著者
田山 雅雄 角村 純一 中川 公彦 高橋 英治 河村 純 森友 猛
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.909-913, 1990

症例は30歳男性で, 右季肋部痛と肝機能障害にて入院.Endoscopic retrograde cholangio-pancreaticography (以下ERCP) にて膵上縁で総胆管に2cmの長さの平滑な圧迫狭窄を認め, この部分に腹部X線やcomputed tomography (以下CT) で石灰化した小腫瘤を認めた.頸部リンパ腺結核の既往があり, ツベルクリン反応が強陽性であることから胆道周囲のリンパ節結核による総胆管狭窄と診断した.開腹所見では径2cm大の腫大したリンパ節を膵上縁の総胆管周囲に2個認め, これを切除した後Hegar拡張器にて総胆管狭窄を解除し, T-tubeを留置した.術後一過性の肝機能障害を認めたが46日目に退院した.結核性リンパ節炎による総胆管狭窄はきわめてまれで, 本邦において8例, 国外でも散発的に数例の手術報告例があるにすぎない.本邦例8例では手術は自験例のようにリンパ節摘出以外に, 3例に総胆管空腸吻合術が施行されており, すべて良好な経過を得ているようである.
著者
原 和彦 佐藤 構二 受川 史彦 ATLAS Collaboration Kazuhiko HARA Koji SATO Fumihiko UKEGAWA
出版者
American Physical Society
雑誌
Physical review D (ISSN:24700010)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, 2020-01

Combined measurements of Higgs boson production cross sections and branching fractions are presented. The combination is based on the analyses of the Higgs boson decay modes H→γγ, ZZ∗, WW∗, ττ, b¯b, μμ, searches for decays into invisible final states, and on measurements of off-shell Higgs boson production. Up to 79.8  fb−1 of proton–proton collision data collected at √s=13  TeV with the ATLAS detector are used. Results are presented for the gluon–gluon fusion and vector-boson fusion processes, and for associated production with vector bosons or top-quarks. The global signal strength is determined to be μ=1.11+0.09−0.08. The combined measurement yields an observed (expected) significance for the vector-boson fusion production process of 6.5σ (5.3σ). Measurements in kinematic regions defined within the simplified template cross section framework are also shown. The results are interpreted in terms of modifiers applied to the Standard Model couplings of the Higgs boson to other particles, and are used to set exclusion limits on parameters in two-Higgs-doublet models and in the simplified minimal supersymmetric Standard Model. No significant deviations from Standard Model predictions are observed.
著者
鮎川 勝 Masaru Ayukawa
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.36-65, 2004-03

第44次南極地域観測隊は,鮎川勝観測隊長以下60名(うち越冬隊は小島秀康副隊長兼越冬隊長ら40名)で構成された.越冬隊のうち8名(大日方一夫副隊長兼越冬副隊長ら)はドームふじ観測拠点で越冬し,夏隊のうち3名(小達恒夫副隊長(専用観測船担当)ら)は「専用観測船」で行動した.このほか,越冬隊に4名,夏隊に6名および専用観測船に16名が,同行者として観測隊と行動を共にした.2002年11月14日,南極観測船「しらせ」は東京港晴海ふ頭より出発した.観測隊57名およびその同行者10名(NHK放送記念事業など報道関係者9名,研究者1名)は,11月28日に成田から空路でオーストラリアのシドニー経由パースに向かい,29日にフリーマントルで「しらせ」に乗船した.「しらせ」は,12月3日に同港を発ち,15日にリュツォホルム湾沖に到着し,26日に昭和基地に接岸した.2002年12月17日から2003年2月15日までの間に,昭和基地および見返り台(S16: ドームふじ観測拠点)への物資輸送,昭和基地からの廃棄物の積み込み,同基地における観測および建設作業,内陸および沿岸地域における野外観測などを行った.昭和基地等への物資輸送量は1225トンであった.昭和基地から「しらせ」に積載した廃棄物量は162トン,持ち帰り一般物資は139トンであった.昭和基地における夏期設営作業では,観測系のPPB飛実験支援のほか,見晴らし燃料タンク-昭和基地間の燃料送油管の設置第2年次工事,インテルサットアンテナの基礎コンクリート打設工事,300kVA発電機1号機のオーバーホール,基地側燃料タンクの防油堤建設工事,放送事業用の直径4.8mパラボラアンテナ放送棟小型発電機小屋の建設とその内部設備送配電線工事等36項目にわたった.夏期観測では,昭和基地における観測として4機の南極周回気球飛実験を実施したほか,野外における観測として宗谷海岸露岩域一帯から,明るい岬などのプリンスオラフ海岸露岩域に至る地学地質,陸上生物,測地,広帯域地震計観測などを実施した.また,気水圏系では,氷河末端域の消耗量観測およびパッダ沖多年氷の採取を行ったほか,内陸ドーム旅行中には雪氷学的調査を実施した.2003年2月14日までに第43次越冬隊員および第44次夏隊の野外調査隊,基地の設営作業者等を順次「しらせ」に収容し,2月15日の最終便の後に「しらせ」は北上を開始した.2月22日から26日にかけてアムンゼン湾沖で海底地形測量を実施した.「しらせ」による停船航走観測は,往復路ともほぼ計画通りの観測を実施した.「しらせ」は,3月21日にシドニーに入港し,27日に同港を発ち4月13日に東京港に帰港した.観測隊は3月29日に空路成田に帰国した.他方,「専用観測船」は,2003年2月17日にニュージーランドのウェリントンを出港し,東経140度付近の南極海で約10日間の海洋観測を行い,3月13日に同港に帰った.観測隊員等は3月17日に空路成田に帰国した.
著者
上田 正行
出版者
金沢大学
雑誌
金沢大学文学部論集 文学科篇 (ISSN:02856530)
巻号頁・発行日
no.13, pp.p1-31, 1993-03

金沢大学文学部
著者
水野 正彦
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp."N-2", 1988
著者
小倉 能理子 阿部 テル子 齋藤 久美子 石岡 薫 一戸 とも子 工藤 せい子 西沢 義子 會津 桂子 安杖 優子 小林 朱実
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.2_75-2_83, 2009-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
25

看護職者の患者指導に関する教育的機能を高めるための教育プログラムおよび教育・指導技能評価ツール開発にむけて,その基礎資料を得るために看護職者の患者指導に対する考えと実施の実態を調査した。その結果,看護職者は,患者指導を重要と考えているが実施は十分ではないことが示された。中でも,患者とともに指導を進めること,指導を計画的に行うために事前に調整が必要なことが行動につながっていなかった。指導形態では,指導計画の立案が不十分であることが把握された。それは,学習理論をふくむ教育方法に関する知識・技術が不十分であることが一因と考えられた。以上のことから,現職看護職者の患者指導に関する教育的機能を高めるためには,教育方法の理論・技術に関する基礎知識,教育の基本原理などの項目を看護基礎教育あるいは新人教育プログラムに盛り込む必要があると考えられた。
著者
天貝 静 江守 陽子 村井 文江 小泉 仁子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.387-395, 2014-07

本研究は社会経済的地位と,妊娠週数33〜37週にある女性の抑うつあるいは人生満足度との関連について明らかにすることを目的とした。地域の中核病院である一施設において, 225名の妊婦に対し,抑うつと人生満足度に関する自記式質問票を配布した。また,産褥2〜4日に,妊娠期の調査に回答した女性のうちの192名に面接を行い,社会経済的地位について調査した。最終分析数は153件であった。その結果,研究対象者の年齢は20歳代が多く,学歴は夫婦とも高くなく,拡大家族が多かった。これらは調査施設周辺の地域の特徴を反映したものと思われる。さらに,女性を人生満足度得点と社会経済的地位で比較を行ったところ,人生満足度得点はパートナーの学歴と関連があった。妊娠中の抑うつ感情では,抑うつ傾向のある女性は抑うつ傾向のない女性より経済的困難感を自覚し,パートナーの学歴と年収が低かった。一方,女性が経済的困難感を自覚するとき,妊娠中に抑うつである確率は4.611倍(p=0.015, [1.341, 15.850]),パートナーの雇用形態が正規雇用のときは,抑うつである確立は0.099倍(p=0.001, [0.016, 0.631])となることが示された。よって,医療者が周産期にある女性の社会経済的地位と健康との関係に注目する意義は大きいと考える。
著者
石川 洋子 井上 清子 会沢 信彦
出版者
文教大学
雑誌
文教大学教育学部紀要 (ISSN:03882144)
巻号頁・発行日
no.39, pp.51-62, 2005

本研究では,保護者対応の基礎的なスキルとなるカウンセリングに対するニーズについて,子育て支援に関わる保育者達への調査と保育雑誌の保護者対応記事の分析を行い検討した.その結果,保育者達が,特に保護者対応に問題を感じ,対応に苦慮していることがわかった.また,保育者達のカウンセリングに対するニーズは高く,年齢や勤務年数,役職に関わりなくこれが求められていることもわかった.カウンセリングの研修会への参加については,研修会の情報や機会がなかったり,時間や参加費の問題等が指摘されていた.研修会に参加した者が,参加していない者よりも有意に外部の専門家や機関に相談することができていた.\n研修の機会を増やし,その情報を数多く提供することは,子育て支援にあたる保育者達の保護者対応をスムーズにし,また問題や困難を感じた時の相談や対応のネットワークを構築することにもなる.保育者間の関係構築のためにもカウンセリングが求められており,保育者支援にもつながると思われた.
著者
小川 真理子
出版者
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科
雑誌
人間文化創成科学論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.499-508, 2008

2009.7.21修正版(著者による誤記修正。修正個所:P501 下から5行目 (誤)個人が特定され【た】いように (正)個人が特定され【な】いように)
著者
中村 真利子
出版者
法学新報編集委員会
雑誌
法学新報 (ISSN:00096296)
巻号頁・発行日
vol.122, no.3, pp.355-372, 2015-08

税関職員が犯則事件の調査において作成した書面は、検証の結果を記載した書面と性質が同じであると認められる限り、刑訴法三二一条三項所定の書面に含まれるとされた事例。