著者
佐々木 雅幸
出版者
大阪市立大学
雑誌
季刊経済研究 (ISSN:03871789)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.41-56, 2012-03
著者
中村 健之介
出版者
日本ロシア文学会
雑誌
ロシヤ語ロシヤ文学研究 (ISSN:03873277)
巻号頁・発行日
no.11, pp.60-72, 1979-10-10

Czeslaw Milosz's essay "Dostoevsky and Swedenborg" in his book "Emperor of the Earth" (Univ. of California P. 1977) interests us in the following two points: 1) the essay has made it sufficiently clear that Dostoevsky as a religious thinker had "the so-called scientific Weltanschaung". This fact helps us to understand without embarrassment Dostoevsky's materialistic reasoning as to the theological problems such as "Resurrection" or "the Other World". 2) C. Milosz finds Gnostic way of thinking in Dostoevsky's Christology, which can be tracted back through Saint-Simon and Fourier to Swedenborg. Here also, we feel, Milosz has shown a keen historical insight into the somewhat heretical Christology of Dostoevsky.
著者
菅 靖子
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.11-20, 2004-09-30

本稿は19世紀から20世紀にかけて日本の「美術製造品」のイギリスヘの輸出に関わっていた商社の相互関係や本国での活動に着目し,後期ヴィクトリア朝からエドワード朝にかけて同国における日本趣味を支えたインフラストラクチャの一端を解明することを目的とする。そのためにイギリス・日本の両国に活動拠点をもっていた3つの人脈,マリアンズ,ストロームとロットマン,そしてホームとセールを中心に築かれた諸商会の経営体制を検証する。彼らが縁戚関係あるいはパートナーシップを通して経営していた諸商会は,名称変更こそあったが,しばしば数年で消えてゆく当時の外国商会の高い破産率を乗り越えて比較的継続した活動を展開した。その要因のひとつには,これらの同業者達のあいだに代理店制度など直接の相互関係があったことがあげられる。雇用主や従業員の繋がりや店舗や在庫の引き継ぎからなるこうした横のネットワークは、イギリスの日本趣味の流通を支えた一要素であった。
著者
島田 直明 米地 文夫
出版者
岩手県立大学
雑誌
総合政策 (ISSN:13446347)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.119-131, 2006-03-01

カラマツは宮沢賢治作品への登場頻度の高い樹木である。そのカラマツ林やその周辺の景観について賢治の描写を分析するとともに、同時代の代表的詩人北原白秋の作品と比較検討を行った。本論文では特に心象スケッチ『春と修羅』のなかの作品群に描かれたカラマツに着目した。それらの多くは岩手山麓の牧草地や放牧地の防風林としてのカラマツ林であった。賢治の作品から1920年代の岩手山麓は、草地や草地から遷移が進んだ森林、カシワ林などさまざまな植生タイプがみられ、また草地を囲むようにカラマツ林が列状に連なる景観であったと読み取れた。旧版地形図や岩手県統計書などの資料から判読した当時の景観も同様であり、賢治が『春と修羅』の作品群において正確に景観を描写していたことが検証できた。一方、北原白秋の有名な詩「落葉松」は、カラマツ林の中に歩み入り、また歩み去る己れを抒情的に詠いあげた。この詩人の絶唱ともいうべき作品ではあるが、カラマツ林の景観そのものについては全く描写していない。これに対して、賢治はカラマツ林の景観をナチュラリストの眼で観察し、心象スケッチという形で具体的に描写・記録した。彼はのち,カラマツを用いて景観を造る「装景」をも考えていたのであった。
著者
小城 英子
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.54, pp.127-140, 248, 1999-01-31

In May of 1997 an atrocious murder occurred in Kobe's Suma district, and the murderer's profile was guessed to be a middle aged man, when in fact in the end a 14 year-old boy was arrested. This study analyzed the published comments made by experts and learned people concerning the profile of the murderer. Comments by experts were taken from four newspapers and analyzed using qualitative methods. Factors which led to the inaccuracy of profiles put forth by experts included insufficient and incorrect information, as well as the constraining influence of images of murderers in the past such as Tsutomu Miyazaki.
著者
土肥 昭夫 篠崎 桃子 寺西 あゆみ 伊澤 雅子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学総合環境研究 (ISSN:13446258)
巻号頁・発行日
pp.45-57, 2007-08

Leyhausen (1979) observed that feral cats gathered at regular gathering sites and only sat for a long time usually in the evening, and he named this curious cat behavior as "social gathering". Up to date, no one has studied and discussed on the "social gathering", that was considered to play on any role in the social systems of feral cats. We have frequently observed a number of the gatherings and the gathering sites of the feral cats lived in the campus of Nagasaki University. Nine of eleven gathering sites were used by the respective regular membership of the feral cats that shared a common home range regard as a rigid group territory. The spacing patterns of home range and the social systems were so similar with the group territory called the "feeding group", which was organized by the cats have a kin-relation (Izawa et al.1982) However, the "gathering group" in the campus widely differed from the "feeding group" in that the most of the member of a "gathering group" in the campus were originated by non-relation individuals, which sheltered into the campus from the surround urban districts and the high traffic density areas. Consequently, we found that the "social gathering" had filled an important role of accelerating to recognize and to accept each other as the member for the common group territory preservation.
著者
高橋 正幸 木村 和哲 奈路田 拓史 松下 和弘 宮本 忠幸 川西 泰夫 沼田 明 湯浅 誠 田村 雅人 香川 征
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.86, no.10, pp.1563-1568, 1995-10-20
被引用文献数
1

(背景と目的) 夜間陰茎勃起現象の記録は勃起機能検査法として早くから行われてきた検査であるが, 現在でもその.重要惟、は変っていない.特に器質性インポテンスと心因性インポテンスの鑑別には必須の検査であり, 陰茎周径を測定するため活性炭や水銀を用いたストレインゲージが使用されてきた. (対象と方法) われわれは今回, 水銀ストレインゲージにかわるインジウムとガリウムの合金製のストレインゲージを使用した新しい装置を開発しこのストレインゲージを用いた新しい夜間陰茎勃起現象記録システムが臨床に使用可能かどうかを正常ボランティアを対象に検討した. (結果) インジウム-ガリウムストレインゲージは, 伸展-抵抗の特性が直線的でしかも再現性が高く夜間陰茎勃起現象の記録に充分な性能を有していた.測定データの保存, グラフ化のためのソフトウェアは簡潔で, しかもすべて日本語表示であるため操作が容易である.またこの新しいストレインゲージはディスポーザブルなのでメインテナンスが不要であり, 清潔である. (結論) 本システムは夜間陰茎勃起現象の記録の目的で臨床使用が可能であると考えられる.
著者
永井 純一
出版者
神戸山手大学
雑誌
神戸山手大学紀要 (ISSN:13453556)
巻号頁・発行日
no.16, pp.159-165, 2014

本稿はポピュラー音楽と若者のコミュニケーションに関する考察である。具体的には愛好する音楽ジャンルがコミュニケーションや友人づくりの場面でどのように機能するのかを統計データによって読み解くことを目的としている。 分析の結果、生活のさまざまな場面で、音楽が人と人をつなぐ役割を果たしているが、場面によって有効に機能する音楽は異なっており、またその趣味集団の内実はジャンルによって異なることが示された。
著者
鍵山 由美
出版者
お茶の水音楽研究会
雑誌
お茶の水音楽論集 (ISSN:1344672X)
巻号頁・発行日
no.8, pp.30-36, 2006-04

ヨハン・シュトラウス2世Johann Strauss (Sohn) (1825-99)は、1844年10月15日に父の反対を押し切って指揮者デビューを果たす。当時、父ヨハン・シュトラウス1世Johann Strauss (Vater) (1804-49)は妻子を捨て、愛人と暮らしていた。2世のデビュー以来、父子の関係は芳しくなかったが、1846〜47年に2人は同じオペラに基づく楽曲3曲をそれぞれ作曲した。これらはいずれもカドリーユであることから、カドリーユ対決といわれる。本稿では最初の対決作品<ジプシー娘のカドリーユZigeunerin-Quadrille>を取り上げ、作曲の経緯ならびに両者の様式を考察する。
著者
大賀 郁夫
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-29, 2002-03-20

享保十一年,人吉藩預所である日向国椎葉山で横目役を勤める黒木六郎左衛門とその弟右田大六が,山中困窮を理由に杣山願を人吉藩に提出する。藩は「訳立難」として取上げないが,同十六年に至るまで六郎左衛門らは執拗に訴願を繰り返す。しかし藩が庄屋および願人らを吟味をした結果,六郎左衛門らの「私欲」によるものであると認定され,六郎左衛門は苗字取上げの上打首,大六は切腹を命じられて事件は落着した。しかし,この事件には不可解な問題が多く見られる。例えば六郎左衛門らの訴願手続きは合法的であり,公儀へ越訴や強訴,ましてや逃散したわけではない。訴願を繰り返しただけで死罪に処せられたのは何故か。六郎左衛門らも,再々度と訴願を執拗に繰り返したのは何故か。願書に連署した庄屋らが一切処分されないのは何故かなど,多くの疑問が残るのである。本稿では,「椎葉山杣山願一巻萬覚」などの基本史料を詳細に検討することにより事件の真相について考察し,この事件が宝永期の杣山請負における不正事件の告発で藩を揺さぶり,杣山願の許可を得ようとする六郎左衛門に対して,藩が彼らを処刑することで事件を隠蔽したものであることを明らかにした。
著者
小澤 かおる
出版者
首都大学東京・都立大学社会学研究会
雑誌
社会学論考
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-28, 2014-11

本稿では,少数者のライブラリが,コレクションの希少性,閲覧者の安全性の点で重要であること,アーカイヴが,所蔵資料の脆弱性,少数者の「自前の歴史」の構築の資源であることから重要であること,インターネットの時代に入っても少数者のおかれた状況から重要性をもつことを述べる.これらのことを考えるために,実際に長くライブラリ・アーカイヴを維持・運営してきたLOUD にインタビューを行ない,過去の経緯や現状を調査した.すると,さまざまな技術的課題は多々あるものの,「いつでもふらっと立ち寄れる場」としてライブラリ・アーカイヴを維持・運営することが,少数者コミュニティの再生産,構築にとって重要であることも新知見として得られた.以上から性的少数者を含む少数者コミュニティの内部・外部から支援を行ない,ライブラリやアーカイヴの構築,維持,管理を行なうことは,ライブラリ・アーカイヴにとってもコミュニティにとっても重要であると結論する.This paper aims to describe why sexual minorities' libraries and archives are important. They have rare materials which are easy to lose in majority's mainstream history. Minorities need places where they use such materials in safe. They are also useful to encourage minorities, to be the resources to write minorities' own histories, to save themselves when disasters occur, and so on. The interview research shows the LOUD (Lesbians of Undeniable Drive) library's state, history, and some problems to solve in the future. From over libraries and archives are important because not only they have their unique importance but also they have the function to re-product and to construct minorities' communities.
著者
カム ビョーン=オーレ
出版者
日本作業科学研究会
雑誌
作業科学研究 (ISSN:18824234)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.32-44, 2019

ライブ・アクション・ロールプレイ(LARP,ラープ)は即興劇,共有ストーリーテリングとゲーム要素(ルール,チャレンジ等)の組み合わせにより,人々が自分の日常と異なる世界を体験できる方法である. 企業でのロールプレイング訓練またはサイコドラマに似ている活動であるが,練習や治療よりも物語の共同創作や体験に重点的に取り組む. また教育と政治の文脈で実施されるLARPが増えている. その目的は参加者を考えさせることであり,学習のためにLARPの参加のみではなく,事前ワークショップと事後ディブリーフィングを行うことも特徴である.LARPは参加者にとって直接的な体験になりうるので,共感または意識向上を目的とした活動で役に立つと思われる. そのような目的でLARPを使用する例として,本稿は「ひきこもり」経験者へのインタビューに基づいてデザインしたLARP「安心からの脱出」の実践を紹介し,その学習効果分析の可能性を検討する.
著者
早川 弘輝 末永 昌宏 飛永 純一 武内 有城 内村 正史 野村 尚弘 飯田 俊雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1331-1335, 2001-08-01
被引用文献数
8

症例は41歳の女性. 手術歴はない. 平成3年と5年に下腹部痛で当院を受診. 平成11年11月7日夕方突然間欠的な右季肋部痛が出現, 次第に増強して当院内科を受診した. 右上腹部に強い圧痛を認め腸音は亢進していたが, 反跳痛や筋性防御はなく, 白血球数, CRP値も正常であった. 腹部X線写真, およびCTで肝前面の横隔膜下に鏡面像を伴った小腸の拡張を認めた. 踵吐も出現し, イレウスの診断音で内ヘルニアを疑い緊急手術を施行. 肝と腹壁の間にviolin string状の検状物を伴つた著明な線維性癖着を認め, その間に小腸が入り込んでいた. 小腸を引き出し線維性癒着を切除してイレウス解除できた, 子宮附属器に軽度の炎症像を認め, 術後の採血でクラミジアIgA抗体は1.38, TgG抗体は5.41と陽性でクラミジア感染による肝周囲炎が原因のイレウスと考え報告した.
著者
君塚 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.90, no.12, pp.1031-1036, 2007-12-01

国境を越える人の出入管理のあり方は「国のセキュリティ」に直結するものであり,同一人性の確認(1:1対比照合)及び要注意人物の該当チェック(1:n逐次照合)という,出入国管理の肝ともいえるプロセスにおいて,バイオメトリクスという最新技術を投入することにより,精ちかつ迅速な処理が期待される.今後,我が国社会の安全・安心を確保しつつ適正な外国人の受入れを図るという重大な使命を果たすためにも,個人識別情報やIC旅券による厳格な審査,自動化ゲートによる円滑な審査など,バイオメトリクスの積極的な利活用が望まれる.