著者
小林 可夢偉 今宮 雅子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネスassocie (ISSN:13472844)
巻号頁・発行日
vol.9, no.21, pp.72-76, 2010-12-21

世界18カ国、全19戦で争われた2010年のF1世界選手権。初のフルシーズン参戦、年間成績8位の中堅チームに所属する小林可夢偉の活躍に今、世界中のファンが注目している。追い越しが困難な今日のF1で多くのマシンを抜き去ったドライバーは、ライバルからも「模範的」「レースを活気づけた」と高く評価される。

12 0 0 0 OA 指鬘外道 : 戯曲

著者
白蓮 著
出版者
大鐙閣
巻号頁・発行日
1920
著者
門田 幸二
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

ウェブサイト「(Rで)塩基配列解析」は、主に塩基配列データや遺伝子発現データ解析をフリーソフトウェアRで効率的に行うための包括的な情報サイトである。本研究は、ウェブサイト (Rで)塩基配列解析の安定的な提供を目指し、①情報更新および②情報拡充を行うことを目的としている。今年度も昨年度に引き続き、文言の表記ゆれやリンク切れの修正、新規項目や最新プログラムおよび原著論文の追加といった地味な作業を中心に行った。特にsingle-cell RNA-seq (scRNA-seq)解析関連の項目を重点的に追加したが、この過程でこれまでbulk RNA-seqの論文中で報告済みのいくつかの事柄が無視されていることに気づいた。具体的には、「bulk RNA-seq用に開発された"有名な"データ正規化法」を「発現変動遺伝子数やその群間での偏りが非常に大きいscRNA-seq用に開発されたデータ正規化法」と比較し、後者のほうがよいと結論付ける高インパクト論文を発見した。一見まともそうなロジックに思えるが、実際には「発現変動遺伝子数やその群間での偏りが非常に大きい場合にも対応可能なbulk RNA-seq用の頑健なデータ正規化法」は存在する(がそれとの比較がなされていない)。また、scRNA-seqをbulk RNA-seqと区別する大きな特徴として、ゼロカウントのデータの多さ(ゼロ過剰)もしばしば強調されている。しかしながら、おそらく最初にゼロ過剰の特徴について報告がなされたのは、2013年のbulk RNA-seq用カウントデータモデル論文である可能性が高い。これらの調べた限りの事実関係を論文にまとめた(投稿中)。他には、多群間比較時に発現変動パターンの同定まで行う場合のガイドラインに関する要望が寄せられていたため、推奨解析ガイドライン論文を公開した(Osabeら, 2019)。
著者
塚脇 涼太 新入 智哉 平川 真 深田 博己 樋口 匡貴
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.10, pp.321-327, 2010

本研究では, メガネの着用が対人印象に及ぼす影響を検討した。実験参加者は大学生24名であった。実験計画は, メガネ要因(黒のセルフレーム, 銀のメタルフレーム, サングラス, メガネ着用なし)を独立変数とする1要因4水準の実験参加者内計画であり, 男子学生の上半身を撮影したカラー写真(3タイプのいずれかのメガネを着用, もしくは着用なし)4枚について, 形容詞対による印象の評定を行った。黒のセルフレームのメガネは, 社会的望ましさを高めるが, サングラスは低めることが示された。また, サングラスは活動性を高め, 穏和性を低めることも示された。これらの結果から, メガネの着用が影響を及ぼす対人印象は, メガネのタイプによって異なる可能性が示唆された。

12 0 0 0 OA 食道楽

著者
村井弦斎 著
出版者
報知社
巻号頁・発行日
vol.続編 春の巻, 1913
著者
金井 嘉宏 入戸野 宏
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.131-141, 2015-03-31 (Released:2015-04-04)
参考文献数
22
被引用文献数
2 6

本研究の目的は,人間や動物の赤ちゃん,およびキャラクターやモノに対する“かわいい”感情を共感性や親和動機によって予測するモデルを構築することであった。582名の大学生に対して,多次元的共感性尺度,親和動機尺度,各対象に対する“かわいい”感情の評定尺度で構成される質問紙調査を行った。モデルに性差が見られるか検討するために多母集団同時分析を行った結果,人間や動物の赤ちゃんだけではなく,モノに対する“かわいい”感情も共感性が予測することが示された。モデルに性差はなく,共感性が高いほど,これらの対象に対しては“かわいい”感情を抱きやすいことがわかった。親和動機は人間の赤ちゃんに対する“かわいい”感情のみ予測した。一方,キャラクターに対する“かわいい”感情は共感性,親和動機のいずれによっても予測されなかった。社会的動機としての親和動機に加えて接近動機を測定し,共感性や“かわいい”感情との関係を調べる必要性が議論された。
著者
有賀 暢迪
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.322-325, 2018-05-05 (Released:2019-02-05)

歴史の小径誌上展示・理化学研究所の歩み1917~48年
著者
福永 津嵩
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.3-11, 2020 (Released:2020-10-05)
参考文献数
66

大規模な生命情報データの表現方法として、サンプルを行、計測した各要素を列とする行列形式は典型的な表現方法である。またこの行列データから相関関係や依存関係にある列のペアを検出する解析は、一般的なデータ解析手法であるといえる。この相関関係や依存関係を定量化する手法として、相関係数や相互情報量といった指標がよく利用されるが、これらの指標は擬似相関や偽陽性を多く検出する危険があることが知られている。近年では、このような偽陽性を防ぐための手法として生成モデルに基づくアプローチが利用されており、特にデータのとる値が離散(カテゴリカル)である場合は逆イジング法と呼ばれる。本総説では、この逆イジング法のモデルとパラメータの学習方法、およびタンパク質構造解析を中心とした生命情報データ解析への応用例について紹介し、今後の展開について議論する。

12 0 0 0 OA 想像された都市

著者
上杉 和央
出版者
人文地理学会
雑誌
人文地理学会大会 研究発表要旨 2002年 人文地理学会大会 研究発表要旨
巻号頁・発行日
pp.000012, 2002 (Released:2002-11-15)

本居宣長(1730年から1801年)は国学者として著名である.彼は,まだ学問世界に身を置く23歳よりも以前から,多くの書物を読んでいるが,同じ頃,地図とも戯れていたことはほとんど知られていない.宣長は,15歳から23歳にかけて,6枚の地図を作製しているが,それらは既存図の単なる模写ではなく,彼独自の地理認識が表現されたものとなっている.その中でも,特に異彩を放っているのが「端原氏城下絵図」(本居宣長記念館蔵)と称される作品である. この図には端原氏の治める城下町が描かれている.端原氏とは何者か.実は本居宣長が創りあげた架空の氏族である.地図とは別に,宣長は (架空の)神代に端を発する端原氏の系図,および端原氏15代当主宣政時代の家臣256氏の略系図が記載された「端原氏系図」(本居宣長記念館蔵)と呼ばれている系図も作成しており,この宣政の治める城下町が描かれているのが「端原氏城下絵図」である.法量は51.7cm×72.0cm.裏面に「延享五ノ三ノ廿七書ハジム」とあり,19歳の頃,作製されたことが分かる.彩色は全体には施されていないが,端原氏に関する建造物の一部には朱が用いられている.街路や屋敷割,周辺部に至るまで精緻に描かれ,また系図中の人物がその住所どおりにほぼ矛盾なく記載されるといった芸の細かさである.部分的に空白もあり,もしかすると未完成であったのかもしれないが,全体としてこの地図の凝った趣向には圧倒させられるものがある. 構図をみてみると,一見して「京都図」に似ていることがわかる.当時,すでに京都図は林吉永を始めとする諸版元から売り出されていたが,その構図ははほぼ一定であった.これらの刊行図は北が上として描かれているが,東を上にして見た場合,「端原氏城下絵図」と京都図の構図は非常に類似したものとなる.系図についても王朝時代が意識されたものとなっており,京都という舞台が意識されていたことは明らかである.この頃の宣長は,京都に関する記事をあちこちから抜書した書物や,洛外図などを作成/作製しており,京都に対して強い憧憬の念を抱いていた.実際,京都に赴いたこともあり,これらを勘案すると京都図を見ていた可能性は極めて高い. 次に,「端原氏城下絵図」の都市と近世の実際の都市とを比較するため,矢守氏の提示された「城下町プラン」をもとに検討していく.矢守氏がパターンの析出に用いた,城内・侍屋敷地区・下士の組屋敷地区・町屋敷地区・囲郭といった指標をもとに,「端原氏城下絵図」を分析すると,この都市は「郭内専士型」に分類することができる.ここから,宣長の都市形態の理解のひとつに,このような「郭内専士型」という形態があったことが理解される.近世城下町は,それぞれの城主の意図にもとづいて都市が形成されたものである.その意味で,矢守らの分析する「城下町プラン」は支配者側の都市理念ないし都市認識の抽出であろう.しかし,それが市井の町人にどのように認識されていたのかは,あまり明確ではない.この意味で,町人である宣長が空想の都市を「郭内専士型」に描いたことは興味深い. 「郭内専士型」は近世城下町に広く見られる形態のひとつとされるが,当時の宣長がそのような一般的状況を理解して描いたとは考えにくい(第一,この分類は近代の所産である).それでは,宣長は何をもとに,この形態を思いついたのか.京都や江戸の旅行中に赴いた都市である可能性もあるが,やはり,矢守が「郭内専士型」の代表として挙げた都市,そして宣長が生活していた都市,松坂の影響であろう.宣長は日常生活を営む中で,武士と町人の住居地が区別されていることを,自然に受け止めていた.架空の都市を描く際,この日常経験にもとづく都市形態の認識が反映したと考えられる.「端原氏城下絵図」に描かれているのは,架空の都市である.しかし,宣長がまったくのゼロから創りあげたわけではない.彼の京都への憧れ,そして日常生活における都市空間の認識といったものが基礎となっている.さらに,宣長は「郭内専士型」といった支配者側の理念を(おそらく無意識のうちに)受け止めていることも重要であり,個人的な体験や志向性とともに,近世という時代的なコンテクスト,そして空間的なコンテクストの中で,「端原氏城下絵図」は想像/創造されたのである.
著者
チャン レニー
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成27年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.29, 2015 (Released:2015-08-24)

【目的】サンマのエイコサぺンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)(それぞれ心臓病予防、脳機能改善に効果がある)は加熱調理により減少するとの報告があるが、その減少メカニズムに関する詳しい研究は行われていない。本研究の目的は、3つの調理方法(フライ・グリル・フライパン調理)において、調理後のサンマのEPAとDHAの保持率を測定し、その減少メカニズムを明らかにすることである。【方法】サンマを3つの調理方法を用いて、中心温度が75、85、95°Cになるまで加熱した。サンマの温度は、中心等の6か所(可視化のための分布計測時は最大23か所)を熱電対により測定した。化学分析では、調理前後のサンマのEPA・DHA成分と脂質酸化の程度(カルボニル・TBA値)を測定した。【結果】フライ、グリル、フライパン調理時のEPA保持率はそれぞれ 43、77、91%であり、DHAではそれぞれ48, 75, 99% であった。各調理方法において、中心温度の違いによる保持率の有意差はなかった。フライ調理時は、サンマの表層部の温度は調理開始後すぐに約200°C(EPA・DHAの分解温度)に達し、表層部にEPA・DHAが最も多く存在することから、主な減少メカニズムは加熱分解であると考えられる。一方、グリル調理時は、EPA・DHAが多く含まれる脂が多く飛散しており、脂の飛散が保持率低下の主な要因であることがわかった。フライパン調理時は、保持率が最も高かった。脂の飛散が少なく内部温度はフライ調理時ほど高くないことが、その要因と考えられる。調理方法の違いによる、脂質酸化の測定結果に有意差はなかった。EPA・DHA保持率は、フライ>グリル>フライパン調理の順であり、減少メカニズムはそれぞれ脂の飛散と加熱分解(両方少量)、脂の飛散、加熱分解と考えられる。
著者
林 衛 大瀧 慈 髙橋 博子 小山 美砂 森松 明希子 藤岡 毅 瀬川 嘉之 八巻 俊憲

科学技術社会論学会 第19回年次研究大会, 日程:2020年12月5日(土)~6日(日), 会場:遠隔会議システムによるオンライン開催
著者
KAWABATA Yasuhiro YAMAGUCHI Munehiko
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
pp.2020-042, (Released:2020-05-18)
被引用文献数
2 3

The effectiveness of the probability ellipse for tropical cyclone (TC) track forecasts is investigated with multiple ensembles from the Japan Meteorological Agency (JMA), the European Centre for Medium-Range Weather Forecasts, the U.S. National Centers for Environmental Prediction, and the Met Office in the United Kingdom. All TCs during the 3 years from 2016 to 2018 are included in the verification. We show that the multiple ensembles composed of these four global ensembles are capable of predicting the situation-dependent uncertainties of TC track forecasts appropriately in both the along-track and cross-track directions. The use of a probability circle involves the implicit assumption of an isotropic error distribution, whereas the introduction of the probability ellipse makes it possible to provide information as to which is more uncertain; the direction or the speed of TC movement. Compared to the probability circle adopted operationally at JMA, the probability ellipse can potentially reduce the area by 16, 15, and 24 %, on average, at forecast times of 3, 4, and 5 days, respectively. This indicates that narrowing warning areas of TC track forecasts by the probability ellipse enables us to enhance disaster prevention/mitigation measures.

12 0 0 0 OA 共同研究の趣旨

著者
島岡 まな
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.1-5, 2014-08-30 (Released:2020-11-05)
著者
中山 秀紀 樋口 進
出版者
大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
雑誌
子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.11-16, 2020 (Released:2020-09-24)
参考文献数
41

近年インターネットやゲームの依存的使用が重大な問題になっている.特にゲームの問題使用に関しては,インターネットゲーム障害(IGD)や,ゲーム障害(症)として,DSM-5やICD-11の中の診断基準に盛り込まれるようになった.そして思春期世代のIGDが疑われる人は1.2–5.9%の間と推計されている.インターネットやゲームの依存的使用は,注意欠如多動性症や精神症状の悪化,睡眠問題との関連が指摘されている.治療として,認知行動療法などの心理・精神療法や,合併精神疾患(発達障害)に対する治療,また心理療法やアクティビティなどを組み合わせた治療キャンプなども試みられている.特に発達障害やその傾向にある人ではリスクが増大するようであり,保護者等への啓発や療育の役割は大きいと考えられる.子どもたちの健全な育成のために,多くの関係諸機関が連携して予防的,治療的取り組みが進められることが望まれる.