著者
木山 徹哉 寺川 直樹
出版者
長野県立大学健康発達学部こども学科
雑誌
こども学研究 = The Journal of Child Studies (ISSN:24347272)
巻号頁・発行日
no.1, pp.3-14, 2019-03

子ども、あるいは子ども期という概念がPh. アリエス(Philippe Ariès)やN. ポストマン(Neil Postman)らによって相対化され、近代的子ども観という呼称が一般的になった。この相対性という言 説とともに、我が国においては1970年代以降のいわゆる子ども問題と相俟って、近代的子ども観の動 揺に関する戸惑いや懸念などが表明され、子ども学という学問領域に対する認知と期待も広まっている。 しかし、未だ動揺は解消されず、新たな"子ども" 及び"子ども-大人関係" を定位するには至ってい ない。 本稿では、まず、近代的子ども観の創出の意義とその後を辿りながら、子どもの意義が相対的なもの であることを改めて確認する。次に、今後の社会の在り方として我われにはどのような価値志向が選択 可能か、そしてその価値志向のもとで子どもの意義とそれに対応する教育をどのように捉え直すかにつ いて、一つの試論を述べる。
著者
ウイライ サン 須貝 悦治 黄色 俊一
出版者
日本蠶絲學會
雑誌
日本蚕糸学雑誌 (ISSN:00372455)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.265-270, 1990

末期の雌蛹を高温密閉条件で処理し, 羽化後これに正常雄を交配すると, 産下卵の多くが不着色死卵となるが, 十分な空気の供給下では不着色死卵は殆んど発現しない。蛹1頭当りの空気容量が9ml又は20mlの場合には, 35℃で12時間処理すると100%が不着色死卵となった。また, 空気容量を58mlにすると, 不着色死卵の発現はかなり遅れ, 18時間処理で100%となった。このような不着色死卵の多くは正常精子と受精はするが, 核分裂の初期段階で致死し, 胚盤葉形成まで発育しているものはなかった。これに対し, 処理区に混在する着色卵では, 多くのものが孵化能力を有し, 次代への遺伝的影響は認められなかった。
著者
古賀 弥生
出版者
Japan Association for Cultural Economics
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.57-64, 2005-03-31 (Released:2009-12-08)
参考文献数
21

公立文化施設については、近年その運営を民間セクターに委ねる事例が各地で見られるようになりつつある。公立文化施設の運営には地域との関係性の視点が不可欠であるが、実際には地域との関わりが薄いことが九州地区での調査から明らかになった。公立文化施設の運営主体の選択にあたっては、地域に関わる人材・機関のネットワークで市民、NPO、企業、自治体等が持ちうるメリットを出し合える関係づくりが急務である。
著者
國武 真史 胤末 亮 井戸川 友樹 篠原 道雄 井上 雅文 白濵 正博 志波 直人
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.474-476, 2019-09-25 (Released:2019-12-17)
参考文献数
7

大腿骨頚部骨折に対するTresLock(以下T群),Prima Hip Screw(以下P群)を用いた骨接合術の治療成績を比較検討した.対象は2016年8月から2018年3月に手術を行ったT群7例,P群16例である.平均手術時間はT群:43.1分,P群:24.9分で統計学的に有意差を認めた(P<0.001).Garden Alignment Index変化量や歩行再獲得率に有意差はなかったが,平均telescoping量はT群で少ない傾向を認めた.術後合併症はP群で大腿骨転子下骨折を2例認めた.2群間で統計学的な差があったのは手術時間のみであったが,T群でtelescoping量が少ない傾向を認めた.TresLockは強固な固定力があり,日本人の大腿骨頚部骨折に対して,有用な内固定材料であると考えられた.
著者
脇本 忍
出版者
聖泉大学紀要委員会
雑誌
聖泉論叢 = The Seisen review (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.24, pp.45-57, 2016

大学のキャリア教育や職業教育では,多くの大学が,インターシッププログラムを導入している.インターシップは,日常業務型・課題解決型・アルバイトパート型・見学型・講義型などに分類されている(真鍋,2010).経済産業省近畿経済産業局は,実践課題解決インターシッププロジェクト「Ai-SPEC」を実施した.各大学のゼミ単位で構成したチームが,マッチングされた企業と協働して企業の課題解決を約半年間実施し,中間発表会,地区大会,最終発表会にてプレゼンテーションを行った.京都地区には9チームがエントリー(聖泉大学1チーム・近畿大学2チーム・追手門大学2チーム・同志社大学2チーム・京都産業大学1チーム・関西大学1チーム),大阪地区には14チーム(近畿大学3チーム・関西大学3チーム・大阪市立大学2チーム・桃山学院大学2チーム・武庫川女子大学2チーム・甲南女子大学1チーム・追手門大学1チーム)がエントリーした.
著者
丹野 孝一 中川西 修 根本 亙
出版者
東北医科薬科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ストレプトゾトシン誘発性1型糖尿病モデルマウス(STZマウス)では血糖値の上昇に伴い疼痛閾値の低下が認められた。STZ投与後14日目における疼痛閾値の低下はAT1受容体拮抗薬のロサルタンによって抑制された。STZマウスの脊髄後角においてアンジオテンシン (Ang) ⅡおよびAng変換酵素 (ACE)の発現量は上昇していた。さらに、ACEはグリア細胞ではなく、神経細胞特異的に発現していることが確認された。以上の結果より、STZマウスでは脊髄後角の神経細胞におけるACEの発現量増加に起因し産生量が増加したAng ⅡがAT1受容体に作用し、糖尿病性神経障害性疼痛を引き起こしていることが示唆された。
著者
浅田 恵佑
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.39-50, 2009

ネット上でのコミュニケーションの多様化は進み、現在注目を集めるのが仮想的な空間内を「アバター」を用いてコミュニケーションが行える形態である。これは「Second Life」によって注目を集めたが、一方オンラインゲームの領域では同様のコミュニケーション形態を有しつつ、長期的で実質的 運営がされている状況がある。しかしそうした新しい空間はそれ単体で存在するのではなく、従来から 行われるテキストを主としたコミュニケーションと相互に関係している。本稿はテキストベース/アバターベースに区分したコミュニケーションの歴史と相互関係に関して整理し、今後のアバターベース・コミュニケーションを対象とした研究における課題と方向性について考察する。
著者
西村 敏蔵
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.44-48, 1969-01-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
9

西京, 府中, 讃岐などの名を冠した白味噌は, 関西を主産地とする特殊な味噌である。多糖低塩型の甘味噌であるから, 保存性の少ない高級な味噌で, 今後の消費増が期待される。
著者
鈴木寿之
雑誌
サイエンスネット
巻号頁・発行日
vol.22, pp.8-11, 2004
被引用文献数
1
著者
小柳 美樹
出版者
サイバー大学
雑誌
サイバー大学紀要 (ISSN:18831079)
巻号頁・発行日
no.3, pp.61-66, 2010
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.309, pp.58-62, 2002-01

飲食店にマンネリは禁物。オープン景気をとうに過ぎた店でも、お客に足を運び続けてもらうには、何かしら販促を行い、目新しさを演出することが大切だ。だが、思い付きの販促では、新メニューの導入やイベントを行うにしても、準備時間が足りず、安易にディスカウントに走りがち。タイミングを無視したディスカウントは、無駄も多くなる。 そこで、「一年の計は元旦にあり!」。
著者
桐村 ます美 山名 美奈子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

<sup>【目的】わが国の女性の「平均寿命」は昭和60年から今日まで世界一の水準を保ち、男性は幾分下回るものの、男女の平均寿命は現在でも世界一を誇っている。また「健康寿命」も世界一ではあるが、この二者間で男性9.13年、女性12.68年と大きな差が生じている。健康寿命の延伸が求められる中、ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合は平成24年において17.3%と低く、国は平成34年度にはこれを80%とすることを目標としている。地域住民に対して認知させることが喫緊の課題とされている「ロコモ予防」を、様々な観点から身近な課題として理解できるように示す事を目的に健康教室を開催した。<br>【方法】「知識・運動・食事」の3部構成で実施した。1部では、まず「ロコモを知ること」とし、ロコモについての概要を説明し、食事との関係についての「講演会」を行った。第2部「運動」では、実際に身体を動かすロコモ予防の体操を行った。3部では、学生の手作りのロコモ予防のお弁当を作成し、実際の食生活に活用できるように「食事会」を催した。<br>【結果】参加者は30歳代から80歳代の幅広い年齢層の地域住民であった。教室終了後の参加者のアンケート結果から、「ロコモを理解した人」93.1%、「今後食事改善を心がけようと思った人」96.6%、「今後運動を取り入れようと思った人」93.1%を占めた。「学び・運動・食事」と組み合わせることで、日頃の生活習慣や食習慣を改善するための動機づけが成功し今後の行動変容が期待できる事で、本健康教室の開催は成果があったことを確認できた。</sup>