著者
秋野 順治 望月 理絵 森本 雅之 山岡 亮平
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.39-46, 1996-02-25
参考文献数
6
被引用文献数
2 34

アリ類25種との共生が知られているアリヅカコオロギ<i>Myrmecophilus</i> sp.は,敏捷性によって働きアリからの攻撃を免れている。さらに加えて,アリ類の同巣認識フェロモンである体表炭化水素組成比を化学的に擬態することによって,働きアリを欺いていることが明らかになった。コオロギが擬態によって獲得したアリ体表炭化水素成分量は,コオロギをアリから隔離して単独飼育すると減少した。このことは,アリ体表炭化水素成分をコオロギが奪取することによって,アリヅカコオロギのアリに対する化学擬態が成立する可能性を示唆する。また,アリ体表炭化水素を触角で認識する,あるいは舐め取るだけでは,アリヅカコオロギはアリ体表炭化水素組成を化学擬態することができなかった。これらの結果から,直接的な体の接触が化学擬態を成立させるための主要因として作用しているものと考えられる。
著者
古川園 智樹 石元 龍太郎 小林 慶太 笠井 賢紀 赤松 正教 井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.85, pp.99-106, 2004-08-05
被引用文献数
1

本論文の目的は、成長するネットワーク上で社会・経済シミュレーションを行う ための基盤を構築することである。まず、ネットワーク形成のシミュレー ションにマルチエージェント・モデルが有効であることを示した上で、成長す るネットワークにおける代表的な3つのモデルを再現する。再現するモデルは、「ランダム選択成長モデル」、「優先的選択成長モデル」、「適応度を付与した優先的選 択成長モデル」である。さらに、社会・経済シミュレーションへの拡張が容易 であることを示すために、成長するネットワーク上での情報伝播のシミュ レーションを行う。The purpose of this paper is to construct the basis of the social and economic simulation on evolving network. To achieve the purpose, we first suggest that multi-agent model is useful in simulating network formation and second replicate three typical models of evolving network.The models are ``random network model'' , ``scale-free network model'' and ``fitness network model''. Finally, we simulate ``information propagation model'' on evolving network and demonstrate that it is easy to expand multi-agent model on evolving network to social and economic simulation.
著者
吉田 武大
出版者
関西国際大学
雑誌
教育総合研究叢書 (ISSN:18829937)
巻号頁・発行日
no.5, pp.103-111, 2012-03

本稿では,アメリカにおけるバリュールーブリックの活用動向について,実践事例の紹介を通じて明らかにすることを目的としている。検討の結果,次の5点が明らかとなった。第1に,評価規準を作成する際に,客観的な表現を使用したということである。第2に,評価の観点で示された能力を身につけていない評価基準としてレベル0を設定したことである。第3に,学士課程教育段階の学生に通常想定される能力を超えるような評価規準を設定しないということである。第4に,個々の授業のねらい等に応じて評価の観点の一部を見直したということである。そして第5に,これらの4点を踏まえ,授業で使用する学習教材それぞれについて,事前に評価の観点を細かく設定することで,書き換えたバリュールーブリックを活用する意義がより明確になるということである。
著者
高山 正也
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.428-433, 2012
参考文献数
7

2011年4月1日を期して公文書管理法が施行された。この法律がつくられたのは年金記録や自衛艦航海日誌などの杜撰な扱いが社会の注目を集め,長年にわたり関係者からの公文書管理体制の整備の声を無視し続けた行政当局も何らかの対応の必要性に迫られた結果であった。しかし公文書の管理という事象は日本の行政面を中心とする文化を集約している。一つの法律で長年にわたり培われた文化が変わるものではない。そこで,本稿では日本の公文書管理体制,公文書の実態,公文書による行政情報の管理等の諸問題についてその従来の状況と法律による是正策と現状での業務紹介の一端として東日本大震災における水損公文書の復旧支援活動のあらましを概観する。
著者
全国味噌技術会
出版者
全国味噌技術会
巻号頁・発行日
1968
著者
新倉俊一著
出版者
慶應義塾大学出版会
巻号頁・発行日
2004
著者
大澤 聡
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.78, pp.109-127, 2011-01-31

This article analyzes the genre of jinbutsu hyoron [articles written about notable figures], specifically during the surge of its popularity in Japanese journalism during the early 1930s. By this time, the democratization of the publication industry that began in the late 20s had reached its peak and the journalism had fully matured. These developments, however, spurred editors toward an unprecedented reliance upon the celebrity of those who wrote for their publications, a policy that was also in line with efforts to make commentary more appealing and accessible to the general reader who lacked basic knowledge. As a result, it could be said that the reader in turn consumed not the content of the text but the very name of the author who wrote the text. At the center of this article is an analysis of this form of consumption, which I refer to as "name consumption." Jinbutsu hyoron became popular as a genre that manifested this motive for publication. This analysis gathers samples of jinbutsu hyoron that have hitherto been ignored, as well as samples of related discourse, from literary magazines, mass magazines, and newspapers of the time and, while comparing them against each other, demonstrates the reality and the perceptions surrounding the representations of notable figures. First, I delineate the basic format and stances of works of jinbutsu hyoron. Next, taking into account the linguistic context of the reader, I analyze the conditions of reception of these works by relating them to the publication environment at the time. Lastly, by also taking a look at cartoon articles, which were equally popular during this period, I attempt to establish a more multi-faceted understanding of "name consumption." Overall, this article seeks to shed light on the way celebrity was a driving force in the structure of journalistic discourse in the 1930s.
著者
伊藤 亮 村瀬 聡美 金井 篤子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.181-190, 2011-04-20 (Released:2011-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

本研究の目的は,過敏性自己愛傾向がふれ合い恐怖心性に及ぼす影響について,対人恐怖心性との比較から検討することであった。専門学校生,大学生,大学院生443名を対象に,ふれ合い恐怖心性,対人恐怖心性,過敏性自己愛傾向を測定する自己愛的脆弱性尺度からなる質問紙を実施した。パス解析の結果,自己愛的脆弱性尺度の下位因子である目的感の希薄さと自己顕示抑制の高さがふれ合い恐怖心性と対人恐怖心性の両者を高めていることが示された。しかしながら,承認・賞賛への過敏さの高さは対人恐怖心性を高め,自己緩和不全の低さおよび潜在的特権意識の高さはふれ合い恐怖心性を高めるという相違点が見出された。これらの結果から,両心性の背景には共通して過敏性自己愛傾向が潜んでいるものの,承認・賞賛の過敏さ,自己緩和不全,潜在的特権意識の過敏性自己愛傾向の下位側面のあり方によって,現れ方が異なってくる可能性が示唆された。
著者
川村 秀憲 鈴木 恵二 山本 雅人 松原 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.642-648, 2010-06-15
被引用文献数
4

近年,観光はさまざまな分野で注目を集めている.団塊の世代が退職し余暇として観光に出かけているのはもちろん,日本の重要産業としても観光は存在感を増している.経済規模や関連産業も大きく広がっている.学術的な観点から見ると,観光の文化的側面や歴史についての研究はなされているが,工学的な研究対象としてはどこか避けられてきた感があった.しかし,インターネットやモバイルの普及が一巡し,情報技術がどうやって人々の幸せをプロデュースするかが重要な課題の1つとなっている今,観光について情報技術の観点から研究することの意義は深い.本稿では,観光情報学を概説するとともに国内外の研究動向について解説する.
著者
大畑 昇 岡本 健
出版者
北海道大学ピア・サポート活動報告書編集委員会 (岡本 健・松田康子)
巻号頁・発行日
2011-03-31

ここでは、ピア・サポート室の生みの親である、大畑昇先生から、ピア・サポート室設立の経緯や、ピア・サポートによせる想い、そして、期待などをうかがった記録を、ピア・サポーター初代代表の岡本が整理した。
著者
冨岡 達治
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.256-261, 2009-06-01

本稿では,「外国雑誌」という資料を取り扱う上での基本事項を整理する。外国雑誌の購入業務は商習慣の違いが大きな壁となるが,図書館では代理店を仲介することにより,その差を吸収してきた。雑誌は継続的な購読が前提となっているため,年間スケジュールが比較的はっきりしており,期限に間に合うように必要な処理をすることが重要である。また,購読予約後はキャンセルが難しいため,事前の情報収集が欠かせない。さらに,契約データとして保持すべき情報や日々のチェックイン業務に際し,未着・欠号管理や他の業務と連携する上での留意事項についても触れる。
著者
近藤 みゆき 日比野 久美子 三田 弘子 宮澤 節子
出版者
名古屋文理大学
雑誌
名古屋文理大学紀要 (ISSN:13461982)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.137-143, 2011-03-31
被引用文献数
1

本学食物栄養学科では,平成20年度愛知県農林水産部食育推進課募集による「学園で食育・モデル事業」に採択され,「三世代を紡いでいくイキイキ健康クッキング」というテーマで,幼稚園児とその母親(保護者)と高齢者を対象に食育講座や料理教室,講演会という手法で活動を行った. ここでは,幼児の食生活の実態を報告する.平成20年6月N 市のS 幼稚園年長児109名の母親(保護者)に対して園児の食生活に関するアンケート調査を行った.この結果,朝食は「毎日必ず食べる」が96%,間食については「ほとんど毎日1回以上食べる」が9割以上をしめていた.食べ物の好き嫌いについては「少しある」「ある」が73%と多く,嫌いな食べ物は野菜やきのこ,牛乳が高率であった.食育については,幼児期までに始めるべきとの回答がほぼ10割で,「今よりよりよくしたいが時間的に難しい」が7割を超えた.
著者
森 暢平
雑誌
コミュニケーション紀要
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-22, 2006-03
著者
今村 弘樹 藤村 誠 黒田 英夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 : 映像情報メディア (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.550-554, 2007-04-01

In conventional methods of dividing peakes in histograms, in advance, we have to know the number of peaks in a histgram. By using the weighted sequential fuzzy cluster extraction whose condensation is redefined for dividing peaks in histograms, we can divide peaks when the number of them is unknown.