著者
高嶋 浩一 清水 俊彦 朝倉 伸司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.403-409, 2018-05-25 (Released:2018-05-30)
参考文献数
12

症例は78歳,男性。夕刻に西日の眩しさを気にしながら自家用車を運転していたところ,急に右手のけいれんが起きてパニックになりガードレールに衝突した。頭部MRIのFLAIR画像では両側に高信号域が散見された。また,頭部MRAでは右中大脳動脈の狭窄があった。脳波は3 Hzの光刺激で開始から約1秒後に前頭部優位の小棘・徐波複合が出現した。その後12 Hzの光刺激において開始直後に顔面と上半身がけいれんした状態になり,名前を呼んだが無反応であった。けいれんは約10秒で治り呼名にも応じるようになった。本症例は問診,画像所見,および脳波上のてんかん性放電の出現により症候性てんかんの臨床診断となった。今後,超高齢化社会の到来により,子どもの病気と考えられていたてんかんが高齢者にも増えることが予想される。てんかんであれば薬剤で治療できる疾患である。これは脳波担当の臨床検査技師,および多くの高齢者と日常的に接する老人介護施設のスタッフ,地域のケアマネージャーも認識する必要がある。
著者
斉藤 博則 野本 淳 田野 入高史 岡村 哲夫 青木 和弘 鈴木 清文 福元 耕 茂木 純一 川井 三恵 横打 邦男 阿部 邦彦 吉沢 直
出版者
心臓
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.92-96, 1995

症例は47歳,男性.平成5年1O月28日事務仕事中,突然意識消失,呼吸微弱となり,心肺蘇生術を受けながら,近医に転送された.来院時意識レベル200~300,瞳孔散大,血圧測定不能,モニターでは心室細動であった.挿管し呼吸管理とするとともに,200~300JのDC計4回施行し洞調律に復した.この間リドカイン,メキシレチン,ベラバミル,ボスミン,メイロン等の静注を受けた.その後順調に回復し,精査加療目的で当院紹介入院となった.入院後心カテ施行.冠動脈造影正常,左室造影上全体的な収縮力低下を認め駆出率は25%であった.また,心筋生検も施行し,さらに電気生理学的検査を施行した.右室2カ所,左室1カ所計3カ所からの3連発刺激,それに加えて,イソプロテレノール負荷後の2連発刺激でも心室頻拍・心室細動は誘発されなかった.治療はアミオダロン200mg/日,カプトプリル,利尿剤,ワーファリンを投与した.現在経過観察中であり,今後ICD植え込みも検討中である.
著者
今泉 良一
出版者
東洋大学大学院
雑誌
東洋大学大学院紀要 = Bulletin of the Graduate School, Toyo University (ISSN:02890445)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.267-278, 2017

本稿の目的は、保育現場における質の高い音楽教材・歌唱曲の選択という課題に対して、「音楽教育の会」の実践・事例・教材曲を紹介し、考察を試みることである。1957年に発足した「音楽教育の会」は、日本における音楽教育の新しい内容と方法を確立するため民間教育団体である。年代の異なる3つの歌集に着目し、掲載されている曲目を比較検討した。曲にどのような思いを込めるのか、何を感じ、何を味わうのか、子どもの育ちとどのようにつながるのか、保育者自身の十分な理解が必要であり、子どもが「歌う喜び」を感じられるような教材の研究、保育者の援助が求められてくる。音楽教材の選択と子どもの育ちは、保育者の意識によるところも大きい。The purpose of this thesis is to introduce practices, examples, cases, and music used as teaching materials, regarding the problem of selecting high-quality music teaching materials and songs at child care sites, and to attempt to examine it. The “Association of Music Education” is a private educational organization that was established in 1957 to criticize the current situation of music classes that tended to overemphasize techniques and establish new content and methods. It focused on three anthologies from different ages and compared and evaluated the published musical numbers. It is necessary for the child care workers to have a full understanding regarding what kind of feelings will be expressed in the song, what the children will feel, what they will experience, and how it will connect with their growth. Research of teaching materials which children can feel the “joy of singing” and the support of child care workers are required. The selection of music materials and the children’s growth also greatly depends on the awareness of the child care workers.
著者
宇佐美 芳明 安生健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.746-755, 1992-05-15
参考文献数
9

コンピュータ・グラフィックスにより リアルな人間を表示可能にすることは ニーズのある重要な課題であるしかし従来の映像生成の手法では 他の人体各部に比較して 頭髪の表現レベルが不十分であるまた 容易に髪形を定義できるような 頭髭のモデリング方法も存在しないこれらの問題は頭髪の形状決定の際に 頭髪の物理的特性が考慮されていないことが原因と考えられるそこで 頭髪の曲げ変形に対する剛性を考慮した物理シミュレーションを導入して 新しいモデリング方法を提案する。曲げ剛性を利用すると 頭髪の変形長はこれに作用する曲げモーメントの大きさから求められ 頭髪の変形の基本的性質をシミュレートできるすなわち 頭髪の生え際付近では変形量が小さく 先端に向かうにつれて変形量が大きくなる性質であるそのため 本手法では頭髪の分け目やボリューム感が容易に表現でき 従来手法にないリアルな頭髪の表現が可能となったまた 頭髪をコンパクトな3次元のポリラインのデータで表現しており 多数のポリゴンで頭髪を近似する必要はないしたがって グラフィックス・ワークステーションのハードウェアを利用して 高速なレンタリングが可能であるさらに モデリング処理である頭髪の曲げ計算の時間についても 実用上問題のない範囲で処理できる
著者
今村 幹雄 高橋 広喜 國井 康男 山内 英生 中嶋 正彦
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.364-369, 2000 (Released:2009-06-05)
参考文献数
19

クローン病と精神疾患の合併について欧米では以前から指摘され,機序については,近年,精神神経免疫学的観点からの説明が試みられているが,未だ明らかでない.当科でも精神疾患を合併したクローン病症例3例を経験した.2例は精神疾患先行で,1例はクローン病の経過中に発症した.症例1は38歳,男性,小腸大腸型クローン病.19歳時,幻聴,妄想,てんかん発作などが出現し,脳萎縮を有する器質性精神障害と診断された.21歳時,下痢でクローン病が発症し,3回の手術歴がある.症例2は32歳,男性,直腸肛門クローン病.19歳時,幻聴,妄想が出現し,精神分裂病と診断された.29歳時,発熱,肛門部出血などでクローン病が発症し,肛門周囲膿瘍の切開排膿を数回受ける.症例3は32歳,女性,小腸大腸型クローン病.17歳時,下痢でクローン病が発症し,回腸狭窄と痔瘻に対する手術歴あり.32歳時,精神的ストレス状況下で反応性神経症が発症す.
著者
長友 信人
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.178-182, 1962-06

大型ブースターロケットによる人工衛星の打上げと,原子力発電装置の開発は,惑星間飛行への道を開き,新しいロケットエンジンとして電気推進系の実現を可能にした.電気推進系のエンジンには種々のものが考案されたが,なかでもプラズマロケットは一般性と将来性を持つものである.この論文では,マイクロ波を電力源としてプラズマを加速するエンジンについて理論解析を行ない,ロケットとして用いる可能性を示した.目下簡単なモデルによる実験を行なっている.

1 0 0 0 OA 救荒便覧

著者
遠藤, 鶴洲
出版者
巻号頁・発行日
vol.[4], 1833

1 0 0 0 OA 鶯宿雑記

著者
[駒井乗邨] [編]
出版者
巻号頁・発行日
vol.巻三百三、巻三百四,