著者
河本 大地
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100268, 2016 (Released:2016-04-08)

Ⅰ 背景と目的 「持続可能な開発」は、「将来の世代のニーズを満たす能力を損なうことなく、現在の世代のニーズを満たす開発」とされる。そのための教育が「持続可能な開発のための教育」で、持続発展教育などとも呼ばれる。以降、本研究ではESDと呼ぶ。日本が大きく関わる形で、ユネスコが世界的に主導してきた。 ジオパークは、日本ジオパーク委員会(2014)によると「地球活動の遺産を主な見所とする自然の中の公園」で、「ユネスコの支援により2004年に設立された世界ジオパークネットワークにより、世界各国で推進されて」きた。 ESDとジオパークは、持続可能な開発を志向する点、ユネスコと密接な関係を持つ点が共通する。そこで本研究では、日本におけるESDとジオパークの関係のこれまでをふりかえり、今後の可能性を検討する。 なお、日本地理学会2015年春季学術大会のシンポジウムにおいて、発表者は「ESDとジオパーク」と題する発表の機会を得た。本研究は、その際にいただいたコメントや、その後の調査や経験等をふまえ、内容を整理しなおしたものである。 Ⅱ 方法 まず、ESDの考え方とこれまでの経緯をみる。次に、ESDとジオパークの関係のこれまでを振り返る。ここでは第一に、両者を掛け合わせた研究や実践事例のレビューをおこなう。第二に、ESDを実践展開する拠点として文部科学省が位置づけるユネスコスクールと、ジオパーク活動との関係を確認する。 続いて、ESDとジオパークの掛け合わせで社会にどんな可能性が開かれうるのか、そのためには何が必要かを議論する。ここではまず、2015年以降のESDのベースとされる「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」の「優先行動分野」が、ジオパークに関してどう実践可能かを検討する。そのうえで、ジオパークは地球科学と地域づくりの掛け合わせという視点から、ESDでジオパークに開かれる新たな可能性を考察する。 Ⅲ 結果と考察 ジオパークでは教育や持続可能な開発が重視されており、理念的にはESDとの親和性が高い。また、ESDとジオパークの双方にユネスコが深く関係している。しかし両者の関係や、ジオパークにおけるESDの実践について、明示的に書かれたものは少ない。また、日本のジオパークでは、文部科学省によってESDの実践拠点とされているユネスコスクールに関して、ほとんど意識されてこなかったことが判明した。ESDとジオパークは基本的にそれぞれ別の道を歩んできたと言える。 では、ESDとジオパークの掛け合わせで社会にどんな可能性が開かれうるのだろうか。そのためには何が必要だろうか。「ESDの可能性を最大限に引き出し、万人に対する持続可能な開発の学習の機会を増やす」ことを目的とするGAPの「優先行動分野」についてジオパークの場合を検討すると、学習環境を整え学習機会を充実させるための組織運営に関して、多くの改善すべき点が見出された。それはたとえば、ジオパーク学習をおこなう学校をユネスコスクールにするとともにESDの実践拠点としての機能を発揮させること、ジオパークに関わるすべての組織において組織全体としてESDに取り組む態勢を整えること、教員養成やスタッフ研修、ガイド養成等にESDを導入すること、ユースの主体的な動きを大事にすること、運営組織を多様な主体が参加できるようにすること、すべての人々がジオパークから学べるよう意識して様々な学習機会をつくることなどである。 一方、学習内容については、GAPからは、学習指導要領に盛り込まれている「持続可能な社会の構築」の観点でジオパークを扱うこと、地形・地質等と気候変動や生物多様性との関係を扱うこと、国際開発協力の視点を持つこと、資源の効率化や社会的責任等の観点を導入すること、ユースが変革の担い手となるよう参加型技能を習得できるようにすることなどが見出された。 続いて、地球科学および地域づくりの観点から、ESDとしてのジオパーク学習の内容を検討した。その結果、地球科学の観点からは第一段階として身近な地域の自然が、第二段階として地球活動のメカニズム理解が見出された。地域づくりの観点からは、第一段階として暮らしと自然の関わりが、第二段階として社会的「折り合い力」の育成が見出された。また、それらの第三段階として、ジオパーク活動を通じた国際理解・国際協力も重要なテーマとなることが示唆された。 以上から、ジオパークを活用して「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」であるESDを進めるには、組織運営と学習内容の変革が必要と言える。ESDの態勢を整え、地球科学と地域づくりから得られる学びを最大化することで、ジオパークを持続可能な社会づくりの担い手を育む場にすることができる。
著者
三浦 和己
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.23-28, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
15

近年,映画の製作・流通がアナログ(フィルム)からデジタルへと急速に移行している.この移行は映画の可能性を大きく広げる一方で,生成されたデジタルデータを長期間保存するという面においては,保存媒体やフォーマットがすぐに陳腐化するなど課題も多い.この課題についての調査を進めるため,東京国立近代美術館フィルムセンターでは,文化庁による 「美術館・歴史博物館重点分野推進支援事業」 の補助を受け,『映画におけるデジタル保存・活用に関する調査研究事業』 を実施している. 本稿ではこの調査事業の一環として実施した,4K 映像の長期保存に向けた取り組みについて紹介し,その中から顕在化 した課題について考察する.さらに今後の保存システム構築における重要な要素として,特定技術への依存を回避するための技術動向について触れる.
著者
田中 万也 高橋 嘉夫 福士 圭介 宇都宮 聡
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.169-171, 2015-09-25 (Released:2015-12-25)

Many studies have been carried out since the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant (FDNPP) accident. Here, we would like to introduce the special issue on the FDNPP accident which includes contributions from various fields covering aerosols, soil, forest, river, ocean and application of new analytical technique to samples collected in Fukushima.
著者
二宮 隆次 小野 浩幸 高橋 幸司 野田 博行
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.93-104, 2016 (Released:2016-07-07)

本研究では、産学官連携の現場の諸活動について、大量の質的(定性的)データを基に計量的分析を実施し、可視化した情報として提供することを試みた。具体的には、日経産業新聞の連載記事「ベンチャー仕掛け人」を、テキストマイニング手法「KH Coder」を用いて分析した。その結果、①大学の共同研究センター等を中心とした産学官連携活動、②インキュベート施設を中核とした活動、③資金に関するベンチャーキャピタルや金融機関を中心とした活動、のそれぞれの活動において、出現する言葉に特徴があることが明らかになった。また、特徴的な3つのグループにプロットされた語から特定語を選択して共起分析した結果、①の「産学」による分析では、研究、開発、技術および連携の4つ語が強く共起関係を結び、加えてそれぞれの語がほかの関連語とネットワークを結び、産学官連携の活動パターンを形成していることが確認できた。②の「施設」と「入居」による分析では、主たる活動は起業、事業を育成することであることが見て取れた。施設と入居の語の共起分析から、施設には入居タイプと入居がないものがあり、入居は技術、経営の語の共起関係が比較的高く、施設は、地域、開発および相談が高いことがわかった。③の「上場」と「ファンド」による分析では、起業・研究フェーズでの事業の元手となる出資やベンチャーキャピタル、実用化・会社設立フェーズでのファンド・株式、事業経営の維持・拡大フェーズでの銀行等金融機関の融資などが共起していることが確認された。以上のことから、本研究は、産学連携活動を効率的、かつ、効果的に実施するうえで重要な情報を提供しうるものと考えられる。
著者
松下 哲朗 宿輸 昌宏 大村 浩之 原口 増穂 浅井 貞宏 波多 史朗 山佐 稔彦 宮原 嘉之
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.163-168, 1996-02-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
14

再燃寛解型の潰瘍性大腸炎に急性肺動脈血栓塞栓症を合併し, t - P A による血栓溶解療法が有効でった1例を経験した.症例は66歳,女性.再燃寛解型の潰瘍性大腸炎で,プレドニゾロン15mg/日の維持投与中,労作時の息切れと失神を主訴に受診した.動脈血ガス分析で,PaO2,45torr,PaCO2 25torrと低酸素血症を認めた.心エコー検査では,著明な右室の拡大と左室の変形がみられた.右心カテーテル検査にて肺動脈圧は65/30(41)mmHg,DSAによる肺動脈造影(以下DS-PAG)では肺葉動脈に多発性血栓を認めたため,急性肺動脈血栓塞栓症と診断した.診断後,肺動脈から選択的にt-PA600万単位を30分かけて注入した.その後,貧血の進行や便潜血反応,肺動脈圧,心エコー所見を参考にしてt-PA600万単位を肺動脈から3日間注入し,DS-PAGを施行した.DS-PAGで,両下肺動脈に血栓の残存はあったが血流は保たれていたため,ヘパリンによる抗凝固療法を行った.1カ月後,DS-PAGでは両下肺動脈の再閉塞を認めたが,肺動脈圧は23/8(13)mmHgまで改善していた.結論:潰瘍性大腸炎でも重症度分類で中等度以下の症例であれば,貧血の進行や便潜血反応の増悪を確認しながら少量のt-PAによる血栓溶解療法を施行することにより,急性広汎性肺動脈血栓塞栓症でも有効な治療効果が得られると考えられた.
著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。
著者
由井 義通 若林 芳樹 中澤 高志 神谷 浩夫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.139-152, 2007 (Released:2010-06-02)
参考文献数
39
被引用文献数
1 2

日本の女性を取り巻く社会的・経済的状況は過去数十年の間に急激に変化した.そうした変化の一端は,働く女性の増加を意味する「労働力の女性化」に現れている.とりわけ大都市圏ではシングル女性が増大しているが,それは職業経歴の中断を避けるために結婚を延期している女性が少なくないことの現れでもある.この傾向は,1986年の男女雇用機会均等法の成立以降,キャリア指向の女性の労働条件が改善されたことによって促進されている.その結果,日本の女性のライフコースやライフスタイルは急激に変化し,多様化してきた.筆者らの研究グループは,居住地選択に焦点を当てて,東京大都市圏に住む女性の仕事と生活に与える条件を明らかにすることを試みてきた.本稿は,筆者らの研究成果をまとめた著書『働く女性の都市空間』に基づいて,得られた主要な知見を紹介したものである.取り上げる主要な話題は,ライフステージと居住地選択,多様な女性のライフスタイルと居住地選択,シングル女性の住宅購入とその背景である.
著者
服部 光治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.3, pp.99-102, 2012 (Released:2012-03-10)
参考文献数
27

脳の形成およびシナプス可塑性に関与する分子の機能異常が精神神経疾患の発症や増悪化に関わるという例は今や珍しくない.リーリンは,胎生期の神経細胞移動や脳の層構造形成に必須の巨大(分子量430 kDa以上)な分泌タンパク質であり,シナプス可塑性をはじめ生後脳における機能も明らかになりつつある.一方,ヒトサンプルの研究や遺伝子多型の研究結果から,アルツハイマー病,統合失調症,自閉症,気分障害などの精神神経疾患にリーリンが関与することが提唱されている.そしてこれら研究の多くが,リーリンの「機能低下」が疾患発症に寄与することを示唆している.すなわち,リーリンの「機能増強」は神経難病の治療につながることが期待される.しかし,細胞レベルや生化学レベルで極めて多くの研究がなされたにもかかわらず,リーリンによる情報伝達機構の全貌は見えてきていない.さらには,リーリン機能低下をうまく再現できる動物モデルもないため,これが生体に具体的にどのような異常を引き起こすのかについてはほぼ不明である.その上で,リーリンの「機能増強」をどのように行うのかという大きな問題も残されている.本総説ではリーリンの機能について分子レベルでわかっていることを概説し,ヒト疾患における研究結果について紹介したい.また,リーリン機能増強の有力な方策の1つとして,リーリンの分解阻害が考えられるので,リーリンの特異的分解機構についても述べる.最後に,リーリンの機能解明を阻んでいる要因と,今後の展望や進むべき方向についても議論したい.
著者
大塚 脩斗 坪井 大和 村田 峻輔 澤 龍一 斎藤 貴 中村 凌 伊佐 常紀 海老名 葵 近藤 有希 鳥澤 幸太郎 福田 章真 小野 玲
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-11, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
37

目的:地域在住高齢者における包括的に評価されたヘルスリテラシーと健康関連Quality of Life(以下,QOL)との関連について検討すること.方法:本横断研究の対象者は,65歳以上の地域在住高齢者330名(73.8(SD 5.5)歳,女性226名)とした.ヘルスリテラシーの評価には14-item Health Literacy Scale(以下,HLS-14)を用い,総得点と機能的,伝達的,批判的ヘルスリテラシーの各下位分類得点を算出した.健康関連QOLの評価には12-Item Short Form Health Surveyを用い,Physical Component Summary(以下,PCS),Mental Component Summary(以下,MCS)を算出した.単変量解析では,PCSおよびMCSとHLS-14の総得点および各下位分類の相関についてSpearmanの順位相関係数を用いて検討した.重回帰分析では,従属変数をPCSおよびMCS,独立変数をHLS-14の総得点および各下位分類とし,共変数を投入したモデルを作成した.結果:単変量解析の結果,以下の関係において有意な相関が示された.1)PCSと機能的ヘルスリテラシー(相関係数 rs=0.21,p<0.01),2)MCSと総得点(rs=0.14,p=0.01),3)MCSと機能的ヘルスリテラシー(rs=0.22,p<0.01),4)MCSと伝達的ヘルスリテラシー(rs=0.14,p=0.01).重回帰分析の結果,PCSおよびMCSと機能的ヘルスリテラシーにおいてのみ独立して有意な関連が認められた(PCS:標準β=0.20,p<0.01,MCS:標準β=0.13,p=0.02).結論:本研究では,機能的ヘルスリテラシーと健康関連QOLにおいて独立して有意な関連が示され,健康関連QOLの向上のためには,高齢者に対する健康関連情報の提供方法を工夫することが重要であると示唆された.
著者
宮下 朋子 長尾 慶子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.725-732, 2013 (Released:2014-11-20)
参考文献数
33
被引用文献数
1 2

This study examined the effects of different amounts of air bubbles on the properties of and preferences for prebaked French meringue. The study also explored the suitability of baked meringue in a liquid form as a dysphagia diet. The texture of the prebaked meringue sample corresponded to Level Ⅱ or Level Ⅲ of the approved criteria for a dysphagia diet. The apparent rupture stress of the prebaked meringue with a 7-minute whipping was the smallest. The baked meringue in liquid form corresponded to Level Ⅲ of the approved criteria. A sensory evaluation of the baked meringue sample in liquid form was rated with the highest score. This study demonstrates that it was possible to prepare prebaked and baked meringue samples as a dysphagia diet by controlling the amount of the air bubbles contained in the meringue by the whipping time.
著者
伊東 健 蝦名 真行
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.423-429, 2012-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1

抗酸化剤応答配列は親電子性物質による生体防御タンパク質の誘導を担う遺伝子制御配列である.転写因子Nrf2がこの配列に結合して親電子性物質応答を仲介することが発見されてからおよそ15年が経過するが,今やNrf2は細胞の酸化ストレス応答を担う主要な転写因子として認識されるに至り,これを標的にした治療薬開発も臨床試験の段階にまできている.ここでは,最近のトピックスも含めNrf2/Keap1応答経路について概説する.
著者
Ryuta Nakashima Toru Hifumi Kenya Kawakita Tomoya Okazaki Satoshi Egawa Akihiko Inoue Ryutaro Seo Nobuhiro Inagaki Yasuhiro Kuroda
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-16-1006, (Released:2017-02-24)
参考文献数
133
被引用文献数
13

The discussion of neurocritical care management in post-cardiac arrest syndrome (PCAS) has generally focused on target values used for targeted temperature management (TTM). There has been less attention paid to target values for systemic and cerebral parameters to minimize secondary brain damage in PCAS. And the neurologic indications for TTM to produce a favorable neurologic outcome remain to be determined. Critical care management of PCAS patients is fundamental and essential for both cardiologists and general intensivists to improve neurologic outcome, because definitive therapy of PCAS includes both special management of the cause of cardiac arrest, such as coronary intervention to ischemic heart disease, and intensive management of the results of cardiac arrest, such as ventilation strategies to avoid brain ischemia. We reviewed the literature and the latest research about the following issues and propose practical care recommendations. Issues are (1) prediction of TTM candidate on admission, (2) cerebral blood flow and metabolism and target value of them, (3) seizure management using continuous electroencephalography, (4) target value of hemodynamic stabilization and its method, (5) management and analysis of respiration, (6) sedation and its monitoring, (7) shivering control and its monitoring, and (8) glucose management. We hope to establish standards of neurocritical care to optimize brain function and produce a favorable neurologic outcome.
著者
Li-Hua Li Hua-Yi Hsieh Cheng-Chih Hsu
出版者
The Mass Spectrometry Society of Japan
雑誌
Mass Spectrometry (ISSN:2187137X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.S0060-S0060, 2017-02-22 (Released:2017-02-24)
参考文献数
100
被引用文献数
31

Ambient ionization allows mass spectrometry analysis directly on the sample surface under atmospheric pressure with almost zero sample pretreatment. Since the development of desorption electrospray ionization (DESI) in 2004, many other ambient ionization techniques were developed. Due to their simplicity and low operation cost, rapid and on-site clinical mass spectrometry analysis becomes real. In this review, we will highlight some of the most widely used ambient ionization mass spectrometry approaches and their applications in clinical study.
著者
Shimi Rani ROY Jun WANG Md. Rubel RANA Mikiko NAKASHIMA Toshinobu TOKUMOTO
出版者
バイオメディカルリサーチプレス
雑誌
Biomedical Research (ISSN:03886107)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.79-87, 2017-02-01 (Released:2017-02-24)
参考文献数
25
被引用文献数
3

Oocyte maturation in medaka is induced by the maturation-inducing hormone (MIH) via its membrane receptor. The most likely candidates for the membrane receptor are membrane progestin receptors (mPRs). In order to characterize the mPRα subtype of medaka, a human cell line expressing the mPRα gene of medaka was established and its steroid binding property was assessed. The α subtype exhibited high binding affinity for 17,20β-DHP, the MIH in medaka. Treatment with a morpholino antisense oligonucleotide to mPRα blocked oocyte maturation in vivo. These results suggest that the medaka mPRα protein acts as an intermediary during MIH-induced oocyte maturation in medaka in a manner similar to that described previously for fish species.