著者
大久保 翔太 正田 純 ゴン 志豪 佐々木 健
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2017年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.549-550, 2017-03-01 (Released:2017-09-01)

非音声である環境音の認識技術はセキュリティシステムやビデオのシーン解析などにおいて需要が高まっている.本研究では認識対象として定常的に流れる水の音を選び,スペクトログラムに現れるパワーの大きい領域を抽出し, その出現頻度と分布を音の特徴量として分析した.その結果、スペクトルの強い領域の周波数帯、間隔において他の音との差異がみつかった.
著者
黒川 秀子
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第88集 公共性と効率性のマネジメント─これからの経営学─ (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F27-1-F27-7, 2018 (Released:2019-06-17)

CSRについては1990年代から活発な議論が展開され,2000年代以降,理論面,実務面ともさらに進化,深化し続けている。第91回日本経営学会大会のキーワードは統一論題とサブテーマに示されている通り,公共性と効率性であり,CSRはまさに現代企業の持つ公共性と効率性の二面性を照射する。ところで,「企業の社会的責任」という問題は,1960年代から70年代にも大きく取り上げられ,そのブームはしばらく続いたとされる。 本稿では,1970年代の「企業の社会的責任」論の展開と2000年代以降の「CSR」論の展開を比較し,CSRに対する意識の変遷を辿るとともに,CSRの本質を探ろうとした。 谷本,宮坂の論考から,前者は「経営者の社会的責任」が,後者はビジネスエシックスとステイクホルダーセオリーを契機として「企業自体の社会的責任」が問われ,そのことが前者がブームで終わった理由であり,前者と後者の相違点であることが理解された。 また,現在のCSRを取り巻く問題点として,制度と実態の乖離,各種機関,機関投資家,アドバイザーの存在とCSRの宣伝広告性,「CSR=社会的責任」における「責任」の理解,の3点が考えられた。
著者
田中 弥生
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.433-437, 2017-04-01 (Released:2017-05-17)
参考文献数
9

ARDS (acute respiratory distress syndrome)で代表される急性呼吸不全や慢性呼吸不全増悪患者に対する管理において,栄養管理は重要な治療と認知されている.侵襲度の高い重症患者で,人工呼吸で換気とガス交換を維持し,疾患に対する根本的な治療を行い,患者が回復するまでの間,適切な栄養管理を施行することが重要である.組織の修復,免疫能力の安定,ガス交換の改善,炎症の軽減,感染自己防御などの維持・賦活も期待されている.回復に至るまでの間,栄養状態を安定させることが生死を左右させるといっても過言ではない.また,人工呼吸管理チームは医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床工学技士,理学療法士,など多職種により構成されることが望ましい.
著者
藤井 保和 久須美 俊一 福谷 隆宏 岩井中 篤史
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.10, pp.1073-1079, 2004 (Released:2005-01-01)
参考文献数
22

This paper proposes an arc contact loss rate estimating method for Shinkansen trains with pantographs connected to bus cables. For the speedup of Shinkansen, it is necessary to judge whether the contact loss rate exceeds its standard value. As the standard of contact loss rate is provided from the viewpoint of contact strip wear caused by arcs, it is important to measure the amount of arc. The optical type contact loss measuring method which detects the contact loss by arcs is suitable for this purpose. It is difficult, however, to measure contact loss by this method in the daytime, because of the influence of outdoor light. To solve the above problem, we have developed an arc contact loss rate estimating method by using a contact loss simulation program on the basis of the complete contact loss rate measured by the current type contact loss measuring method which is effective in the daytime. Furthermore, we measured the contact loss rate simultaneously by the current and optical type contact loss measuring methods in the running tests of Shinkansen trains, and confirmed the validity of this estimation through a comparison of measured and simulated results.
著者
首藤 若菜
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.152-164, 2013-10-30 (Released:2018-02-01)

本稿では,男女がともに仕事と生活を両立させながら職業生涯を通じて働き続けられる社会をどう構築できるかについて,3つの文献を取り上げて議論する。日本で男女の経済格差がなかなか縮小しない要因は,企業,家庭,社会経済制度が女性の就労継続を妨げる方向で,相互依存的に存在しているためである。本稿では,この問題意識のもと,まず家庭内性別分業と女性の働き方の変化を国際比較した研究と日本の社会制度を男性稼ぎ主モデルの視角から分析した研究を紹介する。両文献から,女性の就労を妨げることが,いかなる社会問題を生み出すのかを把握する。そのうえで,性に中立的な雇用のあり方として,同一価値労働同一賃金制度を提起した文献を取り上げる。いわゆる職務給型の雇用システムへの変更が,男女の賃金格差縮小や女性の就労継続を促進しうるかどうかを論じ,その可能性を探る。
著者
谷口 彌三郎
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.477-541, 1960 (Released:2010-11-19)
被引用文献数
1 1
著者
高槻 成紀 立脇 隆文
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.167-177, 2012 (Released:2013-02-06)
参考文献数
38
被引用文献数
7

我が国における中型食肉目の食性分析は頻度法を用いてきたが,頻度法は食物の組成を評価する上で過大か過少になる問題がある.組成を表現する重量や容積の評価は非常に時間がかかるが,ポイント枠法は時間をかけずに組成の量的評価が可能であり,頻度も出せる利点がある.そこで中型食肉目の食性分析におけるポイント枠法の適用性を検討するために,タヌキとハクビシンの夏と冬の胃内容物4群54試料を分析し,方法上の特徴を検討した.各試料群全体では,200カウントで98カテゴリーが,300カウントで102カテゴリーが検出されたが,試料ごとの検出カテゴリー数は少なく,200カウントで6~10(最少1,最多19)であった.検出されたカテゴリー数はカウント数の増加とともに増加したがしだいに頭打ちになり,200カウント以上はほとんど増加しなくなった.また,300カウントでの検出数の90%に達した試料数は150カウントでは53試料中31(58.5%)であったが,200カウントでは52(98.1%)になった.さらに,各試料群において300カウントでの占有率(胃内容物組成に対する百分率組成)が最大であったカテゴリーがその占有率の±10%の範囲に入るのに要するカウント数は150~170カウント(ただしハクビシン夏のみ221カウント)であり,150カウントでは36試料中16試料(44.4%)が,200カウントでは28試料(77.8%)がこの範囲に入った.これらから,食物の検出と,その量的評価のためには200カウントするのが妥当であると判断した.ポイント枠法と乾燥重量測定法の分析所要時間の平均値(n=20)は,ポイント枠法が25.9分,重量法が70.6分で,前者が後者の36.7%であった.頻度百分率と「出現占有率」(その食物を含んでいた試料の平均占有率)の関係を見ることで,食物の供給状態や動物の採食について多面的な理解が可能であることを示した.ポイント枠法による各カテゴリーの頻度と占有率の相関は高くなかった.代表的な食物についてポイント数と乾燥重量の関係を調べたところ,ベリー(多肉果実)に比べて,肉(筋肉や内臓),種子などはポイント数の割に重く(ポイント枠法は過少評価),体毛,葉,花などは軽い(ポイント枠法は過大評価)ことがわかった.ポイント枠法をおこなう上での留意点などをまとめた.
著者
Toshiki Fukuzaki Noboru Iwata Sawako Ooba Shinya Takeda Masahiko Inoue
出版者
Tottori University Medical Press
雑誌
Yonago Acta Medica (ISSN:13468049)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.269-281, 2021 (Released:2021-08-24)
参考文献数
57
被引用文献数
11

Background This study aimed to examine the effects of nurses’ work–life balance (WLB), job demands and resources, and organizational attachment on their work engagement (WE). The second aim was to shed light on whether the relationships among WLB, job demands, resources, and WE are modulated by organizational attachment.Methods In total, 425 nurses working in a university hospital responded to the questionnaire. The primary statistical analysis method was hierarchical multiple regression with WE as the dependent variable.Results In the model in which all variables were applied, affective commitment (AC) (β = 0.41), family-to-work positive spillover (β = 0.25), and number of children (β = 0.13) were found to have a significant association with WE. Family-to-work negative spillover (FWNS) and AC had significant interaction effects. The result suggests that when AC was low, WE tended to decline further due to FWNS; however, when AC was high, WE did not change due to the effect of FWNS.Conclusion These results confirmed that to improve nurses’ WE, hospital organizations should implement initiatives to facilitate WLB that considers nurses’ household roles. Furthermore, high organizational attachment buffered the home’s negative influence on work, thereby helping nurses work energetically.
出版者
日本情報ディレクトリ学会
雑誌
日本情報ディレクトリ学会誌 (ISSN:18829252)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.10-15, 2021 (Released:2021-08-16)

2020年は世界的にコロナ禍に見舞われ、ライブ・エンタテインメントの業界は、大きな打撃を受け、インターネットを用いたライブ配信を行う動きが広がった。本論文では、ライブ配信ビジネスを行うために必要な、有料ライブ配信プラットフォームのビジネスモデルについて、ケースメソッドを用いて検討するとともに、定額制動画配信サービスのビジネスモデルとの比較により吟味した。 結果、有料ライブ配信プラットフォームのビジネスモデルにおいて、著作者との関係は、著作者が主であり、その主体的な著作者に対して、多様なサービスを提供していることがわかった。さらに、有料ライブ配信プラットフォームにおいては、大規模な配信を実現するという共通の目標に向けて、複数の有料ライブ配信プラットフォームによる協調的ビジネスモデルが選択されていることがわかった。
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.152-157, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
218 212

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子をKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本とする 培養液内に懸濁させ,5%CO2,95%空気,温度37°Cの条件で3~120分の種々の時間培養した後,体外受精に供した。卵子としてはHCG注射後16~17時間の過排卵卵子を用いた。その結果,体外に培養された精子は雄から採取直後の精子よりも早く卵子に侵入することが明らかとなり,in vitroにおいてマウス精子の受精能獲得が起こることが示唆された。追記: 本報の投稿後に知ったIwAMATSU&CHANGの最近の報告(J.exp.Zool.175,271,1970)によると,1)精巣上体精子は牛の卵胞液の存在下に授精後約1時間から卵子への侵入を開始し侵入率は授精後5時間まで漸増する。2)牛の卵胞液とともに3~4時間体外培養された精子は新鮮精子よりも早く卵子へ侵入する,ことが報じられている。前報の成績17)に比し侵入時期が早くなっているのは技術的な改良によると推察している。ただし,牛の卵胞液を用いずに精子を前処理する試みはなされていない。
著者
豊田 裕 横山 峯介 星 冬四郎
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
家畜繁殖研究會誌 (ISSN:04530551)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.147-151, 1971-06-25 (Released:2008-05-15)
参考文献数
19
被引用文献数
236 260

ICR-JCL系成熟雄マウスの精巣上体尾部から採取した精子と,HCG注射後16~17時間の成熟雌マウスの卵管膨大部から採取した過排卵卵子を用いて体外受精を試み受精の初期の過程を観察した。培養液としてはKrebs-Ringer-Bicarbonate液を基本としたものを用い,5%の割合で炭酸ガスを混じた空気の下に37°Cで1/2~5時間培養した。その結果,培養開始後30分では卵子への精子侵入(透明帯通過)は認められなかったが,1時間後には約23%の卵子に侵入がみられ2~5時間後に検査された331個の卵子の約94%に精子侵入がみられた。このうち卵細胞内に明らかに精子が認められ受精の初期の過程にあると認められたものは294個(88.8%)であった。
著者
Fumiaki Mori Tomoya Nishimura Taisuke Wakamatsu Takeshi Terada Yuki Morono
出版者
Japanese Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Soil Microbiology / Taiwan Society of Microbial Ecology / Japanese Society of Plant Microbe Interactions / Japanese Society for Extremophiles
雑誌
Microbes and Environments (ISSN:13426311)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.ME21031, 2021 (Released:2021-08-24)
参考文献数
22
被引用文献数
3

Microbial cell counting provides essential information for the study of cell abundance profiles and biogeochemical interactions with the surrounding environments. However, it often requires labor-intensive and time-consuming processes, particularly for subseafloor sediment samples, in which non-cell particles are abundant. We developed a rapid and straightforward method for staining microbial intracellular DNA by SYBR Green I (SYBR-I) to enumerate cells by flow cytometry (FCM). We initially examined the efficiency of microbial cell staining at various dye/sediment ratios (volume ratio of SYBR-I/sediment [vSYBR/vSed]). Non-cell particles in sediment strongly and preferentially adsorbed SYBR-I dye, resulting in the unsuccessful staining of microbial cells when an insufficient ratio (<1.63 vSYBR/vSed) of SYBR-I dye was present per volume of sediment. SYBR-I dye at an abundance of 10 vSYBR/vSed successfully and stably stained microbial cells in green fluorescence, while the fluorescent color of non-cell particles red-shifted to yellow-orange with the overaccumulation of SYBR-I dye. A low vSYBR/vSed ratio was quickly recognized by a colorless supernatant after centrifugation. At the appropriate vSYBR/vSed ratio, FCM-measured cell concentrations in subseafloor sediments were consistently similar to microscopy counts (>106 cells cm–3). Samples with low cell abundance (<105 cells cm–3) still require cell separation. This modified staining allows us to efficiently process and perform the microbial cell counting of sediment samples to a depth of a few hundred meters below the seafloor with a higher throughput and capability to scale up than procedures employing microscopy-based observations.
著者
阪口 公彬 川北 貴士 鈴木 千賀
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.93-96, 2018 (Released:2018-12-21)

本研究では、ベック津田β法、汚濁指数法を用いて、長野県飯田市阿智村に流れる阿智川・周辺の水辺を拠点とし、計測方法・考察を例に、地域マネジメントに寄与するべく水質調査の学習例案を提案したものである。実験は、阿智川その他3地点を拠点にし、同時期・時間・採集方法における水生生物を指数に用い、それぞれの計測指数に当てはめることで数値を測定した。調査では、調査地において6月に生育している水生生物を主な判断材料とし、ピンセットで捕獲できる大きさの個体のみを使用した。その結果、砂防ダム前を拠点とした川で2種の判定方法共に、水質は貧腐水性の数値が計測できた。ダム前という事で酸素の供給が絶えず行われており、林冠も見られ有機物の供給も豊富であると判断できた。また、底質環境からも多様性を高めている大きな要因と判断でき、水質階級Ⅰのカワゲラであるキカワゲラほか多数採集することができた。さらには、今回のこの調査結果をもとに、阿智川周辺の生物を基調とした水質判断シートを作成し、昼神温泉郷の旅客に配布することで人々が生物に興味を持つ機会を提供した。環境学習としての川・水質の保全への関心を高めるというその学習目的を地域環境マネジメントにも活用することが出来た。
著者
住友 直方
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.702-705, 2020-07-15 (Released:2021-07-16)
参考文献数
20