著者
長久 広 宮田 浩文
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.6, pp.357-367, 2019-12-01 (Released:2019-12-03)
参考文献数
62

Hypoxic condition of skeletal muscle is caused not only by hypoxia exposure but also by exercise and disease etc. It is thought that clarifying a mechanism of response to hypoxia in vivo is useful for developing better training methods and treatment strategies. However, at present, research dealing with the effects of hypoxic exposure on skeletal muscle have not shown consistent results. Hypoxic exposure results in angiogenesis or muscle atrophy as morphological changes in skeletal muscle. Applications of hypoxic exposure include intermittent hypoxic exposure and hypoxic training, both of which may lead to angiogenesis in a mechanism different from normal hypoxic exposure. In this review, we present some findings on the effects of hypoxia exposure on skeletal muscle and discuss whether satellite cells are involved in promoting angiogenesis by hypoxia.
著者
篠原 恒樹
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.142-146, 1978-03-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10
著者
冨岡 華代 北野 文理 北田 善三
出版者
日本食品化学学会
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.88-93, 2015-08-26 (Released:2017-01-27)
参考文献数
8

Cyanogenic glycoside, amygdalin (AM) and its degradation products, benzoic acid (BA) and benzaldehyde (BAL) in rose family plants were measured utilizing high performance liquid chromatography (HPLC). Liqueur was cleaned in an InertSep NH2 cartridge, and other samples were cleaned in an InertSep C18 cartridge and an InertSep NH2 cartridge. The three components were not detected in any sarcocarp. AM was detected in seeds of loquat, apricot and cherry in the range of 1.35〜28.80 mg/g, and BAL was detected at 0.48 mg/g in seeds of apricot. AM and BA were detected at 0.83 mg/g and 0.10 mg/g in tea processed from loquat seed.
著者
真野 俊和
出版者
特定非営利活動法人 頸城野郷土資料室
雑誌
頸城野郷土資料室学術研究部研究紀要 (ISSN:24321087)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.1-25, 2016 (Released:2019-04-20)
参考文献数
15

日本近世の都市、特に藩政の中心となったいわゆる城下町には、寺町とよばれ、多数の寺院が集中 する地区が設けられていることが多い。本稿で事例としてとりあげた越後国高田もその一つである。 高田は一七世紀初頭、それまで原野またはせいぜい農耕地にすぎなかった場所に突然出現した、完全 人工の近世都市である。その西の一角に寺町が設定され、ある時点では本坊・子院をふくめて一六二 もの寺院が集まっていたと推定される。本稿で論じようとしているのは、寺町の構成や設立過程など ではなく、高田という町および周辺の村々の社会の狭間に現れた、寺町という地域そのものの性格の ありようである。城下町全体は武士の居住地、一般町民の居住地、そして寺町という三つの空間に領 域化されており、それぞれに固有の機能を担っていた。このうち寺町のそれを筆者は、Ⅰ信仰・参詣 の対象としての寺町、Ⅱ娯楽の場としての寺町、Ⅲ社会的な福祉機能を担う寺町、という三つの視点 から追究した。すなわち寺町の意義とは宗教に特化した単なる機能分担にとどまるものではなかった。 他の二つの領域がもっぱら、日常を維持するために必要な政治的・経済的目標達成および全体統合と いう役割を担っていたのに対し、寺町の役割はそれらのどれとも異なっていた。やや抽象的な表現を とるならば、日常性の過程で生じる諸葛藤の緩和、およびさまざまな制度の機能不全がもたらす危機 的状況の回避、という二点に集約できるであろうと筆者は考えている。
著者
肥後 温子 和田 淑子 佐藤 之紀
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.562-571, 2012-11-15 (Released:2012-12-31)
参考文献数
25
被引用文献数
4

生地の配合割合を変えてガスオーブン加熱法とマイクロ波併用加熱法でクッキー様焼成品を作製し,調湿保存して力学特性値の変化を調べたところ,マイクロ波加熱を含めた糊化度の高い試料では吸湿時にさらに硬化が助長されて最大破断強度,総エネルギー値が大きくなり,強靭な硬さになるとともに硬化領域が拡大する現象がみられた.吸湿時の硬化現象と水のクラスとの関わりを吸着および脱着時の収着曲線を解析して調べたところ,脱着時のWm,MC量の方が力学特性値との相関が高く,力学特性値の変化と水のクラス変化とがよく一致することがわかった.力学特性値とWm,MC量との間に高い相関関係が認められたことから,デンプン性食品が吸湿後に強靭な硬さを保持し硬化領域が拡大する要因の一つは糊化に伴う結合水量の増加である可能性が大となった.糊化した試料ほどWm,MC量が多く,吸湿時に脆性破断状態が保持されるR.H.7.6~43 %はすべてWm領域に入ること,R.H..56 %から延性破断となり,糊化度が高い試料ではR.H.56~88 %まで硬化領域が拡大すること,硬化した領域はすべてMC領域に入ることが明らかになった.
著者
Jonathan deHaan Fumiya Kono
出版者
Digital Games Research Association Japan
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.47-59, 2010 (Released:2021-07-01)
被引用文献数
9

この研究では、ゲームの双方向性が語彙習得に有効か否かを検証した。この実験では、日本の大 学生46人を、ゲームと英語の習熟度別に二人一組にし、一方の学生に市販の英語ミニゲームを10分間やっ てもらい、他方の学生にその様子をモニターで見ているよう指示した。このゲームの後で両方の学生に 同一内容の語彙想起テストを行い、認知的負荷(すなわち費やした知的努力や感じた困難さの程度)を 測定した。さらに、1週間後に再び語彙想起テストを行った。ゲームをした方も見ていた方も、英語の 語彙を記憶していたが、覚えていた語彙の数はゲームをした学生の方が少ない結果となった。これはゲー ムの双方向性が招いた認知的負荷によるものと考えられる。言語学習による教育ゲームの研究、デザイ ン、教授法、学習に対する影響を述べる。
著者
Brandon J. Bethel Kelly Dusabe
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
pp.2021-028, (Released:2021-08-25)

Precipitation in East Africa has the potential to enrich the lives of or bring ruin to millions of people that rely heavily on agriculture. Precipitation itself is in turn reliant on regional and extra-regional factors. The Indian Ocean Dipole (IOD) is such a factor and in this paper, its influence on the short rains that occur from October to December is studied through a quantitative assessment of information flow (IF) between the Dipole Mode Index and stations scattered throughout Burundi, Rwanda, and Uganda. Although it was initially thought that the African Great Lakes would have had an effect on the sensitivity of a given station's precipitation to the IOD, clear patterns on which stations were most sensitive or insensitive to IOD activity could not be properly identified. This is perhaps due to the plethora of atmospheric and topographic factors that contribute to local precipitation and as such, additional research is strongly encouraged to elucidate the reason, if any excluding statistical artifacts, for observed discrepancies.
著者
高橋 年光 茂田 士郎
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.5-8, 1997-06-10 (Released:2010-07-21)
参考文献数
5

職場における作業衣等の除菌・消臭・除塵・乾燥を目的に開発された遠赤外線を用いた装置であるクリーンキャビネット (インフラクリーン) について, その除菌効果を検討した. 107~108 colony forming units (cfu) /mlに調整したEscherichia coli, Pseudomonas aeyuginosa, Staphylococcus amus (MRSA) および104~105cfu/mlに調整したCandida albicansの菌液0.1mlを滅菌した試験布に接種し, 室内およびインフラクリーン内に放置した. そのあと, 放置直後と4時間後, 8時間後に試験布に付着した菌数を定量し, その除菌効果を比較検討した. インフラクリーン内に置かれた試験布に付着した菌数は, E.coli, P. aeyuginosaおよびC.albicansが4時間後2.5×102cfu/ml以下へ, MRSAは4時間後7.5×102cfu/mlまで減少し, 8時間後には2.5×102cfu/ml以下となった. 一方, 室内に置かれた試験布に付着した菌数は8時間後においてもE.coliが1.3×103cfu/ml, P. aeruginosaが5×103cfu/ml, MRSAが7.5×103cfu/ml, C. albicansが5×102cfu/mlであった. すなわち, インフラクリーン内に4時間放置すると付着菌は102-104cfu/ml以上減少したが, 室内に放置した場合には8時間後でも10-103cfu/ml減少したにすぎない. この結果より, 遠赤外線を利用した装置であるインフラクリーンには明らかに除菌効果があることが確認できた.
著者
岩橋 和彦 洲脇 寛 大西 純一 細川 清
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.271-274, 1993-10-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
7

骨萎縮性病変発生機序解明の一助としてカルシウム代謝に重要な役割を果たすビタミンD3活性化酵素シトクロムP-450D25の酵素活性における抗てんかん薬の影響について調べた。in vitroの実験においてフェニトインはラット肝臓のミクロソーム系およびミトコンドリア系のP-450D25の酵素活性を阻害することが判明し, しかもミクロソーム系のP-450D25については競合阻害であった。一方バルプロ酸はどちらの系においても阻害作用はほとんど見られなかった。また両薬物をWistarラットに2ヵ月間大量に皮下注射したところ, フェニトインによるミクロソーム系P-450D25の著明な誘導がみられた。以上よりフェニトインはシトクロムP-450D25を介してビタミンD3, さらにはカルシウム代謝に影響を与える可能性があることが判明した。
著者
大久保 翔太 正田 純 ゴン 志豪 佐々木 健
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2017年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.549-550, 2017-03-01 (Released:2017-09-01)

非音声である環境音の認識技術はセキュリティシステムやビデオのシーン解析などにおいて需要が高まっている.本研究では認識対象として定常的に流れる水の音を選び,スペクトログラムに現れるパワーの大きい領域を抽出し, その出現頻度と分布を音の特徴量として分析した.その結果、スペクトルの強い領域の周波数帯、間隔において他の音との差異がみつかった.
著者
黒川 秀子
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第88集 公共性と効率性のマネジメント─これからの経営学─ (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F27-1-F27-7, 2018 (Released:2019-06-17)

CSRについては1990年代から活発な議論が展開され,2000年代以降,理論面,実務面ともさらに進化,深化し続けている。第91回日本経営学会大会のキーワードは統一論題とサブテーマに示されている通り,公共性と効率性であり,CSRはまさに現代企業の持つ公共性と効率性の二面性を照射する。ところで,「企業の社会的責任」という問題は,1960年代から70年代にも大きく取り上げられ,そのブームはしばらく続いたとされる。 本稿では,1970年代の「企業の社会的責任」論の展開と2000年代以降の「CSR」論の展開を比較し,CSRに対する意識の変遷を辿るとともに,CSRの本質を探ろうとした。 谷本,宮坂の論考から,前者は「経営者の社会的責任」が,後者はビジネスエシックスとステイクホルダーセオリーを契機として「企業自体の社会的責任」が問われ,そのことが前者がブームで終わった理由であり,前者と後者の相違点であることが理解された。 また,現在のCSRを取り巻く問題点として,制度と実態の乖離,各種機関,機関投資家,アドバイザーの存在とCSRの宣伝広告性,「CSR=社会的責任」における「責任」の理解,の3点が考えられた。
著者
田中 弥生
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.433-437, 2017-04-01 (Released:2017-05-17)
参考文献数
9

ARDS (acute respiratory distress syndrome)で代表される急性呼吸不全や慢性呼吸不全増悪患者に対する管理において,栄養管理は重要な治療と認知されている.侵襲度の高い重症患者で,人工呼吸で換気とガス交換を維持し,疾患に対する根本的な治療を行い,患者が回復するまでの間,適切な栄養管理を施行することが重要である.組織の修復,免疫能力の安定,ガス交換の改善,炎症の軽減,感染自己防御などの維持・賦活も期待されている.回復に至るまでの間,栄養状態を安定させることが生死を左右させるといっても過言ではない.また,人工呼吸管理チームは医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床工学技士,理学療法士,など多職種により構成されることが望ましい.
著者
藤井 保和 久須美 俊一 福谷 隆宏 岩井中 篤史
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.10, pp.1073-1079, 2004 (Released:2005-01-01)
参考文献数
22

This paper proposes an arc contact loss rate estimating method for Shinkansen trains with pantographs connected to bus cables. For the speedup of Shinkansen, it is necessary to judge whether the contact loss rate exceeds its standard value. As the standard of contact loss rate is provided from the viewpoint of contact strip wear caused by arcs, it is important to measure the amount of arc. The optical type contact loss measuring method which detects the contact loss by arcs is suitable for this purpose. It is difficult, however, to measure contact loss by this method in the daytime, because of the influence of outdoor light. To solve the above problem, we have developed an arc contact loss rate estimating method by using a contact loss simulation program on the basis of the complete contact loss rate measured by the current type contact loss measuring method which is effective in the daytime. Furthermore, we measured the contact loss rate simultaneously by the current and optical type contact loss measuring methods in the running tests of Shinkansen trains, and confirmed the validity of this estimation through a comparison of measured and simulated results.
著者
首藤 若菜
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.152-164, 2013-10-30 (Released:2018-02-01)

本稿では,男女がともに仕事と生活を両立させながら職業生涯を通じて働き続けられる社会をどう構築できるかについて,3つの文献を取り上げて議論する。日本で男女の経済格差がなかなか縮小しない要因は,企業,家庭,社会経済制度が女性の就労継続を妨げる方向で,相互依存的に存在しているためである。本稿では,この問題意識のもと,まず家庭内性別分業と女性の働き方の変化を国際比較した研究と日本の社会制度を男性稼ぎ主モデルの視角から分析した研究を紹介する。両文献から,女性の就労を妨げることが,いかなる社会問題を生み出すのかを把握する。そのうえで,性に中立的な雇用のあり方として,同一価値労働同一賃金制度を提起した文献を取り上げる。いわゆる職務給型の雇用システムへの変更が,男女の賃金格差縮小や女性の就労継続を促進しうるかどうかを論じ,その可能性を探る。
著者
谷口 彌三郎
出版者
日本民族衛生学会
雑誌
民族衛生 (ISSN:03689395)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.477-541, 1960 (Released:2010-11-19)
被引用文献数
1 1