情筋原性の両者が考えられるが, その本態は定かではない. 仮に神経原性のものであるならば, 生後間もない時期にはまだ表情筋の萎縮が生じていないことが考えられ, 神経移行術などによる再建方法が考えられる. しかし, 現実的には1歳以下の乳児に対して再建術が行われることはない. したがって, 先天性の顔面神経麻痺に対しては, 既に表情筋が廃用性萎縮に陥った後の陳旧性顔面神経麻痺に対する治療に準じた手術方法が選択される. すなわち, 眉毛, 眼瞼, 頬部など各部位ごとに対する再建術を組み合わせて治療を行う. 一般的に小児期の顔面神経麻痺は, 安静時には麻痺が比較的目立たず, 兎眼など大きな機能障害をもたらす可能性がある症状も軽度であるため, 積極的な治療が行われない場合が多い. しかし, 先天性麻痺では頬部の動きに乏しいことが多く, 笑いの表情を作ることができないことが多々ある. また, 患児が笑うことにより顔の歪みが目立つことを嫌がり, 自ら「笑わなくなること」で表情の乏しい印象を与えることも多い. したがって, 患児の社会性を発達させる上でも顔面神経麻痺の治療, 特に笑いの再建は重要であると考えている. 笑いの再建方法としては, これまでには腓腹神経移植による顔面交叉神経移植術と薄筋移植術を二期的に行ってきた. しかし, この方法は治療期間が長くかかるため, 1990年代後半より広背筋を用いた一期的再建術が主流となっている. さらに最近では, 移植筋の動きがより大きくなるように, 動力源としての神経を2つ選択し, 二重支配を受ける筋肉移植術を行い始めている.
著者
篠原 道夫 シノハラ ミチオ Michio Shinohara
雑誌
人文・社会科学論集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.33-48, 2009-03

In this paper, I have examined three significant techniques of the AnalyticalPsychology, dream analysis, active imagination, and sandplay therapy. These techniqueswere analyzed from the viewpoint of the concept of "Creative Illness" which C.G. Jung, suffered from. Using the concept "Ego-self Axis", I have explained individuationas a self-realization process. Furthermore, I have argued that how the Latin termreligio can represent the nature of Jung&#700;s theory in practice.
著者
川上 明久
出版者
日経BP社
雑誌
日経systems (ISSN:18811620)
巻号頁・発行日
no.264, pp.74-79, 2015-04

EC2インスタンスは、Webの設定画面上であらかじめ定義された選択肢から選んでいくことでセットアップできます。まずは「AMI」(Amazonマシンイメージ)と呼ばれるサーバーイメージを選択します。AMIは構成済みのOSやパッケージの組み合わせです。
著者
Yoshiko Kono Ching-I Peng Kazuo Oginuma Rosario R. Rubite Yu-Hsin Tseng Hsun-An Yang Kuo-Fang Chung
出版者
Japan Mendel Society, International Society of Cytology
雑誌
CYTOLOGIA (ISSN:00114545)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.133-141, 2021-06-25 (Released:2021-06-25)
参考文献数
56
被引用文献数
7

Begonia sect. Baryandra is distributed mainly in the Philippines with a few species in Borneo and New Guinea. Previous chromosome information of sect. Baryandra has restricted to ca. 16 species and their karyotypes have never been investigated. Here we report the cytological investigations of 26 species of sect. Baryandra, including five karyotype analyses that are the first report in sect. Baryandra, 24 species were reported cytologically for the first time, and two species were re-examined. Incorporating previous and present studies, chromosome numbers of 40 of the 78 species in sect. Baryandra are now available. Except for some intraspecific variant counts of 2n=26 and 44, and a tetraploid number of 2n=56, 39 species have the chromosome number of either 2n=28 or 30. The karyotypic formula of the three investigated species is uniform as 2n=28=10m+18sm(st), and two as 2n=30=8m+22sm(st). Based on molecular phylogenetic relationships, ancestral state reconstruction suggests that 2n=30 is the most likely ancestral chromosome number of sect. Baryandra, with 2n=28 a derived number. Based on our and previous studies, the chromosome evolution in Begonia sect. Baryandra is discussed.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1947年02月13日, 1947-02-13
著者
若菜 真実 山﨑 裕子 岩佐 太一朗 武藤 美紀子 部谷 祐紀 本間 和宏 田中 越郎 若菜 宣明
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.222-231, 2018

<p>女性には,性周期が存在し,それにより,頭痛,眠気,排便困難など精神的・肉体的にもさまざまな影響を受ける。これらの不定愁訴は,月経前および月経期に強く出現している。本研究では,主観的な排便に対する意識と客観的便の形状について,性周期との関連性を解析した。対象者は,20-30歳の健康な女性17名とし,28日間にわたる排便記録・食事記録・月経記録,さらに初日に主観的な排便に対する意識アンケートと体組成計測を行った。排便記録は,排便時刻,1日の回数,およびブリストルスケールを用いて便の形状を記載させた。 主観的な排便に対する意識へのアンケートでは,15人(88%)に主観的変動があった。性周期による便の形状の変動では,黄体期後半に便秘気味になった者が10人(59%),月経期に下痢気味になった者が10人(59%)であった。ブリストルスケールによる客観的変動の平均は黄体期前半 4.2±0.6,黄体期後半3.8±1.0,月経期4.3±1.0,卵胞期 4.2±0.9であり,大きな変動は認められなかった。しかし9人(53%)において性周期を通して1.1ポイント以上の客観的変動があった。12人(71%)は主観的変動と客観的変動が一致していた。5人(29%)は主観のみの変動であった。排便回数では12人(70%)に変動が認められ,うち7人(41%)が黄体期後半に変動がみられた。このように多くの女性には,性周期によって主観的にも客観的にも排便に対する意識および便の形状の変動が認められた。</p>
著者
植村 信保
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.598, pp.598_35-598_52, 2007

本研究では1997年から2001年に経営破綻した中堅生保について,各種の資料に加え,当時の経営者など関係者への大規模なインタビューを行うことで,各社が破綻に至った要因を格付けアナリストの視点から考察した。さらに,同時期の韓国生保の破綻事例についても調査を行い,日本との比較を試みた。一連の生保破綻については,バブル崩壊などの外的要因に求める見方が一般的だ。しかし,調査の結果,破綻は必ずしも外的要因だけで発生したのではなく,内的要因が重要な役割を果たした可能性が浮き彫りになった。いくつかの内的要因が破綻リスクを高め,その後,経営環境にストレスが生じた局面で各社の経営が悪化。さらに,いくつかの内的要因が危機認識の遅れや不適切な対応をもたらし,最終的に各社が破綻に至ったことが伺える。
著者
大森 裕浩
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.177-198, 2019-03-29 (Released:2019-10-07)
参考文献数
21

本稿では,多変量の金融資産収益率のボラティリティ・モデリングのために,これまでの研究で提案されているいくつかの確率的ボラティリティ変動モデル・実現確率的ボラティリティ変動モデルを取り上げ, ベイジアン・アプローチを用いてマルコフ連鎖モンテカルロ法によるモデル・パラメータの効率的な推定方法について紹介する.
著者
石山 脩平
出版者
広島文理科大学
巻号頁・発行日
1952

博士論文
著者
輿水 精一
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.162-166, 1995

ウイスキーを水で薄めて飲む飲酒スタイルは日本独自のものであり, アルコール代謝能力の弱い日本人が高アルコール飲料を飲むために考えだした飲酒法と言える。これまでは飲む直前に水で割るため混濁などは問題にならなかったが, いざ, 水割りの状態で商品化すると, もろもろの問題が派生してくることがわかった。水割りウイスキーの開発に携わられた筆者にその経緯を解説していただいた。新商品が新たな需要を掘り起こし, ウイスキー市場の活性化に役立つことを期待したい。