著者
葛山 浩 小紫 公也 荒川 義博
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.54, no.625, pp.63-70, 2006 (Released:2006-03-20)
参考文献数
29
被引用文献数
1 2

An air-breathing pulse laser powered launcher has been proposed as an alternative to conventional chemical launch systems. The trajectory from the ground to a geosynchronous transfer orbit by pulse laser propulsion is calculated by modeling the thrust during pulsejet, ramjet and rocket flight modes, and the launch cost is estimated. The results show that the pulse laser powered launcher can transfer 0.085kg payload per 1MW beam power to a geosynchronous orbit, and the cost becomes quarter of existing systems if one can divide a single launch into 22,500 multiple launches.
著者
得丸 智子
出版者
学校法人 開智学園 開智国際大学
雑誌
開智国際大学紀要 (ISSN:24334618)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-56, 2019 (Released:2019-04-15)

近年、教育機関に依らず独力で日本語を学ぶ独習者が増えている。本研究では、独習者の学習法と学習観を探ることを目的とし、ある韓国人日本語学習者にインタビューをおこない、質的研究法TAE(Thinking At the Edge)で分析した。 彼は、中学時代の3年間に、インターネットで日本語アニメを視聴することを通じ日本語を学んだ独習者である。アニメをみながら韓国語で音を拾い辞書を引き日本語の意味を調べるという方法で日本語を学んだ。この経験から、外国語学習は多く聞くことが大切だとの学習観を持っている。大学生になり日本留学を果たしてからは、周囲で話されている日本語の音を拾い辞書を引く学習法を実践している。辞書が引けない状況の場合は、自宅に帰ってすぐに調べることが習慣となっている。彼は、日本語学習は何かのためにおこなうものではないという学習観をもっていた。本研究により、従来の教室での学習とは異な流学習法、学習観が浮き彫りになった。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.665, pp.89-91, 2000-05-01

建物内が「電子レンジ」の中のような状態になり,そこで反射・増幅された高周波電磁波が火災を引き起こした可能性が最も高い──。そうした判断が3月14日,大阪地方裁判所が下した判決の中で示された。裁判は,火災被害にあった工場経営者が,電力引き込み線を通じて工場内に侵入した高周波電磁波が出火原因だとし,電力供給者らに損害賠償を求めていたもの。
著者
杉村 真美子 竹本 正明 金澤 将史 今村 友典 中野 貴明 戸部 有希子 伊藤 敏孝
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.275-277, 2018-12-31 (Released:2018-12-28)
参考文献数
3

症例は, 14歳女子2人。2カ月ほど前から2人で自殺することを計画してインターネットで情報を集め, 通販サイトで浮揚用のヘリウムガスを購入していた。ヘリウムガスをビニール袋で互いに吸わせ合ったが死ねず, 警察へ連絡し, 警察から救急要請となった。ヘリウムガスを密閉状態で吸入できていなかったため, 身体的にも検査上も明らかな異常は認めなかった。様子観察のため入院としたが問題なく, 精神科診察の後, 退院となった。浮揚用のヘリウムガスには酸素が添加されていないため, 密閉状態で吸入すると窒息死する。この情報はインターネットで気軽に得ることができ, さらにインターネットの通販サイトで誰でもヘリウムガスを気軽に入手することが可能である。今回のように若年者でも身元確認なく手軽に購入できるため注意が必要であり, 早急な対策が必要である。
著者
市橋 則明 吉田 正樹
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.461-464, 1993-10-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
8
被引用文献数
7 4

A study was conducted to determine the minimum quantity of leg exercise required to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle during bed rest. The subjects were 10 normal young university students with a mean age of 21.1 years. First, analysis of rectified filtered electromyography (RFEMG) was performed on the rectus femoris and vastus medialis during walking with cadences of 100 steps/min and 150 steps/min. Then, the effects of straight leg raising (SLR), patella setting (PS), knee extension-flexion in a supine position (KEF) and knee extension in a sitting position (KE) were analysed for each muscle using the same method. Based on the value of RFEMG for each muscle during walking, the repetition number for each exercise was calculated. For the rectus femoris, the repetition number for each exercise corresponding to 10000 steps with a cadence of 100 steps/min was 289 for SLR, 466 for PS, 1255 for LEF and 1663 for KE. For the vastus medialis, the corresponding numbers were 1223, 381, 6367 and 2170, respectively. When the cadence increased to 150 steps/min, the repetition number of each exercise for each muscle also increased. These results indicate that high repetition exercise is recommendable to prevent disuse atrophy of the quadriceps femoris muscle. Therefore, the activity of patients should be increased to stimulate weakened muscles such as the quadriceps femoris during hospitalization.
著者
金子 健彦
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.151, no.3, pp.117-121, 2018 (Released:2018-03-10)
参考文献数
6

サンバイオ株式会社は現在,再生細胞薬SB623の開発を行っている.このSB623には神経栄養因子や成長因子を分泌する働きがあり,脳の虚血や外傷等による損傷後の神経修復に寄与できると考えられる.SB623の安全性および有効性を評価するため,18例の慢性期脳梗塞患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を米国にて実施した.移植1年後までの効果を評価したところ,European Stroke Scale,National Institute of Health Stroke Scale,Fugl-Meyer Assessmentのいずれにおいても有意な機能改善が認められた.安全性においても,SB623に起因する副作用や重篤な有害事象は認められなかった.これらの結果から,SB623は慢性期脳梗塞に対し,安全かつ有効であることが示唆された.現在は米国および日本で臨床試験を実施しており,特に日本では再生医療等製品に対する新たな枠組みの中で,いち早く患者様に届けられるよう,臨床開発を加速させている.
著者
嶋崎 まゆみ Mayumi Shimazaki
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.75-93, 1990-09-15
著者
中谷 昭 岡崎 政博 坂田 進
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 自然科学 (ISSN:05472407)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.39-43, 2001-10-15

The purpose of this study was to determine the effect of high fat diet with different percent calories as fat on serum leptin level in rats. Male Wistar rats, 4 weeks old, were assigned to regular chow (12% calories as fat), a 40% high fat diet or a 60% high fat diet group. They ate each diet ad libitum for 5 weeks. Food intake per day was the highest in chow fed group and the lowest in 60% high fat fed group. Although epididymal fat pad weight, plasma triglycende, free fatty acid and total cholesterol in both high fat diet groups were significantly higher than in the chow fed group, there was no difference in body weight among the three diet groups. Serum leptin in the 40% fat and the 60% fat diet were higher than in the chow fed group ( ~136% and ~140%, respectively). Serum leptin was strongly correlated with epididymal adipose tissue weight (r=0.83, P<0.001). These results suggest that a high fat diet increases serum leptin level, and that increased leptin level might inhibit food intake and control body weight.
著者
岡田 晴恵 田代 眞人
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.775-782, 2005 (Released:2005-04-05)

2004年1, 2月には山口県や京都府などの養鶏場を高病原性鳥インフルエンザの流行が襲い, 夥しい鶏が死に, また周囲の多くの鳥が殺処分された。感染の拡大を防止するために, 感染死した鳥や感染の疑いのある鳥を殺処分し, 半径30キロメートル以内でのニワトリや卵の移動禁止措置がひかれた。白い作業着にゴーグル, マスク, 長靴, 手袋を装着した作業員が, 大きな穴に多くの鶏を埋め立て, 養鶏場を徹底的に消毒する姿は未だに印象に強く残っていることであろう。この鳥インフルエンザ問題はとかくマスコミ等では, 食の安全という観点から取り上げられる傾向にあった。もちろん, 食生活において, 鶏卵や鶏肉の需要は大きく, 日本の食文化や食生活を担う上でも非常に重要である。また, 通年の人のインフルエンザワクチンも鶏卵を使って, 種ウイルスを増殖させて製造される。インフルエンザワクチンの安定的供給を得るためにも, 鳥インフルエンザの流行は是が非にもくい止めなければならない。 しかしながら鳥インフルエンザの問題の核心的部分は, 鳥インフルエンザウイルスが遺伝子変異や遺伝子交雑を起こして, 人のインフルエンザウイルスに変身して, 人の世界で流行する新しいインフルエンザウイルスとなって大流行を起こすことにある。 過去における, スペインかぜやアジアかぜ, 香港かぜ等の新型インフルエンザウイルスは, このように鳥インフルエンザウイルスが基となり, 遺伝子交雑や変異を起こして人の新型ウイルスとなって人の世界に侵入してきたのである。このため, 多くの人々が犠牲となり, 社会に大きな影響を与えてきたのだ。これらの新型インフルエンザはいままで平均して27年の周期で起こり, 世界的流行を起こしてきた。前回の新型インフルエンザ出現は1968年の香港かぜにさかのぼる。 さらに現在では火種となる鳥インフルエンザが, 東南アジアではすでに蔓延の様相を見せている。昨年の春以来, 一旦は流行の終息宣言が出されたタイやベトナムでも, 今年に入って鳥インフルエンザの再流行の報告がなされ, 人への感染も報告されている。しかも人に感染すれば7割にもおよぶ高い致死率を示している。さらに悪いことに, 現在流行中の鳥インフルエンザは鶏に全身感染を起こし, 1, 2日で死に到らしめる高病原性鳥インフルエンザとされる強毒型のウイルスである。このH5N1という高病原性鳥インフルエンザウイルスが, 人の世界に入ってくる可能性は高く, さらに時間の問題であると多くのインフルエンザウイルスの専門家は心配している。 このような背景の中で, 今回の鳥インフルエンザウイルス問題の本質は, なんであろうか, 新型インフルエンザはどうやって鳥インフルエンザウイルスから誕生するのであろうか, 新型インフルエンザウイルスが発生した場合にはどのようなことが想定されるのであろうか, という内容を解説したい。新型インフルエンザを正しく理解することによって, 過去に猖獗を極め, 多くの被害を残した新型インフルエンザの事例を教訓とし, 被害を最小限度に抑えることを目的としたい。