著者
笹子 三津留 木下 平 丸山 圭一 岡林 謙蔵 田尻 久雄 吉田 茂昭 山口 肇 斉藤 大三 小黒 八七郎 石川 勉 松江 寛人 山田 達哉
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.2191-2195, 1990-09-01
被引用文献数
8

リンパ節転移の無い早期胃癌を特定化し局所切除をすればリンパ節郭清をともなった手術と同等の治療成績を挙げることが期待される.1962年から1985年までに国立がんセンター病院で切除された単発早期胃癌1,440例のリンパ節転移についての検討より,リンパ節転移を否定しうる病変は,IIb,2.0cm以下の潰瘍性変化の無いIIc,2.0cm以下のIIa,腺腫内癌であった.そこで安全誤差をいれて,(1)1.5cm以下のIIa,(2)1.5cm以下の胃炎類似型IIcまたはIIb,(3)腺腫内癌の3つを局所治療の適応とした.切除標本の組織学的検索結果により完全切除は厳重な経過観察,粘膜内断端陽性は外科的局所切除,粘膜下層浸潤もしくは脈管浸潤例はR1以上の胃切除を行うという治療体系を作った.現在までの11例中8例は局所切除のみで,3例では外科的切除が追加された.この治療体系は癌が根治する可能性を下げることなく局所切除を行える優れた治療体系である.
著者
伊澤 純
出版者
成城大学
雑誌
成城法学 (ISSN:03865711)
巻号頁・発行日
no.62, pp.41-123, 2000-07
著者
松井 英俊
出版者
広島文化学園大学
雑誌
看護学統合研究 (ISSN:13460692)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.66-73, 2004-03-27

本研究では,医師や看護師が"インフォームド・コンセント" (Informed Consent)という言葉を患者・家族に使う際に,その言葉のもつ歴史的経緯や裁判で取り上げられた判決事例などから検討した。ICの誕生は1957年とされている。これは,歴史家のマーティン・S・パーニックと心理学者のジェイ・カッツがICの根拠について歴史的な証拠について述べてあることが,R.フェイドンとT.ビーチャムの「インフォームド・コンセント」という論文(R.フェイドン・T.ビーチャム,酒井忠昭 秦洋一訳:『インフォームド・コンセント-患者の選択-』みすず書房)によって明らかにされた。それらの歴史的経緯のなかから治療に関する患者の同意や患者の権利により,患者の自己決定に対しての医師や看護師のインフォームド・コンセントの充実をはかることが重要であること。それにより,患者-医療従事者関係を良くしていくことにつながり,患者が主体となった患者中心の医療に発展していくということが示唆された。
著者
日本比較文学会 編
出版者
矢島書房
巻号頁・発行日
vol.第2, 1956
著者
Ji-Won Han Dong-Kyu Lee Chi-Bok Park
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
Journal of Physical Therapy Science (ISSN:09155287)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.704-706, 2018 (Released:2018-05-08)
参考文献数
8
被引用文献数
9

[Purpose] This study aims to identify the immediate effects of taping therapy on knee pain and depression among patients with degenerative arthritis. [Subjects and Methods] In total, 32 patients with degenerative arthritis were randomly assigned to one of two groups: the experimental group that underwent taping therapy and the control group that underwent regular treatment (16 patients per group). In the experimental group, therapeutic tape was wrapped all around the knee joint. Pain and depression were measured using the visual analogue scale (VAS) and the Beck Depression Inventory (BDI), respectively. [Results] The intra-group comparison showed significant differences in VAS and BDI for the experimental group. The intergroup comparison showed that the differences in VAS and BDI within the experimental group appeared significant relative to the control group. [Conclusion] It was observed that taping therapy showed an immediate effect in decreasing knee pain and depression among patients with degenerative arthritis.

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出版者
巻号頁・発行日
vol.第76冊,
著者
小川 芳樹 秋山 祐樹 金杉 洋 柴崎 亮介
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
E-journal GEO (ISSN:18808107)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.140-155, 2018 (Released:2018-04-13)
参考文献数
17
被引用文献数
2

将来予測されている南海トラフ地震が発生した場合における危機管理対応を的確に実施するために,本研究は高知市周辺を対象として,近年の観測技術の向上に伴い蓄積されている観測ビッグデータを用いて被害予測に適用可能なミクロデータを整備することで高精細な被害推定を目指す.そのためにGPS付帯の携帯電話のプローブデータ,住宅地図,電話帳などのジオビッグデータを用いて時空間内挿することで,季節ごとの数日間ずつを対象に15分単位の詳細な人の流動が把握できる人流データを開発した.また,整備した人流データを用いて津波・倒壊・火災による人的被害を統合的に推定する環境を構築した.さらに,多様な被害推定結果を分析することで地域ごとの被害尤度分布を明らかにし,地域ごとに起こり得る最大被害・最尤被害を明らかにした.その結果,地域により被害が大きくなりやすい地域とそうでない地域の分布が明らかになった.
著者
廣渡 太郎
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 (ISSN:13430033)
巻号頁・発行日
no.14, pp.53-60, 2009

日本放送協会(NHK)制作のテレビ番組「英語でしゃべらナイト」内の1コーナーとしてスタートした「パックン英検」は、ある英単語の語義説明を英語で聴き取り、その英単語が何かを答えるというリスニングクイズである。本資料は、「パックン英検」に関して、番組制作上のねらい、および、出題の作成方法を明らかにするとともに、日本人英語学習者を対象にした英語授業において、「パックン英検」を補助教材として活用するアイデアの紹介を目的とする。
著者
井村 直恵
出版者
京都産業大学マネジメント研究会
雑誌
京都マネジメント・レビュー = Kyoto Management Review (ISSN:13475304)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.295-309, 2018-03-15

リスクマネジメントは定義も多様で,分析視点も多岐にわたる.法令で求められる内部統制システムを持つ企業でもアウトプットが異なるのは,現場での運用が異なるからである.本研究では,Weick&Suttcliffe(2001, 2007, 2015)らによる高信頼性組織で主張する「マインドフル」な組織文化が日本企業内でどの程度存在するのか,企業を人的被害の大小・経済的被害の大小で4 類型に分け,類型の違いと文化について10 社からの聞取り調査の結果をテキスト分析した.分析の結果,インフラ系の企業(人的被害大×経済的被害大)の企業は,マインドフルな文化を持ち,一般企業の多くが個人の愛社精神やコミットメントに依存したリスクマネジメントを行っている事が示された.