1 0 0 0 OA 北京繁昌記

著者
中野江漢 著
出版者
支那風物研究会
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1922
著者
古川 貢
出版者
分子科学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

現在までに,ミクロンスケールの人工周期構造を有する強磁性パーマロイ(Fe_<20>Ni_<80>)の人工格子薄膜のX-band強磁性共鳴スペクトル測定により,2つの新しいモードが生じることを明らかにしてきた.このモードは,ミクロスコピックとマクロスコピックの中間領域であるセミマクロスコピックな量子機能と捉えることができ,このモードの詳細を解明することが目的である.そこで本研究ではESRイメージングという方法で,セミマクロスコピックスケールの新規量子磁気モードを可視化することを試みた.より大きな磁場勾配を作ることが,イメージングの分解能に直結する.高分解能ESRイメージングに必要な,大きな磁場勾配を作成するために,磁場勾配用コイルを検討した.単純なアンチヘルムホルツコイルでは勾配磁場の均一領域を稼ぐことができないことが明らかになった.つまり限られた空間のみを使用するためにイメージングを行うのに解像度が低くなるために不利である.そこで,MRIで開発された方法であるターゲットフィールド法を用いて最適な磁場勾配用コイルの形状を求めた.この方法を使用することで勾配磁場の均一な空間を大きく確保することに成功した.しかし,(1)ESR線幅が数百ガウス程度あること,(2)反磁場の影響でシグナルが大きく低磁場へシフトしてしまうという2点から,十分な分解能が得られない.これを回避するためには,高磁場ESRと高磁場勾配を組み合わせる高分解能ESRイメージングシステムの開発,もしくは,適当な物質を開拓する必要がある.そこで,高分解能ESRイメージングを目指して,Q-band ESRを使用した磁場勾配用コイルを開発へと発展させる予定である.
著者
赤松 大輔 小泉 隆平
出版者
近畿大学 心理臨床・教育相談センター
雑誌
近畿大学心理臨床・教育相談センター紀要 (ISSN:24349933)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-12, 2021-03-15

[要旨]本研究では,昼間定時制高校の新入生を対象として,彼らの自尊感情の高さと変動性に関する検討を行った。118名の生徒に4月,7月,11月にわたる3時点の縦断調査を行った。相関分析の結果,自尊感情のレベル(3時点を通した自尊感情の平均的な高さ)と変動性(3時点にわたる自尊感情の個人内の変化の大きさ)の間には,統計的に有意ではなかったものの,理論的に妥当な負の相関(r = -.14)が示された。また,自他の情動を適切に認識し,調整する能力である情動知能との関連も検討した。その結果,状況対処や感情制御にかかわる情動知能は,自尊感情のレベルと有意な正の相関(r = .58)を,自尊感情の変動性と有意な負の相関(r = -.30)を示した。この結果から,状況対処や感情制御にかかわる情動知能が,自尊感情の高さと安定性に寄与する可能性が示唆された。考察では,教育場面において子どもの自尊感情のレベルと変動性の双方を支えるうえで,情動知能に着目した教育的支援の在り方の重要性について議論した。
著者
三浦 寛貴
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.17-22, 2016 (Released:2017-03-17)
参考文献数
30
被引用文献数
1

【目的】本研究は咬合接触状態の変化が姿勢制御にどのような影響を及ぼすのかを検討するため,下顎安静位,15%噛みしめ,30%噛みしめの3条件における安定域面積,重心動揺面積,姿勢安定度評価指標を比較検討した.【対象と方法】対象は研究参加に同意を得た,顎口腔系を含む全身に異常のない健常若年男性26名とした.測定は足圧分布計を使用し各条件での安定域面積,重心動揺面積,姿勢安定度評価指標を計測した.【結果】安定域面積は各条件間において有意差を認めなかったが,噛みしめ強度が大きくなるにしたがい拡大する傾向がみられた.重心動揺面積は15%噛みしめが30%噛みしめに比べて有意な減少を認めた.姿勢安定度評価指標は15%噛みしめと30%噛みしめとの間に有意差が認められ,15%噛みしめにおいて姿勢が安定することが示された.【結語】咬合接触状態が姿勢制御に影響を与えることが示唆された.特に,噛みしめの強度によって与える影響が異なることから,動作や運動パターンによって噛みしめの役割が異なると考えられる.
著者
石崎 達 宮本 昭正 清水 保 可部 順三郎 牧野 荘平 児玉 太郎 信太 隆夫
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3-4, pp.217-229, 1964-12-20 (Released:2010-02-23)
参考文献数
28

To investigate air pollution respiratory diseases (especially T-Y asthma) among Japanese, mass survery in the Niigata area and T-Y area was carried out. Subjects submitted for statistic analysis were 2825 in total. There were increased incidence of respiratory symptoms such as chronic coughing, increased sputum production and throat irritation among the subjects who are living in T-Y area. This incidence was highest in the native group of T-Y area and particulary high among smokers and subjects with allergic constitution. There were no increased incidence of air way obstructive diseases in T-Y area but group of subjects who were exposed to heavy air pollution tended to have low vital capacity. These reaults give the evidence that air pollution is harmful for respiratory tract.There were no definite evidence that respiratory sensitivity to inhaled acetylcholine in subjects in T-Y area was increased, inspite of the fact that asthmatic patients have significantly high sensitivity to acetylcholine. On the other hand, 7 cases of T-Y asthma at Zama U. S. Army Hospital showed the range of bronchial asthma and chronic bronchitis.Among 237 cases of asthmatic patients at our clinic there were only 15 cases who deveolped their 1st onset of asthma in T-Y area after their move to this industrialized area from rural areas but none of them presented compatible characteristics with the entity of the so-called T-Y asthma, though some presented quite similar pictures. From our study, it may not be quite feasible to use the name of T-Y asthma for Japanese since the incidence of air way obstructive diseases does not seem to have particularly increased in T-Y area. Possible reasons for the differnce between our views and those of the U. S. military physicians were discussed.
著者
成田 正直 阪本 正博 秋野 雅樹 武田 忠明 今村 琢磨 飯田 訓之
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.277-283, 2011-07-15
参考文献数
11
被引用文献数
2

2009年度における北海道のホタテガイの生産量は44万9千トン、生産金額は476億円で、これは北海道の魚種別生産量の約3割、生産額の約2割を占める.ホタテガイは1970年代に天然採苗技術や中間育成技術が確立され、その後、オホーツク海での地まき放流の拡大などにより、生産を増大させてきた.しかし、生産量の増大とともに価格は低下し、1990年代前半から低迷している(図1). ホタテガイの主な加工品目は冷凍貝柱、生鮮貝柱、ボイル冷凍、乾貝柱で(図2)、生産量の割に加工品の種類が少ないことが、魚価低迷の一因とされる.特に冷凍貝柱と生鮮貝柱への仕向け割合が高く(66%)、これらのアメリカ向けを中心とした輸出がホタテガイ価格の底支えを行っている. 北海道立総合研究機構水産研究本部(旧北海道立水産試験場)では、ホタテガイの付加価値向上と需要拡大を図るため、これまで多くの技術開発を行ってきた.この中では、生鮮貝柱の高鮮度流通技術の開発や乾貝柱の品質向上技術など既存製品の高品質化、生産の効率化とともに、新たな製品の企画、開発を行ってきた.その中で、最近製品化されたものとして、ホタテガイ貝柱フレーク(以下、貝柱フレーク)とホタテガイ貝柱の飯寿し(以下、ホタテ飯寿し)がある.本稿では、これら新規製品の基本的製法の確立、技術的改良から、企業移転を図るまでの経過を紹介する.
著者
倉橋 節也 吉田 健一 津田 和彦
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本年度は,複雑システムにおけるモデルパラメータの推定と変数選択を効率的に行うためのアルゴリズムについての研究を実施した.また,逆シミュレーション学習によるエージェントモデルのパラメータ推定手法の手法を,実際の社会システムを対象に適用事例を作っていくことを主に行った,1)都市動態モデル,3)組織多様性モデルについて検討した,1)変数選択モデル エージェントモデルでは,多数の変数を扱うことになるが,それらを網羅的に探索して適切な値を求めることは,計算資源の課題から困難な場合が多い,また,取り扱う変数も削減することが,モデルの簡潔さとシミュレーション結果の解釈において,重要となる.実データを適用する場合においても,大量かつ複雑なデータの獲得と蓄積が進み,重要な変数を選択する手法の重要性が高まっている.そこで,実数値遺伝的アルゴリズムを用いて,同一世代内の遺伝子の分散を活用した変数選択手法を提案し,パラメータ推定と変数選択の両方に対応できることに成功した,2)都市動態モデル 中世において都市の集中化は始まっており,人口の増加に伴う流動化が移民の増加へと拡大している.このスプロール化した都市がどのように発生するのかを解明することは,華僑の発生と都市構造との関係を知る上で重要となる3)組織多様性モデル 少子高齢化が進む日本では,労働力を確保するために働き方,働く人が多様化している.海外からの労働者を受け入れることは,事務職においても今後増えることが予想され,オフィスにおける多様性のマネジメントが課題となるそこで,多様性を定量化するフォールトラインの考え方に基づき,日本の組織を対象にした実態調査の結果を用いて,組織の多様性と成果関係をエージェント・ベースモデルによって明らかにした.多様性はフォールトラインの強さとサブグループ数によって成果への影響が異なることがが明らかになった.
著者
福井 佳夫
出版者
中京大学文学部
雑誌
中京大学文学部紀要 = JOURNAL of FACULTY of LETTERS (ISSN:02873443)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.1-126, 2020-11-16
著者
塩田 祥子 坂下 文子 Shoko Shiota Ayako Sakashita
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.137, pp.211-226, 2021-05-31

社会福祉士の実習における「現場実習」段階は,施設で過ごす利用者や,そこで働く職員を知る時間であり,実習全体の基盤となる段階である。その際,重度の障がいがある利用者が過ごす施設では,ケアワーカーに実習生の「担当」をしてもらうこともある。担当となったケアワーカーは,実習生にケアワークの何をどのように伝えていくのか,自らの判断に委ねられ,悩ましいところである。実習指導者は,担当のケアワーカーに「ある程度の裁量」を求めているが,その曖昧さが,ケアワーカーの迷いにつながっている。特に,実習生にケアワークの実際をどこまでみせるか否かは,利用者の権利にかかわってくるため,迷いも募る。また,利用者のそばにいることが多いケアワーカーの実践を見学することを通して,実習生は利用者理解を深めることができる。そのため,実習指導者は,実習生の指導に当たって,ケアワーカーと連携していくことが求められる。具体的には,施設外での学びの機会が多い社会福祉士と,利用者の日常を支えるケアワーカーとの情報量の違い,解釈の違いを理解する。そして,常勤,非常勤職員も含めて,わかりやすく情報を伝達していく。さらには,組織として,実習生を任されたケアワーカーの戸惑いを支える体制づくりが求められる。実習生に利用者理解を促すためにも,介護現場に多く配置されているケアワーカーが実習生の指導に対してどのように思っているのか,その声を,今後も聞き続けることが大切となる。研究ノート(Note)

1 0 0 0 OA 有朋堂文庫

著者
塚本哲三 等編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.〔第15〕, 1917