著者
熊谷 宗一郎 片山 直道 全 邦釘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
AI・データサイエンス論文集 (ISSN:24359262)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.142-148, 2023 (Released:2023-11-14)
参考文献数
15

橋梁の診断において過去の損傷事例を参考にすることは重要であるが,その手法については未だ確立されておらず,撮影した損傷画像をキーとして過去の類似した損傷画像をデータベースから検索するシステムが現在求められている.そこで本研究では,LSTMを組み込んだネットワークにより,撮影画像から損傷特徴を意味的に抽出するDeep Learningモデルを構築し,実際の橋梁損傷画像を用いて学習を行った上で類似画像検索を行った.その結果,LSTMによる意味的特徴の抽出を行うことで既往の類似画像検索手法と比較して精度が大幅に高くなり,より橋梁の診断に役立つ類似画像検索を行うことが可能となることが分かった.
著者
Yeyes Mulyadi Eiichi Kobayashi Nobukazu Wakabayashi Trika Pitana Wahyudi Eko Prasetyo
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.173-183, 2014 (Released:2015-02-26)
参考文献数
27
被引用文献数
2

Recently, many subsea pipelines have been developed in busy port areas, including industrial ports, recreational areas, fishing areas, and other port facilities. Under busy ship traffic conditions, these subsea pipelines are likely to be exposed to the risk of damage by a dragged anchor or other dropped objects. In this paper, a model is proposed to estimate the dragged anchor accident frequency on subsea pipelines based on the concept introduced by Fujii. The proposed model is approached by estimating the number of dragged anchor candidates on subsea pipelines, Na, based on an analysis of the anchor stopping distance in a critical subsea pipeline area. The causation probability Pc is estimated using a Bayesian network method that is modified from the model of Det Norske Veritas (DNV) and Hanninen. Various factors are considered to estimate Pc, including the human factor, weather factor,technical factor, and support factor. Automatic Identification System (AIS) and Geographic Information System (GIS) data are combined to estimate the lateral probability distribution of the ship traffic around a subsea pipeline area. A case study of anchors dragging on the subsea pipeline in the Madura Strait of Indonesia is performed to demonstrate the implementation of the proposed model. The proposed model is validated by comparing the results for the estimated dragged anchor accident frequency on the subsea pipeline using the proposed model with the actual accidents recorded in the Madura Strait. The results of this validation analysis show that there is reasonable agreement.
著者
大井 淳 塚本 晃輔 種子田 浩志 三木 翔太
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第34回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.5C2-04, 2020 (Released:2021-11-29)

ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けの半導体パッケージとして、2.5D構造のパッケージが注目され一部で実用化されている。今後、搭載されるチップの大型化や個数増加によってパッケージ基板の大型化と多層化が進んでいく。そこで、当社はそれらの課題に有利な有機インターポーザをビルドアップ基板に積層した構造のパッケージの開発を進めてきた。本講演では、パッケージのコンセプト、構造と特徴、プロセスのほか、インターポーザとビルドアップ基板の接続に関しての要素技術や信頼性、有機インターポーザの電気特性の特徴などについて発表する。
著者
馬場 みちえ 西田 和子 藤丸 知子 兒玉 尚子 伊藤 直子 今村 桃子 津山 佳子
出版者
一般社団法人 日本地域看護学会
雑誌
日本地域看護学会誌 (ISSN:13469657)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.63-71, 2008-03-25 (Released:2017-04-20)

看護師の喫煙率は高いといわれ,看護学生時代に喫煙開始する人が多いと報告されており,看護学生時代の禁煙支援は重要なことである.本研究では,女子看護学生の喫煙習慣と性格特性の関連について検討を行った.性格特性の測定にはMPI性格調査票を用い,喫煙者と禁煙者は,非喫煙者と比較すると外向的であった.喫煙者は,神経質傾向がみられ,精神的健康度を測定するGHQ28ではストレスが高くなっていた.しかし禁煙者では神経質傾向がなくストレスは低かった.また禁煙ステージ別にみると,喫煙者の関心期,準備期と禁煙者の性格特性は類似していた.看護学生時代の禁煙支援あるいは喫煙防止教育には,性格特性を踏まえて行う必要があることが示唆された.禁煙教育は喫煙者にはもちろんであるが,禁煙者が再度喫煙者へ移行しないよう,禁煙者も含めて支援することが重要である.
著者
嶋田 正和
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.23-27, 2023 (Released:2023-04-21)
参考文献数
6

学習指導要領が10年ぶりに改訂された。高校生物の教科書の主な改訂点は、(1)進路に関わらず広く履修する低学年用「生物基礎」(2単位)と、生物に興味のある生徒が理系学部を大学受験するとき学ぶ上級生用「生物」(4単位)の2科目構成は前期改訂(2012 ~ 2013年施行)と同様に維持されたこと、(2)「生物基礎」では能動的な学び(アクティブラーニング)を前面に出し、生徒が主体的に学ぶ工夫が施されたこと、(3)「生物」では進化の単元が冒頭に配置され、他の分野(遺伝、生理、発生、生態、系統)は進化の視点から理解させること、の3点である。しかし、(3)については、T.ドブジャンスキーの有名な「進化に照らして見ないと生物学は何も意味をなさない」の格言通りには行かず、現場の教師たちからはこの教科書だと教えづらいとの苦情も出ており、これを受けて教科書作成には各出版社によってばらつきが生じている。「生物基礎」は2022年4月からすでに施行されており、2023年4月からはこの「生物」が新しく教室で使用されることになる。
著者
中村 功
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.319-320, 2020-02-20

本研究は、デルタニュートラル戦略で利益をあげる投資手法を実現することを目的としている。将来のボラティリティの転換点を精度よく予測できれば、デルタニュートラル戦略で確実に収益をあげることができる。 本研究は、日経ボラティリティインデックスおよび、日経225先物出来高に離散ウェーブレット変換を施し解像度変換した後、LSTM-RNNモデルにより、将来のボラティリティの予測を行う手法を取る。予測結果から将来のボラティリティ転換点を求めた後、投資期間を設定し、デルタニュートラル戦略をあてはめ、投資収益を狙う。得られた投資収益と勝率により、手法の精度評価を行う。
著者
大関 真理
出版者
お茶の水女子大学日本言語文化学研究会
雑誌
言語文化と日本語教育 (ISSN:09174206)
巻号頁・発行日
no.5, pp.23-34, 1993-06-19

本稿は、日本語教育の視点からみた副詞の研究の一環として、日本語教育における効果的な副詞指導を考えることを目的に、教科書調査を行ったものである。日本語学習用初級教科書及び中・上級教科書で扱われている副詞語彙の特徴を、副詞の三分類(情態副詞・程度副詞・陳述副詞)を一つの指標にして明らかにしようとした。そして、教科書で盲点となっている副詞の機能を探り、「まったく」「もう」を例に、談話において重要な役割を果す副詞の存在を示し、辞書や教科書の意味記述との比較検討を行った。
著者
近藤 照彦 武田 淳史 小林 功 谷田貝 光克
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.169-177, 2011 (Released:2012-12-07)
参考文献数
22
被引用文献数
1

森林浴は、リラクセーションならびに心身の健康をもたらすとされる。我々は高齢者を対象として、森林浴が生体に及ぼす生理学的効果について検討した。被験者は、2008年から2010年の3回の森林浴測定に参加した高齢者男性24名(65.5±2.5歳)および女性24名(65.0±3.0歳)である。森林浴測定は、8月第3週水曜日の日程で2時間行った。測定時の天候は晴れ、気温30℃から32℃、湿度58%から60%、風速0m/secから2m/secであった。森林浴および非森林浴の測定は、被験者を3グループに分けた。1つのグループは、防臭マスクによる嗅覚遮断男性8名および女性8名、アイマスクによる視覚遮断男性8名および女性8名、コントロール男性8名および女性8名(非遮断)である。非森林浴は、同一被験者による室内環境において日を変えて同一条件下で測定した。フィトンチッド濃度は、ガスクロマトグラフィー質量分析法を用いた。測定項目は、森林浴ならびに非森林浴前後の気象データ、心拍数、血圧、カテコールアミン3分画、コルチゾールおよびNK細胞活性について調べた。本研究における森林浴測定地点から樹木由来のフィトンチッドが3種類検出された。男性の森林浴および非森林浴における平均心拍数は、89bpmおよび85bpmであった。女性の森林浴および非森林浴における平均心拍数は、86bpmおよび85bmpであった。森林浴前後の男女収縮期血圧は、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後の男性拡張期血圧は、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後の男女アドレナリンは、嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。森林浴前後のノルアドリナリンは、男性のコントロール、女性の嗅覚遮断およびコントロールにおいてそれぞれ有意に低下した。同様に、男女のコルチゾールは、嗅覚遮断およびコントロールにおいて有意に低下した。森林浴前後の男女NK細胞活性は、有意差を認めなかった。非森林浴前後における血圧、カテコールアミン、コルチゾールおよびNK細胞活性は、男女とも有意差を認めなかった。    森林浴は、フィトンチッドや緑の森林環境が生体に対してリラックス効果を及ぼすことが指摘されている。今回、高齢男性および女性を対象とした検討から、視覚遮断群で有意差は認めた測定項目はなかった。有意差を認めた測定項目は、嗅覚遮断およびコントロールの両群であった。森林浴の生体に対する効果は、フィトンチッドも含めた生体五感に関わる複合的要素の生理学的効果が短時間に存在する可能性が示唆された。    香りや視覚の量的、質的データと生理・心理的応答との関連性の調査結果の蓄積が今後の課題である。
著者
今井 健太郎 都司 嘉宣 林 豊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.I_211-I_215, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
6

Waveform analysis using data by the 2010 Chilean tsunami obtained in Tokyo Bay were carried out. Numerical experiments using single sine wave with various periods in and around the bay were also carried out. Then we conclude that a tsunami in Tokyo Bay is characterized by a tsunami originated from the Seiche excited in Sagami Bay; the Seiche in Sagami Bay is efficiently excited from offshore tsunami whose period is 30 min or more.
著者
藤井 淳
出版者
Japanese Association of Indian and Buddhist Studies
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.608-610, 2004-03-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
1
著者
蓬莱 政
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2018-04-01

研究を開始し、当院外来通院中及び入院となったうつ病患者の同意取得を試みたが、同意を得ることができなかった。その多くはDEX-CRH負荷試験について、ステロイド内服やCRHの静脈内投与に対する恐怖感を訴えてのものであった。加えて新型コロナウイルス感染拡大のため、初診患者、入院患者共に大幅に減少し、対象となる患者自体が減ってしまった。患者、健常者共に現時点での組み入れは極めて困難であり、今後、新型コロナウイルスの感染が落ち着き次第、再度検体収集を試みる予定である。他には気分障害や統合失調症に関する生物学的な研究を複数行った。
著者
柳橋 健 前田 隆文 江村 徳男 筏 達也 原田 豊司
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌) (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.114, no.7-8, pp.800-806, 1994-07-20 (Released:2008-12-19)
参考文献数
5

The power capacitor and the AC filter are used for the reliable supply of electric power. For the protection of the power capacitor system, the over-load relay must be very accurate, because the operating voltage in power system is nearly the limited level of the power capacitor. For the protection of the AC filter system, the effective value must be detected from the filtercurrent which is mixed of fundamental and harmonics. So, we developed and produced the relay systems using new algorithms, high rate sampling, digital filter, R.M. S. calculation. On this paper, we report the characteristic of the protections and the algorithms.
著者
竹下 裕俊
出版者
学校法人 尚絅学園 尚絅大学研究紀要編集部会
雑誌
尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.49-57, 2023-03-31 (Released:2023-08-04)
参考文献数
12

本稿は,拙論「“The Short Happy Life of Francis Macomber” における登場人物の指示表現について」(2020)及び「登場人物の指示表現に見るヘミングウェイ作品―「医者と医者の妻」を中心に―」(2021)に続く,筆者のヘミングウェイ作品における登場人物の指示表現研究の一環である。今回は,短編集『われらの時代に』(In Our Time, 1925)から作家の代表作の一つである「季節はずれ」(“Out of Season”)を取り上げ,これまでと同様,言語学的文体論の立場から分析を試みた。作品の主な登場人物は,鱒釣りのガイド役のペドゥッツィと若い夫婦である。物語から読者が感じるこれらの登場人物たちの心理的距離感や不調和感には,作家による指示表現の巧みな選択と配置が不可欠な役割を果たしていることが分かった。