著者
速水 格 加瀬 友喜
出版者
日本貝類学会
雑誌
ちりぼたん (ISSN:05779316)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.5-8, 1999-07-31
参考文献数
2

Pycnodonte (Pycnodonte) taniguchii Hayami & Kase, 1992, has been regarded as an example of "living fossils", because of the characteristic conservative morphology and cryptic habitat. After the original description, this oyster was found alive also at many cavernicolous sites of the following islands in the western Pacific and eastern part of the Indian : Ryukyu (Miyako, Okinawa and Yonaguni), Bonin, Palau, Philippines (Luzon, Cebu, Bohol), Malaysia, Vanuatu, Fiji, Tonga and Thailand (near Phuket).
著者
篠崎 淳一 数馬 恒平 佐竹 元吉 近藤 一成 紺野 勝弘
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.134-140, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

自然毒,特に有毒植物の誤食による食中毒は症状が重篤なことが多く致死率が高いことが特徴である.そのため,原因植物の迅速かつ正確な同定が求められている.本研究では1989~2015年に厚生労働省に報告された植物による食中毒事例を調査した.植物由来食中毒の傾向を鑑みて,発生件数の多い4種(バイケイソウ類,チョウセンアサガオ類,トリカブトおよびスイセン)および死亡事例があるイヌサフランの迅速・簡便な同定法を構築した.PCR-RFLP法を利用した本法は電気泳動像において,有毒植物では2本,食用植物では1本のバンドを検出することで判定できる.また,本法は簡便な操作で,高価な機器を必要とせず,短時間に一義的な結果が得られる.また,調理した試料に対しても適用可能である.
著者
服部 賢志 塚田 政範 森田 美文 末永 和也
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.157-160, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
13

長野県で開発された果汁中のカビ毒であるパツリンの分析法をCodex Procedural Manualの性能規準ガイドラインおよびGuidelines on Analytical Terminologyの目標値を満たしているか単一試験室により妥当性評価を実施した.結果として,りんごおよびなし果汁において,真度は98.8~103.4%,併行精度は6.4%以下,室内精度は8.1%以下およびHorRat値は0.4以下であり目標値を満たしていることが確認できた.
著者
鈴木 一平 竹林 純 梅垣 敬三
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.141-145, 2018-06-25 (Released:2018-07-21)
参考文献数
13
被引用文献数
2

複数の化合物から構成される微量のビタミンを,一括して定量する際に微生物学的定量法(microbiological assay, MBA)が広く用いられている.MBAは試料溶液中ビタミン濃度と菌体の生育量の関係が通常シグモイドを描くため,一般的な直線回帰で求めた検量線では定量性に問題が生じる場合がある.そこで,本研究では乳児用調製粉乳中のビタミンB6定量をモデルケースとして,回帰モデルの選択(直線,2次,3次回帰モデルおよび4パラメーターロジスティックモデル(4PLM))が定量結果に及ぼす影響について検討した.その結果,4PLMに基づく検量線を用いることにより,試料溶液中のビタミン濃度が標準溶液の範囲を逸脱した際にある程度妥当な定量値を得ることができることから,信頼性の高いビタミンB6定量が可能となった.同様の結果はナイアシンの定量でも確認できた.以上の結果から,MBAにおいて4PLMに基づく検量線を用いることで,ビタミン定量値の信頼性向上が期待される.

1 0 0 0 OA 館守日記

出版者
巻号頁・発行日
vol.[20],
著者
古澤 礼太
出版者
日本沙漠学会
雑誌
沙漠研究 (ISSN:09176985)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.73-79, 2016 (Released:2016-11-07)
参考文献数
5

ガーナ共和国首都のアクラに住むガ民族は,本来漁労民であるが,トウモロコシを中心とした食文化を発達させてきた.本稿では,そのガのトウモロコシ食文化を次の二方法によってあきらかにした.まず,ガのトウモロコシ食文化の全体像の解明を,トウモロコシ食品の儀礼的利用(新生児の命名式や葬式,新年祭におけるトウモロコシ食品および飲料の利用),トウモロコシ食品の多様な調理法,発酵食品の存在という3点をあきらかにすることによって試みた.次に,主食であるコミ(Komi)に焦点を当てて,コミ料理の調理方法と食べ方をあきらかにしたが,コミが現在,家庭では調理されず,町内のコミ製造・販売店で購入されていることが判明した.その理由として,コミの製造とコミ販売店の実態調査から,コミ調理が家庭内調理では継続困難な重労働であることに起因することが判明した.そして最後に,一家族の一カ月にわたる食事内容調査にもとづき,が民族の食事文化の実態とそのなかにおけるコミの位置づけをあきらかにした.
著者
浦中 千佳央 Chikao URANAKA 京都産業大学社会安全・警察学研究所
出版者
京都産業大学社会安全・警察学研究所
雑誌
社会安全・警察学 = Criminal justice and policing (ISSN:21885680)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.5-17, 2014-06

はじめに1 警察学の登場 警察学の歴史 警察学とは2 フランスにおける警察学研究 警察学の変遷 ジャン????ルイ=ルーベ????デル????バイルの研究 ドミニク????モンジャーデの研究まとめ
著者
加藤 倫平 植田 勇人 吉田 孝紀
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

北海道中軸部の空知-エゾ帯の主要な構成メンバーとして南北に渡って広く分布する白亜系堆積物は蝦夷層群と呼ばれ,多くの層序学的・古生物学的研究が重ねられてきた。その層序は従来から下部,中部,上部に区分されている(Matsumoto, 1942など)が,蝦夷層群の下部と中部の境界の層序学的位置は各地で異なり,蝦夷層群の広域的な対比は困難である。一方,蝦夷層群分布域全域に渡って追跡できる珪長質な凝灰岩や火山砕屑性砂岩からなる鍵層が確認され,北海道中央部では丸山層と命名された (Matsumoto, 1942;本山ほか,1991など)。この鍵層の堆積年代は蝦夷層群の広域的層序対比に有効であると考えられる。しかし,空知-エゾ帯北部の天塩中川地区や南部の春別川地区においても,化石の産出が乏しいため,この丸山層に対比されるような地層の特定は困難である。このような化石の産出に乏しい地層の年代決定には,U-Pb法による砕屑性ジルコンの年代値が有効である。よって,本研究では,天塩中川地区と春別川地区の凝灰岩層中の砕屑性ジルコンを用いて,U-Pb法により堆積年代を決定し,蝦夷層群下部~中部に及ぶ層準の広域的層序対比を試みた。ジルコンのU-Pb測定には新潟大学のLA-ICP-MS (Agilent 7500a ICP-MS及びNew Wave UP213 レーザーアブレーションシステム)を用いた。 その結果,天塩中川地区の蝦夷層群中部の白滝層の凝灰岩の堆積年代として,96.3-103.4Maを得た。一方,春別川地区の蝦夷層群中部春別川層の凝灰岩層の堆積年代として,98.5±0.5Maを得た。これらの凝灰岩及び凝灰質砂岩の岩石学的性質は珪長質であることが分かった。すでに報告されている北海道中央部の丸山層の堆積年代は浮遊性有孔虫の検討から,102-105Maである(高嶋ほか, 1997b)。また,北海道中央部の日陰の沢層の凝灰岩層のサニディンから98.98±0.38Maおよび99.16±0.37Maの Ar-Ar年代がすでに報告されている(Obradovich et al., 2002)。これらの凝灰岩層は,96-127MaのK-Ar年代を示す渡島帯の花崗岩類(柴田・山田, 1978など),100.6±3.3MaのAr-Ar年代を示す火山岩類(滝上, 1984など)に由来すると考えられる。

1 0 0 0 OA 南路志

著者
武藤, 致和
出版者
巻号頁・発行日
vol.附録3,
著者
酒井 哲弥 斎藤 文紀 増田 富士雄
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.1-14, 1995-08-10
参考文献数
23
被引用文献数
5

1980年代後半にエクソングループの手によってシーケンス層序学が確立された。ここではその概念について説明する。その中でも特に, シーケンス層序学で最も基本となるユニットであるシーケンスとそれを構成するユニットの特徴を説明し, ユースタシーが地層形成にどう影響するかについて議論する。