著者
井川 充雄
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.11, pp.21-31, 2014-09-30
著者
中島 恵太 河田 侑弥 氏原 岳人 堀 裕典
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00053, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
9

近年,都市計画の分野では空き家の増加が問題となっているが,心的要因により行動変容を促す「心理的方略」に基づく施策は十分ではない.そこで本研究では,戸建住宅所有者の自宅の将来に対する関心・行動を高める要因を把握し,それを踏まえた心理的方略に基づく施策を検討した.本研究の主な成果を次に示す.1)自宅の将来に対して関心が高まるきっかけと行動を起こすきっかけは「(戸建住宅所有者の)息子・娘のライフイベント」と「住宅取得」である傾向にあった.また,「息子・娘のライフイベント」では,行動を起こす人と比較して関心に留まる人が多い傾向にあった.2)分析結果に基づき,住宅取得や(息子・娘の)婚姻届提出のタイミングにおける情報提供の手法などを検討した.
著者
佐野 秀樹 坂梨 真木子 森下 真至
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.227-231, 2022-05-15 (Released:2022-07-13)
参考文献数
14

Pericapsular nerve group block(PENGブロック)と外側大腿皮神経ブロックにより,良好な鎮痛が得られた肝硬変合併患者の人工股関節置換術を経験した.症例は49歳男性.Child-Pugh分類Cのアルコール性肝硬変と診断されていたが両側股関節痛のため整形外科を受診,両大腿骨骨頭壊死と診断され右人工股関節置換術が予定された.全身麻酔にPENGブロック,外側大腿皮神経ブロックを併用し,良好な鎮痛,術後経過を得た.3カ月後に同様の麻酔にて左人工股関節置換術が施行されたが,経過は良好で術後3カ月で退院となった.
著者
本田 康二郎 Kojiro Honda
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1131-1148, 2021-03-12

軍事研究の核心は兵器や兵器体系の開発にあって、人命殺傷と施設破壊という明確な目的をもち、かつ極度の秘密保持を要求される点に特徴がある。これに対して基礎研究の核心は自然界の理解にあって、研究それ自体が目的であり、発見された知識は公開されるのが原則である。両者は対極にあるように思え、一見すると簡単に結びつくことはないように見える。ところが、戦前の科学技術者である大河内正敏は、これらを大胆に結びつける仕組みを考案した。その舞台が財団法人理化学研究所(1917~1948)であった。
著者
佐野 朋美
出版者
日本香粧品学会
雑誌
日本香粧品学会誌 (ISSN:18802532)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.314-319, 2020-12-31 (Released:2021-12-31)
参考文献数
29

Sleep accounts for about one-third of life time, its physiological phenomena are indispensable for maintaining and improving the quality of life such as resting of the brain, recovery of the mind and body. In recent years, many studies have revealed that sleep and general health are closely related. The social and economic loss caused by sleep problems in Japan is estimated to be 15 trillion yen a year, and the social significance of improving sleep is great. In this paper, we will report on the development of “Foods with Function Claims” that improves the quality of sleep, focusing on the findings of “Sake Yeast GSP6” and its effect of sleep improvement. Sake yeast is necessary for the production of sake, and has been eaten as a food such as Kasujiru (a soup containing sake yeast) and Kasuzuke (pickles containing sake yeast). We also demonstrate that daily ingestion of Sake Yeast GSP6 enhances sleep quality, which in turn, improves skin quality, as indicated by an improvement in cheek collagen density, skin elasticity, and TEWL. These results suggest that sleep improvement by taking sake yeast supplements is an effective way to preserve skin health.
著者
物井 則幸 佐野 朋美
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.19, no.7, pp.291-297, 2019 (Released:2019-09-25)
参考文献数
33

近年の多くの研究により,睡眠と全身健康が密接に関わっていることが明らかになっている。 本邦の睡眠問題に起因する社会的経済損失は,年15兆円と試算されており,睡眠を改善することの社会的意義は大きい。本稿では,睡眠の質を向上する機能性表示食品の開発経緯を,素材探索,見出した素材「清酒酵母GSP6」の睡眠の質向上機能・作用メカニズム解析を中心に報告する。加えて,睡眠を介した全身健康(睡眠ヘルスケア)研究の一環として睡眠の質向上による肌質の改善と疲労感の軽減についても紹介する。
著者
小川 正賢
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.19-27, 1995-03-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
28
被引用文献数
8

Recent progress in philosophy, history, and sociology of science has made us aware that the image of Western Modern Science we have believed so far is far from what it really is. Western Modern Science is now believed to be not the knowledge, but a kind of knowledge. This inevitably leads us science educators to realize that Western Modern Science can be set in a relativistic perspective. Another research trend has been appearing in science education enterprise. That is the trend in which Western Modern Science could be treated as a type of 'Culture' in the science education context. Integrating these trends together, the author aims in this article to propose a new perspective of science education, "Science as the Culture of Scientific Community". Then, the value or worth of learning science is examined from that perspective through the processes of criticizing the classical view of the value or worth of learning science, that is, the practical value, and the literate worth of science. The new contents of science classes are also proposed.
著者
斎藤 公明 木名瀬 栄 鈴木 敏和 仲野 高志 佐藤 裕一 石榑 信人 岩井 敏
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.38-52, 2007 (Released:2010-08-05)
参考文献数
16

The expert committee on development and utilization of phantoms had activities from April, 2004 to March, 2006 sponsored by the Japan Health Physics Society. The purpose of the committee was to accumulate and share the latest information concerning phantoms and related technical issues, and to discuss how and for what phantoms should be utilized in future. The committee had twelve meetings and one symposium. Many people took part in the activity including the committee members, observers and other participants; we had a certain number of lectures covering versatile topics and chances to discuss essential problems including sophistication and standardization of phantoms. Some parts of the information we obtained in this activity have been presented in the articles in series.
著者
西野 明樹
出版者
目白大学
巻号頁・発行日
2015-03-25

人々の中には,性自認(gender identity)と一致しない自らの生物学的性(biological sex)(または,身体的性別(physical gender))や二次性徴に,嫌悪感や忌避感(性別違和感(gender dysphoria))を抱く者がいる。彼らの性別違和感を軽減させる有益な手段には性別移行(gender transition)があるが,性別移行に踏み出すまでやその最中には,様々な心理社会的葛藤が体験される。社会的制約や偏見に苦悩する者も少なくない。こうした性別移行にまつわる心理社会的苦悩と心理的成長に関する研究成果をまとめたのが,本論文である。第1章「文献的検討」で研究背景,第2章「着眼点と目的」で研究目的を述べた後,性別違和を有する方の語りをもとにした4つの質的研究から得た知見を,第3章「FTM/X 自認者が語る社会適応と共生」,第4章「F to M/X 性別移行の検討」,第5章「M to F/X 性別移行の検討」,第6章「未身体的治療期の性別移行におけるカミングアウト機能の検討」)にそれぞれまとめている。第7章「質的研究知見の数量的検討」には,これら4つの質的研究をもとに立てた仮説を統計的に検証した量的研究の成果を報告した。最終章にあたる第 8章「総括的討論」ではまず,前章までに得られた研究知見を総括し,先行研究動向に照らしながら本論文独創的な点を提起した。次に,これらを踏まえて性別違和を有する者の性別移行に対する心理社会的援助の可能性等について討論し,最後に,心理社会的援助の質的向上を見据えた今後の研究課題に言及した。
著者
Pariya THANATUKSORN Chidphong PRADISTSUWANA Pantipa JANTAWAT 鈴木 徹
出版者
一般社団法人 日本食品工学会
雑誌
日本食品工学会誌 (ISSN:13457942)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.143-149, 2005-06-15 (Released:2011-01-31)
参考文献数
23
被引用文献数
8 11

フライ調理は世界的にも主要な調理手法であり, 各国で古くから利用されてきた.近年では, 調理冷凍食品産業, ファーストフード産業なとにおいても大量に生産される機会か多くなっている.健康問題.また資源・環境問題からフライ調理品に油脂吸収残存を少なくする努力が払われている.しかし, フライ調理過程は熱移動, 水分の蒸発と拡散, デンプン糊化, タンパク質変性が相互に関連しながら進む非常に複雑な過程であり, そのメカニズムに関する科学的理解は十分とはいえない.欧米ではボデトフライを食すことが多く, ポテトを対象としたフライ調理研究か多い.また, 衣を付けたフライ食品も比較的多く.バッターに関する研究も見られる.しかし, それらは断片的であり.フライ調理過程を体系的に捉えようとした試みはなかった.水分含量に着目した場合.フライ調理の対象となる食品は初期水分含量 (IMC) によってその呼び名が異なり, それぞれ個別の研究対象とされてきた.例えは, 小麦粉に対して水分が少ない場合はドウ, 水分が多いとバッターとされる.本研究では, そういった (小麦粉―水) の混合物を1つの系ととらえ, 水分含量を「ドウ」のレベルである40%から「バッター」の領域80%まで大幅に変化させてフライ調理過程の相違を調べ, そのメカニズム解明の手がかりを探った。小麦薄力粉に対して, 40, 60, 70, 80%のく水分含量になるように調整した試料をフラットな円盤状 (厚さ約2mm) に成型, あるいは型に流し込み.その試料を150℃のパーム油中で7分までフライ調理を行い.油から取り出したのち, 数分間冷却を行った.フライ中また, 冷却中2分ごとに試料を取り出し.残存水分含量.油吸収率の時間経過を調べた.また同時に、各時間経過後における.それそれの試料の微細構造を走査型電子顕微鏡にて観察した.その結果.初期水分含量IMC40, 60, 70%の試料では5~7分間のフライ過程後期では, 十分な脱水.が進行し残存水分含量に有意な差がみられなかった, が.IMC80%試料では他の試料に比較してやや多くの水分が残存する傾向かみられた.方, 油吸収量の時間の推移はIMC40, 60, 70%の試料ではフライ加熱中に油か多く吸収され冷却期間では大きく増加しなかった.これに対して.IMC80%試料では油吸收のパターンに他試料と明らかな相違がみられた.すなわち, IMC80%試料はフライ加熱時には油の吸収は低く抑えられているものの, 冷却時に急激に油吸收されるといった現象が明確に確認された.また, それら速度過程を検討するために水分の一次元移動払散律速を想定して水分減少と油吸收をフライ時間tの事方根に対してプロットしたところ, 水分減少はいずれの初期水分でも直辛泉関係が得られた.しかし.油吸収量は初期水分が80%の場合にはt1/2に比擁するものの.IMC70%以下では直線関孫は得られなかった.さらに, 初期水分含量て残存水分を割り基準化した水分減少率で脱駅過程を比較検討したところ, 初期水分含量が70%以下の試料はほぼ同一の曲線に従うものの.IMC80%の試料のみ逸脱したカーブを示した.SEMの観察結果とあわせて検討したところ, IMC70%以下ぐでは澱粉の糊化による水分の吸收と水分の蒸発脱水か同時に進行するが, IMC80%試料では澱粉の糊化が著しく多量の, 水分を吸收し蒸発が少ないことが示唆された.油の吸收速度と水分蒸発速度との関係Fig.7は.上記推論を裏づける結果を示した.すなわち.初期水分含量が70%以下の場合にはいずれの初期水分含量でも同一の曲線に乗り, 水分の蒸発速度が大きいフライ初期では油の吸収速度は小さく, 水分が少なく水分の蒸発速度が低くなるに従って, 急激に油の吸収速度が上昇する傾向がみられた.これは油の吸収は初期水分含量に関係なく水分の蒸発速度だけによって制御されていろことを意味し, 水分が蒸発し続けている間は蒸気圧によって油が侵入できないといったメカニズムが働いていると考えられる.一方, 初期水分80%の試料では水分は澱粉の糊化に使われ蒸発する水分は少なく, 油の浸入は容易と考えられるが, 十分糊化した澱粉糊にはポアが少なく油が侵入するスヘースがなく澱粉糊がフィルムとなって逆に油の進入を抑えているメカニズムが作用していると考えられる.以上, 小麦粉―水のを混合物のフライ過程では混合比が澱粉の糊化に影響を与え.それ, がせが水分の蒸発速度に影響をおよぼし結果として油の吸收速度に影響をおよぼしていることが推察された.また.そのメカニズムの変化が初期水分70%から80%の間で起こることも明らかとなった.しかし, 本研究ではフライ過程でのデンプンの糊化についての直接情報がなく糊化との関係については多くの推察が含まれる.今後。本研究の結論を確実なものにするためにはフライ時のデンフンの糊化進行についての実証研究が必要となると考えられる.