著者
Brian Waters Kenji Hara Natsuki Ikematsu Mio Takayama Aya Matsusue Masayuki Kashiwagi Shin-ichi Kubo
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.125-131, 2018 (Released:2018-07-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

The aim of this study was to develop a practical method to analyze tetrodotoxin (TTX), quantitatively, from postmortem specimens, not only blood and urine, but also organs. Extraction was achieved with 2% acetic acid and the use of an anion-exchange solid-phase extraction (SPE) cartridge. The quantitation method was a standard addition method with a calibration curve consisting of at least 3 points and an internal standard, voglibose (VOG). Separation by LC-MS/MS was achieved using a Luna HILIC (Phenomenex) column. The mobile phase was acetonitrile: 5 mM ammonium formate buffer (95:5), delivered at 0.2 mL/min. The selected reaction monitoring (SRM) transitions for TTX and VOG were m/z 320>302 and m/z 268>92, respectively. Cleaner extracts were achieved by using a lipid removal cartridge and washing with heptane. The addition of steps to remove interfering components that are prominent in postmortem samples aided in successful analysis. The HILIC column improved the retention of TTX to greater than 2 min to avoid the area where ion suppression has its greatest effect. Also, the use of anion-exchange SPE lessened the influence of acetic acid used during extraction. By using this method, we were able to quantitate low levels of TTX in postmortem specimens.
著者
高井 正成 河野 礼子 金 昌柱 張 穎奇
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.29, 2013

&nbsp;現在東アジア南部の大陸地域には,オランウータン,テナガザル(3属),コロブス亜科(6-7属)オナガザル亜科のマカク,メガネザル,そして原猿類のスローロリスなどが生息している.一方,中,国科学院古脊椎動物・古人類研究所の金昌柱教授が中心となって進めてきた広西壮族自治区崇左地域の更新世の洞窟堆積物の発掘調査では,これまで <i>Homo</i>,<i>Gigantopithecus</i>(ギガントピテクス), <i>Pongo</i>,<i>Hylobates</i>,<i>Macaca</i>,<i>Rhinopithecus</i>,<i>Trachypithecus</i>が確認されていた.その後更に霊長類化石の同定作業を進めた結果,大型オナガザル亜科である <i>Procynocephalus</i>と中型コロブス亜科の <i>Pygathrix</i>らしき化石が含まれていることが分かってきた.本発表では,こういった複数の洞窟から見つかっている霊長類化石の産出パターンの経時的な変化について報告する.<br>&nbsp;扱っている化石標本は 14の洞窟から発掘したものであるが,最も古い百孔洞が後期更新世(約 220万年前),新しいものは後期更新世(約 10万年前以降)と考えられている.霊長類化石の種類は,最古の百孔洞の時点ですでにヒト以外の属が全て出現している可能性が高い.巨大な化石類人猿であるギガントピテクスの標本は後期更新世以降の洞窟からは発見されていないので,おそらく同属は中期更新世の末期から後期更新世の初頭にかけて絶滅したらしい.一方,現生の大型類人猿であるオランウータンは全ての洞窟から化石標本が見つかっているので,中国南部では完新世まで生き残っていたらしい.テナガザル化石の標本比率は非常に少ないのであるが,百孔洞以降ほぼ全ての洞窟から出土していることから,他のホミノイド類(ギガントピテクスとオランウータン)の絶滅とは対照的に現生まで同地域で生き残ることができたらしい.
出版者
巻号頁・発行日
vol.[1] 安政 上 「安政六未年 外国人買物訴」,
著者
田多 英興 大森 慈子 廣川 空美 大平 英樹 友永 雅己
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.20, pp.57, 2004

ヒトにおける瞬目の行動研究はある程度知見が蓄積されており、発達的変化や、認知情報処理過程、さらにはストレスとの関連なども検討されている轣Aヒト以外の霊長類ではその知見は極めて限られている。そこで本研究では、瞬目行動の諸側面の比較研究の端緒として、まずヒト以外の霊長類における自発性瞬目の諸指標の系統比較を行なった。日本モンキーセンターで、ケージの中で自由に行動している個体を外からデジタルカメラ(30フレーム/秒)で撮影した。ビデオ記録をおこなった種は計84種であった。個体を特定できる種もあったが、集団で行動する小型の種では個体識別が困難であった。このような場合は複数の個体からのデータをプールした。瞬目が計数できる総観察時間が最低5分間になるように記録した。本発表では、予備的解析の終了した54種について報告する。瞬目率の平均については、最大でボンネットモンキーの20回/分であった。この値はヒトとほぼ同じであった。ついでトクモンキー(17.0)、ニホンザル(15.1)と続いた齦似宗5分間一度も瞬目をしなかったポト(0)、ついでレッサースローロリス(0.2)、オオギャラゴ(0.3)、ショウギャラゴ(0.3)、ワオキツネザル(0.4)と続いた。これらの種では数分間に1回という極めて少ない瞬目頻度を示した。興味深いことに、ヒト以外の霊長類では、瞬目が眼球運動または頭部運動と連動して生じることが非常に多く、54種の平均でみると、眼球/頭部運動なしで生起した瞬目はわずかに27.1%で、残りの多くは水平または垂直の頭部運動と連動して生じた。特に水平の運動と連動する瞬目は全体の50%に達した。さらに、眼瞼の運動速度もまたヒトと比べて非常に速いことが明らかとなった。平均すると194.2ms±44.6となり、ヒトの約半分の時間で眼瞼の開閉が行われている。最長でも323.4ms(エリマキキツネザル)で、ヒト (約400ms) に比べても速いことがわかる。最短は138.6ms(トクモンキー)で、これはヒトの閉瞼の時間に相当する。今後は、種間比較をさらに進めるとともに、上記の結果の成立要因について検討していく予定である。

1 0 0 0 OA 満済准后日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.第11軸裏, 1411
著者
野口 幸洋
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.73-82, 1996-03-31 (Released:2017-07-28)

As you may know, Tokushichi Nomura (1878-1945) was the founder of Nomura Securities while Genichi Toyama (1890-1972) was the originator of Nikko Securities. This report is firstly intended to trace back the Activities and Philosophies of these two great pioneers of Japanese Securities Industry in relation to the development of Japanese economy and to examine how their business philosophies affected their respective corporation's culture and business strategy. And, in the final part of this report, the problems covering the Japanese securities industry today and the most essential part of the business conducts will be discussed from Business Ethics viewpoint.
著者
村田 麻里子 パスキエ オレリアン 山中 千恵 伊藤 遊
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.57-81, 2014-10

※本研究の一部は、平成24年度関西大学在外研究による成果である。※本論文は、2013年度仁愛大学共同研究費およびJSPS 科学研究費・若手研究(B)研究課題番号:24730047 (代表 山中千恵)による研究成果の一部である。This paper reports on the special exhibition of Korean comics 'Flowers that Never Wilt' at the 2014 Angouleme International Comics Festival. It also analyzes the 'politics' involved in the festival site and the exhibition display. The exhibition, which dealt with the issues of 'comfort women', raised disputes among the three involved countries: Korea, Japan and France. This paper tries to carefully examine the cause of these disputes, and to clarify the differences or the gaps in their perspectives towards exhibiting such political issues.本稿は、フランス・アングレーム市で毎年開催されるアングレーム国際BDフェスティバルに出展された韓国漫画の展覧会「枯れない花」展を、現場のレポートを交えて概観するとともに、そこにおいて顕在化した場と展示の〈政治性〉についての考察を行うものである。これによって、日韓仏三国には、〈政治性〉をめぐる解釈に齟齬があること、またここには日韓間の問題だけではなく、ヨーロッパからみた「オリエント」としてのアジアという問題も、影を落としていることが明らかになった。
著者
菅原 七郎
出版者
養賢堂
巻号頁・発行日
vol.66, no.12, pp.1221-1224, 2012 (Released:2013-06-18)
著者
曽根 敏雄
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100298, 2016 (Released:2016-04-08)

大雪山の永久凍土分布の下限高度付近の風衝砂礫において、2013年秋から地表面温度および気温を1年間以上測定し永久凍土の存在の可能性を推定した。その結果1755m地点以上の標高の風衝砂礫地では永久凍土が分布する可能性があることが判った。1655m地点と1710m地点では地表面温度の年平均値が0℃を越えており、永久凍土が存在する可能性は低い。
著者
佐藤 真理子 王 佳琪 青木 識子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 70回大会
巻号頁・発行日
pp.220, 2018 (Released:2018-07-28)

【目的】近年,多様性社会への取り組みが進む中,性的少数者(LGBT)への理解は深まりつつあるが,制服における画一的な男女差等,衣服分野でLGBTの人々に十分対応できていない現状がある.本研究では,男性用体型補正インナーに着目し,男性同性愛者の体型に関する意識,体型補正インナーに求める要素等を明らかにすると共に,市場の体型補正インナーの快適性・機能性を検討し,LGBTの人々の衣環境における質向上への寄与を目指した.【方法】男性同性愛者26名(26±6才)と異性愛者26名(21±3才)を対象に,体型意識,インナーに求める要素等の調査を行った.また,市販されている体型補正インナーの着用効果と着用快適性を検討するため,三次元計測と官能評価を行った.【結果】アンケート調査の結果,男性同性愛者の体型意識において,自身については異性愛者と差はなかったが,恋愛対象に求める体型は筋肉体型が8割近くを占めた.体型補正インナーの認知度,着用希望共に,同性愛者で高い割合を示した.三次元計測の結果,体型補正インナーは一般インナーに比べ,肩先点下5cmで約105%,チェストラインで約110%周径が増大し,三角筋,大胸筋を模擬した状態が実現できており,官能評価においても,体格がより良く見えるとの申告が得られた.しかし,肌触り,筋肉パッドの擦れ等の評価が低く,着用快適性の改善が今後の課題と考えられる.
著者
遠藤 剛 古荘 義雄 山田 修平
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

隣接するトリ・テトラカルボニル化合物が水およびアルコール類と可逆的に付加ー脱離反応を起こすことを利用して、これらを架橋剤として用いることで水酸基含有のポリマーであるエチレングリコールやポリビニルアルコール等の多価アルコールのネットワークポリマーを構築できた。さらに、ネットワーク化により得られたゲルに水を加えると解架橋が進行し、原料のポリマーを収率よく回収することができた。