著者
松本 宗久
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.306-307, 2011

本年度の本校における教育実習において,教育実習簿をSocial Network Serviceの一つであるFacebook上にグループを作り限定公開した.それにより従来は実習校内での実習生と指導教員のみのやりとりに限られていた教育実習生への指導を,他校の教員や大学の指導教官などから受けることが可能になった.そのことで,教育実習のあり方がどう変化するかについて検証を行ったので報告する.
著者
大矢 恭久 増崎 貴 時谷 政行 渡辺 英雄 吉田 直亮 波多野 雄治 宮本 光貴 山内 有二 日野 友明 奥野 健二
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.319-324, 2014-06

本レビューではプラズマ対向材料として注目されているタングステンの試料を,大型ヘリカル装置(LHD)の15サイクル実験(2011年)および16サイクル実験(2012年)期間中にLHD真空容器内に設置してプラズマ環境に曝露した際の水素同位体滞留能変化を調べた.これにより磁場閉じ込め装置の実機環境下での水素同位体滞留の基礎過程を理解するとともに水素同位体滞留能の変化がLHDにおける水素同位体挙動にどの程度影響を与えるのかを評価した.タングステン試料を約5000~6000ショット程度の水素プラズマ,300~800ショット程度のヘリウムプラズマおよび壁調整のためのグロー放電洗浄に曝した後に真空容器から取り出して観察したところ,表面には炭素堆積層が形成されており,その厚さは,堆積が多い場所の試料(DP試料)で4μm程度,熱負荷の高い場所の試料(HL試料)では100nm程度であった.これらの試料に重水素イオンを照射した後,昇温脱離ガス分析を行ったところ,重水素放出特性は純タングステンとは異なり,主要な放出ピークは800K-900Kに見られた.特にDP試料では900Kに大きな脱離ピークが見られた.純タングステンでは400K-600Kに脱離ピークが存在することから,LHDでプラズマに曝されたタングステン試料の重水素捕捉は純タングステンでの重水素捕捉とは状態が異なることが示唆された.LHDプラズマに134ショットだけ曝した試料の表面を観察すると,堆積層と表面近傍に転位ループが高密度に集積していることから,曝露初期には照射損傷導入と堆積層形成がダイナミックに進行し,これらに重水素を捕捉する能力が高いことが示唆された.
著者
古賀 正則 W.F Menski 金子 勝 山本 一美 山本 由美子 浜口 恒夫 佐藤 毅 中村 平次 山崎 利男 松井 透
出版者
一橋大学
雑誌
海外学術研究
巻号頁・発行日
1985

本年度の研究計画の目的は, 昨年度イギリスにおいて実施した調査によりえられたデータ,とりわけ面接調査票のデータを整理し, 一定の解析をおこなうことによって,今後の調査,研究に役立てることにあった. したがって, 本年度の研究成果はあくまでも中間的総括の域を出ないものであることを,まずことわっておきたい.1.研究成果の概要データの整理,解析によってえられた新たな知見,成果の要点は次の通りである.(1)第二次大戦後,イギリス植民地体制の崩壊にともなって,英領植民地各地に展開していたインド人移民社会は大きな変動を豪り,植民地本国イギリスへの大量の移動をひきおこすとともに,インド亜大陸からイギリスへの移住もまた激増した. こうしたインド人移民の大きな二つの流れに応じて,イギリスにおけるインド人社会の間にさまざまな面で大きな差異がみられることが明らかとなった.(2)イギリスにおけるインド人移民社会の形成,発展の歴史,およびインド人移民社会の構造,インド人移民の組織,政治,経済,社会,宗教活動などを,ある程度解明しえた. 殊にインド人移民のカースト,宗教組織の果す役割の重要性が注目される.(3)インド人移民社会の形成,発展は,イギリスの社会に大きなインパクトを与えつつあるが,他方インド人移民社会は,イギリス社会の影響を蒙り,一定の変容を受けながら,移民社会独自のアイデンティティを形成しつつある. そこにみられるのは,移民社会の受入れ国社会に対する一方的な同化の過程ではなく,多文化社会という新らしい社会の形成にむけての,共存的発展の過程であると考えられる.2.今後の研究の展望これまでの研究によってえられた新たな知見の一つは,インド人移民にとって必らずしもイギリスが最終的な移民先ではなく,かなりのインド人移民がイギリスを経由して,さらに他の英連邦諸国,とりわけカナダ,オーストラリア,あるいはアメリカ合衆国へ再移住しているという事実であった. われわれは今後の研究において,こうした再移住の過程を明らかにするとともに,インド人移民社会それ自体の変容と,受入れ国の社会にあたえるインパクトの解明を試みるつもりである. また,移民の主な送り出し地域の一つであるインドのグジャラート地方の調査を実施することによって,移民送出のメカニズム,海外移民の存在によって,この地方の蒙るインパクトを解明したいと考えている.
著者
新田 浩通 赤阪 信二
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
no.48, pp.81-82, 2006

For Japanese pear the change in the temperature of fruit was monitored from the day before to the day after harvest and the resultant expression of fruit core rot after storage were compared for two handling regimes. Fruit were either harvested at 3 p.m., left in the field overnight and then moved indoors at 8 a.m. on the following morning, or moved indoors (25°C) immediately after being harvested at 8 a.m.. Fruit harvested at 3 p.m. and left in the field maintained a higher flesh temperature than fruit moved indoors (25°C) immediately after harvest. As well, the delay in moving fruit indoors resulted in a higher incidence of fruit core rot after storage.
著者
小久保 秀之 山本 幹男 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, 2008

キュウリ切片に手かざしなどの非接触ヒーリングを行うと、施術したキュウリ試料から生じるバイオフォトンの発光強度が増大する。この非接触ヒーリングの物理機序を調べるために、キュウリ試料に市販の磁気健康器具によって静磁場(180mT)、交番磁場(80mT、50Hz)、パルス磁場(最大値0.6T、パルス幅2.5ms)の処理を各30分間行い、非接触ヒーリングのデータと比較した。結果、静磁場、交番磁場刺激では発光強度の変化はなかった。また、パルス磁場刺激では発光強度の低下はあったものの(Wilcoxon、p=0.047、両側)、非接触ヒーリングの場合とは時系列変化の仕方が異なった。キュウリ試料に対する非接触ヒーリングの作用機序は、磁気刺激の場合とは異なると考えられた。
著者
小野寺 進
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-19, 2016-03-31

本稿は、中学から高校まで英語を学習してきた大学生で、上級者はもちろん、リスニングを苦手とする初級から中級レベルの英語学習者にとって、音読がリスニング向上に特に効果的であることと、その実践方法を紹介したい。英語音読はリーディングやスピーキングだけではなく、リスニングの能力向上にも有効である。そしてその実践方法が従来のネイティヴ・スピーカーの発音を復唱するのではなく、発音記号に基づいてすることで正しい発音を身につけることができ、さらに自力で学習ができるところを特徴としている。
著者
南部 実
出版者
日本動物学会
雑誌
動物学雑誌 (ISSN:00445118)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.15-16, 1950-04

Different doses (50-200 i.n.) of the commercial estrogen (ovahormone Takeda) were added to lg of pulp of liver of the newt, Triturus pyrrhogaster. After allowing to stand for 24 hours at room temperature, the mixture was extracted for 60 hours with acetone and then for 50 hours with alcohol in a Soxhlet. The extracts, combined after evaporation of the solvents, were taken in 0.8-1 cc of olive oil or whale oil and injected into spayed female rats. It was found that when 80 i.u. or more of the estrogen had been added to the liver pulp the doses sufficient to induce estrus in the rats sometimes escaped inactivation but when 60 i.u. or less had been added effective doses never remained. In the control experiments with lg of stomach tissue plus 50 i.u. of the estrogen the extracts were always estrogenic.
著者
Arwiyanto Triwidodo 坂田 完三 後藤 正夫 露無 慎二 瀧川 雄一
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.288-294, 1994
被引用文献数
2 5

ストレリチア(<i>Strelirtzia reginae</i> Banks)から分離された青枯病菌の非病原性菌株(Str-10 op型)を接種したトマトの根系から,非接種対照植物の根系よりも多量のトマチンが検出された。茎の組織内ではこのようなトマチン濃度の上昇は見られなかった。Str-10 op型の接種源濃度を10<sup>8</sup>から10<sup>9</sup>cfu/mlに増加すると,接種5日後における根部組織内のトマチン含量は113&mu;g/g根から152&mu;g/g根まで増加した。接種9日後にはトマチン含量は450&mu;g/g根まで増加した。この濃度は青枯病菌の病原性菌株の増殖を<i>in vitro</i>で抑制するのに十分な濃度であった。トマチンによる青枯病菌の発育抑制は静菌的であった。一方,Str-10 op菌株の培養ろ液及び加熱死菌で処理したトマト根部ではトマチン濃度の増大は見られなかった。