著者
山城 慶晃
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
pp.0171027a, (Released:2018-06-08)
参考文献数
10

ハーレーダビッドソンジャパン (以下、HDJ) の成功要因として、他の二輪車メーカーは、業販・並行輸入のない統制のとれた販売網やHDJとそのディーラーによる顧客コミュニティ活動を指摘する。しかし、HDJは全て他人資本によるディーラーの正規代理店制度により流通系列化を推進し、販売網を構築してきた。これらのディーラーはHDJと代理関係にあるとはいえ、依然として売買関係にあるばかりか、大半は、経営資源に乏しく目先の売上を志向する家族的経営を行い、理屈だけではなく感情面での納得がないと動かなかった。こうしたディーラーに対し、HDJが経営や販売プロセスまで深く関与するのは、容易なことではなく、それ相応のプロセスを踏む必要があった。本論では、1989年から2008年までを対象期間として、HDJが他人資本であるディーラーに深く関与してHDJの意図する機動的な組織運営を可能とした流通系列化の背景には何があったのか、制度的マネジメントと人的マネジメントから説明する。

1 0 0 0 OA 肥前国風土記

出版者
柳原喜兵衛
巻号頁・発行日
1800
著者
桑田 耕太郎 松嶋 登 石川 哲也 高田 昌樹 原 拓志 高尾 義明 松尾 隆 井上 福子 高橋 勅徳 西村 孝史 水越 康介 宮尾 学
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、所与の科学技術を産業利用する既存のイノベーション研究ではなく、科学技術の変化や産業構造の変化を伴った根源的なイノベーションのプロセスを理解するための分析枠組みと理論を構築し、先端科学技術と産業の国際競争力の向上をダイナミックに結びつける理論と方法を確立することにある。ビッグサイエンスのリサーチサイトとして、理化学研究所の協力の下、大型放射光施設(SACLAやSPring-8)を取り上げる。本研究では、「科学は社会化され、社会は科学化される」という視角を採用し、世界最先端の大型放射光施設を生み出す産業の実践、その施設を利用する科学技術者の実践、その研究成果を利用する産業の実践のダイナミクスを研究し、科学・技術と産業社会の分業構造が根幹から再編成されるプロセスを分析する。研究3年目となった本年は、これまでの研究蓄積を踏まえつつ、大きく4つの論点についてそれぞれ研究を進めた。第一に、科学と産業の相互影響の歴史に取り組み、これまでに引き続き研究蓄積の整理分析を行うとともに、各分野でのヒアリング調査を中心として、放射光科学の歴史を確認した。第二に、ビッグサイエンスを支えるビジネス・エコシステムの社会的形成、および、第三にビッグサイエンスを媒介にした社会的実践の変化を捉えるため、大型放射光施設に関わる企業のイノベーションを確認した。さらに第4として、地球レベルでのイノベーション・システムの探求に取り組むべく、研究会や学会報告を行い、研究枠組みの精緻化を進めた。

1 0 0 0 OA 小笠原島誌纂

出版者
小笠原島庁
巻号頁・発行日
1888

1 0 0 0 OA 庶物類纂

著者
稲生宣義
出版者
巻号頁・発行日
vol.[3],
著者
内山 幸久
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.83-94, 2013 (Released:2018-04-05)

本稿は日本における主要果樹生産の展開,および長野県北部の小布施町大島集落の土地利用変化について述べたものである。要約すると以下の通りである。ブドウや柑橘類,クリは江戸時代にすでに栽培されていた。明治期にリンゴや,別品種のブドウ・モモが日本に導入された。日本の果樹生産は第二次世界大戦後に拡大した。しかし1970 年代後半以降に,果樹園面積,特に温州ミカン園は減少した。主な温州ミカン生産地域は西南日本に分布している。リンゴ生産の核心地は青森県西部と長野県北部である。ブドウ生産の核心地は山梨県中央部と長野県北部および東部である。モモ生産の核心地は山梨県中部と長野県北部,福島県北部である。日本ナシ生産の核心地は千葉県北西部や鳥取県東部である。小布施町最大の農業集落における詳細な土地利用変化をみると,1969 年にはリンゴ園と田が農地の大部分を占めていて,土地利用パターンは単純であった。1969年から2005 年の間に,リンゴ園が減少した。モモ園やブドウ園,クリ園はわずかに増加した。大島集落ではリンゴやブドウ,モモは集約的に栽培されているが,一方,クリはそれほど労働力を必要としていない。1992 年から1995 年にかけて上信越自動車道が小布施町西部で建設された。大島集落における上信越自動車道の東側では小布施総合公園が建設された,これらの道路や公園は大島集落では大きな面積を占めている。
著者
前川 進 稲垣 昇 寺分 元一
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.174-179, 1983
被引用文献数
1 3

キキョウ花色に及ぼすMoの影響を明らかにするため, キキョウ品種'サミダレ'を用いて, モリブデン酸ナトリウム溶液の切花浸漬処理や花弁への散布処理を行った.<br>Mo溶液に切花の切り口を浸漬処理することによって, 青紫色から真青色へと花弁の青色化が起こった.Moの花弁に対する散布処理によっても, 切花の浸漬処理同様の著しい青色効果が見られた.<br>Mo浸漬処理後の生花弁の吸収スペクトルは処理前のものに比べて, 吸収極大波長は長波長側へ移行し, さらに, その吸光度も増大した. このような吸収スペクトルの変化は抽出したアントシアニン溶液にMoを添加する <i>in vitro</i> での実験においても認められた. Mo処理によって青色化したアントシアニン溶液へEDTAを加えるとMoに基づく青色効果は減少した.<br>このようなことから, Moの吸収によるキキョウ花弁の青色化はおそらくアントシアニンの金属錯体の形成によるものと推論された.
著者
成澤 慶宜 水野 毅 高崎 正也 石野 裕二 原 正之 山口 大介
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00523-17-00523, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
17

A basic single-degree-of-freedom magnetic suspension system consists of one floator, one electromagnet and one amplifier. For multi-degrees-of-freedom control, multiple electromagnets and multiple amplifiers are necessary, which increases the cost of total system. As a means of overcoming this problem, parallel magnetic suspension has been proposed which controls multiple floators or multi-degree-of-freedom motions with a single power amplifier. In this system, all of the suspended points move simultaneously even when a disturbance acts on one of the suspended points solely because all electromagnet's coils are connected. This paper studies the moving direction of each suspended point with respect to a step disturbance in double parallel magnetic suspension system. The analytical study shows that the response direction is determined by the system parameter that relates the response speed of each subsystem. In the slower subsystem, the suspended point moves in the same direction as the applied force while in the faster subsystem, the suspended point moves in the opposite direction. In other words, the slower subsystem has positive stiffness while the faster system has negative stiffness. To confirm this prediction, step responses are measured in the experimental apparatus.
著者
釜谷 美則 進藤 さやか 長島 珍男
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.71-74, 2004 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

海水中塩化物イオンの迅速,且つ簡易な分析法について検討した.本法は塩化銀の生成によって生じる [Ag (phen) 2]2BPR三元錯体の退色反応に基づいており,青色から赤色に変色する.この反応では沈殿によるばらつきが見られたが,ゼラチンの添加により解決できた.本法の分析時間は, 15分と短時間であり, 青から赤に変色した.本法は比較的高濃度の塩類溶液の測定に適していた.
著者
碓井 照子
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.21, pp.p157-165, 1993-03

この20年間における世界レベルでの地理情報システム研究の発展には、目ざましいものがある。アメリカでは国立地理情報分析センター(National Center for Geographic Information and Analysis) がアメリカ3大学のコンソーシアムとしてカリフォルニア大学地理学科を拠点に設置され、イギリスでは、イギリス全土を区分するGISの地方センターとして8箇所の主要大学の主に地理学科にRRL (Regional Research laboratory) が併設された。また、GISの専門雑誌(International Journal of Geographical Information System) が、英国エディンバラ大学の地理学科より発刊され、MAPINFO GISWORLD 等のGIS情報誌が発刊された。我が国では、1991年に東京大学都市工学研究室を事務局として「地理情報システム学会」が発足したのである。1970年代初頭より久保幸夫がこの研究を我が国に紹介し、GIS研究は、国土数値情報や地方自治体の情報化(UISプロジェクト)研究の中で進展した。測量、地図会社、情報関係関連企業等にも波及し、1990年からは、西川治を研究代表者とする文部省科学重点領域研究「環境変化の地理情報システム」が始まり、1991年には、旭川で国際会議が開催された。しかし、日本において世界的に評価をうけた少数の地理学的先駆的研究を除けば日本の地理学者層に幅広く指示される事なく今日に至っている。むしろ地理学に関係深い国土地理院や測量会社、地球科学の研究を除けば都市工学、建築学、農学、情報科学等の他分野の研究者にその重要性が理解され、その関心は極めて高いのである。日本の地理学研究に占めるGIS研究の比重は極めて小さい。まして、GIS教育を実施している地理学科は数えるほどしかない。,アメリカにおける地理情報システム研究は、国際地理学連合の研究委員会(地理情報システム研究委員会)として1960年代より研究を続けており、世界の地理情報システム研究の発信基地は、まさに地理学である。本稿は、地理情報システム研究の地理学研究における重要性を地理学における計量革命との関係で整理し、その意義を明確にし、GIS教育の必要性を提唱するものである。
著者
(明) 張廷玉 輯
巻号頁・発行日
vol.[12], 1000
著者
Ka-Him CHUN Hua ZHANG Wing-Tat CHAN
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
Analytical Sciences (ISSN:09106340)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.711-717, 2018-06-10 (Released:2018-06-10)
参考文献数
59
被引用文献数
4 5

Double-viewing-position single-particle inductively coupled plasma–atomic emission spectrometry (DVP-SP-ICP-AES) measures emission intensity at two ICP vertical positions simultaneously using a single photomultiplier tube. A particle travelling up the ICP gives two consecutive temporal emission peaks. The Yb II 328.937-nm emission intensity of the two peaks for single Yb2O3 particles of diameter of 200 – 2000 nm are plotted against each other in a correlation plot. The correlation is poor when the gas temperature at the lower observation position is approximately the boiling point of the particles. Poor particle vaporization at the center of the central channel occurs because the gas temperature is 400 K lower than the temperature at the rim. The correlation is improved by shifting the observation positions up or using helium–argon mixed carrier gas to increase the gas temperature. Gas temperature is an important parameter for precise single particle-ICP measurements. DVP-SP-ICP-AES can be used to identify poor particle vaporization without the need of temperature measurement.