著者
吉岡 慎郎 小河 弘枝 桑原 俊也 宮内 修平 丸山 剛郎
出版者
社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会雑誌 (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.817-822, 1992-08-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

In order to investigate the characteristics and reproducibility of the mandibular position during phonation of a Japanese syllabary single sound, intra- and inter-individual variations of the mandibular position were analyzed in 10 normal subjects using the Sirognathograph Analyzing System.Results were summerized as follows:1. With regard to the characteristics of the mandibular position during phonation of each vowel pronunciation, the order of the amount of the mandibular displacement in the vertical and anterior-posterior directions from maximum to minimum was IA/, /E/, /O/, /I/, and /U/ vowel pronunciation.2. With regard to the characteristics of the mandibular position during phonation of each consonant pronunciation, IS/ consonant pronunciation showed the smallest mandibular displacement in the vertical and anterior-posterior directions of all the consonant pronunciation.3. Phonation of each distinct single sound was performed at each characteristic mandibular position. However, high degree of reproducibility of the mandibular position during phonation was demonstrated in every subjects.4. The mandibular position during phonation of a Japanese syllabary has a little inter-individual variations in both antero-posterior and lateral direction. However, they showed a large inter -individual variation in superio-inferior direction.
著者
常徳 千夏 松井 聖 斉藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 北野 将康 橋本 尚明 角田 慎一郎 岩崎 剛 佐野 統
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.189-197, 2015-09-30 (Released:2015-11-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

目的:関節リウマチ(RA)の治療は近年大きく変化しており,抗リウマチ薬に加え生物学的製剤が7種類使用できるようになった.このため,相互作用や副作用管理が急務となり.医療師全体で取り組む事が重要となってきている.今回,調剤薬局薬剤師の関わりの実情と問題点を把握し,今後の薬剤師の役割の方向性を考えるためアンケート調査を実施した. 対象:兵庫医科大学病院外来通院中RA患者のうち,平成25年3月~5月に当薬局に来局,本調査への参加に同意した70名を対象にアンケート調査を実施した. 方法:日常診療実態下における非介入試験 ①日常生活動作 ②関節リウマチ治療状況 ③精神的影響に関する状況のアンケートを実施した. 結果:メソトレキサート(MTX)に関しては,効果の理解度は86%と高かったが,用法の不便さを訴える回答がみられた.生物学的製剤については,注射へのストレスを感じないが67%で,効果を実感している回答も62%と半数を超えた.しかしながら,副作用への不安や,高額の医療費の負担の不安もあった. 結論:調剤薬局薬剤師として,MTXや生物学的製剤などの積極的な治療が必要な患者さんには,積極的に関わることで,個々の状況を聞き取り不安や問題の解決を目指すことにより,アドヒアランスの向上及び治療成功へのサポートを行って行くことが重要であると考える.
著者
久納 慎也 加藤 雄一郎 笹木 一麻 河村 法征
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2004年度秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.000034, 2004 (Released:2005-01-27)

近年、顧客満足(CS)という言葉が使われて久しいが、そもそも顧客は製品情報の何を評価しているのだろうか。どのようなニーズのもとで、どのような製品特徴を評価しているのかについて、製品とサービスの両面を考慮した品質設計の最適化がなされているとはいえないのが現状である。このことは、各部門による意思決定内容(施策内容)が局所最適解に留まり、CS最大化を阻む一因になっていることが懸念される。そこで本研究では、ブランドの設計品質範囲をマーケティングミックス4P'sすべてに拡張し、顧客ニーズに対する充足度の最大化に向けた「ブランドQFD」を提案する。それにより、CS最大化に向けた、部門間協調も可能にすることが期待できる。
著者
庄司 克宏
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.83, no.7, pp.87-157, 2010-07

資料はしがき一 序論 : 日本国憲法制定過程の性格二 ポツダム宣言と日本国憲法三 ポツダム宣言発出の背景(一) : 連合国の戦後処理政策四 ポツダム宣言発出の背景(二) : 第一次世界大戦における戦後処理政策五 ポツダム宣言発出の背景(三) : 第二次世界大戦における戦後処理政策六 ポツダム宣言発出の背景(四) : 無条件降伏方式七 ポツダム宣言発出の背景(五) : 日本に対する無条件降伏方式の緩和八 ポツダム宣言発出の背景(六) : 天皇制をめぐる問題九 ポツダム宣言に対する日本の対応一〇 ポツダム宣言の受諾によって生じた状態と法的意義一一 日本占領の性格一二 占領管理の開始と憲法改正の指示一三 内大臣府における憲法改正作業一四 幣原内閣における憲法改正作業(一)一五 幣原内閣における憲法改正作業(二)一六 幣原内閣における憲法改正作業(三)
著者
酒井 優介 藤ノ木 太郎 安藤 雅洋 湯川 高志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回 (2019)
巻号頁・発行日
pp.4M3J904, 2019 (Released:2019-06-01)

これまで日本語の文書から明示的な感情を検出することは 自然言語処理の分野で精力的に研究されてきた.しかし日本人は感情の表出を抑制する傾向にあり,怒りを表現する際にはそれが特に顕著である.そのため,日本語の文書から怒りを検出するには明示的な怒りだけではなく感情が抑制された暗示的表 現による怒りも含めた検出が求められる.そこで,暗示的表現 による怒りの自動検出技術の確立を目指し,本稿では暗示的表 現による怒りが含まれる文書の特徴に基きディープニューラルネットを用いて怒り文書を検出する手法を提案し評価した.結果,3つの提案方式のうち1つが,従来方式より10ポイント程度良い正解率が得られた.しかし全く検出されない怒りがあったことから暗示的怒り検出手法が確立できたとは言い難い.感情の出現順序や頻度に着目した検出手法では精度が0.18と低い性能となった.各文の感情分類として正解を付与し,文書全体の怒りを判別する部分のみを評価したところ精度は0.49となったことから,暗示的怒りの検出のために,文書中に現れる感情の順序,頻度も活用すべきであることが示唆された.
著者
紀藤 圭治
出版者
日本プロテオーム学会
雑誌
日本プロテオーム学会誌 (ISSN:24322776)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-7, 2021 (Released:2021-07-28)
参考文献数
58

質量分析やそれに関わる技術進歩がこれまでのプロテオミクス研究の発展に大きく貢献してきたことは,もはや言うまでもない.一方で,他の様々な手法もまた,それらの特性を生かしながら多くのプロテオーム解析に活用されてきた.また,プロテオームを含め大規模解析データは,個々の分子機能の効率的な理解に欠かせないものであるが,生命活動をそれぞれの分子が協調または拮抗しながら営まれている一つのシステムとして理解するための捉え方もまた重要である.そうした様々な技術や視点などについて,筆者が研究対象とする出芽酵母などの微生物を中心としたこれまでの研究例を紹介するとともに,プロテオミクス研究に求められるアプローチの多様性について私見を述べたい.
著者
木村 淳志 永吉 由香 緑川 孝二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48101494, 2013 (Released:2013-06-20)

【はじめに、目的】投球は、下肢と体幹で作ったエネルギーを上肢、そして、ボールへと伝える全身運動である。下肢・体幹の機能低下や運動連鎖の破綻は上肢のオーバーユースにつながり、投球障害に陥る。そのため、肩や肘の投球障害において、下肢の柔軟性の評価・治療は重要である。当院では投球障害肩に対し、肩の11項目に肩以外の全身6項目を加えた17項目を重要項目として点数化し、投球禁止や再開、競技復帰の指標としている。我々は、この17項目をもとに、投球障害肩の治療経過を調査し、股関節内旋と足関節背屈の柔軟性の改善が難渋する傾向にあることを、第24回九州・山口スポーツ医科学研究会で報告した。今回、足関節背屈の柔軟性を効率良く改善する方法として、縄跳びをスタティックストレッチの前運動として導入することを考え、影響を調査したので報告する。【方法】対象は、膝伸展位での足関節背屈の他動運動が0°以下と柔軟性が低下し、愁訴のない成人25名(男性15名、女性10名)とした。平均年齢は26.6±4.9歳であった。方法は、足関節背屈のスタティックストレッチのみを実施した群(以下、ストレッチのみ群)と、スキップ、ジョグ、縄跳びの運動課題後にスタティックストレッチを行った群(以下、スキップ群、ジョグ群、縄跳び群)を比較検討した。スキップとジョグは、5mの距離を8の字で2周、縄跳びは左右交互の駆け足飛びで40回とした。スタティックストレッチは、疼痛を感じず伸張できる強度で、両側を交互に20秒間ずつのセルフストレッチとした。それぞれ、運動前後に膝伸展位での足関節背屈を他動的に測定した。統計処理は、F多重比較検定を行い、危険率5%未満を有意差ありとした。【倫理的配慮、説明と同意】対象者には、ヘルシンキ宣言に基づき、あらかじめ本研究の内容、個人情報の保護を十分に説明し、同意を得た。【結果】足関節背屈角度の増加量は、ストレッチのみ群:1.3±0.3°、スキップ群:1.7±0.9°、ジョグ群:2.8±0.9°、縄跳び群:8.8±0.5°であり、ストレッチのみ群と比較すると、ジョグ群と縄跳び群が、有意に増加した(p<0.01)。ジョグ群と縄跳び群の増加量の比較では、縄跳び群が有意に増加した(p<0.01)。【考察】臨床の現場では、いわゆる「体が硬い」症例を多く目にする。このような場合、ストレッチを施行しても痛みのみを発生させたり、伸張感が無かったりと、ストレッチに対する効果や変化を得られない事が多い。今回の研究では、スタティックストレッチで可動域の増加が認められなかった対象者が、縄跳びを行った後にスタティックストレッチを行うことで、可動域の増加が認められた。筋腱複合体の影響による柔軟性の低下は、筋緊張の亢進(過緊張状態)と筋の伸張性の低下によるものがある。縄跳びは、伸張刺激により筋緊張の抑制効果が働き、スタティックストレッチによる伸張性の改善を効果的なものとしたと考える。同様のジャンプ系運動のスキップやジョグと比較したが、縄跳び群は有意差を持って改善している。これは、スキップやジョグは、前方移動を含むジャンプであり、前方へ移動しない上方移動の縄跳びの影響が足関節背屈の可動域改善に効果的に働いたと考える。これにより、縄跳びが治療や自主練習の導入の1つとして効果的であると思われた。【理学療法学研究としての意義】今回の研究では、駆け足での縄跳び40回という軽運動に、痛みのない範囲で20秒間のストレッチを行う低負荷、短時間の伸張刺激で、即時的ではあるが足関節背屈の可動域の改善がみられた。ストレッチの効果に関する報告は様々あるが、明確な方法は示されていない。縄跳びという簡易的にできる運動とセルフストレッチを行うことで、可動域が改善したことは、より有効なストレッチを施行する一助になると考える。