著者
若林 正丈
雑誌
東洋文化研究 (ISSN:13449850)
巻号頁・発行日
no.5, pp.121-139, 2003-03-31

It is a well-known fact that identity politics emerged in Taiwan following its political democratization. Competing notions and discourses concerning the identity of Taiwan’s polity are vying for political support. This can be better understood in the context of post-war years, when the Taiwall state was reconstructed as a“settler state”(in Ronald Weitzer’s term)by the Chinese Nationalist Party(the Kuomintang:KMT). KMT’s retreat to Taiwan after its defeat in the Civil War against the Chinese Communists restructured Taiwan’s multi-ethnic society by bringing in a new “ethnic”group, the Mainlanders. The Mainlanders or Waishengren (literally people of outer provinces), who fled with the KMT regime to Taiwan, also monopolized the core positions of the settler state. Although this is a widely recognized fact, academic studies concerning this situation and the role of Waishengren in post-war Taiwan remain limited. This study is a preliminary effort to contribute to the existing researches on Waishengren. It first shows that a deep ethnic division between Waishengren and Benshengren (literally people of this province)was formed as a result of Bensh engren’s uprising against the KMT-led Taiwan provincial government, on February 28,1947, and the subsequent harsh suppression which claimed between 180,00 and 28,0001ives(the February 28 1ncident). Based on the demographic data of Waishengren, the study then provides a rough picture of the social outlook of Waishengren during the early years of their settlement in Taiwan.
著者
金井 雅彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究は本来 Margulis の超剛性定理を典型とする高階リー群の格子の剛性に関わるものであった.しかし,研究方向は1年ほど前から変わりつつある.それを説明したい.Margulis の超剛性定理に先行して確立されたリー群の剛性定理のひとつに Mostow のそれがある.とくに,n 次元実双曲空間の等長変換群の一様格子は n が 3 以上のとき剛性を有する.一方,n=2 の場合には剛性現象は発現せず,逆に柔軟性とでも呼ぶべきものが観察される.その柔軟性を極めて精密な形で記述したのがタイヒミューラー空間論である.この類似がトンプソン群というまったく異種の離散群に対しても観察されることを認識したのが1年のことである.それ以降,この類似性を追求している.ところで,トンプソン群には F, T, V と言う記号で表される合計3種が存在する.いま,問題にしているのは,F ないし T である.これらの離散群の定義においては,Z[1/2] が登場する.そこに現れる 2 を 2 以上の整数 m で置き換えることにより,あらたな離散群が得られる.それを F(m), T(m) と書くことにしよう.McClearly-Rubin と Brin の結果を合わせると,F=F(2), T=T(2) に対しては Mostow の剛性定理に相当する結果が得られる.一方,m が 3 以上の場合には,柔軟性が発現することが Brin-Guzman により指摘されている.しかし,いま名前を挙げた研究者たちは,彼等の結果と Mostow の剛性定理やタイヒミューラー空間論との類似性を意識していないよう推察される.一般化トンプソン群 F(m), T(m) の剛性ー柔軟性を Mostow の剛性定理やタイヒミューラー空間論の類似性を強く意識しながら,新たな理解を目指し,部分的ではあるが成果を上げた1年間であった.
著者
奥村 朋之 犬塚 雄介 西村 敏英 荒井 綜一
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.360-367, 1996-04-25 (Released:2008-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1 2

本研究では真空包装した豚肉を,4°Cで30日間保存した時の官能的並びに理化学的変化を調べ,最適熟成期間について検討を行った.豚肉の味や香りは貯蔵期間20日目まで熟成が進むにつれ強くなり,好ましくなることが判明した.また,25日目まで微生物による劣化に問題はなかった.しかし,30日目に酸臭が発生し好ましくなかった.豚肉の軟らかさは熟成が進むにつれて増大した.また破断応力も30日目まで減少し続けた.遊離アミノ酸は30日目まで増加し続けたが,20日目以降増加割合が減少した.ペプチドは20日目まで増加し続けたが,それ以降の変化は認められなかった.これらの物質は,熟成による呈味向上に貢献していると推察された.イノシン酸は熟成により減少したが,20日目でも1.6μmol/gmeat残存しており,グルタミン酸との相乗効果により豚肉の呈味形成に寄与していると推察された.以上の結果から,豚肉を真空包装し4°Cで貯蔵した場合には,20日目の肉が官能的に最も優れていると結論された.
著者
大原 親
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.27-37, 1962

In Kate Hamburgers Kritik gegen R. Ingarden sind zwei bedeutendeste Probleme gehalten : 1 die Wesensbestimmung muss nicht tautologisch sein, 2 die Kunst soll in bezug auf die Wirklichkeit betrachtet werden. Um sich in Tautologie nicht aufzulosen, will Hamburger "nicht nur die Sprache selbst anschauen, sondern hinter oder unter sie sehen." In dem standigen Vergleich der dichtenden mit der nicht-dichtenden will sie die Struktur der Dichtung erarbeiten. In Zusammenhang mit der Stellung der Werkinterpretation wie E. Staiger, W. Kayser will ich die Bedeutung von Hamburgers Methode betrachten, und die Richtung nach zusammenhangende Interpretation in dieser Methode erfinden.
著者
山内 雄気 Yuki Yamauchi
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.69, no.6, pp.1323-1339, 2018-03-15

高井紳二教授定年退職記念号
著者
松平 和也
出版者
一般社団法人 情報システム学会
雑誌
情報システム学会 全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2, pp.7-4, 2006

今情報システム部門は役割を見失っている。発足以来電算課から情報システム部門へとすくすく育ったが経営環境の急変に付いて行けずに旧来の機能を墨守しているに過ぎない。戦略情報システム子会社ともてはやされて分社したら、数年を経ず電算メーカに売却されてしまったなどという例もある。コストカット対象部門になって久しい。情報の語源は敵情報知からきたという。この語源が示唆することは、この部門の本質的機能は経営者に敵、即ち競争相手および潜在的競合の情報を報告知らせることではなかったか。軍組織ではこの役割は情報参謀と言っていた。CIOはこの参謀達の主任である。本論文ではダブルキャストのCIO制と配下の参謀組織を文字通りSTAFFとして再編成して持つ新しい役割機能を提案するものである。
著者
奥山 健二
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.14-17, 2008

曹洞宗巨法山善長寺は関東平野の北、群馬県館林市にあり、創建480年の名刹である。館林は徳川4代将軍綱吉の幼少期を過ごした歴史ある城下町であり、観光資源として名所つつじが丘公園や城沼がある。寺の境内は城沼を挟んでつつじが丘公園の北側に3万5千坪あり、様々な樹木に囲まれた自然豊かな景観を有している。景観豊かな環境の境内に寺の総合計画をし、その一環としての鐘楼堂計画である。この鐘楼堂は対岸のつつじが丘公園から、本堂や庫裏や樹木を背景に、寺の象徴として計画している。鐘楼は近隣に時を告げ、季節折々の行事に果たす役割も重要である。また、境内には芝や水仙や枝垂れ桜や紅葉の庭があり、鐘楼堂はそれらの草木樹木の視覚的中心として配置されている。春の水仙や桜、秋の菊や紅葉と鐘楼堂が視覚的なまた音響的な自然環境の中での調和の原点となっている。
著者
小柳津 和博 勝浦 眞仁
出版者
桜花学園大学保育学部
雑誌
桜花学園大学保育学部研究紀要 = Bulletin of School of Early Childhood Education and Care Ohkagakuen University (ISSN:13483641)
巻号頁・発行日
no.17, pp.65-76, 2018-03-16

本研究では、デュシャンヌ型筋ジストロフィー(以下、DMD)の子どもへの保育・教育実践の報告を基に、よりよい保育・教育支援のあり方について検討することを目的とした。保育においては「保育内容」の視点から、教育においては「自立活動」の視点から子どもの育ちのニーズについて考察した。また、DMDのある子どもとかかわった経験のある教師へのインタビューを通して、教師として子どもたちに身に付けてほしい力について検討した。その結果、DMDのある子どもへの最も必要な保育・教育支援は、受容的な姿勢から子どもの姿を捉え、仲間と共に活動に継続して取り組むことであると考えた。それこそが子どもの生きる喜びにつながり、「真の育ちのニーズ」として我々が子どもたちに提供すべきものであると考えた。
著者
篠原 新
出版者
広島修道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

これまでの日本社会党に関する研究ではイデオロギーや政党組織に注目が集まる一方で、社会党が行ってきた国会質問についてはほとんど注目されてこなかった。本研究では、政府への鋭い追及で「国会の爆弾男」と呼ばれた楢崎弥之助元衆議院議員の資料を分析し、社会党による国会質問を実証的に研究した。その結果、楢崎が外交安保だけでなく地方自治にも関心を抱いていたこと、さらには、非核三原則をめぐる国会質問で、楢崎が計画していた質問の全体構造やその後の政府方針の変化、さらには楢崎が計画はしていたが実際には言及できなかったことなどが明らかとなった。