著者
益田 高成 Takanari Masuda
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 = The Doshisha law review (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.225-303, 2020-07

公職選挙法は、候補者が選挙運動を行うことのできる期間を法定しているが、日本ではこれまで、その期間が繰り返し短縮されてきた。本稿では、選挙運動期間を短縮する公選法改正を全て取り上げ、いかにして選挙運動期間が短縮されてきたかを検討している。分析の結果、選挙運動期間短縮は議員主導で進められてきたこと、また、期間短縮に関しては多くの事例で与野党が協調的であったことが確認された。本稿の分析結果は、選挙運動規制が、党派的対立を促す性質よりも、各党を現職議員の集合体として結びつける性質を有していることを示唆している。研究ノート(Note)
著者
金子 勇
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.466-467, 1990

一九八九年になって、環境社会学や環境経済学という書物の公刊が相次いでいるが、本書はそれに先立つ二年前に環境の本格的な研究書として出版されたものである。早稲田大学グループが周到な準備と調査を踏まえてまとめあげた本書は、都市社会学的な環境パラダイムをもち、日本経済の「ひずみ」と「よどみ」と「歪み」に留意しつつ、人口集中が続く東京多摩市・多摩ニュータウン地域を分析し、その結果を人間の居住環境問題へと一般化する視点を構築している。<BR>本書の構成は次の通りである。
著者
池上 高志
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.636-640, 1999-10-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
47
著者
明石 信廣 南野 一博
出版者
北海道立林業試験場
巻号頁・発行日
no.46, pp.117-126, 2009 (Released:2011-02-03)

北海道立林業試験場光珠内実験林において、自動撮影カメラを用いて哺乳類相を調査した。2006年及び2007年の5月から11月の間に、2台のカメラを4箇所の調査地に交互に設置し、総撮影日数は536日であった。今回の調査方法では、エゾリス、エゾシマリス、キタキツネ、タヌキ、エゾヒグマ、クロテン、エゾシカの在来種7種及び外来種としてアライグマ1種の生息が確認された。ネズミ科及び翼手目も撮影されたが、写真による種の同定が困難であった。食痕や糞から、実験林内におけるエゾユキウサギの生息は確認されたが、撮影はされなかった。文献を基に北海道に生息するとされる哺乳類のリストを作成し、2006〜2007年に実験林において確認された種を示した。
著者
田原 鈴子 澤田 勝志
出版者
日本獸医師会
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.629-633, 2015 (Released:2016-05-30)

岡山県では,2009年1月~2014年3月の間,牛ボツリヌス症(D型)が11農場で発生した。糞便からボツリヌス毒素が検出された11農場から採取した環境材料(飼料,水,牛舎スワブ,野生動物糞便)のうち,野生動物糞便からの検出率が8農場中4農場と最も高率であった。11農場中2農場で,D/Cモザイク型のC. botulinumが分離され,パルスフィールドゲル電気泳動解析の結果,これらの菌株は同一の泳動パターンを示した。発生農場のうち,9戸が直径20kmの範囲内に位置し,菌株が分離された2戸の農場は,疫学的関連がなかった。ボツリヌスワクチン導入農場において,ワクチン未接種牛で本症が発生し,環境材料から高率にボツリヌス毒素が検出された。以上のことから,C. botulinumの伝播には野生動物が関与していることが示唆された。ワクチン接種は本症の発症抑制に効果的であるが,C. botulinumの排菌は抑制しない。C. botulinumの拡散防止のためには,農場内の清掃及び消毒の徹底と,野生動物の侵入防止措置などの清浄化対策が最も重要である。
著者
北本 拓磨 長谷川 晃平 添田 泰弘 長谷川 光司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.1-3, 2013

本研究では,おしぼりの色が使用時の手の温度感覚に与える影響を明らかにすることを目的としている.実験では,被験者に対し一定温度の白色おしぼりと,温度差を付加した色おしぼりを提示し,どちらが温かく感じるかを一対比較法にて評価させた.色おしぼりは,赤,榿,黄,緑,青および紫の6色相,ペールおよびビビッドの2トーンを組み合わせた全12色を用いた.得られたデータに対して,曲線近似を行い,回答率が50%となる温度差を算出した.その結果,最も温かく感じているのはペールの赤色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.77℃であった.一方,最も冷たく感じているのはビビッドの青色で,実際のおしぼりの温度と手の温度感覚との差は0.95℃であった.
著者
独立行政法人科学技術振興機構
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
JSTnews (ISSN:13496085)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.16, 2008

<p>【メディアラボ】日本科学未来館3階にある常設展示が一部、リニューアル。「情報科学技術と社会」の「なんでも」コーナーがますます親しみやすくなります。</p><p>【ミッション・レポート】好評開催中の「エイリアン展」では、会場内で解説員によるミッション(実演プログラム)が日替わりで1日2 回行われています。</p><p>【ミニタオル・ハンドタオル】未来館のロゴマークがうれしいデザイングッズが登場しました。毎日使う物だから、しっかりとしたタオル地を使用しています。</p>
著者
河野 久雄
出版者
社団法人 日本繊維機械学会
雑誌
繊維機械學會誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.7, pp.508-512, 1964

<B>目的</B><BR> 第1, 2報において得られた反応速度式の微分形および積分形を用いて最適経済計算を行ない, 実際の反応条件や, 反応装置の仕様を定める諸因子を決定する方法を求めること. <B>成果</B><BR> 8つの未知数, すなわち反応に要する時間θr (hr), 反応装置中の無水酢酸濃度cr1 (kg/m3), 有効反応面積Ar (m2), 繊維層の厚みω (kg/m2), この繊維層を吹き抜ける反応ガスの速度ν (m/min), この速度を実現するための送風機の風圧ΔP (kg/m2), 反応装置に供給される反応物質の量F (m3/製品kg) 反応ガスの排出量D (m3/製品kg) を定めるために, つぎの8つの関係式を誘導した.<BR>前報の結果と前後の状況より<BR>θr=α1/cr1, α1=mM1/mr/kc本文 (3) 式υ=β1ω, β1= (0.415ρg/ΔM) 1/1.36/ρg…(11)または= (561/ (tf-tg) M) 1/1.22/ρg のいずれか大きい方の値J=Arω'/θr=Arω'cr1/θr…(4) ΔP=β2w1.42υ1.48+β3υ2…(13) <BR>物質収支よりD=k1-a (k1-k2) /cr (a-b) -L…(5) F=k1-b (k1-k2) /cF (a-b)…(6) <BR>経済計算よりb= (α2-√α2α3/α2-α3)a…(8) 2.90β12.48β2ω3.9+2β31β3ω3=6120ηYrγ/1.47E (f1+f2)…(15) (記号については本文を参照されたい) <BR>これらの式より, 所要の量が定められ反応装置を設計することができる.
著者
井上 裕美子
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.164_2, 2019

<p> バランス能力の維持が、高齢者のQOLを高めるためには、必要とされている。バランス能力を維持向上するためには、まずバランス能力を計測し、現状の能力を把握して貰うことと、体験者のバランス能力に見合ったトレーニングが行えるシステムが必要であると考えた。また、トレーニングを継続するためには、システムを手軽に利用して貰うことも必要である。本研究では、簡易に使用可能なシステムとして、加速度センサでバランス能力を測定する「測定モード」と、体験者のバランス能力に適したトレーニングを提示する「トレーニングモード」の2つのモードを作成した。本システムの構成は、シングルボードコンピュータ(BITalino、Plux)と加速度センサ、制御用PC、モニタ、スピーカとした。体験者の額部分にヘアバンドで装着した加速度センサで、身体の揺れを計測し、その値を基準とし、5段階のバランス能力の判定を行った。バランストレーニングでは、不安定な地面を再現する体幹トレーニングマット(CORE MOVE、 ウーマンジャパン)を用いてバランス能力に応じたトレーニングを提示し、バランス能力の向上を目指した。</p>
著者
岡本 光司
出版者
全国数学教育学会
雑誌
数学教育学研究 : 全国数学教育学会誌 (ISSN:13412620)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.15-26, 2013-06-22 (Released:2019-01-17)
参考文献数
26

This article is concerned with “class culture” in mathematics learning based on the widely accepted idea of ‘culture’. We define the purpose of the article as follows: ・Building on previous studies about the characteristics and effects of culture, we will consider and discuss the status and role of “children’s questions” in mathematics learning. As a result of our discussion, we have gained several insights (from ① to ⑫). In addition, we have given several examples of children’s questions.① “Children’s questions” are generated in a “class culture.” Moreover the former in turn contributes to the shaping of the latter.② Individual “children’s questions” are often related to something universal or paradigmatic.③ “Children’s questions” can provide strong motives for cooperative learning in school.④ “Children’s questions” can help overthrow the stale procedures of learning.⑤ “Children’s questions” can stimulate the children to surpass themselves. ⑥ “Children’s questions” can enliven activities for collective learning. ⑦ “Children’s questions” can instigate interaction between tangible resources (such as textbooks, reference books, teaching materials, etc.) and intangible ones (value judgments, beliefs, thought processes, behavior, etc.).⑧ “Questioning” can be one of the effective strategies for mutual nurturing.⑨ Learning activities in which the people involved appreciate and recommend “questioning” can lay the foundation of the understanding of others.⑩ “Questioning” can encourage learners to strive for superior values.⑪ Learning activities in which “children’s questions” are appreciated and recommended may be valuable not only in terms of efficiency and economy but also in terms of spiritual and moral cultivation. ⑫ “Questioning” can trigger the formation of true identities.
著者
山下 史哲 渡部 俊幸
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.198-204, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1

インターネット上で無償配布を行っている,試薬管理システムは,プロトタイプシステムの開発と運用経験の元,臨床検査室の試薬管理業務効率化のために,汎用性と導入の容易さを目標に開発した。本システムでは,試薬包装に表記されているバーコードのGS1-128シンボルを利用することにより,品質管理に必要とされる試薬の有効期限,ロット情報の自動取得と記録が可能である。また,試薬マスターの設定により,試薬の箱単位,もしくはその箱内の個包装数に対し,管理番号バーコードラベルを発行添付して管理することで,それぞれの開封日や使用完了日の記録に関してもバーコード運用を可能にした。その結果,試薬の在庫管理と共に記録の効率化と人為的ミス削減を実現した。完成後,無償配布を開始し,ダウンロード件数と導入施設からの問い合わせ件数より,必要性及び実用性が確認でき,本システムの開発と無償配布は有用であったと考えられた。
著者
佐藤 雪野
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

「ロマ」を「ジプシー」の言い換えとすると、必ずしも共通の特徴やアイデンティティがある存在ではなく、「ジプシー」とは、しばしば他から貼られたレッテルであった。しかし、チェコやスロヴァキアでは、「ロマ」は、文化・言語・歴史などの共通性や共通のアイデンティティを持っているので、「ロマ」の集団への帰属は、自己規定と他からのレッテル貼りによるものとが共存し、近代的「民族」としての誕生も、他者との関係で創り出されるともいえる。