著者
山本 格 田中 芳雄 佐々木 正治 服部 久雄
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.179-187, 1982-03-20 (Released:2010-06-28)
参考文献数
10

In this paper, a study of useful temperature range of heat pipes em-ploying ThermS 300, mercury, sulphur and sodium as the working fluid are presented.A ThermS 300 heat pipe is made from a SUS 304 stainless steel tube with 25mm diameter and 1.5mm thickness and is wickless type. The total length of the heat pipe is 1000mm, the length of heating zone is 180mm, adiabatic zone is 320mm and the remaing part is the condenser.Mercury heat pipe is manufactured from SUS 304 stainless steel tube with 12.7mm diameter and 1. 5mrn thickness. The capillary structure is two layers of 50 mesh stainless steel. The total length of heat pipe is 300mm, the length of heating zone is 60mm, adiabatic zone is 60mm and the remaining part is condenser. Sulphur heat pipe is made from STPA steel tube for boiler with 27.2mm diameter and 4. Omm thickness and is wickless type. The total length is 500mm. The length of heating zone is 100mm, adiabatic zone is 100mm and condenser zone is 300mm.Sodium heat pipe is manufactured from SUS 316 L stainless steel tube with 25mm diameter and 1. 5mm thickness and the capillary structure is two layers of 50 mesh stainless steel. The total length is 1000mm, in which heating zone is 265mm, adiabatic zone is 235 mm and condenser zone is 500mm.The experiment is carried out mainly by means of bottom heating, in which surface temperature fluctuation at evaporator and condenser zone and pressure fluctuation in heat pipe are measured at low pressures.As a result of the tests, the useful temperature range of these heat pipes is discussed.
著者
堀口 康太
出版者
日本子育て学会
雑誌
子育て研究 (ISSN:21890870)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.3-15, 2022-03-31 (Released:2022-09-30)
参考文献数
23

本研究の目的は、タイムスタディ法を用いて児童家庭支援センター(以下センター)が児童家庭相談に おいて包括的で総合的な支援を提供する役割を担うために必要な課題を検討することであった。研究協力 者は、首都圏の4 センターに勤務する15 名の職員であった。勤務形態は常勤(兼務含)が8 名、非常勤が 3 名、無回答が4 名、職種は相談員が9 名、心理士が3 名、その他が1 名、無回答が2 名、勤務年数の範 囲は1 年未満~ 11 年であった(無回答6 名)。各協力者には、勤務日の業務を記録するための自記式の調 査票を配布し、勤務日において、「何を、どのくらいの時間行ったか」について回答を求めた。調査期間は 2019 年11 月18 日から12 月15 日までの4 週間(実勤務日20 日間)であった。分析の結果、所内面接や カンファレンスと比較すると、アウトリーチ型の支援の件数、所要時間が相対的に少ないこと、子どもや 保護者と会える機会を活かした5 分から15 分程度のモニタリング、アセスメントのための電話相談や所内 面接を行っていること、主な連携先は児童相談所や市の児童家庭相談であることが示された。これらの結 果から、アウトリーチ型の支援を展開できる体制整備、機会を活かしたモニタリング、アセスメント機能 があることを周知すること、学校、保育園等の地域の関係機関との連携を促進することが、今後取り組む べき必要のある課題であることが示唆される。
著者
矢田 哲士 石川 幹人 田中 秀俊 浅井 潔
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.1117-1129, 1996-06-15

我々は DNA配列群からシグナルパターンを自動的に抽出する手法を開発した.本手法では シグナルパターンを確率論的モデルである隠れマルコフモデル(HMM)によって表現している.HMMは 状態を表すノードとそれらを結合する有向パスで構成されるネットワークとして記述される.HMMをシグナルパターンの表現方法として用いる場合 以下の2点が重要な課題となる.(1)最も好ましいネットワークトポロジーの決定 (2)HMMに関連するパラメータの最適化.本手法は 遺伝的アルゴリズム(GA)とBaum-Welchアルゴリズム(BWA)で構成される.手法のプロシジャは以下のとおりである.(1)GAによるネットワークトポロジーと初期パラメータ値の生成 (2)BWAによるパラメータ値の最適化 (3)GAによるネットワークトポロジーと最適化されたパラメータ値の評価.評価には モデルの適合度と複雑性の釣合基準を与える赤池情報量基準(AIC)を適用した.以上のプロシジャを繰り返すことによって DNA配列群に含まれるシグナルパターンを最も良好に表現するHMMネットワークのトポロジーとパラメータ値が得られる.我々は 本手法を霊長類プロモータ領域に関するシグナルパターンの抽出に適用した.本手法により生成されたHMMは 生物学的に知られている複数のシグナル配列を含んでいた.さらに このHMMを用いてプロモータ領域の予測を行った結果 84.3%の精度でプロモータ領域を認識することが確かめられた.この値は 本手法で生成されたHMMがプロモータ領域のシグナルパターンを良好に表現していることを示している.
著者
宮部 義幸 青柳 早苗 吉田 純 石川 幹人 中瀬 義盛 鷺島 敬之
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.67(1986-CG-023), pp.1-8, 1986-10-04

画像生成用高速コンピュータMCを用いた放送用文字図形生成システムについて述べる。本システムの特長は放送用として十分に用いることのできる高品質文字が生成できること、2次元アニメーションが実時間で実現できることである。文字生成は対話的フォント作成の容易さを考慮した骨格ストローク方式を採用している。又、高密度フレームメモリと2次元フィルタを用いてジャギー、フリッカを除去した高品質な文字図形を表示することができる。更に、MCと塗り潰しハードウェア、線描画ハードウェアによる高速描画を実現しており、ムーブ、ズーム、ロール、円グラフ等の2次元アニメーションが可能である。
著者
石川 幹人 中野 剛
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第38回, no.人工知能及び認知科学, pp.275-276, 1989-03-15

MES上で計画問題向きの機能を開発した。この機能は、MESに備わっている推論制御機能、ルールシステム、スキーマシステムなどの諸機能によって実現されている。このようにMESの汎用シェル機能を組み合わせて利用する方法で、MES上にドメイン固有の機能を実現し、ドメインシェルを構築できる。 本稿では、ドメインシェルの考え方を示したのち、今回MES上で開発した1つの計画問題向き機能の概要と、そのMES上での実現方法を述べる。そして、最後にドメインシェルのインタフェースについて触れる。
著者
松田 直樹 金谷 欣明 治田 賢 高尾 智也 藤井 徹也 平井 隆二
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.107-111, 2017-01-31 (Released:2017-04-03)
参考文献数
8

症例は78歳女性。突然腹痛が出現したため近医受診し腹部所見より汎発性腹膜炎が疑われ当院内科受診した。腹部CTを施行したところS状結腸の腸管壁の不連続,周囲のfree airおよび脱出した便塊を認め,S状結腸穿孔が疑われ同日外科紹介となり,緊急手術を施行した。術中所見としてはS状結腸に2cm大の穿孔を認め,腸管内外に硬い便塊が認められたため,ハルトマン手術を行った。患者は糖尿病性腎症による腎不全のため9年前より血液透析導入されており,カリウムコントロールのためポリスチレンスルホン酸ナトリウム(Sodium polystyrene sulfonate:以下,SPS,ケイキサレート)を服用していた。術後の病理所見では穿孔部の腸管壁へのSPSの沈着が認められた。SPS服用による腸管穿孔や潰瘍形成の報告が散見されており,本症例も病理所見よりSPS服用がS状結腸穿孔の発症に関与している可能性が示唆されたため,文献的考察を交えて報告する。
著者
垣内 力
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、昆虫の腸管に常在する細菌種の同定と遺伝子組み換え後の再定着能の検討を行った。クワガタムシの菌嚢とフタホシコオロギの腸管から、複数種の細菌を分離同定した。コオロギから分離した常在細菌について、プラスミド形質転換後の再定着が可能であった。また本研究は、昆虫の体サイズを増加させる生理活性物質の探索を行った。ロイヤルゼリーの経口投与により、カイコガとフタホシコオロギの体サイズの増加が認められた。以上の結果は、昆虫の腸管に常在する細菌の機能改変と再定着が可能であること、ならびに、昆虫の体サイズを増加させる物質がロイヤルゼリー中に存在していることを示唆している。
著者
長谷川 成一
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
pp.67-127, 1984-05-31

『津軽藩の基礎的研究 / 長谷川成一編』(国書刊行会, 1984)所収
著者
羽田野 袈裟義 荒尾 慎司 野田 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00285, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
21

従来のゲートの水理検討は流量評価を第一とし,ゲート操作のための直接情報を与える研究は殆ど皆無である.本研究は,ゲート操作ではゲート開度の陽形式表現が最も重要な情報と考え,スルースゲートからの自由流出と潜り流出の両方について,水理学の基礎式に基づき,所定の流量とゲート上(下)流の水深に応じてゲート開度を決定する方法を提案している.自由流出について,運動量の定理に基づきゲート上流水深と所望の単位幅流量(限界水深)に見合うゲート開度を求める式を導いた.潜り流出については,Henryの取扱い方法から出発し,ゲート上・下流水深と所望の単位幅流量に見合うゲート開度を求める4次方程式を導いた.得られたゲート開度の計算結果は広範囲の室内実験の結果を良好に再現した.