著者
Shuichi Kawano Ibuki Hoshina Kaito Shimamura Sadanori Konishi
出版者
日本計算機統計学会
雑誌
Journal of the Japanese Society of Computational Statistics (ISSN:09152350)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.67-82, 2015-12-20 (Released:2016-12-14)
参考文献数
34
被引用文献数
5

We consider the Bayesian lasso for regression, which can be interpreted as an L1 norm regularization based on a Bayesian approach when the Laplace or doubleexponential prior distribution is placed on the regression coefficients. A crucial issue is an appropriate choice of the values of hyperparameters included in the prior distributions, which essentially control the sparsity in the estimated model. To choose the values of tuning parameters, we introduce a model selection criterion for evaluating a Bayesian predictive distribution for the Bayesian lasso. Numerical results are presented to illustrate the properties of our sparse Bayesian modeling procedure.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.192, pp.60-62, 2000-09

「会社を変えたいという意識を強く持っている人なら、平社員でも取締役になれるチャンスがあります」——。こう語るのは日本原料(川崎市)の齋藤安弘社長だ。 日本原料は、浄水場向けの濾過ろか砂で約八割のシェアを握るトップメーカーだ。新設の浄水場に濾過砂を納入するだけでなく、定期的に濾過砂を取り出して洗浄したり、交換するサービスも手がける。
著者
上原 隆浩 泉尾 佳苗
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.B4P2138-B4P2138, 2010

【目的】重症心身障害児/者の中でGMFCSレベル5を示す児/者は姿勢コントロールが困難で姿勢変換に介助を必要とし、1日を通して取れる姿勢が限られ、背臥位で過ごす時間が多くなる。背臥位で長期間過ごすことにより脊柱側弯、胸郭変形、風に吹かれた股関節などの変形が起こり、非対称姿勢を呈するようになる。非対称姿勢は重力の影響を多く受けており、非対称姿勢の改善には重力を考慮したポジショニングの提供が必要であると考えられる。背臥位での下腿下垂法は下肢の重量を軽減させることで、変形予防、体圧不均等軽減等が可能であるが、重症心身障害児施設入所者の場合、介助者は複数で多職種となり、ポジショニングの統一が難しい場合が多く、また下腿を下垂させる為の設定も必要となり、日常生活への導入が難しい。今回、当園入園の男性に対し24時間姿勢ケアの一つとして背臥位での下腿下垂法を実施。重力の影響を考慮したポジショニングを円滑に日常生活へ導入する一手段となることを目的とし、病棟職員との協動により24時間を考えたポジショニングが定着した症例の取り組みの内容について報告する。<BR>【方法】症例は37歳男性、小頭症。平成13年10月当園入園。捻れを伴った脊柱左凸側彎あり。GMFCSレベル5。頚部の軽度随意回旋はみられるが、その他の自発運動は乏しい。声かけにより笑顔を見せ、発声することもある。食事は胃瘻より摂取。日常的に取る姿勢は背臥位が多く、その他に食事時は右背側臥位、午後より1時間程度腹臥位にて過ごす。平成20年11月、評価項目として背臥位での体圧分布、回旋モーメントの評価。1時間ごとの24時間の写真による姿勢の評価を行った。評価後理学療法時間を利用し、下腿下垂法を実施。病棟内プレイルーム、ベッド上で実施する為に、牛乳パック、すのこを使用した台を作成。その上で背臥位をとるようにした。日中過ごすプレイルーム内、移動、活動場面で使用する車椅子上、夜間ベッド上で下腿下垂法を取れるようにし、病棟看護師長、担当看護師に方法、効果を説明、理解を得た後、平成21年1月、病棟職員へ伝達。統一したポジショニングを提供した。<BR>【説明と同意】今回の発表にあたり、症例の保護者への内容の説明を口頭及び文章で行い、同意を得ている。<BR>【結果】数回の病棟職員への伝達後、24時間を通してのポジショニングが統一して出来るようになった。体圧の不均等が軽減し、下肢の脱力や持続的は脊柱の伸張が可能になった。下腿下垂法実施前は左大転子部に褥瘡があったが、実施後約2ヶ月で治癒となった。また保護者から「外泊時同様のポジショニングを行ったが以前と比べ、力が抜けやすくなり夜間もよく眠るようになった」との意見もあった。<BR>【考察】下腿を下垂させることで不安定な下肢を安定させることが出来、下肢の重量による骨盤、脊柱へのねじれ、体圧分布不均等が軽減出来た。また頭部に使用していた枕を低くすることで、頭部の床への押しつけも軽減し、全身的に脱力することが可能になったと考えられる。統一したポジショニングの実施については、まず病棟看護師長、担当看護師といったキーパーソンに方法や効果を説明し、十分な理解を得た上で病棟に伝達したことで、理学療法士が確認できない時間のポジショニングの確認が徹底出来。またプレイルーム、車椅子上、ベッド上で行うポジショニングのクッションを統一することで、ポジショニング内容及び実施が定着しやすかったと考える。<BR>【理学療法学研究としての意義】重症心身障害児/者の変形を進行させる要因である重力や支持接触面の影響はあらゆる姿勢、場面で常時受けているものであり、生活を支援する上で重要な要因である。その中でポジショニングは変形予防や自発活動の促通を行うことが可能であり、24時間を通して支援する必要があると考えられる。今回の報告により多職種、複数の職員へ24時間を考えたポジショニングを伝達し、また使用物品を安価で手に入れやすいものを使用したことは介助者の知識、技術や場所に関係なくポジショニングを提供する方法が提示できると考えられる。今回の24時間のポジショニングについて、今後その経過を追うことで下腿下垂法及び24時間姿勢ケアの効果,問題点を検証できるのではないかと考える。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.275, pp.66-71, 2001-03-09

2000年9月,鳥取県が発注した橋台設置工事で,施工者の測量ミスから橋台の高さが設計より高くなっていることが判明した。工事を監督した出先事務所の複数の職員は,その事実を上司に報告せず,こっそりと施工者に修繕させようとした。それが明るみになり,職員らは処分を受けた。
著者
上條 秀元 古市 勝也
出版者
宮崎大学
雑誌
生涯学習研究 : 宮崎大学生涯学習教育研究センター研究紀要 (ISSN:13420410)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-18, 2005-03-31

In cities, towns and villages the movement to set up lifelong learning leader bank has grown, in order to promote lifelong learning. However, they are not fully functioning in many cases, and it has been a subject to attain activation. Then, we ###developed "Lifelong Learning Leader Bank Self-diagnostic Table", and we requested ###to entry the Table to cities, towns and villages of Fukuoka Prefecture and Miyazaki ###Prefecture. ###As a result of analyzing the contents, there are many cases as follows. It has been a subject to arrange the full-time personnel who take charge of a consultation function or a coordination function, and to improve assessment system, and related system.市町村において、生涯学習を推進するために、生涯学習人材バンクを設置する動きが広がっている。しかし、それらが十分に機能していないという実状が広く見られ、活性化を図ることが課題となっている。そのためには、それぞれの人材バンクの実状に即して、どこに問題があり、どのような方策が求められているかを的確に診断することが求められている。そこで、新たに「生涯学習人材バンク自己診断表」を開発し、福岡県と宮崎県の市町村に対して記載を依頼した。その内容を分析した結果、推進体制の面では、「複数の職員が仕事の片手間に行っている」などの問題を解決するために、今後は相談機能やコーディネート機能を担当する専任職員の配置を課題とするところが多いこと、評価システムおよび関連システムとの連携については、取り組みがあまりなされておらず、今後の課題とするところが多いことなどが明確になった。
著者
Harumichi ITOH Shimpei NISHIKAWA Tomoya HARAGUCHI Yu ARIKAWA Shotaro ETOH Toshie ISERI Kenji TANI Munekazu NAKAICHI Yasuho TAURA Kazuhito ITAMOTO
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.16-0503, (Released:2017-06-05)
被引用文献数
5

Adipose-derived stem cells (ADSCs) are abundant and readily obtained, and have been studied for their clinical applicability in regenerative medicine. Some surface antigens have been identified as markers of different ADSC subpopulations in mice and humans. However, it is unclear whether functionally distinct subpopulations exist in dogs. To address this issue, we evaluated aldehyde dehydrogenase (ALDH) activity—a widely used stem cell marker in mice and humans—by flow cytometry. Approximately 20% of bulk ADSCs showed high ALDH activity. Compared to cells with low activity (ALDHLo), the high-activity (ALDHHi) subpopulation exhibited a higher capacity for adipogenic and osteogenic differentiation. This is the first report of distinct ADSC subpopulations in dogs that differ in terms of adipogenic and osteogenic differentiation potential.
著者
関口 久美 西村 正己 土師 正一
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料試験 (ISSN:03727971)
巻号頁・発行日
vol.5, no.30, pp.172-179, 1956-03-15 (Released:2009-05-26)
参考文献数
7

Hevea stocks have been used to produce vibration isolators but recently they are using many synthetic rubbers. Each of them has its own merits and demerits, so by vibration tests we intended to explain and compare their characteristics employing hevea stock F.A.Q. No. 3, neoprene G.N.-A., hycar-OR-25 and silicone, so that we may obtain data to decide what sort of rubber should be used to design isolators.The followings were examined: (a) influence of temperature, (b) amplitude dependency, (c) oil resistancy, (d) after effect, and (e) others.
著者
阿部 智恵子 若林 芳樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2014, 2014

地理学における保育サービスの研究は、主として保育資源の空間的配分や保育ニーズの地域的多様性の面から研究が進められてきた。それらの研究で対象になったのは、主として認可保育所である。しかし、子育て支援は働く母親を主たる対象にした認可保育所だけで充足されるわけではない。政府の子育て支援策でも、近年では全ての家庭を対象に地域のニーズに応じた多様な支援が進められている。その一つが全国に配置された子育て支援センターである。本研究は、従来の研究ではほとんど注目されることがなかった地方都市の子育て支援センターを対象にして、そこでのサービス供給と利用にみられる地域的特徴と課題を明らかにすることを目的とする。<br> 研究対象地域のかほく市は、石川県の中央部に位置し、2004年に河北郡のうち北部の3町(高松町、七塚町、宇ノ気町)が対等合併してできた人口34,659人(2010年国勢調査)の新しい市である。全国的にみて北陸地方は、女性の就業率が高く出生率も全国平均を上回ることから、比較的子育てに恵まれた環境にあるといえるが、かほく市も例外ではない。じっさい、かほく市の認可保育所待機児童数は長年ゼロが続いており、年少人口比率も24.1%と高い。また、3世代同居世帯が18.8%を占めることから、親族からの育児支援も受けやすいと考えられる。<br> 本研究は、質的・量的研究方法を併用した混合研究法を用いた。市内の子育てに関する情報は、かほく市役所での聞き取りと同市のWebページなどから収集した。子育て支援センターの利用実態については、2013年9月に、市内の3カ所のセンターを利用する母親を対象とした質問紙調査を実施し、80名から回答を得た。回答者のうち7名に対しては聞き取り調査を実施した。また、センターの職員7名(全員が女性)への聞き取り調査を通して、支援する側からみた利用実態と課題について検討した。<br> 子育て支援センターは、厚労省の地域子育て支援拠点事業の一環として設置されたもので、育児相談や子育てサークルの支援などを主たる任務としている。市内には公共施設の一部を使って3カ所のセンターが設置され、それぞれ複数の職員が配置されている。認可保育所については、合併後に新たに保育所整備計画が策定され、統廃合が進められた結果、現在10ヵ所ある認可保育所は、2015年には9ヶ所になる予定である。市の方針として、合併前の旧3町の融和と一体化に努めており、地域的バランスに配慮したまちづくりが進められてきた。こうした方針は、ゾーニングによる保育所配置計画や、旧町単位での子育て支援センターの設置にも反映されている。他の自治体では公設民営が多い中、かほく市の認可保育所や子育て支援センターはすべて公設公営という点に特徴がある。<br> 子育て支援センターを利用する母親の年齢は20~30代で、利用頻度は週3~4回と月1~2回が大部分を占め、複数のセンターを利用する人もいる。利用する理由の上位は、閉じこもり予防、親子の友達づくり、ストレス解消であった。当該施設を選んだ理由は、家が近い、雰囲気、スタッフの順に多く、9割以上の回答者がセンターのサービスに満足している。結婚や出産を機に退職した母親の割合は約半数にのぼるが、再就職や復職をめざしている人も少なくない。自由回答で挙げられた要望には、日曜日のセンターの開所、職場復帰後の病時保育、ベビーマッサージなど乳幼児でも参加できる行事、園庭の設置などであった。聞き取り調査からは、専業主婦は子どもの世話に専念できるとはいえ、地域の人の目や世の中から取り残されることへの不安がセンターの利用につながっていることも明らかになった。6.支援する側からみた子育て支援の課題子育て支援センターの職員は、親子の居場所、特に母親がリラックスできるような関わりに配慮しており、子どもの成長や発達を身近に感じられることが仕事のやりがいになっている。子育て情報の提供や育児相談にも丁寧に対応し、それらが利用者の満足度の高さにつながっていると考えられる。また、市外からの利用者も受け入れており、近隣の市町のほか、実家に帰省中の母親が利用することもあるという。一方、職員の大半は保育士の経験があるため、保育所との違いからくる自分の立ち位置や、親子との距離感に戸惑いを覚えていることがわかった。そこにはセンターの職員に資格の厳格な定めがなく、職務の専門性が不明確であることも影響している可能性がある。施設のハード面でも、別の公共施設を転用したセンターでは、設備とサービスが適合していないところがあるという。また、育児サークルの支援を行っているものの、親同士の人間関係の煩わしさから、サークルが拡大しにくい実態が示唆された。
著者
CHEN Stacey H. CHEN Yu-Kuan WU Huey-Min
出版者
GRIPS Policy Research Center
雑誌
GRIPS Discussion Papers
巻号頁・発行日
vol.17-03, 2017-05

Datasets of schools or hospitals often include an urban.rural divide drawn by government. Such partition is typically determined by subjective thresholds for a few variables, such as access to transportation and local population size, leaving aside relevant factors despite data availability. We propose to measure ‘remoteness’ by mapping a comprehensive set of covariates onto a scalar, and define an objective score of remoteness using a standard selection model. We apply the proposed method to data from Taiwanese public elementary schools. Our method replaces 35% and 47% respectively of the current official list of ‘remote’ and ‘extra-remote’ campuses, shifting the remoteness designation to those furthest from train stations, having the highest teacher vacancy percentages, and located in the least populous areas with the least well-educated populations. The campus- and district-level variables used are publicly available and periodically updated in most advanced economies, and the statistical model can be easily implemented.
著者
内田繁隆 著
出版者
実業之日本社
巻号頁・発行日
1944
著者
椎名 伸充 藤原 大樹 溝渕 輝明 岩井 直路
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.31-34, 2008-01-15 (Released:2008-12-03)
参考文献数
8

79歳男性.鋭利なナイフによる左背部刺創で当院へ救急搬送された.来院時意識やや混濁し,ショック状態となったが,大量輸液により循環動態は改善した.胸部X線写真で左血胸と診断し,胸腔ドレナージ術を施行,直後に約2000mlの血性胸水の流出を認めた.胸部造影CTで左胸水貯留および肺から造影剤の漏出像が見られたため,左肺損傷による血胸が考えられた.CT撮影直後,再度血圧低下しショック状態となり,緊急手術となった.大量輸血したが手術室搬送直後に心停止状態に陥った.胸腔ドレーンの閉塞による緊張性血胸を疑い,仰臥位のまま緊急開胸,血腫除去を施行した.血腫除去後,すみやかに心拍再開し,血圧は改善した.バイタルサイン安定後,止血のために左下葉切除術を施行した.術後は後遺症なく独歩退院した.当院での胸部外傷手術例に基づく考察を加え報告する.
著者
朱宮 哲明 国政 陽子 菱川 千鶴 大場 陽子 澤田 智恵美 林 幸子 西村 直子 尾崎 隆男
出版者
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.80-82, 2004
被引用文献数
2

平成14年4月~平成15年3月の1年間に, 昭和病院の栄養科職員35名より提出された事故報告書 (インシデント・アクシデントレポート) 158件を集計分析し, 今後の事故防止に向けて検討した。<BR>項目別の事故報告書件数は, 事務処理ミスが90件 (57%) と最も多く, 次いで配膳ミス56件 (35%), 異物混入8件 (5%), その他4件 (3%) の順であった。事故の大半が確認不足により発生しており, 反復確認, 複数の職員による確認など確認の徹底が事故を減少させると思われた。事故報告書の内容および原因を職員にフィードバックすると共に, それらを分析して, 新たな事故防止マニュルを作成してゆく必要がある。
著者
安斎 芳高
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.229-235, 2001-12-25

今, 保育所を悩ましているのが保護者からの与薬依頼である.病気の回復期や慢性疾患をもつ子どもにとって, 薬は欠かせない.本来, 保育所では, 子どもへの薬の服用は親が行うことを原則としているが, 働いている親は会社を休むわけにもいかないため, 保育士に与薬を頼むことになる.しかし, 医師でないものが親に代わって薬を飲ませることは医師法による医行為に触れるという法的な問題が絡む.保育所には, 嘱託医を配置することが義務付けられているが, そのほとんどが常駐ではないため, 随時対応できる状況にはない.また, 保育所における看護婦等の配置率は未だ2割弱にすぎず, 保育所の保健対応体制は十分ではない.そのため保育所は, これら保護者のニーズに対しそれぞれ独自の判断で対応しており, 様々な薬の扱いに対する混乱と事故を招いている.一方, 平成12年改訂された保育指針では, 積極的な保健対応策を打ち出した.病気の子どもの保育については, 「乳幼児健康支援一時預かり事業」の活用を推奨すること, 保育中に体調が悪くなった子どもには, 嘱託医などに相談して適切な処置を行うよう特に書き加えるなど, 従来の保育機能に加えて保健対応機能の必要性を示したものと言えよう.そこで本稿では, 保育所が行う与薬を安全かつ適切に行うための与薬行為のあり方とその対応策について, その実態と法的側面, また保育サービスの機能的側面から考察をした.結論として, 保育所の保育士が与薬を子どもにする場合, 医師や看護婦等の協力が条件となること.また, これからの保育所のあり方として福祉サービスと保健・医療は一体的に捉え, 切り離すべきではないことなどである.したがって保育所における保健・医療体制の早期確立が望まれ, 少なくとも嘱託医に加えて看護婦等医療関係者の配置を全保育所に義務づけることがぜひ必要である.
著者
山本 紀久
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.15-19, 2002-08-31
参考文献数
3
被引用文献数
1

ランドスケープの役割りの原点は、人類のために「限りある地球上の自然資源」を「衰退させることなく持続的に使いつづける」ための「賢い土地利用(WISE USE)」のプランを提案することである。ランドスケープデザインは、そのために地球上に一つとして同じところはない「多様な土地を読み込み」「目的とする土地利用との整合性を検討立案」して、具体的な下図を作ることである。その際に不可欠な情報が、その土地の持つ「自然の資源(POTENTIAL)」であり、その中でも特にグランドデザインによる土地の改変の対象となる「地表面の情報」である。
著者
岸 玲子 吉岡 英治 湯浅 資之 佐田 文宏 西條 泰明 神 和夫 小林 智
出版者
北海道大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

いわゆる化学物質過敏症を疑って札幌市内1医院を受診した患者全員(30人)に基本調査票の記入を依頼し、男性2名を含む26名から回答を得た。平均年齢は44.5歳、発症からの経過年数は2-5年が10人、発症時と比べて症状が悪化した11名、症状頻度が増加した13名だった。ドイツのBeilerらが開発した化学物質過敏症尺度(IEI尺度)を用いた結果、主訴は「においを強く感じる、頭痛、集中力の低下、疲労感、眠気」であり、原因物質は「ある種の香水、塗料または希釈液、タバコや葉巻、ガソリンのにおい、整髪料、マニキュア」だった。化学物質曝露による「健康状態、職場や学校での能力、余暇、家庭生活、身体的能力」への影響の有訴が高かった。この結果、先行研究同様に本研究対象者にとってもいわゆる化学物質過敏症は複数の身体症状が長く続く状態であるといえた。このうち同意が得られた18名(内男性1名)に芳香療法(アロマセラピー)の介入を、無作為化クロスオーバー比較試験として実施した。IEI尺度、および不安尺度については、介入期間前後と対照期間前後の得点差には統計学的有意差は見られなかったが(p>0.05)、各回のアロマセラピー前後では気分尺度の6つ全ての下位尺度に有意な改善が認められた(p<0.05)。化学物質過敏症は臨床的な疾病概念が定義されていない。しかし患者にとって身体症状は事実であり、症状コントロールが必要であるにもかかわらず、現在までに有効性が示された療法はない。本研究は化学物質過敏症へのアロマセラピーの効果を初めて検討した。対象者数が少なく、アロマセラピー介入による症状改善効果は本研究では明らかにならなかったものの短期には気分の改善が認められ、対象者の多くは機会があればこれからもアロマセラピーを受けたいと答えたことから、本研究の課題を改善することでさらなる研究の可能性が示唆された。