著者
佐藤 建
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.74-81, 2011-07-23 (Released:2017-07-21)

寄席に行って笑う場合、面白いネタで笑うのは、そのネタは笑いの十分条件である。一方、寄席に行く事自身が必要条件となる。即ち第3者的立場に自身を置く事が笑いの必要条件である。スポーツは一見笑いとは無関係に思えるが、笑いの必要十分条件を見て取り易い観察対象である事が知れる。選手が懸命に生を生きている瞬間は、即ちイン・プレー時には笑いは見られないが、自分を客感的に見ている瞬間のオフ・プレー時に笑いが見られる事が観察できる。これら両瞬間の時間的推移も考慮して、スポーツを例にして笑いの一般的な必要十分条件を整理して論じた。
著者
浅野 翔大
出版者
三重大学
巻号頁・発行日
2014-01-01

三重大学大学院 工学研究科 博士前期課程 物理工学専攻
著者
藤原 隆広 吉岡 宏 熊倉 裕史
出版者
園芸学会
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.169-173, 2002 (Released:2011-03-05)

キャベツセル成型苗の育苗後期に、徒長抑制と順化を目的にNaCl処理を行う場合の処理濃度、処理開始時期および処理回数が苗質に及ぼす影響を調査した。1)NaCl濃度が高くなるほど、生育抑制効果は高く、NaCl濃度を1回処理で1.6%、5回処理で0.4%とすることで、草丈を対照区の80%程度に抑制することができた。2)5回処理区では、NaCl処理によって地上部の乾物率が高くなった。3)NaCl処理濃度が高くなるほど苗体内のNa含有率は増加した。4)NaCl処理による定植後の生育への影響は小さかった。5)苗の耐干性を評価するために断水処理を行った結果、苗の生存率は、NaCl処理によって大きく向上し、1回処理よりも5回処理で高かった。以上の結果、草丈20%減少を目的にNaCl処理を行う場合、液肥へのNaCl添加量は0.4%が好ましく、処理回数を1回とする場合は1.6%程度の濃度とすることで、0.4%を5回行った場合に準ずる苗質改善効果が得られることが明らかとなった。
著者
松山 久義
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.220-226, 2000-08-15
参考文献数
4

<p><tt><b>1986年度に発足した認定保安検査実施者の制度が,直接的に設備管理を利益に結びつけたために,化学・石油精製プラントの設備管理の質は近年飛躍的に向上している.しかし,一方では,競争の劇化に伴い,保全費の削減,オペレータ数の削減,保全部門の分社化などの逆風が吹き荒れている.したがって,従来のように,設計,製作,施工の不具合を設備管理に背負わせ,設備の不具合をオペレータに背負わせてプラントの安全を確保するという方法はとれなくなってきた。このような状況に適応するた</b></tt><tt><b>めに,設備管理と異常時対応システムを見直すことが本稿の目的である. </b></tt></p>
出版者
巻号頁・発行日
vol.[56] 四十一 文化九申年 上二冊ノ内,
著者
丸藤 哲 澤村 淳 早川 峰司 菅野 正寛 久保田 信彦 上垣 慎二 平安山 直美
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.9, pp.765-778, 2010-09-15 (Released:2010-11-09)
参考文献数
43
被引用文献数
1

外傷急性期の凝固線溶系の変化に関してEducational Initiative on Critical Bleeding in Trauma(EICBT)から新しい病態概念である「Coagulopathy of Trauma」と「Acute Coagulopathy of Trauma-Shock(ACoTS)」が提唱された。しかし,これらの診断基準は存在せず,両者の本態は従来から独立した病態として存在する線溶亢進型DIC(disseminated intra vascular coagulation)に一致する。診断基準がないことが同概念と線溶亢進型DICおよび類似病態との鑑別を不可能としている。これらの理由により「Coagulopathy of Trauma and ACoTS」は,独立した疾患・病態概念ではなく定義不能な臨床状態として位置づけることが可能である。このような曖昧な概念を外傷急性期の凝固線溶系変化の病態生理解明のために使用すべきではない。外傷急性期の凝固線溶系異常は線溶亢進型DICで説明可能であり,線溶亢進型DICは従来どおり正しく線溶亢進型DICと呼称されるべきである。
著者
内藤, 若狭
出版者
巻号頁・発行日
vol.[177],
著者
田中 憲一 Alexander Ivannikov 宮澤 忠蔵 豊田 新
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.171-174, 2004-09

カザフスタン共和国セミパラチンスク近郊の旧ソ連核実験場では,1948年より1989年まで459回の地上・空中・地下核実験が行われてきた. これにより50万人とも言われる人々が被曝しており,我々はその線量評価に取り組んでいる. 線量評価の有効な方法の1つに歯のエナメル質を用いたESR法がある. ERS測定を日本で行う場合,通常はまず核実験場近隣住民の歯を空路で日本に持ち帰るが,空港のX線手荷物検査により歯の被曝線量が増加する可能性がある. 一般的に,X線手荷物検査の線量は数uGy〜数十uGyと言われている. 一方,セミパラチンスク近郊住民の歯の線量は,数十mGy〜数百mGyで論議される. 従って歯のESR線量測定法におけるX線手荷物検査の影響は非常に小さいと予想されるが,本研究ではこれを実験的に確認する.
著者
園田 博文 Hirofumi SONODA 東北大学大学院
雑誌
東北大学文学部日本語学科論集 = Journal of the Department of Japanese, Tohoku University (ISSN:09174036)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.140-129, 1996-09-30

国語史の研究で重要な位置を占める後期上方語について、上方洒落本25編、上方噺本20編等の資料を用い、助詞融合の問題を扱った。この助詞融合の全体像を把握することにより、後期上方語の特徴を、後期江戸語との比較を通して明らかにした。更に、助詞融合のうちの、一人称代名詞と係助詞「は」との連接について取り上げ、融合する場合と融合しない場合との差異を、発話者の位相、場面等の面から考察した。その結果、洒落本・噺本・滑稽本に似通った傾向が見られ、遊里関係女子は、融合形を使う度合が極めて高いが、その他の女性あるいは男性の場合は、上位者から下位者への発話、怒りを含む場面等に多く融合形を使用する傾向のあることが判ってきた。
著者
花塚 優貴
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2015

【学位授与機関】中央大学【学位の種類】博士(心理学)【学位記番号】文博甲第100号【学位授与の日付】2015年3月19日【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第1項【論文審査委員主査】緑川 晶(中央大学文学部教授)【論文審査委員副査】山口 真美(中央大学文学部教授),田中 正之(京都大学野生動物研究センター/京都市動物園生き物・学び・研究センター特任教授)
著者
米本 拓馬 西尾 航 鈴木 秀和 松本 幸正
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.407-408, 2017-03-16

スマートフォンの普及に伴い,バスの利便性を向上させるために様々なバスナビゲーションアプリが作成されているなかでスマートフォンのGPS機能やバスロケーションシステムが提供するバスの運行情報を利用することで,個々のユーザの歩行速度やバスの遅延を考慮したリアルタイムナビゲーションシステムが提案されてきた.しかし,各地方自治体が提供しているデータ形式が統一されていないため,適宜アプリケーションを設計する必要がある.また,従来のシステムはバスに特化しているため,他の公共交通機関との乗換えには対応していないといった課題がある.そこで本研究ではGoogleが提供する公共交通データの世界標準フォーマットであるGTFS(General Transit Feed Specifi-cation)を用いることで,複数のバス事業者に対応可能なバス停ナビゲーションシステムについて提案する.
著者
草原 和弥
出版者
低温科学第76巻編集委員会
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.33-42, 2018-03-31

棚氷とは,氷床の末端で海に浮遊している部分である.南極棚氷の底面融解は南極氷床の質量収支を考える上で重要な消耗過程である.南極棚氷底面融解は南極沿岸大陸棚上の三つ水塊によって引き起こされる.一つ目は南極沿岸ポリニヤで形成される高密度陸棚水.二つ目は南極周極流域から大陸棚上に流入する周極深層水.三つ目は夏季海氷融解によって形成される表層水である.この概説では,これらの水塊が棚氷底面融解を引き起こすプロセスを説明し,さらに観測データと数値モデル結果から,南極棚氷毎にその底面融解の熱源が大きく異なることを示す.