著者
村田 匡輝
巻号頁・発行日
2013-03-25 (Released:2013-05-10)

名古屋大学博士学位論文 学位の種類 : 博士(情報科学)(課程) 学位授与年月日:平成25年3月25日
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1831, pp.66-69, 2016-03-07

東京都港区にあるUBIC本社。あるフロアの一角に入ると、顧客企業から依頼されたハードディスクを専門エンジニアが黙々と解析していた。不正が疑われる社員のメールやパソコン内のデータを細かく分析することで、不正の証拠を見つけ出すためだ。
著者
内田 博
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.25-32, 1986
被引用文献数
7

(1)1968-84年に,埼玉県中央部の比企•武蔵丘陵を中心とする森林で4種のタカ類(サシバ,ハチクマ,オオタカ,ツミ)の観察を行ない,そのうちサシバ,ハチクマ,ツミの3種の巣の周辺でスズメとオナガが繁殖しているのを確認した.しかし,オオタカには,そのようなことは見られなかった.<br>(2)サシバの巣の周辺では,丘陵内ではふつう見ることのないスズメが数番いひんぱんに観察され,サシバの巣から数mの範囲内に巣をつくり繁殖してい虎.調査した11巣中,スズメが見られたのは9例で,合計9巣が確認された.スズメの見られた時期はサシバの繁殖時期と一致し,5月中旬から7月初旬にわたった.<br>(3)ハチクマの巣の周辺でもスズメが見られ,繁殖した.調査した6巣中,スズメが見られたのは4例で,2巣が確認された.<br>(4)ツミの巣の周辺では,一群のオナガが観察され,周辺数10mの範囲内に複数の巣がつくられた.調査した10巣中,8例でオナガが長期間観察され,オナガが巣の周辺に見られないとされた残りの2例でもオナガがツミの巣の林に短時間現われた.オナガの見られた8例の場所では,合計7巣のオナガの巣が確認された.<br>(5)オオタカの場合は,調査した19巣の付近で繁殖する鳥は見られなかった.
著者
岡安 孝弘 嶋田 洋徳 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.302-312, 1993-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
6 18

The purpose of this study was to investigate the effects of the expectancy of social support in junior high school students on school stress. 917 boys and girls, from 1st to 3rd grade, completed the Scale of Expectancy for Social Support (SESS), the School Stressor Scale, and the Stress Response Scale. The results indicated that (a) the SESS had a single-factor structure,(b) social support alleviated school stress more effectively in girls than in boys,(c) the alleviation effects of social support were dependent on the differences of stressful events, support resources, or stress responses, and (d) father support, which was less expected than mother support, was the most effective in alleviating stress responses in girls, but not in boys, Finally, the implication of social support for school stress process was discussed.
著者
MURRAY C.N. RENFRO W.
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.249-252, 1976

海産多毛類<I>Nereis diversicolor</I>による堆積物からのプルトニウムー239のとりこみの研究結果を報告する. <I>Nereis</I>のプルトニウム負荷量に対する, 堆積物と海水からの経路の相対的な重要度の比較を行なった. この比較研究に用いた実験条件下では, <I>Nereis</I>は, 体内の放射能の98%以上を海水からとりこむようにみられる.
著者
境 隆一 光成 滋生 笠原 正雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.75, pp.75-80, 2001-07-25
参考文献数
13

従来,楕円曲線上定義をされたペアリングは楕円暗号の解読に応用されていたが,近年,このようなペアリングが双線形写像であることを利用した暗号方式がいくつか提案されている。本稿では,これらの暗号方式を紹介すると共に,不正利用者の追跡が可能な放送用鍵配送の基本方式を提案する。この方式は,黒澤-Desmetの方式では実現されなかった。利用者の結託攻撃に対する安全性を有していると考えられ,実用上も極めて重要な方式である。また,新たなペアリングを利用した暗号方式についても考察する。Weil pairing and Tate pairing are the bilinear mappings from n torsion points of elliptic curves to a finite field. In this report, we review some cryptographic schemes based on Weil pairing or Tate pairing over elliptic curves. These schemes can be realized by the bilinear mapping of the pairings. We then propose a new key distribution scheme for broadcast encryption which is traceable traitors. The new broadcast key distribution scheme for the traitor tracing whose broadcasting data contain the constant header is firstly realized the security against the collusion attacks.
著者
余田 翔平
出版者
The Tohoku Sociological Society
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.131-142, 2014

本稿の目的は2点ある.第1の目的は,家族構造と子どもの教育期待との関連を記述することである.第2 の目的は,両者の関連を説明する仮説,すなわち格差が形成されるメカニズムを検証することである.そのような仮説として,本稿では経済的剥奪仮説,役割モデル仮説,家族ストレス仮説,セレクション仮説を取り上げた.<br> 中学3年生とその保護者を対象にした社会調査データを分析した結果,以下の知見が得られた.まず,初婚継続世帯の子どもと比較して,非初婚継続世帯の子どもは総じて教育期待が低い.非初婚継続世帯の中の差異に着目すると,死別母子世帯,継親子関係を含まない再婚世帯では,子どもの教育期待は比較的高い.他方で,離別母子世帯や父子世帯,さらに継親子関係を含む再婚世帯では,教育期待がいずれも低水準にとどまっている.また,多変量解析によって非初婚継続世帯の形成と関連する要因を統制してもなお,家族構造の効果は残されていた.本稿の分析結果はおおよそ家族ストレス仮説と整合的であり,子ども期に定位家族が安定的であることが教育達成にとって重要であることが示唆された.
著者
酒居 敬一 光成 滋生 成田 剛 石田 計 藤井 寛 庄司 信利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.1028-1038, 2002-04-15
参考文献数
19

近年の汎用パーソナルコンピュータに多く使われているIA-32プロセッサは過去との互換性のために命令体系はCISC的である.しかし内部動作はRISCマイクロ命令への変換,ハイパーパイプライン,アウトオブオーダ,などRISC的アーキテクチャが多数取り入れられている.さらにSIMD的演算命令の搭載によりデータ並列処理を実現している.とはいえその新しい機構に応じたコードを生成するコンパイラはまだまだ少数であり,また対応していたとしてもコンパイラ独自の拡張C言語による記述が必要であることが多い.そのため通常のC言語による記述を主体としたベンチマークではプロセッサの正当な評価を行いにくい.そこで我々は実用的なアプリケーションとしてMP3エンコーダを選択しコード全般にわたってアセンブリ言語による最適化処理を行った.その結果C言語によるコードに対し2倍から3倍の高速化を達成した.The architecture of IA-32 processors, which are recently used in personalcomputers in general, can execute the industry-standard x86 instruction setlike CISC for binary compatibility.But in fact, the processors process simpler RISC micro operations instead ofcomplex x86 instructions, and support hyper pipelined technology and out-of-oder speculative execution.IA-32 processor also has the SIMD instructions.However, there are few compilers which generate the code supporting the newtechnology, or we must use the extended C language, if any.Therefore it is difficult to evaluate the processor exactly by the benchmarkbased on the ordinary C language.Then we chose a MP3 encoder for practical application and rewrote the mainroutines of the encoder by assembly language.As a result, we have achieved about two or three times faster optimization.
著者
西山 修二
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.849, pp.16-00353-16-00353, 2017 (Released:2017-05-25)
参考文献数
13
被引用文献数
1

This paper descries the experimental research about the rolling resistance performance of a cylindrical container which is divided into multiple space of equal size into which numerous cylindrical rods of the same diameter and material are enclosed. We have investigated the effect of a diameter of the cylindrical container, a number of wall surface division of inside of the cylindrical container, a diameter of a cylindrical rod and a filling rate on the rolling resistance performance. The three cylindrical containers have a diameter of 48, 60 and 76 millimeters and a length of all 100 millimeters. Each of the cylindrical containers is divided into zero, two, four and six space. The three cylindrical rods are 3, 4 and 5 millimeters in diameter. Three kinds of the filling rate which is the ratio between inside cross sectional area of the cylindrical container and total cross sectional area of the cylindrical rods enclosed in the cylindrical container are investigated. And in the experiment, both initial velocity and a rolling distance of the cylindrical container are measured. As the results of investigation, we have defined new dimensionless parameter, that is a roller dumping number which is the ratio between deceleration of the cylindrical container and the gravity acceleration, and it is shown that the kinematical and dynamical performance of the cylindrical container with the cylindrical rods is largely depend on this parameter. According to the research results, it is found that the diameter of the cylindrical container, the filling rate and the number of wall surface divisions have a substantial influence on the roller dumping number. Some results are presented in the form of parametric tables and graphs.
著者
ローベル 柊子
出版者
静岡大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では外国語で執筆する越境作家が出身地の言語的文化的要素をいかに別の言語で表現し、外国においていかに作家としてのアイデンティティを形成したかを検討した。特にミラン・クンデラのケースに注目し、これをもとに他の作家との比較検討を行った。外国語執筆の契機は亡命、移民、旧植民地出身、個人的な選択など多様だが、多くの越境作家において地域に根差した表現が顕著に見られ、越境の経験が創作の源となっている。クンデラにおいては世界的に読まれることへの意識が強く、ローカルな要素の表現に抑制が見られた。国内外での学会発表、ワークショップ、著作を通して成果を広く公開した。
著者
Wenjun ZHOU Miyuki YOSHIOKA Hidehiko YOKOGOSHI
出版者
Center for Academic Publications Japan
雑誌
Journal of Nutritional Science and Vitaminology (ISSN:03014800)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.367-373, 2009 (Released:2009-09-18)
参考文献数
30
被引用文献数
11 42

The present study was designed to gain insight into the effects of s-limonene on the brain after 1-wk administration. For this purpose, neurotransmitters such as dopamine (DA), serotonin (5-HT), γ-aminobutyric acid (GABA), glutamic acid (Glu) and some of their metabolites (DOPAC and 5-HIAA) were determined by HPLC-ECD and amino acid analyzer after 1-wk administration of s-limonene of different concentrations (0, 5, 25, 50 mg/kg). Significant changes, such as GABA, 5-hydroxyindoleacetic acid (5-HIAA) and 5-HT, were confirmed. At the same time, basal hypothalamic-pituitary-adrenal (HPA) activity after 1-wk administration of s-limonene was evaluated by corticosterone. Considering the increment of GABA and the changes of other neurotransmitters, anti-stress effects after 1-wk administration were observed. The experimental results showed that s-limonene could inhibit HPA activity under physical stress and this anti-stress effect of s-limonene may act through the GABAA receptor.
著者
平林 弦大 真塩 紀人 白石 和也 田口 祐介 神山 真美
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Ga0191-Ga0191, 2012

【はじめに、目的】 社会構造の変化に伴い,リハビリテーションの果たす役割は大きくなり,疾病対策・健康増進・介護予防など多分野での活動が求められている.それらに伴いセラピスト養成校も比例的に増加し,現状は需給バランスを欠く状況へと変化しつつある.今後の就業状況は多様化し求人が減少傾向に向くことが予測され,養成施設においても就職活動の方略を見直す必要性がある.そこで今回は,セラピストを目指す学生が現状の就職状況をどのように考え,就職先には何を望んでいるか,就職選定要因を把握するため調査を行ったので報告する.【方法】 3年制専門学校にて,臨床実習を含めたすべての学事が終了した理学療法学科3年生35名,作業療法学科3年生21名,合計56名を対象とした.学生へは今後の就職の見通しと、就職先へ望むものについて質問紙法によるアンケート調査を行った。就職の見通しについては「今後セラピストの就職は厳しくなるか」という問に対し,「かなり厳しくなる」から「かなりしやすくなる」の4段階で回答を求めた。就職先に求めるものについては,就業志向尺度(若林ら,25項目)を用い実施した。この尺度は,仕事に求めるものや結果,期待に関する項目に対し,「普通以下でよい」から「非常に沢山あってほしい」まで5段階で回答するものである.統計処理にはSPSS(Ver.16)を使用し,見通しについてはχ<sup>2</sup>検定,就業志向尺度については因子分析を用い学生が就職先に望む要因について検討を行った.【倫理的配慮、説明と同意】 対象となる学生へは学内承認のもと,今回の研究について目的・方法・倫理的配慮など口頭および文書にて十分説明を行い,同意を得た上で実施した.【結果】 アンケートの回収率は100%(56名),有効回答率100%であった.1)今後の就職の見通しについて「今後セラピストの就職は厳しくなるか」という問に対し,「かなり厳しくなる」.「どちらかといえば難しくなる」と回答した学生が51名であり,有意に多い結果となった.(p<0.01)2)職業志向尺度因子分析には,一般化した最小2乗法を用いて,因子の回転にはバリマックス回転を用い,因子数は第6因子まで有効であった.なお、抽出された中には単独の変数かつ他の項目との関連性が低い因子があり,24項目の変数から再解析を行った。抽出された因子の命名は過去の研究を参考に行った.第1因子は,「自分の能力が試される,専門性,独創性・創造性」などの因子負荷量が高く,「職務挑戦」と命名した.第2因子は「職場の雰囲気,環境の快適さ」などの因子負荷量が高く,「職場環境」と命名した.第3因子は「福利厚生・昇進の可能性」などから構成され,「労働条件」と命名した。第4因子は単独となり,「高い給与やボーナス」が抽出された.第5因子には「社会の役に立つ,安定した会社」から構成され,「社会貢献」と命名した.第6因子は「仕事の自由度」が抽出され,「自由度」と命名した.なお,上位3因子の累積寄与率は52.8%であった。【考察】 今回の研究から,卒業を控えた学生は就職に対し今後厳しくなると考えており、就職先には因子負荷量から「職務挑戦」「職場環境」「労働条件」を特に重視している結果となった.大多数の学生が今後の就職が厳しくなると感じていることについては,実習や就職活動から現状の需給バランスを欠く状況を認知していることが理由であると考えられた.先行研究と比較し学生が就職先に望むものは,抽出された因子に変化は無いものの,「労働条件」などの外発的報酬よりも「職務挑戦」という内発的報酬に重きを置いている結果となった.このことは,学生は就職に関する現況を正しく理解し,セラピストという職業に対して自己実現や社会貢献という「やりがい」を中心とした職業観を持つためであろう.諸氏らの先行研究では,就職先を決めるにあたり給与や通勤などの労働条件や職場環境に重きが置かれていると報告されている.しかし,今回の研究結果から学生は内発的な要因であるキャリア形成に重きを置いており,近年は現状を反映し選定要因が変化していると考えられた.これら学生が求めているものについては,求人票や施設見学,ホームページから把握することが困難であり,リアリティショックや早期離職が危惧される.養成施設としては他業種同様,より早期からの働きかけを行い,キャリア形成のための専門的人材配置など就職方略を修正することが必要である.【理学療法学研究としての意義】 理学療法士の質の低下が論議される中、現状は需給バランスを欠く状況へと変化し求人が減少傾向に向いている.本研究は近年の学生の職場に対するニーズから,新たな就職指導を検討するために意義のあることと考えられる.