著者
上田 喜敏
出版者
森ノ宮医療大学 紀要編集部会
雑誌
森ノ宮医療大学紀要 = Bulletin of Morinomiya University of Medical Sciences
巻号頁・発行日
vol.12, pp.13-20, 2018-03-20

この総説は、ヘルスケア部門の安全な介助方法を説明し、日本のヘルスケアワーカーの腰痛の現状と日本の腰痛対策指針を説明した。また著者が2011年に腰痛対策チェックリストを用いて介助場面別に腰痛原因を明らかにした調査結果で報告した。その結果6介助場面が危険であることが判明した。さらにISO技術委員会人間工学(TC159)は、手による持ち上げ重量制限を25kgとした。それにより他の産業が腰痛を減少させているが、ヘルスケア部門が減少していないことを報告した。また、ヨーロッパ各国でヘルスケア部門の腰痛改善を下に2012年に出版されたISO技術報告書について解説し、ヘルスケアワーカーの規格化が進められているISOの概要について説明した。
著者
OOTAKI Osamu Fujiwara Satoshi
出版者
国立極地研究所
雑誌
Polar geoscience (ISSN:13443194)
巻号頁・発行日
no.11, pp.9-13, 1998-10
被引用文献数
1

Continuous observations using GPS were carried out on an ice sheet in East Antarctica, near Syowa Station for about 4 days to detect detailed movement of the ice sheet. It is possible to detect the short-time change of the location precisely by analyzing the differential GPS with data simultaneously acquired at a reference GPS continuous observation point, using precise ephemeris. We detected constant movement of the ice sheet toward the WNW of about 13 mm per day. The drift rate of the ice sheet movement coincides with the result of repeated differential GPS measurement over two years, so it is proved that the movement of the ice sheet is rather constant. This kind of GPS observation gives ground truth for geoscience.
著者
谷澤 久之 佐塚 泰之 小松-芹田 明子 滝野 吉雄
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.283-289, 1983 (Released:2010-02-22)
参考文献数
12
被引用文献数
8 5

米酢は米よりつくる醸造酢の一種であり, 単なる食用酢としてではなく, 東洋では民間薬として健康維持に役立ってきた歴史を持っている。著者らは, マウスを用い急性毒性と脂質代謝に及ぼす影響を検討した。その結果, 1) マウスでの急性毒性は21.5ml/kg (p. o.) でその死因は含有する酢酸による上部消化管に対する障害作用に基づくことが認められた。2) 通常食および高コレステロール食で飼育したマウスの血清コレステロール値を米酢は 2.5ml/kg (p. o.) 以上で低下させた。また, 4%酢酸水溶液でも, ほぼ同様の効果が認められた。3) 抗生物質アドリアマイシソによる心臓中の過酸化脂質 (LPO) 上昇に対し, 米酢は2.5ml/kg (p. o.) で抑制した。また, 正常マウス心臓中のLPOも5ml/kg (p. o.) 以上で低下させた。一方, 4%酢酸水溶液のこれらLPOに対する作用は弱いものだった。
著者
渡邉 泰彦
出版者
京都産業大学総合学術研究所
雑誌
京都産業大学総合学術研究所所報 (ISSN:13488465)
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-30, 2018-07

ドイツでは,2017年10月1日から同性婚が導入された。同性カップルは2001年から登録パートナーシップを行うことができたが,保守政党(CDU/CSU)とメルケル首相は,同性婚を拒絶していた。6月中旬まで,同性婚法が国会で可決される展望はなかった。その状況は,1週間で急激に変化した。 本稿では,急激な変化の背景を,新聞,雑誌,連邦議会議事録における政治家の発言から明らかにした。1 はじめに2 同性の人のために婚姻締結の権利を導入する法律3 2017年4月までの状況4 2017年6月5 連邦議会採決6 抽象的規範統制の申立て7 連邦議会選挙8 同性婚の締結数9 おわりに
著者
石垣 文 松下 健祐 角倉 英明 平野 吉信
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.1221-1225, 2019-10-20 (Released:2019-10-20)
参考文献数
5

The aim of this report is to clarify the actual condition and problems of the university community space; “Omoshiro Lab.” in Hiroshima University, where the renovation plan and management system are mainly proposed by students. In the report, the actual condition of the proposal of renovation and its background are clarified. Then, the status and problems of management and operation of the space after renovation are clarified.
著者
三森 弘
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.1373-1378, 2019-10-20 (Released:2019-10-20)
参考文献数
2

In accordance with the joint development of individual wagons with manufacturers accompanying free-addressing at university research facilities, this study examined the characteristics of each proposal from candidate manufacturers and factors contributing to the user’s wagon selection. Specifically, this study clarified (1) conditions and purposes underlying candidate manufacturers’ proposals and (2) questionnaire respondents’ decisive factors in selecting wagons.
著者
高橋 美彦
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.98, no.3, pp.289-301, 1990-07-31 (Released:2008-02-26)
参考文献数
25

縄文時代87例,弥生時代44例,古墳時代44例,鎌倉時代30例,室町時代22例,江戸時代36例,明治時代16例の古人骨の頭部 X 線規格写真と,住民調査で得られた現代人の頭部 X 線規格写真419例を調査し,顎関節形態の時代的推移について検討した。その結果,顎関節の時代的変化はおもに関節突起に現れ,下顎窩における時代の変化には一定の傾向はみられなかった。関節突起はおおむね時代とともに細長くなるとともに,下顎頭幅は小さくなり,下顎頭の尖鋭化が進行していた。下顎窩幅に対する下顎頭幅の割合は弥生時代人と現代人で小さく,とくに現代人においてこの傾向が強く認められた。
著者
小泉 政利 安永 大地 木山 幸子 大塚 祐子 遊佐 典昭 酒井 弘 大滝 宏一 杉崎 鉱司 Jeong Hyeonjeong 新国 佳祐 玉岡 賀津雄 伊藤 彰則 金 情浩 那須川 訓也 里 麻奈美 矢野 雅貴 小野 創
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順がその逆のOS語順に比べて処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があることが報告されている。しかし,従来の研究はSO語順を基本語順にもつSO言語を対象にしているため,SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか,あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分からない。この2種類の要因の影響を峻別するためには,OS語順を基本語順に持つOS言語で検証を行う必要がある。そこで,本研究では,SO言語とOS言語を比較対照することによって,人間言語における語順選好を決定する要因ならびに,「言語の語順」と「思考の順序」との関係を明らかにする。
著者
萩野由之 編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
vol.第一編, 1913
著者
桜井 純一
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
農産加工技術研究會誌 (ISSN:03695174)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.159-163, 1959-08-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
6

植物体中のクロロフィルの銅置換反応は蒸煮などの加熱操作により著しく促進されることは種々の場合に行われているが,実際工業的に応用するには考慮を要する。たとえばグリーンピースのクロロフィルを安定にするには,試料を稀薄な硫酸銅水溶液中に数分間煮沸後水洗するのであり,クロロフィル抽出工程において原料蚕糞中のクロロフィルをあらがじめ安定にするには,硫酸銅水溶液に浸漬後蒸せばよい。い草の場合も硫酸銅溶液に浸けて蒸すことがおこなわれており,三浦,塚本らの特許出願がある。疊表の色を変らぬようにするというだけのことでは,国民生活向上の上にさしてプラスにはならないようにも考えられるが,加工賃の余りかかるものではないから,国民生活安定とともに将来はかなり利用されると思う。したがつて業界としては不良品,模造品取締りのほか,色調改善,物理的性質の改良など技術的の面にも適切な指導機関の設置が望まれる。終りに本実験を行うに当り,葉緑素の定量について御指導いただいた東京都衛生試験所戸谷哲也技官,疊表の退色試験につき御援助いただいた鉄道技術研究所中島祥行技官,花莚捺染釜による大量試験に御協力いただいた岡山県西阿知町岡本栄一氏の諸氏に深甚の謝意を表する次第である。
著者
坪井九馬三, 日下寛 校訂
出版者
吉川半七等
巻号頁・発行日
vol.鶴岡社務記錄 正慶亂離志, 1913
著者
坪井九馬三, 日下寛 校訂
出版者
吉川半七等
巻号頁・発行日
vol.親俊日記 一, 1913
著者
林 四郎
出版者
筑波大学
巻号頁・発行日
1980

identifier:http://hdl.handle.net/2241/4602
著者
石井 克枝 大林 景子
出版者
千葉大学教育学部
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.329-332, 2012-03

家庭科食教育教材を視野に入れ,手打ちうどん作りの捏ね回数や小麦粉の種類に注目し調理技術とおいしさの関係について以下のことを明らかにした。捏ね回数200回,400回,800回のうどんを官能検査により評価した結果,800回捏ねたうどんが最もおいしいことが認められた。捏ね時間は大学生で経験者が8分であったのに対し大学生,中学生の初心者が13~15分とほぼ同じで,小学生の初心者が16~17分と経験者に比べ約2倍であった。粉の種類は中力粉が適しているが,小学生で捏ねる力が弱い場合は強力粉:薄力粉が1:2の混合粉が捏ねやすく,中力粉に比べ大きな差はなくおいしいうどんができることがわかった。

1 0 0 0 小学三年生

出版者
小学館
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, 1995-07
著者
アンドリュー・ ベルナール 倉島 哲
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.25-53, 2018-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
60

サーカス・パフォーマーの運動をコントロールするのは誰なのだろうか。空中のアクロバットは、無意識のうちに全身を協調させることで、パートナーに掴んでもらうべく正確に手を伸ばすことができるが、これは周辺視野にかすかに捉えた情報だけを頼りに行われている。そのうえ、視覚それ自体も、意識的にコントロールされるのではない。アクロバットは、意思によらずに視線を導き、パートナーとの視線の相互的なコンタクトを運動中も維持しつづけることができるからである。 両眼をも含めた全身の高度な協調が意識なしに可能なのは、生ける身体(living body, corps vivant)のおかげである。前意識的かつ前運動的な生ける身体は、刻々と変化する状況にエコロジカルに適応するために必要な判断を瞬間的に下してくれる。だが、こうした判断は、脳の活性化(activation)と意識によるその知覚を隔てる450ミリ秒の遅延のために、つねに事後的にしか意識に上らない。それに加えて、主観的な身体イメージや、日常的な意識のフレームなどの要因も、生ける身体を見えにくくしている。 われわれが2013年に開始したフランス国立サーカス芸術センター(CNAC)研究プログラムは、こうした困難を乗り越えるために、身体に取り付けたGoPro カメラ・GoPro 録画を用いた自己分析(self-confrontation)インタビュー・パフォーマーを巻き込んだ哲学ワークショップの開催などを含む様々な方法を用いた。そうすることで、パフォーマーたちの生ける身体が運動のさなかに無意識のうちに生成したものの意識への浮上、つまりエメルジオン(emersion, émersion)を捉えることができた。これを踏まえ、最後にエメルジオンの学としてのエメルシオロジー(emersiology)の可能性とその社会的含意を考察したい。