著者
志村 保彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.42-51, 1998-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
3

醸造技術や技能は, 科学技術の発達と共に少しずつ変化している。わが国の誇る醸造技術や技能は, 正しく伝承されるべきであり, 後世に受け継がれていかなくてはならない。いくら科学技術や設備機器が発達しても微生物の働きによって醸しだされる醸造の基本は, そんなに大きく変化するものではない。しかし後継者不足や人件費の高騰により多くの技術者を確保できない現状を考えると, 醸造技術の伝承はかなり難しいものになってきている。そこで, 2回に亘って原料処理から製品に至るしょうゆの基本技術 (キ下ポイント) を微に入り細に入り披露戴いた。
著者
織田 裕二 安原 ゆかり
出版者
日経BP社 ; 1985-
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.359, pp.110-112, 2012-10

『踊る大捜査線』がテレビドラマで放映されてから15年。劇場版第1作『踊る大捜査線THE MOVIE』(1998年公開)を皮切りに過去3作映画化されたシリーズが、9月公開の『踊る大捜査線THE FINAL 新たなる希望』で完結する。興行収入が20億円を超えればヒットの映画業界で、踊るシリーズの平均興行収入は100億円超。
著者
齋藤 光代 安元 純 杉山 歩
出版者
公益社団法人 日本地下水学会
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.525-545, 2020
被引用文献数
1

<p>本稿では,地下水と生態系との関係についての既存研究の動向を把握するとともに,今後の課題や展開を明らかにすることを目的とし,あらゆる物質循環および生態系に関与する「微生物」の地下水中での動態に加え,地下水に影響を受ける生態系(Groundwater Dependent Ecosystems: GDEs)のうち,特に,地下水流出域に相当する沿岸海域に分布し,物質循環や生物多様性の保全にとって重要な役割を果たす「藻場」と「サンゴ礁」生態系に着目し整理した。微生物については,従来地下水の飲料水適用や汚染浄化を主要な観点とした研究が多く行われてきたが,近年では地下水流動と微生物動態の関係などに着目した研究も徐々に進んできている。また,藻場やサンゴ礁については,海底湧水(Submarine Groundwater Discharge: SGD)の影響が顕著な地域を対象とした研究により,藻場に対しては,SGDが栄養塩の供給源として海草や海藻類の存在量増加に寄与する反面,種の多様性は低下させる傾向にあること,また,サンゴ礁に対しては,SGD経由の栄養塩供給が増加して海域の富栄養化を招いた場合,ある種の藻類の増殖やサンゴの骨格密度や繁殖能の低下を引き起こし,結果としてサンゴ礁の脆弱性を高めることが報告されている。ただし,いずれについても,地下水との関係については未だ科学的に未解明な部分が多く,多様なサイトにおける調査結果の蓄積や新たな手法の適用に加え,生物地球化学,微生物学,および生態学などの分野の研究者が地下水学を通じて連携し,更なる理解を深めていくことが重要である。</p>
著者
近藤 息吹 上出 泰山
出版者
金原出版
巻号頁・発行日
pp.1507-1509, 2020-11-30

総排泄腔とは,胎生4〜9週に存在する臓器の名称である。総排泄腔は上方より発生する尿直腸中隔により前後に分離され,胎生9週には腹側が膀胱・尿道に,背側が直腸・肛門となる。総排泄腔遺残は,総排泄腔の分離過程が障害され,総排泄腔が生後に遺残した病態である1)。遺残した総排泄腔の部分は共通管ともよばれ,共通管から会陰部までの長さは1〜12cmと差がある。5万人に約1人の割合で発生する極めて稀な先天異常で,女児にしか発生しない。
著者
河上 税
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.345-350, 1998-05-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
25

東北地方における政府主導による地域開発は,明治以降たびたび計画され,実行されてきた.しかし,住民の生活を豊かにするための本格的な地域計画は第二次世界大戦後であり,国土総合開発法に基づく特定地域総合開発や,東北開発促進法に基づく東北開発が進められた.その結果,経済的基盤や生活基盤などが整備されて所得が増加してきており,一応の成果を収めている.今後は,住民の福祉や文化的生活の向上を図るための総合開発に重点を移すべきである.
著者
北野 智朗 黒瀬 良一
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.59, no.187, pp.8-15, 2017 (Released:2018-02-15)
参考文献数
23

One of the most important issues in combustion researches is the prediction and suppression of combustion instability, which induces flashback, generates combustion noise and damages combustor. Although a number of studies on combustion instability have been performed, the underlying physics have not been well clarified yet, especially for spray combustion. In this article, authors' recent numerical works on Large-eddy Simulations (LES) of combustion instabilities are introduced. The combustion instabilities of gas and spray combustion in back-step flows are demonstrated in terms of LES, and effects of initial droplet diameter on the combustion instability are investigated for spray combustion. Methane and kerosene are used as fuels for gas and spray combustion, respectively, and two-step global reaction models are used for calculations of the reactions. A dynamic thickened flame model is employed as a turbulent combustion model.
著者
田中 正大
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.24-31, 1963-10-30
被引用文献数
2
著者
曽 丹 馮 雪梅 厳 清華
出版者
嘉悦大学研究論集編集委員会
雑誌
嘉悦大学研究論集 = Kaetsu University research review (ISSN:24322946)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.61-74, 2016-10

東アジアの近代化にとって、西洋文明の導入が大きな役割を果たしたことはよく知られているが、中国と日本は近代化の初頭、西洋文明の圧倒的軍事力の下で、富国強兵のために、西洋に対抗する手段として、内容的に極めて似通ったスローガン「中体西用」と「和魂洋才」を提唱したにもかかわらず、その結果から見れば、日本は東アジアの諸国に先駆けて近代化を遂げたのにひきかえ、中国の近代化は著しく遅れていた。そこで、その深層にある原因について改めて検討し直す必要が生じていると思われる。 本稿では、まず「中体西用」と「和魂洋才」思想形成の原因分析の上に、その思想形成の過程と発展軌跡を浮き彫りにした。そして「中体西用」と「和魂洋才」思想の生まれた背景、具体的な内容、本質など幾つかの面から、両思想を比較しながら、両者の共通点と相違点について検討を行った上、近代化の過程において「中体西用」と「和魂洋才」の実際に果たされた効果の差異が生じた原因を探求してみた。
著者
山口 虎彦 山本 陽介 木下 大輔 秋葉 欣哉 Reed Christopher A.
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第57回有機反応化学討論会
巻号頁・発行日
pp.5, 2007 (Released:2008-10-06)

アレン化合物1a (R=Me)及び1b (R=Ph)を合成した. 1をジメチル化しスルホニウム塩とすることで超原子価6配位炭素化合物2を合成した.ヨウ化メチルと銀塩を用いてジメチル化することで目的物を結晶化することができX線構造解析に成功した.2bにおいてメトキシ基の酸素原子とアレン骨格の中心炭素との距離はフェノキシ基の酸素原子と中心炭素間の距離よりも短いことが分かった.また1aを二電子酸化することで安定な三重項カルベンの合成を検討した.
著者
荒井 真太郎 アライ シンタロウ Shintaro ARAI
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.6, pp.111-122, 2005-03-31

本研究は,自己投入尺度を作成し,自尊感情との関連からその構成概念について検討を行うこと,さらに,青年期から成人期の発達的特徴を捉えることを目的とする。自己投入尺度,自尊感情尺度,家族をめぐる葛藤の認知に関する質問紙を青年110名と成人71名に実施した。主な結果は次の通りである。(1)自己投入と自尊感情の関連の仕方における男女の特徴が明らかとなった。(2)青年期において自尊感情と家族をめぐる葛藤の認知との関連が明らかになったが,成人期には,有意な関連が認められなかった。
著者
村上 善彦 中野 康弘 加藤 太司 中川 恭子 南 毅生
出版者
一般社団法人 日本獣医麻酔外科学会
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3+4, pp.36-40, 2020 (Released:2021-02-16)
参考文献数
9
被引用文献数
1

前縦隔に異所性甲状腺癌が発生した犬に外科手術を行った3例を経験した。3症例はCT検査を行い、他臓器への浸潤、転移、胸水を認めなかったため、細胞診、病理組織検査後、外科手術を行った。術後、症例1、3はそれぞれ1,050、1,420日経過しているが、再発転移なく良好に経過している。また、症例2は術後2,925日に腫瘍とは関連なく死亡した。症例の集積による検討が必要ではあるが、前縦隔に発生した異所性甲状腺癌は、他臓器に浸潤や転移がない場合、外科手術を行うことで良好な予後が得られる可能性が考えられた。