1 0 0 0 OA 安土の春

著者
正宗白鳥 著
出版者
改造社
巻号頁・発行日
1926
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1274, pp.39-41, 2005-01-10

「うちの顧客の約半数は、店舗に入らずに買い物を済ませてしまう。なぜだか分かりますか」。業務スーパー平和島店(東京都大田区)の小林昭浩店長は、こう言ってニヤリと笑った。 平和島店は、平和島競艇場に隣接した複合商業施設「ビッグファン」の1階にある。傍目には、ごく普通のスーパーだが、店の様子や並んでいる商品は、ほかとは明らかに違う。
著者
大林 信治
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.1-49, 2018-10-31

フーコーは若いときからニーチェを読み,戦後のフランスで支配的であった現象学や実存主義の意味付与的な主体の哲学の行き詰まりを打開するために,近代的主体の成立の出発点に遡り,ニーチェやハイデガーの目で「カントの人間学」を解読した。そこから「知の考古学」が展開されたが,1968年の「五月革命」を機に権力と直面したことから,改めてニーチェの系譜学を読み,「知と権力」の系譜学を展開した。さらに1978年フランス哲学協会で「批判とは何か」という講演を行ったとき,カントの「啓蒙とは何か」を取り上げ,ヨーロッパにおける「批判的態度」の成立を「統治」と「司牧的権力」の系譜の中に位置づけた。カントにおける「啓蒙」と「批判」の「ずれ」の問題は,フランクフルト学派によって「啓蒙批判」とか「理性批判」という形で展開されたが,フーコーはその問題を独自の仕方で「現在の存在論」ないし「われわれ自身の歴史的存在論」という形で「西欧近代の系譜学」を展開する。
著者
堀田正敦 編
出版者
巻号頁・発行日
vol.[217],
著者
川久保 篤志
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.6, 2004

1.はじめに<br> 日米間の農産物貿易で長年の懸案であったオレンジの輸入自由化(1991年)が実施されてから10年余りが経過した。自由化前には,輸入の増加による日本の柑橘農業への悪影響やわが国の青果物流通業界の再編や海外農場への進出,外資系企業の日本進出など様々な予想がなされたが,現実にはどのように推移したのか。<br> 本発表では,自由化後のオレンジ生果の輸入動向の特徴を統計的に把握し,そのような変化が生じた要因を,わが国のオレンジの流通・消費事情の変化から探ることにする。<br><br>2.自由化後のオレンジ生果の輸入動向<br> 図1は,1980年以降の日本のオレンジの輸入量を国別に示したものである。これによると,自由化後の変化として次の2つが指摘できる。1つめは,輸入量は自由化後の4年目にあたる1994年をピークに減少基調にあることである。2002年には自由化が政治決着した1988年の水準をも下回っている。2つめは,減少基調のなかでアメリカ産のシェアが低下し,輸入国が多様化してきたことである。これは,アメリカ産の流通の端境期にあたる8_から_11月にオーストラリア・南アフリカ共和国など南半球産のオレンジの輸入が増加してきたことによる。しかし,このような変化は既に1971年に自由化されているグレープフルーツにはみられず,日本特有のオレンジ流通・消費事情が反映されたものであるといえる。<br><br>3.自由化後のオレンジの流通・消費事情<br> 自由化前のオレンジは完全な供給不足で買い手市場の状況にあり,政府から割り当てられた輸入枠の大小が輸入業者の利益の大小にほぼ直結していた。このため,自由化後は多くの社・卸売業者・小売業者が競って輸入業務に参し,一部の商社や小売業者ではアメリカのオレンジ農場に資本提携や契約栽培といった形で直接関わる動きもみられた。しかし,多くの輸入業者は日本での販売先を確保してから輸入するのではなく,輸入後に探したり,とりあえず卸売市場に流すといった販売方式を取っていた。このため,過剰輸入が港湾倉庫での在庫と鮮度の低下・腐敗をもたらし,販売価格が輸入価格を下回ることも生じた。<br> このような流通業者の需給バランスを無視した過剰輸入は,自由化前の希少価値のある高級品としてのオレンジのイメージを一挙に崩壊させ,自由化当初に目玉商品として設定された低価格をさらに下回る価格が近年では定着することになった。また,消費そのものが減少傾向にあることについては,健康食品しての評判が定着したグレープフルーツに外国産柑橘のトップ<br>銘柄を奪われたことや,自由化後にバレンシア種からネーブル種に輸入の主力品種が変化することで日本の中晩柑類との時期的競合が激化し,競争に敗れたことが大きな要因である。今や小売店におけるオレンジは,グレープフルーツに次ぐ外国産柑橘,日本産柑橘のシーズン終盤にあたる3・4月の主力柑橘,として果実コーナーで販売される商材になってしまったのである。<br>
著者
西山 裕之 大林 真人 大和田 勇人 溝口 文雄
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.620-631, 2001-07-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

This paper describes a concurrent logic programming language MRL for use in developing programs to cooper-atively control multiple robots. MRL describes actions of each robot and sensor as sets of logical formula. MRL enable us to easily implement complex tasks such as concurrency control, cooperation and negotiation between pro-cesses, and emergent event handling for multiple robots. We conducted an experiment on program development for paper delivery task by cooperation with mobile robots, manipulators and cameras to demonstrate the advantages of MRL programming framework. The results indicated that the MRL programs were more abstract and natural than conventional procedure-oriented programs, resulting in realization of flexible cooperation. Since MRL programs are compiled into C programs with little overhead, NIRL is useful as a multiple robot programming language efficient in both program execution and development.
著者
中西 華代 堀 菜七子 山篠 貴史 水野 猛
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.425, 2011

避陰反応は植物の光応答系において最も特徴的な現象の一つであり、近接する植物の陰に入った植物は著しく背丈が徒長する。こうした避陰反応は遠赤色光が重要な光シグナルとなりフィトクロム(主にphyB)を介した光情報伝達系により制御されていることが明らかになっている。我々はミヤコグサの光シグナル伝達系の解析をする過程でミヤコグサに特に顕著な避陰反応を見いだしたので報告する。避陰反応には背丈の徒長に加え、早咲き、腋芽からの分岐の抑制などがある。シロイヌナズナでは腋芽からの分岐抑制現象はあまり顕著ではなくほとんど解析されていない。我々はミヤコグサを遠赤色光に富んだ光条件下で生育させ避陰反応を誘導すると腋芽からの分岐が極端に阻害され、白色光条件下で生育させた植物体と全く異なる形態を示すことを見いだした。このことはミヤコグサが「光シグナルによる避陰反応の誘導」と「ストリゴラクトンによる分岐制御」とのリンクを解析する上で格好の材料であることを示している。以上のような背景をもとに、今回は次の点を中心に報告する。(i)ミヤコグサにおける避陰反応としての腋芽分岐制御の詳細な現象の記述。(ii)トウモロコシの分岐制御因子<I>teosinte branched 1</I> (<I>tb1</I>)のミヤコグサオルソログの機能解析。(iii)シロイヌナズナで研究の進んでいる分岐制御MAX経路に相当するミヤコグサ遺伝子群の同定と解析。
著者
鈴木 隆介 高橋 健一 砂村 継夫 寺田 稔
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.211-222, 1970-04-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
8
被引用文献数
8 5

調査地域の洗濯板状起伏は,その尾根部が凝灰岩層,谷部が泥岩層からなる.泥岩には微小な節理が著しく多いが,凝灰岩には存在しない.本地域の泥岩は凝灰岩にくらべて圧縮強度,弾性波速度,衝撃・摩耗硬度が大きい.また,吸水膨脹歪と膨脹圧は泥岩の方が著しく大きい.以上のことから,洗濯板状起伏は,岩石の圧縮強度や衝撃・摩耗硬度といったいわゆる“かたさ”あるいは“つよさ”の差異に起因するのではなくて,基本的には,含水状態の変化に伴う膨脹・収縮歪の差異が節理の発達状態の差異に関連し,節理で分離した泥岩の小岩片が波で持ち去られるといった機構で生じたものと解した.

1 0 0 0 OA 年録

出版者
巻号頁・発行日
vol.[76],
著者
河合 美穂
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.291-297, 2012-11-04 (Released:2012-12-31)

東日本大震災の地震・津波災害,原子力災害の記録・教訓等を誰もがアクセス可能な一元的に活用できる仕組みを実現するために,国立国会図書館では,国立国会図書館東日本大震災アーカイブ構築プロジェクトを開始した.プロジェクトの活動として,震災の記録等の収集,統合検索等のアーカイブシステムの構築について紹介する.
著者
藤城 泰志 原 卓也 重里 元一
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.101, no.5, pp.300-307, 2015 (Released:2015-04-30)
参考文献数
25
被引用文献数
2 12

Effect of the combined addition of molybdenum (Mo) and boron (B) on austenite (γ) to ferrite (α) transformation and precipitation behavior were investigated using low-alloy steels. B-added steel and Mo-B combined steel were held at 923 K (γ region) in order to precipitate boride. B content as precipitates increased and γ to α transformation was promoted with holding time at 923 K. In B-added steel, both M23(C,B)6 and M2B were observed. The transition from M23(C,B)6 to M2B caused by the increase in holding time at 923 K. By contrast, in Mo-B combined steel, no M2B was observed regardless of the holding time. Mo addition suppresses not only the M23(C,B)6 formation but also the M2B formation. M2B contains larger amounts of B than M23(C,B)6. B content as precipitates in Mo-B combined steel was much lower than that in B-added steel due to the suppression of M2B precipitates. The effect of Mo for B containing steel suppresses the precipitation of M23(C,B)6 and M2B and increases more segregated B in austenite grain boundary that contributes to γ to α transformation.