著者
熊谷 創 前田 健太郎 荒谷 咲希 布施 伸悟 川村 大介
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.837-841, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
18

〔目的〕片側人工膝関節置換術を控えた変形性膝関節症(膝OA)患者における術後の股関節周囲筋へのアプローチ考案の一助になるデータを得ることを目的とした.〔対象と方法〕対象は,年齢,性別をマッチングさせた膝OAなし群18名,膝OAあり群17名であった.方法は,ハンドヘルドダイナモメーターを用いて,股関節伸展,外転,外旋筋力を2回ずつ測定した.〔結果〕股関節伸展および外転筋力において,膝OAあり群で有意な筋力低下を認めた.膝OAあり群の術側と非術側間での比較では,3方向全てにおいて有意差を認めなかった.〔結語〕手術を控えた変形性膝関節症患者は,術前から股関節周囲筋力が低下していることが示唆された.さらには,その筋力低下は両側性に認められた.
著者
岡本 五郎 大森 直樹
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.521-529, 1991
被引用文献数
3 7

ブドウ'ピオーネ'では,胚珠の受精率が低いために有核果が着生しにくい.この原因を探るために,開花約1週間前の小花を培養し,培地の無機塩,ホルモンおよび雌ずいの抽出物の添加濃度が胚珠の発育と受粉後の花粉管生長に及ぼす影響を調査した.有核果が多く着粒する'マスカット&bull;オブ&bull;アレキサンドリア'を比較の対照とした.<BR>NitschあるいはMS培地の無機塩濃度,Nitschの培地の窒素濃度を高めると,両品種とも子房の発育は促されたが,胚のうの発育と受粉後の花粉管伸長は抑制された.この傾向は特に'ピオーネ'で著しかった.1~10ppmのGA, BA, NAAを添加すると, 子房の発育は影響されなかったが,'ピオーネ'雌ずい内での胚のうの発育と花粉管伸長が抑制された.'ピオーネ'雌ずいの水抽出物を培地に加えると,両品種とも子房および胚のうの発育は影響されなかったが,花柱内への花粉管伸長が著しく抑制された.<BR>以上のことから,'ピオーネ'の小花は窒素栄養の供給が豊富であると,胚のうの発育と花粉管の生長が抑制される.'ピオーネ'の雌ずいに多く含まれる花粉管生長阻害物質は,無機物質やホルモン様物質とは異なるものと思われる.
著者
小机 敏昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.1468-1479, 1984

人工弁置換術後遠隔期の41症例に対し, 右室ペーシング負荷法による弁機能の比較検討を行なった. 対象は, AVR群16例(BS12, SJM4), MVR群14例(BS6, SJM2, IS5, H1), AVR兼OMC群7例(BS6, SJM1), AVR兼MVR群4例(BS兼BS2, SJM兼SJM2)である. ペーシング負荷時のCIの変動をSowtonの分類に従って検討すると, AVR群は安静時を最大とし以後漸減するsloped type, MVR群とAVR兼MVR群は80/min時を最大とするpeaked type, AVR兼OMC群は安静時から100/min時まではflat typeで, 120/min時に急に減少する型を呈した. 弁サイズ別の検討では, AVRに用いた機械弁は25~29mm, 23mm, 21mmの順に弁機能が優れ, MVRに用いた人工弁は機械弁より生体弁, 生体弁の中では29~33mmのIS弁の弁機能が優れていた. ペーシング負荷法による血行動態の変動を検討することは, 人工弁機能を評価する上で有用な方法であった.
著者
武山 進一 遠山 良
出版者
岩手県工業技術センター
雑誌
研究報告 = Journal of Iwate Industrial Research Institute (ISSN:13487779)
巻号頁・発行日
no.14, pp.13-16, 2007-06

篩い下米は炊いた場合に"粘りが少なく"、"ぱさつく"等の特徴がある。このデンプンの特徴に着目し、品質特性調査を行うとともに、篩い下米の新用途開発の一環として、篩い下米の米粉を盛岡冷麺に配合することを検討した。篩い下米の米粉を30%配合した場合、押出法ではソフトな食感の麺を、蒸練法では本来の冷麺に近い食感の冷麺が試作出来た。
著者
関沢 清久 手塚 光彦 福島 健泰
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

ヒスタミンN-メチルトランスフェラーゼ(HMT)活性がモルモット及び人において、鼻粘膜を含む気道全体に存在することを生化学的、遺伝子学的手法で明らかにし、その産生細胞が粘膜上皮と血管内皮に存在することをHMTmRNAを染色して同定した。HMT阻害剤により、人気道におけるヒスタミンに対する収縮反応が増強され、又モルモット気道においてヒスタミン及び抗原-抗体反応による気道収縮や毛細血管透過性亢進が増強され、気道におけるヒスタミンの分解が主にHMTで行こなわれていることが示された。モルモットで、センダイウイルスを経鼻的に投与し、ウイルス感染をおこすと、気道上皮の脱落と共にヒスタミン吸入による気道収縮反応が増強された。ウイルス感染モルモットでは、気道のHMT活性が正常の半分以下に低下し、HMT阻害剤による増強反応がみられないことより、以前から人で観察されていた。ウイルス感染後の気道過敏性亢進は、気道上皮傷害に伴うHMT活性の低下による可能性が示唆された。以上より、HMTが鼻アレルギー及び気管支喘息の病態と深く関係していることが示された。私達は以上の基礎的検討を基に、人の腎臓からRNAを抽出し、cDNAのライブラリーを作成し、ラットcDNAプローベを用いて、人HMT遺伝子をクローニングした。これより、リコンビナントHMTの作成が可能になり、気管支喘息及び鼻アレルギーの治療に応用し得ると共に、人の鼻及び気道でIn situハイブリダイゼーション法によるHMT産生細胞の精細な検討が可能となった。
著者
土方 洋一
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.29, no.12, pp.61-73, 1980

Onna San-no-miya's conception is not only an important affair in the second part of The Tale of Genji but also a latent factor for the third part in which kaoru is a hero. After she committed adultery with Kashiwagi, her conception as a result of the night had something to do with his dream of a cat, and miraculously Kaoru was born. It was said that such mysterious rendezvous as in dream brought a miracle of conception for one night. Thee heroines of adultries, Fujitsubo, Onna-San-no-miya and Ukifune composed poems in each of which the word "dream" was included. The purpose of this study is to follow the process from adultry to conception with the clue of the word "dream".
著者
蔡 帥 菅 亮太 徐 海燕
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.100, 2011

Wikipedia is a multilingual encyclopedias and provides a semantic network for computing semantic relatedness. In this work, by path based measures (lch and wup),we compute the semantic relatedness for Japanese and English edition respectively. Mediawiki database, SQL and PHP are used. We show the comparison between lch and wup measures, we also compare the Japanese results with the corresponding English results and show their differences.
著者
稲葉 進
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.973-976,017, 2001

株式会社丸石製作所はフルシンクロカッターで世界的に有名なドイツ, ビロマティック社と技術提携をしており, 既に国内外へ23台を納入している。ビロマティック社ではこの程, スタック交換の中断がないノンストッブシーターを開発して特許申請を完了した。今までシングルオーバーラップのマシンにおいて, スタックチェンジをするためにはシングルもしくはダブルパイラーであれ, シート間のすき間を開けるために数カットのシートをリジェクトする必要があった。<BR>このリジェクトを回避するために様々な方式が用いられたが, ダブルオーバーラップにする以外どの方式においてもシートへのキズの発生, 摘み取り荷姿の歪み, 低生産性等の問題があり最良とは言い難い現状にある。そこで, ビロマティック社では研究開発の結果, 全く新しいシステムを構築し, これを商品化した。<BR>それはシングルオーパーラップ機構において, コンベヤーラインをNo.1とNo.2コンベヤーとに分け, No.2コンベヤー部にもサクションボックスを設けてシートを分離する方法である。
著者
田中 元志 矢島 拓明 新山 喜嗣
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.141, no.6, pp.720-726, 2021

<p>Eye movement was measured when food and wear pictures that consisted of four items with different positions were subjectively evaluated by seven-grade scale (like - dislike), and the relationship between the subjective evaluation and feature parameters obtained from eye fixation and scanpath was investigated. In results, a significant relationship between the saliency of pictures obtained by GBVS and the normalized total fixation time was not observed. And the eye movement at the initial state might be similar, independent of the saliency of items in the pictures. The fixation time to the item of the negative `dislike' evaluation became relatively longer, when the evaluation was negative irrespective of the experimental condition. These feature parameters would be useful for quantifying the evaluation of the pictures.</p>
著者
松永 理恵 阿部 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.279, pp.53-58, 2010-11-06
参考文献数
10

人間には,単純な基本振動数比の音程ほど協和性を感じる聴神経機能が生得的に備わっている。このことから,音階の中心音となるドとより単純な振動数比の関係にある"ソ"や"ファ"を含む音階が世界中に遍在していると考えられる。本研究では,ソやファを含むかどうかによって,音階(調性スキーマ)の学習のしやすさに違いが生じるかどうかを検討した。実験1の結果は,ソとファの両方を含む音階は,どちらか片方のみしか含まない音階やどちらも含まない音階よりも学習しやすいことを示した。実験2と3では,実験1の結果が,既学習の西洋全音階への同化のしやすさによるものではないことを確認した。これらの結果は,ソとファの両方を含む音階の学習しやすさは環境的な要因よりも生得的な要因によるところが大きいことを示唆する。
著者
池本 毅 岡部 文市 山本 直史 中津川 弘子
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.229-237, 1999

香料による体臭のマスキング効果の持続性を高める方法として, 花香気成分の前駆体として知られる香気成分配糖体の応用について検討を行った。まず<i>in vitro</i>試験として香気成分配糖体を含む培地にてさまざまな種類の皮膚細菌を培養し, 生成した香気成分量と残存する配糖体量をGCおよびHPLC分析にて検討を行った。そして, 多くの皮膚細菌類が香気成分配糖体を代謝し香気成分を生成することを確認した。また, その生成量は菌種や配糖体の構造により代謝速度が大きく異なることも確認した。次に, 香気成分配糖体を身体に塗布したときの効果を確認する目的で, ヘッドスペースガス法を用いた<i>in situ</i>試験を行った。その結果, 香気成分配糖体を身体に塗布した場合にも香気成分が持続的に生成すること, その生成量は配糖体の構造や塗布部位において大きく異なることを確認した。さらに, eugenolを香気成分部とするeugenyl β-D-glucosideには持続性に優れたデオドラント作用のあることも官能試験により確認された。
著者
木村 正人 平井 喜幸
出版者
日本熱帯生態学会
雑誌
Tropics (ISSN:0917415X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.489-495, 2001 (Released:2009-01-31)
参考文献数
17
被引用文献数
8 12

カザリショウジョウパエのオスは交尾のためアサガオの花になわばりを形成する。今回, 我々はスカラミ(インドネシア・スマトラ島)において本種の日周期活動となわばり制について調べた。スカラミでは,アサガオの花の寿命は約半日でほぼ日の出時に開き、午後から夕方にかけてしぼむ。本種はオス,メスともしぼんだ花内で夜を過ごし,翌日,朝から夕方にかけ出ていく。一方,新しく開いた花の上の個体数は,朝から夕方にかけ増加する。新しく聞いた花において,オスは,午前中は普通なわばりを保持しているが,午後,花上の個体数が増えてくると,なわばりを守ることができなくなる。新しく開いた花においてなわばりを保持しているオスとしぼんだ花に留まっているオスを朝に採集し,その体サイズを比べたところ,前者の方が大きかった。このことは,大型のオスはなわばり争いに有利であり,新しく開いた花になわばりを保持するため,より早くしぼんだ花を離れることを示している。実際,大型のオスの方がなわばり争いに有利であることが,室内実験により示された。一方,メスにおいては,体サイズと日周期活動にはなんら関係が見られなかった。夕方には,オス,メスともほとんど活動せず,花上に静止していた。メスは朝から夕方にかけ,その日に開いた花にのみ産卵する。花間の卵の分布はほぼランダムであった。
著者
東京音楽学校 編
出版者
東京音楽学校
巻号頁・発行日
vol.昭和12至13年, 1938

1 0 0 0 OA 血盆経

出版者
此村欽英堂
巻号頁・発行日
1915