著者
北村 繁 伊藤 伸幸 柴田 潮音
出版者
弘前学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

従来、中米・エルサルバドル共和国中部に位置するイロパンゴ火山で4世紀頃に巨大噴火によって、広い地域で火山灰が厚く堆積し、当時の古代メソアメリカ文明は壊滅的な影響を被ったとされてきた。本研究では、火山灰の堆積状況を現地で調査した結果、壊滅的な被害を被ったのは、火砕流が到達した火山から40km 程度の範囲、および、土石流が流下したレンパ川下流域などに限られ、それ以外の地域では、火山灰の堆積量が少なく、壊滅的な影響が生じなかった可能性が高いことが明らかとなった。
著者
上田 天瑞
出版者
密教研究会
雑誌
密教研究 (ISSN:18843441)
巻号頁・発行日
vol.1933, no.51, pp.124-158, 1934-03-01 (Released:2010-03-16)
著者
伊藤 晃 山村 千絵
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.134-144, 2010-08-31 (Released:2020-06-26)
参考文献数
35

【目的】唾液は咀嚼や嚥下に重要であり,唾液分泌が少ない場合は,マッサージや口腔の運動により分泌を促す方法がとられている.しかし,これらを適応できるのは,意識レベルが良好で自発運動が可能な人たちが主である.本研究では,患者さんの状態によらず簡便に行うことができるニオイ刺激に注目し,ブラックペッパーオイル(Black Pepper Oil, 以下BPO)とカルダモンオイル(Cardamon Oil, 以下CO)のニオイを嗅がせることにより,唾液分泌量がどう変化するかを定量的に調べることを目的とした.【対象と方法】被験者は,アレルギー,口腔乾燥症状,嗅覚障害等がない健康な成人男女43 名(男性18名,女性25 名,平均年齢±標準偏差=21.8±1.2 歳)とした.ニオイ刺激の試料はアロマオイル100%の原液を用い,BPO,CO および無臭対照試料のホホバオイル(jojoba oil, 以下JO)の3 種類とした.それらをスティック状のムエットに塗布し,被験者の鼻孔の前30 mm の位置に呈示し,通常呼吸によりニオイを嗅がせた.ニオイを嗅いでいる間の唾液分泌量を30 秒間ワッテ法にて4 回ずつ測定し,その平均値を測定値とした.認知的要因が唾液分泌に影響を及ぼす可能性を排除するため,ニオイ試料の名前の開示は実験終了後に行った.【結果】安静時やJO 刺激時に比べ,BPO 刺激時やCO 刺激時に唾液分泌量が有意に増加した.BPO 刺激時とCO 刺激時の唾液分泌増加量に有意差はなかった.また,男性と女性による増加量の差はなかった.【考察】BPO は島皮質を活性化し嚥下反射の潜時を短縮すること等がすでに明らかになっており,BPO のアロマパッチは嚥下リハビリテーションの臨床に応用されている.さらに,本研究により,BPO やCO には唾液分泌促進効果があることが定量的に示された.ニオイ刺激を用いて,唾液分泌等の口腔内環境を改善させることができる可能性が示唆された.
著者
喜多 秀行 月岡 修一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.145-152, 2005-10-31 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

本研究では, より正確なバス利用者ODパターンのデータを得るため, 停留所別の乗降者数を基にした推計方法を開発し, 現実のバス路線データを用いて推計方法の妥当性を検討した. その結果, 路線によって差はあるが, 観測乗降者数データのみから, 補助金の算定やバスサービスの向上に必要とされる, より正確なバス利用者ODパターンを推計することが可能となった. また, 限定的な調査結果を年間データに拡大して用いなくとも, 比較的簡単に観測できる乗降者数データを基に推計することができることを示した. 今後は推計計算の考え方について更に検討を行い, より推計精度を向上させる方法を開発する.
著者
吹春 俊光
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.45, 2008

"維管束植物は外側と内側が反転した地衣類である"といわれるように,陸上植物は菌類との共生の上で生存し,陸上生態系で菌の存在は無視できない.北半球では外生菌根性植物であるブナ科,マツ科,カバノキ科が主要な植物景観の構成要素であるが,従来,植生の変遷や景観の変遷が,菌根の側から説明されたことはなかった.提案する「菌根型からみた植生景観変遷モデル」は,菌根の立場で,植物景観や植生の変遷を説明するものである. 図の説明:a.有史以前:人為的な行為の無い森林.山の尾根から斜面にかけて外生菌根型の樹種(ブナ科,マツ科,カバノキ科)が優占する.VA型の樹種はその斜面にスポット的に混在する.b.里山(~1959):人は山のふもとに集落をつくり,集落の背後の谷筋にはVA型のスギなどを植えた.またその他の場所では,コナラ林やマツ林などの人為二次林である里山が成立した.景観としてはまだ外生菌根性樹種が多い.c.現在:尾根の上などの乾いた立地にまでVA型の樹種の植林がある.尾根や稜線にかろうじて外生菌根型の樹種が残された.かつては,北半球のほとんどを覆い尽くした外生菌根型の森は,この景観の中では消滅寸前である.
著者
上水流 歩望 佐藤 裕二
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21888833)
巻号頁・発行日
vol.2016-MPS-107, no.4, pp.1-6, 2016-03-01

パズルゲームの一種であるピクロスの大規模な問題を解くための遺伝的操作の提案と,効率的に GA を実行するための決定的アルゴリズムを併用する手法の提案を行う.ランダムに生成した 20×20 のピクロス問題を 50 種類使用した評価実験から,提案するマスの確定法を行う GA が,単純にマスの確定法を行う GA より探索精度を大きく向上できる可能性を示す.
著者
齋藤 誠二
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.324-332, 2015-10-20 (Released:2016-09-28)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

本研究は,靴底の摩耗に影響を与える要因を明らかにすることを目的として,若年男性の靴底の摩耗形状と使用状況および歩容との関係性について分析した.若年男性35名が日常的に使用しているスニーカーの摩耗形状を計測するとともに,自由歩行中の下肢の角度や関節角度,移動速度,加速度を計測し,これらの関係性について相関分析および重回帰分析により検討した.その結果,踵外側の摩耗は,荷重応答期における距骨下関節角度と使用期間,摩耗の厚さは,荷重応答期のすり足距離,遊脚終期の足関節角度および両期の膝関節角度と関係することが認められた.また,底面摩耗角度は,荷重応答期と遊脚終期の足関節角度と距骨下関節角度および歩隔と関係することが認められた.以上のことから,若年男性の靴底摩耗は,使用状況と一部の歩容から説明できることが示唆された.従って,使用者の歩容を考慮することで,より効果的な耐久性への配慮と摩耗による機能性低下を予防できる.
著者
磯田 光一
出版者
講談社
雑誌
群像
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.p275-290, 1986-08
著者
Koichiro Fujisue Eiichiro Yamamoto Daisuke Sueta Yuichiro Arima Kyoko Hirakawa Noriaki Tabata Masanobu Ishii Miwa Ito Kenshi Yamanaga Shinsuke Hanatani Tadashi Hoshiyama Hisanori Kanazawa Seiji Takashio Satoshi Araki Hiroki Usuku Taishi Nakamura Hirofumi Soejima Koichi Kaikita Hiroaki Kawano Kenichi Matsushita Kenichi Tsujita
出版者
Japan Atherosclerosis Society
雑誌
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis (ISSN:13403478)
巻号頁・発行日
pp.63044, (Released:2021-09-28)
参考文献数
37
被引用文献数
7

Aims: Royal jelly, a creamy substance secreted by honeybees, has been reported to have beneficial effects against dyslipidemia and metabolic syndrome. However, the effects of royal jelly on atherogenesis remain unknown. Hence, we prospectively evaluated whether royal jelly augments vascular endothelial function, which can reflect early atherogenesis, in healthy volunteers. Methods: This was a single-center, double-blind, 1:1 randomized placebo-controlled study conducted from October 2018 to December 2019. A total of 100 healthy volunteers were randomly assigned to receive either royal jelly 690 mg or placebo daily for 4 weeks. The primary endpoint was augmentation in vascular endothelial function as assessed using the change in the reactive hyperemia peripheral arterial tonometry index (RH-PAT) index, and the secondary endpoints were the changes in liver function and lipid profiles between baseline and 4 weeks after enrollment. Results: The mean age of the participants was 35.0±9.3 years in the placebo group and 36.1±9.1 years in the royal jelly groups; 45% and 50% of the placebo and the royal jelly groups, respectively, were male. The percentage relative change in the RH-PAT index was significantly higher in the royal jelly group than in the placebo group (21.4%±53.1% vs. 0.05%±40.9%, P=0.037). The percentage relative changes in alanine aminotransferase and γ-glutamyl transpeptidase were significantly lower in the royal jelly group than in the placebo group (alanine aminotransferase: −6.06%±22.2% vs. 11.6%±46.5%, P=0.02; γ-glutamyl transpeptidase: −3.45%±17.8% vs. 4.62%±19.4%, P=0.045). Lipid profiles were not significantly different between the two groups. Conclusions: Royal jelly might have antiatherogenic property by improving vascular endothelial function. It also augmented liver functions in healthy volunteers.