著者
齊藤 天菜 望月 祐志 山崎 大 石村 和也
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.92-96, 2016 (Released:2016-12-18)
参考文献数
33
被引用文献数
1

Intel Xeon Phiプロセッサが科学技術計算用のメニーコアプロセッサとして注目を集めている.私たちは,高い並列性能を持つ分子軌道計算プログラムSMASHを用い,DFT計算に関して第一世代Phi (Knights Corner)上のネィティブモードで性能評価を行った.その結果,実60コアから論理120コアへ増分したマルチスレッディングの領域でも1.4倍程の加速が得られることが分かった.これは,第二世代Phi (Knights Landing)でも好ましい性能が得られると期待させるものである.
著者
宮内 信之助 下村 雅人 山内 健 大島 賢治 松本 洋一 迎 勝也
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.227-232, 2001-05-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
9

きのこ [マイタケ (Grifola frondosa: GF) ] の柄を粉末化し, それをアセトンと蒸留水で洗浄することによって, 少し透明感のある白色のGF粉末を得た. このGF粉末存在下で, 硝酸セリウム塩を開始剤として, 水溶媒でアクリルアミド (AAm) の重合を行った. 重合は温度を上げ, GF量を増加させると進み, 60℃で91%の重合収率を得た. 水に対する見かけの可溶化率を調べたが, アクリルアミドの重合がGFの可溶化を助けた. 洗浄前と洗浄後のGF, およびGFを水またはアセトンで洗浄した後の〓液, GF存在下でのGF-ポリアクリルアミド (PAAm) 複合物の水洗浄後の〓液について, 1HNMR測定を行った. その結果, アセトンによる洗浄では, 主として脂肪酸が抽出され, 糖質類は抽出されなかった. 一方, 水による洗浄では, α型の糖質類が抽出され, ポリアクリルアミドと複合化されてもβ型のものは抽出されにくかった.
著者
久保田 健彦 戸村 淳嗣 田井 秀明 村田 雅史 百瀬 学 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.30-40, 2015-03-28 (Released:2015-05-13)
参考文献数
40
被引用文献数
1

テトラサイクリン・エピジヒドロコレステリン含有歯科用軟膏は抗菌薬に抗炎症薬が配合された歯周炎局所治療剤であり,今回,歯周炎罹患歯肉への塗布塗擦による治療の有効性を検討した。新潟大学医歯学総合病院または研究協力3歯科医院を受診し,本研究の文書同意が得られた慢性歯周炎患者32名を対象とした。Supportive Periodontal Therapy(SPT)期で同意取得時にProbing Pocket Depth(PPD):6~8 mm, Bleeding on Probing(BOP)を有する患者を実薬群またはプラセボ群に無作為に割り付け,二重盲検法で比較評価した。薬剤投与は8日間,1日3回毎食後,患者自身が塗布塗擦を行い,臨床検査,細菌学的,生化学的検査による評価を術前,塗布8日目,塗布後21日に行った。臨床および細菌学的指標は両群とも経時的改善を示し,塗布後21日のplaque indexで,実薬群はプラセボ群に比し有意な改善を示した。中等度の炎症のある患者(gingival index:GI=2)を対象とした層別解析では,塗布8日目のBOPで実薬群はプラセボ群に比し有意な改善を示した。以上より,本剤の8日間の塗布塗擦はSPT期におけるGI=2の中等度の歯肉炎症のある歯周炎患者において,歯周ポケットからの出血を減少させる効果が期待できることが示された。
著者
武井 泰 田爪 正氣 松木 秀明 豊田 淑恵 石井 美里 西野 廣子 長谷川 秀隆 横山 久美 築地 真実
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-31, 2006

A病院NICUにおいて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の実態を把握するために患児頭部下タオル、保育器袖窓、クベースカバーおよび室内空気からブドウ球菌を採取し、薬剤感受性試験およびパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法によって解析を行った。薬剤感受性試験およびCD-PCR法の結果、MRSAは患児頭部下タオルから1/30株、保育器袖窓から1/15株、クベースカバーから0/19株、室内空気から2/54株検出され、これらのMRSAは多剤耐性菌であった。また、PFGE法を用いMRSAの染色体DNA切断パターンから菌株間の相同性を検討した結果、患児頭部下タオル、保育器袖窓およびNICUの室内空気から共通したゲノタイプが検出され、同一の菌株であることが確認された。
著者
岡原 正幸 高山 真 澤田 唯人 土屋 大輔
出版者
三田社会学会
雑誌
三田社会学 (ISSN:13491458)
巻号頁・発行日
no.21, pp.65-79, 2016-07

論文1. アートベース・リサーチ(ABR)と社会学2. ライフストーリー・インタビューの経験を表現すること3. 他者理解をめぐるアートと社会学4. アートと社会学の交差5. アートベース社会学(Arts-Based Sociology)へ
著者
堀口 良一
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦前期日本の安全運動の誕生・発展の過程で中心的役割を果たした蒲生俊文(1883~1966)に関する大量の資料-その多くが未出版、未公開の状態にある-についての綿密な調査を踏まえて、本研究では、蒲生の生涯が1914年から亡くなるまでの間、一貫して安全運動に捧げられていたことを、一次資料に基づく史料を駆使しながら示した。とくに、その成果として重要ものに、履歴書各種、著作目録(全461点)および伝記がある。
著者
三上 紗季 山口 泰彦 岡田 和樹 後藤田 章人 松田 慎平
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.121-130, 2009-02-28
参考文献数
32
被引用文献数
3

目的:歯科臨床における簡便で精度の高い睡眠時ブラキシズム(SB)の評価法の実現を目指し,我々はこれまで超小型コードレス筋電図計測システム,BMSを開発し,日中覚醒時の顎運動における測定精度や夜間睡眠時を想定した体動や装置への接触の影響の検討等を行ってきた.本研究ではBMSのSB評価装置としての実用化を図るため,実際に自宅における夜間睡眠時の咀嚼筋の活動を支障なく測定できるかどうかの検証を行った.方法:対象はブラキサー群9名,非ブラキサー群9名で,被験者の自宅にて2日間,右咬筋を対象に測定を行った.2日目のデータを解析の対象とし,最大咬みしめの20%以上の大きさで,0.25秒以上持続するバーストを抽出し,両被験者間で比較した.入眠と起床の確認には,小型睡眠センサー,アクティグラフ(A・M・I社製)を用いた.結果:すべての被験者で,自宅での装置の設定,操作が可能であり,記録されたデータでは筋活動波形の認識,解析が可能であった.稀に混入した通信エラーと考えられるスパイク状のノイズは,データ解析時に識別,除去が可能であった.ブラキサー群と非ブラキサー群の筋活動の比較では,睡眠1時間あたりのバースト数,バースト時間,バースト積分値において,ブラキサー群は非ブラキサー群と比較して有意に大きな値を示し,それぞれ前者は後者の6.3倍,3.2倍,2.5倍だった.バースト毎の持続時間の平均値は,ブラキサー群は非ブラキサー群と比較して有意に小さな値を示した.バーストRMS値,睡眠時間については両群間で有意差は認められなかった.結論:BMSを用いた測定では,ブラキサー群と非ブラキサー群の自宅における夜間睡眠時の咬筋筋活動波形の認識,解析が可能なことが示され,BMSは睡眠時の臨床的な咬筋筋活動モニターとして実用可能な装置と考えられた.
著者
宮城 信
巻号頁・発行日
pp.1-32, 2017-05

2017年5月17日:富山大学中央図書館,2017年5月24日:富山大学高岡キャンパス講堂でそれぞれ開催された「2017レポートの書き方講習会」の配布資料。 【この講習会の内容】 ・身に付けて欲しいこと・・・レポートを書くために、持つべき心構えや、守ってほしいルール、真似しておけば大丈夫なパターン。・何をしないか・・・論文の細かい書き方、独創的なアイデアの出し方などには、いっさい触れない。文学的なレトリックなどについても、一切扱わない。
著者
田中 覚
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー = Nikkei information strategy (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.86-89, 2016-05

ゲスな話で恐縮だが、2016年は年初から「浮気」や「不倫」の週刊誌報道が世間をにぎわせた。だが企業にとっては、顧客にいかに浮気させるかが腕の見せ所。他社ブランドからの切り替えを図り、新機能を盛り込んだ新商品を開発し、様々な宣伝販促で浮気、すな…
出版者
龍溪書舎
巻号頁・発行日
1992
著者
斎藤 征夫 柳生 聖子 服部 泰子 大野 和子 岡本 伸夫 高橋 玲 大塚 匠子 大塚 亨 前田 清 岡本 和士 加藤 孝之
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.953-961, 1989-12-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
26
被引用文献数
4 8

We investigated the condition of the liver in a total of 5486 subjects (3889 males and 1597 females) who received adult-disease screening examinations.The following results were obtained.1. Fatty liver was found in 13.9% of the males and 3.8% of the females with a male/female ratio of about 3.7 to 1. In males, the prevalence of fatty liver was lower in those in their 20's than in any other age ranks, while there was little difference in the age range from the 30's to the 50's. In females, the prevalence sharply increased in those in their 50's.2. The percentage of fatty liver increased with the obesity index in both males and females.3. With respect to alcohol drinking, the prevalence of fatty liver was not affected by the presence or absence of alcohol drinking, the daily drinking quantity and total drinking quantity.4. Of those screened for adult disease, 14.7% of the males and 2.7% of the females had abnormal liver function, with a male/female ratio of about 5.4 to 1. In both males and females, the prevalence of fatty liver was higher in those who had abnormal rather than normal liver function.