著者
小泉 修
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.278-287, 1999-12-31 (Released:2011-03-14)
参考文献数
33
被引用文献数
3
著者
大本 達也
雑誌
鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要 人文科学・社会科学編 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Humanities and Social Sciences (ISSN:24339180)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-18, 2018-03-15

美妙・山田武太郎による詩歌集『少年姿』(1886)は、寺院文化にはじまり、戦国から江戸中期期にかけて武士間にも広がった「男色」を主題とする。明治期における男子学生間での「男色」再流行のもとこの作品は成立するが、前近代的な「男色」は近代に成立した「恋愛」に次第に追いやられてゆく。この作品は、“poetry”概念に基づく日本語「詩」の形成史上、恋情を主題とした初の詩歌集であり、前近代と近代と結ぶ靭帯的作品である。
著者
大橋 和明 小寺 宏平 伊藤 信一郎 原口 正史 入江 準二
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.260-264, 2016 (Released:2017-01-21)
参考文献数
8

Lipiodized oil has been widely used for hysterosalpingography because it has superior imaging capability. We report a case of prolonged retention of lipiodized oil suspicious for foreign material in the abdomen. A 34-year-old woman who had undergone hysterosalpingography for evaluation of primary infertility visited our hospital with complaints of lower abdominal pain. She was found to have a metal-like shadow in the right side of the pelvis that was present on abdominal radiography performed at another facility. Computed tomography showed a high absorption range with halation in the right side of the pelvis. We suspected retention of metallic material because she had a history of cesarean section in our hospital several years prior, but we did not consider the likelihood of prolonged retention of lipiodized oil. Laparoscopic surgery was performed for diagnosis. During the operation we did not find any metallic material in the pelvis; we confirmed the position of the mass by using X-ray imaging and resected a cystic mass from the right side of the pelvis. The cyst showed high absorption on radiography and contained a yellowish oily fluid. We carried out a combustion experiment and it was found that the oily fluid included iodine; we therefore concluded that the cystic mass was due to prolonged retention of lipiodized oil rather than metallic material. It is necessary to consider the possibility of prolonged retention of lipiodized oil in patients with a history of hysterosalpingography.
著者
村越 一哲
出版者
日本人口学会
雑誌
人口学研究 (ISSN:03868311)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.19-32, 2009-05-31 (Released:2017-09-12)
被引用文献数
1

旗本の出生力を分析したヤマムラ(1976)は,徳川幕府が開かれて以降200年の間に旗本一人あたりの平均子ども数が著しく低下したと主張している。そしてその原因は,実質所得一定のもとで消費欲求が増大したことから生じた経済的困窮に旗本が直面したことと,階層間移動の減少により所得の増加が見込めず次三男への分知の困難さが増したことにあると説明している(「経済的困窮仮説」と呼ぶ)。この研究の問題点は,適切な方法によって旗本の出生力が求められているとは言いがたいという点である。そこで,本稿は,旗本の出生力を推計し直し,その意味するところを明確にすることを第一の目的とし,推計された出生力が上述の考え方によって説明できるか検討することを第二の目的とした。まず史料として用いる「寛政重修諸家譜」の編纂過程を概観し,そこから標本を抽出する手続きについて説明した。つぎに旗本当主のもうけた男子から,記載漏れの可能性が高い,成人するまえに死亡したと考えられる男子を除いて,旗本当主一人あたりの平均成人男子数を求めた。推計された平均成人男子数は17世紀の間に大幅に低下したが18世紀にはそれほど変化せず,その傾向は19世紀前半まで続いた。そしてその動きは大名家臣のものとほとんど同じであった。また低下後の出生力は旗本の人口を単純再生産する水準以上にあったと推測した。さらに,17世紀における出生力の低下は「経済的困窮仮説」によって説明されないことを示した。そのうえで,17世紀前半まで高かった次三男の召出可能性が世紀後半以降低下してゆき,子どもを多くもうけても彼らに武士社会のなかで生きてゆくことを保証できなくなったことが出生力低下の原因である,という「社会的制約仮説」が旗本にも適用可能であると結論した。
著者
高瀬 弘一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.337-362, 1978

論文
著者
村部 貴浩
出版者
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院
雑誌
国際広報メディア・観光学ジャーナル
巻号頁・発行日
vol.29, pp.21-36, 2019-10-24

Fukuda Tsueari has been perceived to be one of the leading post-war conservative thinkers in Japan. However, he also placed more emphasis on the importance of an individual in nation and society in contrast to other conservative thinkers in the country. In this article, I focus on some aspects of his emphasis on the importance of an individual, which has not been yet explored in previous research. I mainly discuss Fukuda’s critical paper on Shimizu Ikutaro, “Critique of a modern Japanese intellectual, Shimizu Ikutaro”, who published a paper “The choice of nucleus, Japan be a nation”, in 1980, which indicates his turn to a rightest nationalism from liberalism in his political thoughts. This article examines Fukuda’s perception of individualism which is revealed in his critical work on Shimizu.
出版者
衆議院事務局
巻号頁・発行日
vol.第25回, 1953
著者
立本 博文
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.62-77, 2022-03-20 (Released:2022-04-20)
参考文献数
17

本稿では,経営学研究にデータサイエンスを取り入れる観点から,経営学者に馴染み深い回帰分析を紹介する.まず,回帰分析の3つの目的を説明しつつ,回帰モデルで因果効果を特定する変数選択に有用なバックドア基準を説明した.さらに,効果が第3 変数や個人特性で変化するモデルとして,交互作用モデルやマルチレベルモデル/階層ベイズモデルを紹介した.最後に,最新の回帰モデルの手法として機械学習を応用した経営学研究や因果効果の推定について紹介を行った.
著者
近藤 高史 小野 武年 西条 寿夫
出版者
日本醸造協会
巻号頁・発行日
vol.112, no.12, pp.812-821, 2017 (Released:2018-04-20)
著者
出口 剛司
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.16-28, 2010 (Released:2020-03-09)

『権力の批判』、『承認をめぐる闘争』、『正義の他者』といった主要な著作の翻訳が刊行される中、アクセル・ホネットの承認論が社会学理論の分野でも注目を集めている。しかし、ホネット自身の社会批判の内実については、かならずしも明確にされていない。それに対して本稿では、ホネットの著作の再構成を通して、その批判理論としての特徴と可能性の中心を明らかにすることをめざす。ホネットは「学以前のレヴェルにある解放の審級」という視座に立つことによって、フランクフルト学派の批判理論の伝統の中に自身を位置づけると同時に、語用論的形式主義に流れるハーバーマスとの距離化をはかっている。本稿ではまず、ホルクハイマーの問題関心に遡って批判理論の特徴を確認しつつ、そのコンテクストに第一世代、第二世代のハーバーマス、第三世代のホネットそれぞれの社会理論を位置付ける。つづいて、ホネットが「自己実現」の可能性の条件としての承認の「形式」に注目することによって、一方で内容ある善き生というコンセプトを堅持した批判理論を構築し、他方で特定の伝統的内容に依拠した価値の実体化を回避しようとした点を確認する。さらに「資本主義的近代化のパラドックス」というコンセプトのもとで進められているホネットとハルトマンのネオリベラリズム批判を取り上げる。そこで、ヘーゲルに由来する三つの承認形式を四つの承認領域として立体的に再構築することによって、ネオリベラリズムにおける承認構造の変化とその問題性を批判する視座を手にすることができた点を明らかにする。
著者
山口 亮子
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、DV加害者の性質を研究し、DVは加害者から被害者への垂直関係だけではなく、子を巻き込み複雑なパターンが複数あることを指摘した。その上で、日本の裁判例を分析し、アメリカの研究を参考に、DVが関わる、離婚、面会交流、監護者指定、養育費、親権制限の問題を検討した。施設訪問や学際的研究を通して、警察、行政の対応の問題点と課題を明らかにした。