著者
本田 浩也 大河原 健伍 吉本 好延
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.85-89, 2021 (Released:2021-02-24)
参考文献数
19

〔目的〕本研究の目的は,地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力が転倒に関連するか明らかにすることであった.〔対象と方法〕対象は,独歩可能な地域在住高齢者36名とし,過去1年間の転倒の有無から転倒群(8名)と非転倒群(28名)に分けた.ステップ動作能力は,最大身体前傾時牽引量の体重比を測定した.〔結果〕群間比較の結果,転倒群と非転倒群で最大身体前傾時牽引量の体重比に有意差を認めた(p=0.038).ロジスティック回帰分析の結果,転倒と最大身体前傾時牽引量の体重比は有意な関連を示した(オッズ比:0.840,95%信頼区間:0.711-0.992).〔結語〕地域在住高齢者のTether-release法を用いたステップ動作能力と転倒に関連がある可能性が示唆された.
著者
石丸 信吾 御林 慶司 竹内 和彦 澤田 悟 大倉 卓二
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.434-438, 1999-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3
被引用文献数
1

1998年に富士写真フイルム (株) より発売された新しいモノシートインスタント写真システム “インスタックス” に代表されるように, 最新のインスタント感材はその画質およびタフネスにおいて著しい進歩を遂げた。本報告では, インスタックスフィルムを例にとり, インスタント感材の設計思想及び最新のインスタント感材技術について解説する。
著者
本田 沙貴 吉岡 和子
出版者
ヨシミ工産株式会社
雑誌
福岡県立大学心理臨床研究 (ISSN:18838375)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.3-13, 2021-03-31

本研究の目的は、まず、自己愛的脆弱性の特徴によって調査対象者が6つのサブタイプに分類されることを確認することである。次に、自己愛的脆弱性サブタイプによって友人関係の在り方にどのような違いがあるのかを検討し、各サブタイプが友人関係にどの程度満足しているのかを明らかにすることである。自己愛的脆弱性の得点によりクラスター分析を行った結果、6つのサブタイプを見出し、想定した2つのうち1つが抽出された。次に、自己愛的脆弱性サブタイプと友人関係の在り方について検討した。友人と自分の役割を対等と考えている一方で、「自分で不安や衝動をコントロールできないので誰かに調整してもらおうとする」特徴を持つサブタイプは、友人の方が自分よりも役割を果たしていると感じており、実際に自分がしていることに自信がないことが推察され、自分が役割を果たせていないと考えていることが示唆された。そのため、友人との関係を深めることに戸惑いを感じている可能性がある。そして、各サブタイプが友人関係にどの程度満足しているのかについては、有意差は見られなかった。友人関係への満足感が60点以上の者が大半であり、思い浮かべた友人は、親密度が高い者であったことが理由の1つであると思われる。
著者
小原 重信
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.325-344, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
12

Society5.0を目指す社会プログラムは、その光と影が個人に与えるインパクトに留意が必要である。国民の関心は、多様なプラス成果の「幸福価値」に対する期待である。P2Mプログラムガバナンスは、国民の参加を促進するために、広くステークホルダーを巻き込める社会共感が重要である。「プログラムベース訓練法」は、思考から行動に奨励するために、 メンタル相談型プロセスをデザインした。この手法は多様な個人が潜在能力の意識を高め、障壁を超え主体的な自信を深める狙いがある。小規模実験では時間、コスト、キャリア認識の障壁低減し、P2Mプログラムガバナンスの意義を共有することができた。
著者
宇宙科学研究所 [編]
出版者
宇宙科学研究所
巻号頁・発行日
1981
著者
蜂屋 瑠見 菅波 孝祥 小川 佳宏
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.480-482, 2011 (Released:2011-08-09)
参考文献数
5
被引用文献数
2
著者
中村 百合子
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.204-221, 2008-09-30 (Released:2017-05-04)

本研究では,戦後の日本において読書指導の実践および理論の発展を導いた滑川道夫の読書指導論がいかに形成されたかを,氏の読書指導の定義の戦前と戦後に注目して検証した。具体的には,1950年までの氏の著述を時系列に整理・検討した。結果,滑川の読書指導の定義の戦前から戦後への連続と断絶の各面が明らかになった。滑川は1930年代後半期に,児童文化運動の広まりのなかで,読書指導への関心を深めており,1941(昭和16)年に出版された共著書『児童文化論』中に,戦後の同氏の読書指導論の本格形成につながる端緒が認められた。その後,終戦後の占領下にあって,CIE教育課側の指示を契機に滑川の読書指導論は具体化され,指導要項として整理された。そして1949(昭和24)年になる頃までには,戦後をとおして氏がもちつづけた,生活指導に統合される読書指導という考えを構成する重要な要素が見出されていた。
著者
黛 崇仁
出版者
日本薬学図書館協議会
雑誌
薬学図書館 (ISSN:03862062)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.54-59, 2019-01-31 (Released:2023-05-24)
参考文献数
3

現在,大学図書館では,従来の印刷版資料に加え,電子ブックや電子ジャーナル等,多数の電子版資料を提供しており,東邦大学においても早くから導入してきた。電子版資料は,図書館の開館に関わらず,いつでもどこからでも利用できるメリットがある。そのため,電子版資料を有効利用してもらうためには,ただ契約するだけではなく,利用しやすいアクセス環境を用意する必要がある。東邦大学では,電子版資料を提供するための環境構築の一環として,2012年8月にディスカバリーサービスSummonを導入した。本稿ではSummonの導入経緯および導入後の取り組みや利用状況について報告する。
著者
住田 勝 寺田 守 田中 智生 砂川 誠司 中西 淳 坂東 智子
出版者
全国大学国語教育学会
雑誌
国語科教育 (ISSN:02870479)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.39-46, 2016-03-31 (Released:2017-07-10)
被引用文献数
1

In this study, we explored the complementarity of ignorance in the study of learning as a social act and as subject matter in Japanese language education. We explored the influences of "another reader" that reads the text and "another text" that the class has been read, and the resultant ways of reading. We adopted a "Vygotsky Space" as a lens of learning and explained the relation of "another reader" and "another text" through an analysis of learners' protocols in a study of "Takasebune" at an experimental Japanese class. It was found that learners needed peers to appropriate new cognitive tools, and when a learner transformed the cognitive tools into a new usage, they needed peers to talk about the new interpretation. In the "Takasebune" class, where learners compared two scenes chosen arbitrarily, we identified possibilities of new tool use and creating new interpretations. In addition, we identified the significant meanings of the teacher's behavior that influenced learners' study and that encouraged their "Appropriation".
著者
Muxiu Tan Fengming Liu Yueying Xie Qiaocheng Mo Fenghua Shi
出版者
Japanese Society for Plant Biotechnology
雑誌
Plant Biotechnology (ISSN:13424580)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.167-174, 2023-06-25 (Released:2023-06-25)
参考文献数
34

In this study, the transformed system mediated by Agrobacterium tumefaciens of Gynostemma pentaphyllum was constructed by using the phosphomannose-isomerase (PMI) gene as a marker. To investigate the cefotaxime sodium salt (Cef) concentration of bacteriostatic medium and the appropriate mannose concentration in the selectable medium, explants of the stems with buds were cultured in a basic medium supplemented with different Cef and mannose concentrations, respectively. After these were optimized, 288 explants were transformed according the protocol described above to verify their availability by using the polymerase chain reaction (PCR), reverse transcription-PCR and chlorophenol red. The results showed that the appropriate Cef concentration for bacteriostatic culture and mannose concentration for selectable culture were 150 mg l−1 and 3 g l−1 for stem with buds, respectively. According to the PCR results, the transformation frequency of stems with buds was 20.49% with a regeneration rate of 29.16%. In future, the CPR assay could be the auxiliary method of choice as it is moderately accurate, but it has good maneuverability and is cost effective for large-scale use.
著者
藤井 拓人
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.355, 2018 (Released:2018-04-01)
参考文献数
4

ヒトは,甘味,苦味,酸味,塩味,うま味の5種類の味を,舌の味蕾に存在する味覚受容体で感じとる.甘味,うま味および苦味の受容体は,Gタンパク質共役型受容体である.興味深いことに,甘味やうま味の受容体(TAS1Rs)はそれぞれ1種類しか同定されていないが,苦味受容体(TAS2Rs)は,少なくとも25種類が見つかっている.これは,ヒトが様々な有害物質に即座に対応するために,苦味を単なる味ではなく,「危険」シグナルとして検知するためと考えられる.近年,味覚受容体が口腔以外の様々な組織において発現し,味覚受容以外の機能を担っていることが報告されている.苦味受容体も,気道,胃,大腸,心臓などで発現が確認されている.胃においては1940年代に,コーヒーや紅茶に含まれる苦味物質であるカフェインを胃内投与することで,胃酸分泌が促進することが報告された.また,苦味物質が胃の内分泌細胞のグレリン産生を促進することも報告されている.しかし,苦味物質による酸分泌調節の詳細な分子メカニズムは不明であった.本稿では,カフェインによる胃酸分泌調節機序を詳細に検討した論文を紹介する.なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.1) Avau B., Depoortere I., Acta Physiol., 216, 407-420(2016).2) Roth J. A., Ivy A. C., Am. J. Physiol., 141, 454-461(1944).3) Janssen S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 108, 2094-2099(2011).4) Liszt K. I. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 114, E6260-E6269(2017).
著者
小林 富美惠 井上 信一
出版者
日本原生生物学会
雑誌
原生動物学雑誌 (ISSN:03883752)
巻号頁・発行日
pp.JJP17-01, (Released:2017-12-01)
参考文献数
62

Malaria remains one of the most serious infectious diseases with the high morbidity and mortality among children in the world. Malaria is caused by protozoan parasites of genus Plasmodium.An efficient vaccine for malaria has not successfully developed for the eradication yet. Thus, to support malaria vaccine development, we have to uncover the mechanisms for protective immunity against Plasmodium infection. We have clarified γδ T cell-related protective immunity against erythrocytic stages of malaria parasites by using low virulent Plasmodium berghei-infected mice. Here we summarize recent advances, including our studies, in understanding mechanisms of immune response to erythrocytic stages of Plasmodium infection.