著者
安藤 佑介 荒岡 大輔 吉村 寿紘 中島 礼
出版者
瑞浪市化石博物館
雑誌
瑞浪市化石博物館研究報告 (ISSN:03850900)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.119-122, 2022-10-07 (Released:2022-10-07)
参考文献数
12

Additional strontium isotope ratio (87Sr/86Sr) of molluscs including Crenomytilus grayanus (Dunker), from the Akeyo Formation of the Mizunami Group in Mizunami City, Gifu Prefecture, central Japan are determined. The strontium isotopic ages suggest that the Crenomytilus grayanus-bearing horizon (most-lower part of the Yamanouchi Member, Akeyo Formation) has been deposited at ca. 17.8 Ma. In addition, upper part of the Kubohara Facies (middle part of the Maki Member), Iwamura Group has been deposited at same age of the Yamanouchi Member.
著者
会田 真衣 福間 理子 長谷川 潤一 西村 陽子 本間 千夏 佐治 正太 古谷 菜摘 美馬 康幸 倉崎 昭子 近藤 春裕 仲村 将光 鈴木 直
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.561-564, 2021 (Released:2021-12-10)
参考文献数
4

【目的】新型コロナウイルスワクチンに関する妊婦の不安,情報に関する問題を明らかにすること. 【方法】2021年6月,妊婦健診受診中の妊婦に,コロナウイルス感染症に関するアンケート調査を行った. 【結果】総回答数は284で,74%の妊婦はPCR検査を受けたいと回答し,妊婦にワクチン接種ができることを知っていたのは70%であった.実際,ワクチンを受けたいと考える妊婦は40%,受けたくない妊婦の82%は副作用を懸念していた.53%の妊婦はそれなりに情報収集していると回答し,情報源としてはテレビやWebが多かった.医療機関の情報提供は半数以上の妊婦に普通であると評価された. 【結論】コロナ禍における妊婦は感染を不安に思い,自らの抗体保有の状態を把握したいと考え,免疫獲得を希望していた.一方,ワクチンに対する不安を抱える妊婦も少なくなく,適切なテレビ,医療機関などを介した情報提供が必要である.
著者
安井 寿枝 Kazue Yasui
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.87-104, 2022-09

本稿は、高浜虚子の三作品「風流懺法」「斑鳩物語」「大内旅宿」にみられる京都府方言・奈良県方言・大阪府方言の特徴を確認し、虛子の各方言に対する意識を考察するものである。それぞれの方言が特徴的に用いられているのは、尊敬語表現・文末表現・接尾辞であった。尊敬語表現の助動詞では、京都府方言は「お~やす」が、大阪府方言は「やはる」が特徴であり、奈良県方言は両方言の特徴を併せ持っていた。また、「なはる」は京都府方言としては避けられる傾向にあり、大阪府方言としては命令表現で使われていることがわかった。文末表現では、京都府方言は「え」「おす」「どす」が、奈良県方言では「なー」「おます」「だす」が、大阪府方言では「おます」「だす」が特徴であった。一方で、「です」のように共通語と同じ語形は避けられていることが予想された。接尾辞では、大阪府方言の特徴として「どん」が使われていた。
著者
土田 浩之 棚橋 雅幸 鈴木 恵理子 吉井 直子 渡邊 拓弥 千馬 謙亮 喚田 祥吾 井口 拳輔 内山 粹葉
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.116-121, 2021-03-15 (Released:2021-03-15)
参考文献数
13

過去13年間において当院で手術加療した特発性血気胸15例について臨床的特徴を検討した.診断から手術までの平均時間は28.3時間(2-87時間).手術アプローチは小開胸を併用した胸腔鏡下手術13例,3PORTの胸腔鏡下手術2例であった.全例で胸腔頂部壁側胸膜の血管が出血源と同定でき,5例で複数ヵ所から出血を認めた.総出血量は平均1,298 mL(200-2,670 mL)で4例に輸血を要し,うち2例は術前にショック症状を呈していた.術後胸腔ドレーン留置期間は平均3.1日(2-7日)で,術後平均在院日数は5.4日(3-8日)であった.特発性血気胸は出血性ショックのリスクが高く緊急手術の適応と考えられ,手術の際は詳細な胸腔内観察が重要である.
著者
阿部 洋丈
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1_1-1_14, 2006-01-26 (Released:2008-09-09)
被引用文献数
1

本稿では,近年注目を集めているpeer-to-peer型分散システムを構築するための基盤技術,分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Table; DHT)についての入門的な解説を行う.分散ハッシュテーブル技術は,システム全体を管理する中央サーバを持たないようなpeer-to-peerシステム(pure peer-to-peerシステム)において,効率的なオブジェクト発見の実現を可能にする.
著者
辻 愛里 桑原 教彰 森本 一成
出版者
ヒューマンインタフェース学会
雑誌
ヒューマンインタフェース学会論文誌 (ISSN:13447262)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.97-102, 2014-05-25 (Released:2019-07-01)
参考文献数
10

Elderly people are likely to need to urinate more often than in their youth, and thus may encounter the difficult situation of searching for a restroom at inopportune moments. We are researching and developing a system that will allow elderly people who need to urinate frequently to time their trips to the bathroom to accommodate the schedules of their outings. Our proposed system calculates the intervals between urinations based upon the person's schedule and hydration levels, and recommends using the restroom well before the person feels the urge to urinate. In order to implement the system, we have devised a physiological formula for estimation a person's hydration levels through non-invasive means. Based on this estimate, we can then calculate the time between bathroom breaks. In this paper, we describe our system and show experimental results for these calculations.
著者
原口 義座 島田 和明 星野 正己 永田 伝 若林 利重 岡田 利夫
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.673-678, 1987-09-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
16

当院で経験した消化器疾患のうち急性呼吸不全に腎不全を合併し, 血液透析を要した例における呼吸循環系機能, 特に血管外肺水分量の推移について検討を加えた. 対象は6例, 11回である. 検討項目は, 血管外肺水分量 (extravascular lung water: 以下EVLWと略す) の他, 肺動脈拡張期圧 (以下PAEDP), PaO2, 心係数 (以下CI), 全身状態などであった.結果: EVLWは, 血液透析 (以下HD) 前値で9.57±435ml/kgBWと増加例が多く, 中でも10ml/kg BW以上の中等度増加以上が64%を占めた. また全身状態不良例に高値を示す傾向がみられた. HDの施行によりEVLWは多くの例で減少したが, HD終了後, 徐々に前値に復する傾向があった. HDによる他の項目の推移に関しては, 1) PaO2, CIはHD中は低下例が多く, HD後, 時間を経ると改善する例もかなりみられた. 2) PAEDPは一定の傾向を示さなかった.呼吸不全例に腎不全合併した際のHD施行にあたり, HD中にみられるPaO2低下は注意を要する点である. この低下の原因としては幾つかの機序が推定されている. 我々の検討では, EVLWの減少例が多いことから考えると肺水腫, 特にpermiability edemaの進行によるものは否定的であり, 他の原因 (循環系抑制, 白血球の肺血管へのmargination, cellophane膜の影響による補体系の異常等) を考慮すべきと考えられた. 一方今回経験したHD中およびHD後早期のEVLWの減少の機序としても, 多くの機序が考えられるが, そのうちの1つにHDによる有毒物質の除去の関与している可能性もあり, さらに検討を加えるべきと思われた.
著者
井街 宏 藤正 巌 大道 久 真野 勇 西坂 剛 岩井 矩成 渥美 和彦
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.5, no.6, pp.321-327, 1976-12-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
16

The rapid decrease in hematocrit (Ht) and total protein (Tp), gradual increase in central venous pressure, and peripheral circulatory insufficiency such as impossibility of standing up, poor appetite, anuria or oliguria and constipation or mucous feces were the most serious physiological problems in recent total artificial heart (AH) animal experiments. For these phenomena, a phsiological hypothesis was presented by authors under the consideration of that too much cardiac output for animal might induce such phenomena.As the results of animal experiments with goat, the following finidings were obtained.(1) High cardiac output of AH causes a marked decrease in Ht and Tp, as well as peripheral circulatory insufficiency.(2) By maintaining the cardiac output within the range of 80 to 100ml/Kg/min. during the experiments, maximum and average survival days of the goats replaced totally with AH were markedly prolonged, from 10 days to 54 days and from 4.5 days to 30.5 days, respectively. And the surviving condition of these goats were almost normal physiologically and pathophysiologically.(3) As conclusion, it became obvious that the cardiac output was one of the most important physiological parameter for control of the circulatory system.
著者
佐々木 彩乃 桐野 文良 塚田 全彦 高木 秀明
出版者
マテリアルライフ学会
雑誌
マテリアルライフ学会誌 (ISSN:13460633)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.46-58, 2017-05-31 (Released:2021-05-08)
参考文献数
15

本研究ではエオシンとそれをレーキ化したゼラニウムレーキ顔料について,レーキ化が耐光性に及ぼす影響を検討した.X線回折,電子顕微鏡観察より,どちらも結晶構造をもつが,ゼラニウムレーキ顔料の方が,粒子が微細であることを確認した.また紫外-可視分光分析で両者に吸収端波長の違い等がみられたのに対し,赤外分光分析,ラマン分光分析では差異は認められなかった.エオシンとゼラニウムレーキ顔料を用いた油絵具の耐光性試験では,ゼラニウムレーキ顔料の変色はエオシンの4分の1程度であった.ゼラニウムレーキ顔料ではアルミニウムイオンとの結合により電子状態の変化が生じ,耐光性の向上に寄与していると考えられる.光による変色の機構を赤外分光分析で検討した結果,いずれの絵具もC-Brの分解とキサンテン環の構造に変化が確認された.また試料の断面観察,顕微赤外分光分析から,どちらの試料にも表面に薄い層が形成されており,光劣化は表面層にのみ生じていることが明らかとなった.
著者
岩谷 彩子
出版者
日本文化人類学会
雑誌
日本文化人類学会研究大会発表要旨集 日本文化人類学会第43回研究大会 (ISSN:21897964)
巻号頁・発行日
pp.46, 2009 (Released:2009-05-28)

占いは、予測不能な人間の生の謎に対して、日常的な秩序を越えた「他なるもの」を設定し、それまで生に与えられていた意味をいったん宙吊りにさせて新たに語りなおす技芸である。そこでは相談者の人生の別の意味が、物品と語りを用いて編みなおされていく。本報告では、インドの占い師と相談者との具体的な交渉の場を事例とし、生の謎解きとしての側面が合理的、あるいは倫理的な次元を超越する点について考察する。