著者
南 喜一
出版者
一般財団法人 林業経済研究所
雑誌
林業経済 (ISSN:03888614)
巻号頁・発行日
vol.10, no.7, pp.25-26,7, 1957
著者
鈴木 剛 仲山 慶 前川 文彦 Tue Nguyen Minh 木村 栄輝 道中 智恵子 松神 秀徳 橋本 俊次
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.470-481, 2018-12-31 (Released:2019-12-05)
参考文献数
37

臭素系ダイオキシン類は,POPs 条約の規制対象物質ではないが,対象であるダイオキシン類と同様の特性を示すため,リスク管理の必要性が国際的に共有されている。国内では,環境省による臭素化ダイオキシン類の排出実態調査が実施され,臭素系難燃剤の decaBDE を使用する施設や含有製品を取り扱う施設で,ダイオキシン類の排出基準や作業環境基準を超過する値で検出されることが明らかにされた。臭素化ダイオキシン類の排出は,2017 年に decaBDE が POPs 条約上の廃絶対象物質となったことに伴い,動脈側で減少することが予測されるが,静脈側で含有製品の再資源化や廃棄を通じた排出が当面継続する見込みであり,引き続きその実態把握が必要である。DecaBDE の代替物使用の臭素系ダイオキシン類の排出への影響についても,今後の排出実態調査や関連研究で明らかにされることが期待される。また,臭素化ダイオキシン類の適切なリスク管理には,WHO と UNEP の専門家会合が指摘しているとおり,魚類・哺乳類毒性試験に基づく TEF を補完していく必要がある。
著者
織茂 智之
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.259-273, 2017 (Released:2017-06-28)
参考文献数
107
被引用文献数
2 7

パーキンソン病(Parkinson’s disease; PD)の新しい診断法と治療について解説した.画像では,神経メラニン画像,meta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィ,ドパミントランスポーターシンチグラフィ,経頭蓋黒質超音波検査,重要な非運動症状の嗅覚低下やレム睡眠行動異常症,Movement Disorder Society(MDS)から発表された新しいPDの臨床診断基準について解説した.新たな治療としては,最近上市された抗PD薬と治験中の薬剤の紹介,PDの薬物治療として早期治療の意義と初期治療の実際,進行期の薬物治療として持続的ドパミン刺激療法の意義と治療法の実際,手術療法として主に脳深部刺激療法,新たな治療法として遺伝子治療と細胞移植治療を紹介した.
著者
永井 将弘
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.104, no.8, pp.1558-1564, 2015-08-10 (Released:2016-08-10)
参考文献数
3

近年,新しい作用機序の非ドパミン系治療薬が上市されてきた.イストラデフィリンは世界初のアデノシンA2A受容体拮抗薬で,大脳基底核間接経路の過剰興奮を抑える働きがある.ゾニサミドはT型Caチャネル阻害作用,δ1受容体アゴニスト作用など多彩な作用を有するレボドパ賦活薬である.ドパミン系治療薬に関してもドパミンアゴニストは徐放製剤,貼付薬など長時間作用型へ改良され,使用されている.また,レボドパ/ドパ脱炭酸酵素/COMT阻害薬3剤の合剤も上市された.
著者
藤井 まき子
出版者
公益社団法人 日本薬剤学会
雑誌
薬剤学 (ISSN:03727629)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.197-200, 2017-07-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
5
著者
河合 美佐子
出版者
日本生物工学会
雑誌
生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi (ISSN:09193758)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.679-682, 2011-11-25
参考文献数
14

1 0 0 0 OA ウイロイド

著者
松下 陽介
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.170-175, 2016-02-20 (Released:2017-02-20)
参考文献数
20

ウイロイドは最小の植物病原体であり,動物細胞からは検出例がないマイナーな存在である.また,環状のnon-coding RNA(ncRNA)という独特の構造である点においても特異な存在であった.しかしながら,近年,ncRNA, さらには200塩基以上のlong non-coding RNA(lncRNA)に関する研究が進展し,それらの生体内における役割や動態についても明らかとなっている.また,環状lncRNA(circRNA)が動物細胞から大量に見つかり,それらの役割についても明らかになりつつある.今後はウイロイドがマイナーな存在ではなく,自律複製能をもったcircRNAとして着目されることを期待したい.
著者
上野 矗
出版者
大阪教育大学養護教育教室
雑誌
障害児教育研究紀要 (ISSN:03877671)
巻号頁・発行日
no.17, pp.1-9, 1995-03-01

本報告では、病気との和解を実現した3人の患者の表明資料について、経験的現象学的方法の手順にそって意味分析を行ない、そこから病気との和解にかかわる3つの鍵語が見い出されてきた。これら鍵語を現象学的人間学的心理学の視座から語源的に分析を試みた。 その結果、理解=悟りが自身を心に注ぎ、コミットし、気づくこと ; 闇=暗らさは光が光としての意味をもつ上で闇が必要であること、すなわち相反し合う両極をひとつに融合すること ; 病気=病は危機的な状況から平安な地平へと転換していく過程であることとの意味づけが引き出されてきた。 以上から、病気との和解が病気それ自体の意味のうちに内包されていること、そして病気との和解の実現には人類的な集合的知恵に由来し、人間の存在論的なあり方が大きくあずかってくることが知られた。In this study, 3 key-words closely related to the living with disease were found out by the semantic analysis of descriptions concerning the episodes of the living with disese about which three patients told. These key-words were etymologically analyzed from the existential-phenomenological-psychological point of view. As a result, the first key-word: understanding (Satori) means that I pour myself into mind ; I commit myself to ~; and I become aware of ~, The second key-word : Darkness (Kurai) shows real meaning for us. Darkness serves us as a background against which we see the light. It should relate us to gap between the sun and the night. The last key-word : Disease(Yamai) means the revolution of a process from a serious crisis to a peaceful horizontality. In conclusion, the key-word Yamai in itself involves a meaning of the living with disease. And an actualization of the living with disease seems to come from the collective wisdom and a existential way of human-being..
著者
大田原 美保 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.841-848, 1995-09-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
4

米飯の保存中の食味低下, すなわち米飯の老化感の客観的評価方法を検討し, 以下の知見を得た.(1) 官能検査により米飯の老化感を測定した結果, 一般的に家庭で食している米飯 (日本晴加水比1.5) レベルでは, 保存5時間ですでに有意に老化していると評価され, SEMによる微細構造も保存5時間で変化が始まっていた.(2) BAP法による糊化度と老化感の保存中の変化は, 特に保存初期において必ずしも対応しなかった.(3) 物性測定のパラメータを説明変数, 米飯の老化感を目的変数として変数増減法による重回帰分析を行った結果, テクスチュロメータのHと-Hを用いた重回帰式Y (米飯の老化感) =0.86X (H) -3.15X (H) -0.48 (R'2=0.87) によって米飯の老化感を精度良く予測できることが明らかとなった.
著者
奥西 智哉 大坪 研一
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.76-77, 2008-02-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
10
被引用文献数
6 6

玄米の開放貯蔵下での過酸化物価は貯蔵開始後すぐに増加し,最大値はおよそ50meq/gを示した.カルボニル価は,およそ10日後から上昇を開始した.脂肪酸度は,30日後に増加し始めた.過酸化物抑制のために最も効果的な方法は暗所保存で,脱酸素剤の効果は補助的であった.
著者
池田 拓史
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.215-223, 2019-12-15 (Released:2019-12-15)
参考文献数
41

Zeolites having various properties such as molecular adsorption, molecular sieves and solid-acids are widely used industrially as one of the major inorganic nanoporous materials. Powder X-ray diffraction is the most powerful structural analysis method because most porous materials can only be synthesized as polycrystalline powder. This article briefly describes some of our structural studies on novel zeolites, layered silicates, organic-inorganic hybrid porous materials determined by ab-initio structure analysis using powder X-ray diffraction data. In addition, improvement of the function of Rietveld analysis software was indispensable for the determination of these complex crystal structures. In the past development of multipurpose program RIETAN, we have incorporated many functions such as split-type profile functions, composite background function, MEM-based pattern fitting, and Le Bail method. This enables the highest level of pattern fitting for all angular dispersion powder diffraction patterns and enables efficient ab-initio structure analysis.
著者
安田 光男 木村 博昭
出版者
一般社団法人 芸術工学会
雑誌
芸術工学会誌 (ISSN:13423061)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.126-133, 2018 (Released:2019-02-01)

古代ローマ住宅はペリスタイルと呼ばれる中庭が紀元前2世紀ごろから富裕層を中心とする住宅の平面計画に導入され始め、ドムス住宅が形成された。ポンペイのメナンドロスの家もそういったドムス住宅の一つであるが、ペリスタイルを構成する列柱は等ピッチで整然と並ぶイメージとは異なり、一見ランダムに配置されているように見える。本論考では、メナンドロスの家をケーススタディとして、R.リングらの復元図から3Dモデルを作成し、検証・考察を通して、ペリスタイルの柱配置によって、どのような視覚的効果を用いて空間演出を行おうとしていたかを明らかにすることを目的とする。古代ローマ住宅には二つの軸線が存在することが、一般的に知られている。ファウセス(玄関)からペリスタイルへの視覚軸、もう一つはトリクリニウムからペリスタイルへの視覚軸である。メナンドロスの家においても、この二つの軸線に対応するペリスタイルの柱間の間隔は他の柱間より広げられており、軸線が強調されている。ファウセス(玄関)からペリスタイルを見る視覚軸はペリスタイル列柱の柱芯間隔について手前を広く、奥を狭くすることで、初源的な遠近法の効果で実際の距離よりも長く見えるように設えられていると考えられる。その視覚軸の終点に位置するオエクス前の列柱の中心と視覚軸にはズレが生じており、そのズレの要因は対称性と列柱の連続性の双方を維持するということを意図したためと考えられる。また、トリクリニウムからペリスタイルへの視覚軸について、ペリスタイルの東側から西側に向けて柱芯間隔を徐々に減じさせて、初源的な遠近法の効果で庭をより大きくみせるような空間演出を行っていると推測できる。ペリスタイル列柱の配置は主に北側及び東側に存在する饗宴用の部屋から庭へ向かう視線のためのウィンドーフレームとしての機能が色濃く、ペリスタイル西側及び南側の列柱に、その視線の先にある背景としての役割を担わせることで、劇場の舞台装置のような空間演出を行っていたと考えることができる。メナンドロスの家のペリスタイルの列柱は構造的な機能を超えて、柱芯間隔の巧みな操作や初源的な遠近法を用いた視覚操作を通して、空間演出に利用されていたことがわかった。