著者
四方 朱子
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
日本研究 = NIHON KENKYŪ (ISSN:24343110)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.141-157, 2020-03-31

大江健三郎の初期短編の中に、「他人の足」(初出:『新潮』第54 巻第8 号、1957 年8 月)という脊椎カリエスの少年たちの物語があるが、このテクストは大江の文壇デビューの最初期に書かれているにもかかわらず、その後の大江小説の特徴を多く備えている。この短編を、その語り手が脊椎カリエス患者の当事者の一人称視点であることに注目し、分析することで、この短編が持つ複層的なゆらぎがもたらすリアリティを明らかにしたいと考える。
著者
新良 宏一郎 熊澤 安正
出版者
環境技術学会
雑誌
環境技術 (ISSN:03889459)
巻号頁・発行日
vol.17, no.11, pp.690-695, 1988-11-30 (Released:2010-03-18)
被引用文献数
1
著者
酒井 佑士 外山 康平 戸田 偉 川谷内 哲二
出版者
金沢大学附属高等学校
雑誌
高校教育研究 (ISSN:02875233)
巻号頁・発行日
no.72, pp.7-18, 2021-03

数学科多くの学校でそうであったように,本校にとっても,2020年度はこれまでとは異なる方法での学校教育が求められた年であった。コロナ禍による2ヶ月の休校,2週間の分散登校を経て,3学年揃って通常登校が始まったのは6月15日であった。この間,学びを止めないように取り組んできた独自HPや金沢大学LMS(Learning Management System)を用いた授業動画やプリント教材の提供,Web上での確認テスト,ビジネスチャットslackでの質問対応について記したい。再度の感染拡大や自宅待機への備えとしたい。
著者
信時 哲郎
出版者
甲南女子大学女子学研究会
雑誌
女子学研究 (ISSN:21869235)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.27-35, 2017-03
著者
盛岡 実 萩原 宏俊 坂井 悦郎 大門 正機
出版者
日本コンクリート工学協会
雑誌
コンクリート工学年次論文報告集 (ISSN:13404741)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.157-162, 1999-06-01
参考文献数
11
被引用文献数
7

膨張材を混和したセメントペーストの化学収縮は無混和のセメントペーストと比較して大きい。膨張材無混和のペーストは自己収縮を示したが,膨張材を混和したセメントペーストは自己膨張を示した。自己体積変化と化学収縮の差より,水和物によって埋められなかった空隙について検討した。膨張材を混和したセメントペーストは,無混和のペーストと比較して結合水量が大きく,化学収縮も大きい一方で,自己膨張を示したことより,水和物によって埋められなかった空隙の他に,水和物によって創り出された空隙が存在することが明らかとなった。
著者
松永 佳世子 矢崎 喜朔 上田 宏 早川 律子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.269-275, 1979 (Released:2010-06-04)
参考文献数
11

口唇にのみ乾燥落屑及び暗紫色の色素沈着をきたした37才主婦例につき, 使用化粧品, タール色素, 1-phenyhzo-2-naphthol, 使用口紅の各成分, 使用可能な化粧品を選定するためのパッチテストなど, 計5回にわたるパッチテストを施行した。原因としてR-219の不純物である1-phenylazo-2-naphtholであることを確認した。又, 使用口紅, 同製品に使用されたR-219及び1-phenylazo-2-naphtholのパッチテスト部位を2週後に生検し, 著明な真皮上層の小円形細胞の浸潤, 基底層の液状変性, 及びincontinentia pigmenti histologicaを認めた。以上より本症例を使用口紅に含有されたR-219の不純物である1-phenylazo-2-naphtholによる黒皮症型の色素沈着例であると考えた。
著者
黒田 聡史 佐々木 伸雄 伊藤 直之 村岡 登
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.923-927, 2014-12-20 (Released:2015-01-20)
参考文献数
14

7カ月齢の日本猫が,左前肢の跛行と掌球部の石灰沈着に伴う白斑を主訴に来院した.血液検査では持続的な高リン血症がみられたが,血漿カルシウム値は正常範囲内であった.また,腎不全,甲状腺機能亢進症及び原発性上皮小体機能低下症は認められず,当初は血清中のビタミンD値が高値を示した.リン制限食給与並びにリン吸着剤の投与により,血漿無機リン(iP)値は有意に減少し,カルシウム・リン溶解度積も減少した.また,ビタミンD値は正常値に復した.しかし,血漿iP値は依然正常範囲より高値であった.跛行は改善したものの,掌球の石灰沈着症は初診から2年半以上にわたり観察された.本例の高リン血症の原因は明らかにできなかった.
著者
秋信 有花 縫嶋 慧深 田村 みゆ 倉光 君郎
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.25, 2021-05-12

深層学習技術の登場により,近年の自然言語処理は目覚ましい発展を遂げている.同様に,プログラミング言語処理やさらにソフトウェア工学分野において,深層学習技術の活用は大いに期待されるものとなっている.我々は,深層学習による自然言語処理技法をより直接的に適用しやすくするため,プログラミング言語と双方向変換可能な形式日本語CJを提案する.CJは,構文レベルで形式的に定義され,決定的な構文木を導出でき,プログラミング言語を含む任意の形式言語と双方向変換となっている.一方,CJは日本語として自然に解釈することができ,既存の自然言語処理も適用可能である.本発表では,CJの設計と実装を報告する.
著者
久留飛克明
雑誌
昆虫園研究
巻号頁・発行日
vol.5, pp.36-39, 2004
被引用文献数
1
出版者
文芸春秋
雑誌
週刊文春
巻号頁・発行日
vol.59, no.17, pp.171-173, 2017-05-04
著者
山本 勇樹 森元 慶三 北村 諭思 米谷 智樹 古川 壮彦
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.37, no.10, pp.567-571, 2011 (Released:2012-10-11)
参考文献数
12

The hepatitis B virus (HBV) is a serious concern for people at high risk of exposure to blood in their work because it is very infectious. While infection can be prevented by acquiring antibodies from hepatitis B vaccine, there are low responders and non-responders to the vaccine.We examined 2 possible methods of overcoming this problem: performing an additional vaccination with a different type of vaccine and carrying out 2 additional vaccinations at monthly intervals. Regarding the former method, an additional vaccination with a different vaccine type was carried out for a subject who could acquire no antibodies after undergoing 2 series of 6 vaccinations and who had not had any antibodies to hepatitis B for about 10 years. One month later, the passive hemagglutination test (PHA test) showed that the subject had obtained a 512-fold increase in the number of antibodies. As for the latter method, 3 of 5 non-responders acquired antibodies. Also, 5 of 6 subjects who were less responsive to the vaccine acquired antibodies and maintained them for at least 3 years.We intend to improve immunization coverage by using the methods examined in this study.