著者
Hiratsuka Naohide
出版者
札幌博物學會
雑誌
札幌博物学会会報
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.134-138, 1934-06-20
著者
NISHIMURA Takahiro
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第II部門 社会科学・生活科学 (ISSN:03893456)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.11-22, 2016-09-30

This study analyzes the development of the "Militarization" of the national parks in Japan before and during the pacific war. The two main purposes of national parks held by the motion of the law, namely "recreation and health preservation of the nation" and "enlightenment of the nation", grew progressively more militaristic and nationalistic during this time period. The former was interpreted to imply training for military and national defense. The latter was connected with patriotism. This development of the discourse can be explained by the fact that gaining the consensus of the military regime was necessary for the promotion of national parks. This example of political ingratiation by nature conservation factions reflects a similar fate which befell nature conservation in the period of the Nazi regime in Germany. These examples show that the rationale for nature conservation can be explained with various kinds of ideologies, but gaining consensus is always vital to its success. The examples analyzed by this study show that we must be aware of the connections between ideologies and nature conservation as a consensus-making tool.本稿は,本誌に掲載された拙稿「『国立公園』から『国土と健民』へ──国立公園の意義をめぐる言説の変遷(1929-1944)」(60巻2号,2012年)に基づくものである。前稿では,国立公園協会において国立公園の意義がどのように主張されたのか,その変遷をたどった。本稿では,そのアウトラインを英語で再現した上で,当時の厚生省による国立公園政策の分析を新たに追加した。そのため,特に国立公文書館の二つの史料,「国民錬成地体制確立要綱」ならびに厚生省健民局「第八十四回帝国議会関係」を用いた。これらの史料から導き出されたのは以下の点である。1国立公園は単なる「錬成地」の一つとして位置づけられたこと。2あらゆる自然地を「錬成地」として保護するため,国立公園法の他に「国民錬成地法」が起草されており,広範な自然地の保護が目指されていたこと。3国立公園協会に代わる「国民錬成地協会」の組織が考えられていたこと,その結果が,国立公園協会の「国土健民会」への改組であったこと。4最終的には,国立公園は結核対策要綱上の「弱者」に対する「修練」の場として位置づけられ,この位置づけにおいてさらに六つの国立公園指定が予定されていたこと。これらと前稿の内容を合わせることにより,国立公園の父と言われる田村剛の戦時中の所論は,厚生省の政策方針のうち1〜3と重なることが示される。国立公園協会は1943年,「聖戦」の完遂のための国民体力増強を目的として「国土健民会」へと改組された。そのわずか6年後に,「平和的文化国家再建」への寄与を目指して国立公園協会が復活したのは,驚くべきことである。こうした指摘を行うのは,例えばドイツの状況と比較して,戦時中の議論の反省がまったく進んでいない日本の状況に違和感を持つからであり,さらに,自然保護の意義づけをめぐる議論が自然科学の枠を超えて広がるためには,その歴史の検討も必要であると考えるからである。
著者
遠藤 織枝
出版者
社会言語科学会
雑誌
社会言語科学 (ISSN:13443909)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.51-64, 2000-12-31

1998年11月,江沢民中国主席が訪日した際,「おわび」「謝罪」のことばがとびかった.これをきっかけとして,日本の戦後処理に関する謝罪のことばが,過去においてどのようなものであり,現在どのように使われているかを確認したいと考えた.その方法と手順は以下のとおりである.1.発話行為としての「謝罪」のことばのあり方を考える.2.日本政府首脳と天皇の,主として中国・韓国首脳との会談の言辞を歴史的な流れの中でとらえる.3.それらが,中国・韓国側にどのように受け止められたかをみる.その結果,日本政府は,1990年以降は韓国に対しては,明確に「おわび」を繰り返しているが,中国に対しては細川首相が93年に訪中した際の1度だけ「おわび」のことばが述べられていることが明らかになった.また,日本政府の謝罪に関する発話行為が,70年代の「反省」「遺憾」という不完全なものから,90年代の「反省とおわび」という完全なものへと推移する経過を跡づけた.それは,「話し手の責任」の認識の変化と並行するもので,その変化は,今次の戦争について述べることばの変化に表されている.すなわち,「不幸な一時期」というあいまいな表現から「過去の戦争への反省」へ,さらに「侵略戦争」「植民地支配」へと具体化しており,この変化に合わせて相手側の受容-謝罪の遂行-の傾向が強まってくる動きをとらえることができた.
著者
吉村 ミツ 吉村 功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1764-1773, 1997-07-25
被引用文献数
12

本論文は旅行小切手上に書かれた日本人の署名を自動的に照合するシステムについて述べている. 日本人の名前は, 通常3個ないし5個の漢字, 平仮名, 片仮名からなっている. 署名をするとき日本人は, たいていの場合その名前を構成文字間に空白をおいで書く. この空白を利用すると署名は各構成文字に分離できる. 本論文の筆者らはこれに着眼した署名照合システムを作り, その性能を実験を通して吟味し, 次の結果を得ている. 1.上段に書かれた1個の純正署名のみを参照して下段に書かれた署名を照合する場合には, 誤照合率を40%以下にすることができない. 2.純正署名を5個参照できる場合には, 誤照合率を16%程度に小さくすることができる. 3.署名を各構成文字に分離して照合を行うと, 分離しない場合に比べて誤照合率を7%程度小さくすることができる. 4.誤照合率は個人によって大きく異なり, 純正署名を5個参照できる場合, いつも安定していて他人にまねされにくい署名では誤照合率が0%になるが, 不安定な書き方の署名では誤照合率が30%以上にもなる. 本論文は, 以上の実験結果から, 旅行小切手で署名照合を有効に行うには, 純正署名を複数個利用できるようにすることが望ましいと結論づけている.
著者
宇佐川 智也 中村 誠 津田 栄三 加藤 啓介
出版者
石川県農業短期大学
雑誌
石川県農業短期大学研究報告 (ISSN:03899977)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.75-78, 1988

近年の豊かな食生活は「飽食の時代」と言われるまでになって,食肉に対しても高級化・多様化が求められている。ラム肉(子羊肉)は欧米では高級肉と位置づけられているが,わが国では新鮮でおいしいラム肉を食べる機会が少ないため,くさい肉,ジンギスカン用,というマトンのイメージがまだ強いようである。ラム肉のおいしさが知られるようになると,高級品としての新鮮なラム肉が今以上に求められる事は十分に予想される。めん羊は体躯の大きさが手ごろで性質が温順であるので飼いやすく,一村一品運動の好適な対象になり得る。わが国のめん羊飼養頭数は,昭和32年の約100万頭をピークに,昭和51年には約1万頭と激減した。その後,昭和61年の26,200頭とわずかに回復したにすぎない。国民一人あたりの飼養頭数でみると,イギリスの0.6頭,オーストラリアの9.0頭,ニュージーランドの21.8頭に比べて,わが国ではわずかに0.0002頭である。したがって,北海道や長野県などのめん羊飼育の盛んな地域を除けば,冷凍の輸入品が市販されてはいるものの,ラム肉を食べる機会は非常に少ないのが現状である。本研究では,本県でのめん羊飼育の可能性を探る手初めとして,サフォーク種めん羊を用いて,生後約6ヵ月間飼育したときの増体成績および産肉成績について,わが国内外の資料と比較検討した。
著者
Lloyd Seth
出版者
日経サイエンス
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.44-48, 2010-01

グーグルなどの検索エンジンは,利用者が入力したキーワードをすべて記録している。入力の記録から,あなたが例えば東京に住んでおり,自動車とファッションに関心が高い男性だといったことを推定し,あなたの心をそそる広告を画面に表示する。
著者
"谷川 喜美江" "タニガワ キミエ" Kimie" "Tanigawa
雑誌
嘉悦大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.95-114, 2009-03-30

昨今、我が国では厳しい財政状況を背景に税と社会保障を一体的に捉え改革することで社会的経費を抑制し、安定的で持続可能な制度創設の要求から給付付税額控除制度が注目されている。しかし、所得税には所得再分配機能の十分な発揮が要求されており、本要求の充足には所得税の控除制度が担うべき重要な役割があると考える。そこで本論文では、まず、我が国で注目されている給付付税額控除制度をすでに所得税に取り入れている米国・英国・オランダにおける制度を整理した。その結果、複雑な税制の中に組み込まれているが故に不正受給を招き、公平を大きく阻害する制度であるという問題を抱えていることが示された。次に、我が国所得税の所得控除制度及び税額控除制度創設の背景と沿革を整理したところ、現行の我が国所得税の控除制度は昭和42年改正で制度簡素化を理由に所得控除制度へと改められたものが多数維持されていることが示された。我が国所得税では累進税率を適用しているため、所得控除制度の税軽減額は所得の大小により異なるのに対し、税額控除制度の税軽減額は変化しない。それゆえ、所得控除制度は低所得者よりも高所得者に有利に働く制度となっている。したがって、所得再分配機能を十分に発揮する所得税構築のための控除制度の確立には、複雑な我が国所得税において公平を大きく阻害し、控除制度が果たすべき機能を阻害する給付付税額控除制度の導入は認めがたく、また、所得控除制度とすべき控除は所得税を負担する者の担税力に配慮して最低生活費にまで所得税の課税が及ぶことを排除するために設けられる控除のみを認め、税額控除制度とすべき控除は制度奨励の意図や政策的意図を達成するための控除とする制度へと見直すべきとの結論に至った。
著者
森 一美
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.50, no.13, pp.2259-2260, 1964-11-01

A rate equation has been derived for the gaseous reduction of iron ore pellets on the assumption that both chemical reaction and diffusion contribute to the overall reduction rate. It was assumed that there is no resistance of diffusion through the boundary layer outside the pellet and chemical reaction takes place only at the interface between reduced and unreduced layers. Under these conditions the rate equation is given as follows : (1/k)[1-(1-R)^<1/3>]+(r_o/D)[1/2-R/3-(1-R)^<2/3>/2]=(C_o-C_e)t/r_od_o where R : fractional reduction k : chemical reaction rate constant t : time D : effective diffusion coefficient r_o : radius of pellet C_o : gas concenration in the bulk gas phase d_o : density of pellet C_e : equilibrium gas concentration The two terms on the left side of the equation show the relative contribution by chemical reaction and by diffusion of the reducing gas through the reduced metal layer. It was found that the equation agrees with experimental data except towards the completion of reduction. Equation for the reduction controlled either by chemical reaction or by diffusion could be derived as the limitimg cases of the above-mentioned equation.
著者
山本 利一 西村 琢磨 竹内 直樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会関東支部総会講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, no.12, pp.131-132, 2006-03-09

The teaching tool for learned the mechanism of wind power generation in junior high school industrial arts and homemaking course was developed. Developed teaching tool is a windmill of the savonius-type. The magnetic levitation bearing has been installed so that the impeller may lightly rotate. The rotation of the blades are accelerated by the gear, and the magnet rotates it. The transformer has been installed at the lower, and the electricity is being generated by the change of the magnetic field. The main body is made in the transparent acrylic pipe, as to observe the transmission of the power is possible. The class practice was carried out by the utilization of this teaching tool for junior high school students. As the result, it was possible to learn the mechanism of the wind power generation experimentally, and the fixing of the learning heightened.
著者
須田 昭義 保志 宏 江藤 盛治 芦沢 玖美 北条 暉幸
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.81, no.3, pp.185-194, 1973 (Released:2008-02-26)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

神奈川県大磯町に沢田美喜女史によって設立された混血児のための施設エリザベス•サンダース•ホームに生活する混血児たちの発育を,同女史のご好意とご協力とによって20年にわたって長期観察を続けることができた。本報告はその第3報であって,第1報は1965年に身長•体重について,第2報は1968年に胸囲坐高について,いずれも人類学雑誌に発表した。今回,分析にとりあげたのは6才から15才まで完全に追跡することのできた男児60人,女児31人である。彼らは,父親がアメリカ白人である者(1-W)と,アメリカ黒人である者(J-N)とにわかれるが,母親はすべて日本人である。父親がアメリカ人でない者,母親が日本人でない者は除外した。計測は毎年2回Martinに従って行ったが,肩峰幅と腸骨稜幅は45cm測径器を用いて測定した。比較資料としては,アメリカ白•黒人のデータがKROGMANによって発表された('70)。これは個人追跡を主体とするもので,その対象児の出生年は混血児のそれとほぼ同じ頃に当る。その点,比較に際して時代差を顧慮せずに済むので好都合である。日本人のデータとしては東福寺('57)と木田ら('57)を用いた(いずれも関東地方人)が,前者は横断的,後者は完全な個人追跡研究である。ただし,木田らの身長は文部省発表の同時代日本人に比して著しく小さいので,比較には東福寺に無い腸骨稜幅とそれに関連する示数のみにとどめた。比較資料の示数項目はすべて本論文の著者らによって平均値から算出されたものである。I.年令変化。絶対値•示数とも,混血児•アメリカ人•日本人の間に差がなく,年令変化の経過は3者ほぼ平行している。従って年令変化の進み方に関しては,人種差も混血児の特殊性も認められない。II.混血児と親群との比較a)黒人系混血児(J-N)と白人系混血児(1-W)との比較。胴長•腸骨棘高•肩峰幅の平均値は男女とも差がない。腸骨稜幅は女子でのみ1-W>J-Nである。比腸骨稜幅は男女とも差がなく,比肩峰幅は男女ともJ-N>J-W。比胴長は男子のみJ-W>J-N,比腸骨棘高は男子のみJ-N>1-Wで,女子はいずれも差がない。肩腰示数•胴脚示数によれば,白人系混血児は黒人系混血児に比して胴がながく脚が短かく,肩がせまくて腰が広い体形であることを示している。これはアメリカの白人と黒人とのちがいをそのまま反映している。b)親群との比較。Table1.は混血児がどちらの親に似ているかを矢印で示したもので,右向きは日本人に左向きはアメリカ人に似ていることを示している。実線は,似ている群とは有意差なく似ていない群とは有意差があることを示し,点線はどちらの群とも有意差は認められないが,平均値は矢印の群に近接しているてとを示し,等号は3者の値が酷似するてとを示す。一見してわかるように垂直方向の項目はすべて日本人に近似している。これはGREULICH,ETOらが在米二世の坐高について,その日本人近似性を指摘している事実と符号する。恐らく日本人の遺伝的要因がかなり強力なのであろうと思われる。しかも混血児は日本人と同じ環境で生育したのであるから,日本人近似性がなお一層強調して現われたものと考えられる。しかしながら横方向の項目は矢印の向きがまちまちである。肩峰幅•比肩峰幅は全部左向き,つまりアメリカ人に近似している。腸骨稜幅•比腸骨稜幅はばらばらであって,しかも8本の矢印のうち,実線は2本しかない。従って統計的検定にかかるほどの差はないとみなしてよいであろう。肩腰示数の傾向は若干の興味を引かれる。白人系混血児は日本人に,黒人系混血児はアメリカ黒人に近接するのであるが,これはまた別の観点からみると,いずれも両親のうち平均値の小さい方に近接しているということなのである。肩腰示数が小さいというてとは,相対的に男性的体形であるてとを表わすもので,混血児にあるいはそのような傾向があるてとを示すものかもしれないが,本研究の範囲内では断定はできない。
著者
古谷 圭一
出版者
恵泉女学園大学
雑誌
人文学部紀要 (ISSN:09159584)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.63-80, 2002-01-01

A new type of course program has been developed for freshman seminar adjusting to the change in students' characters, caused by the recent decrease of the student population in Japan. Most Japanese students are educated memorizing a limited range of knowledge in order to survive severe examination struggle but not for creative thinking. This program has a stress on the cultivation of creative thinking experiences through a variety of games and quizzes which attract students' interests and participation. Twelve exercises for each 90 minutes session are introduced. 1. Introduction ; Survey of the meanings of "think" and "study" with dictionaries. 2. "Answer is not limited to one"; Brain storming of impression of a picture and mapping by KJ method. 3. "Dichotomized patterns and sentences" 4. Movie, "Rashomon"; Different testimonies of an affair. 5. "How to utilize library services" ; Consulting encyclopedia, 6. "Enjoy zigsaw puzzle"; Observation of mental process from the start to the end, 7. "Merits of classification" ; Classification games, 8. "Find the sequence"; Find the right sequence of comic strips, 4-line poems and sentences. 9. "Wrong signboards and top sentences"; Importance of guiding words, 10. "How to write a letter" ; Style and manner of letter writing, 11. "How to write a report"; Requirements of a report, its style and preparation, 12. "How to write a written test". The results of student evaluation showed very high points.
著者
山本 隆 大村 博 森屋 泰夫 鈴木 信吉 押部 義宏 杉浦 基之
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1992, no.11, pp.1269-1278, 1992
被引用文献数
4

新しいタイプの有機過酸化物を用いてラジカル反応による,ブロック,グラフトコポリマーの新しい工業的製法を開発した。<BR>ブロックコポリマーの合成には,分子中に数個のO-O結合を持つポリ過酸化物を使用する。すなわち,ポリ過酸化物で第一モノマーを重合させて,分子中にO-O結合を持つPM,を合成し,このもので第ニモノマーを重合させてPM<SUB>1</SUB>-b-PM<SUB>2</SUB>が得られる。グラフトコポリマーの合成には,O-O結合を分子中に持つモノマーと第一モノマーを,このO-O結合の分解温度以下の温度で共重合させて,O-O結合をペソダントに持つPM1を合成し,このペソダソトO-Oに第ニモノマーを付加重合させてPM<SUB>r</SUB><SUB>9</SUB>-PM<SUB>2</SUB>を合成した。酢酸ビニルとスチレンを同量もちいた場合の生成ポリマーはそれぞれ,PVAc-b-PS,84%,PVAc,6,PS10およびPVAc-9-PS,59,PVAc17,PS,24であった。また,O-O結合をペンダントに持つポリマーとポリオレフィンを加熱混練して,(ポリオレフィン)-g-(ビニルポリ0マー)を合成した。ポリプロピレンにポリスチレン(713wt)をグラフトさせた場合のグラフト効率は59%であった。<BR>得られた種々のブロック,グラフトコポリマーは,すぐれたポリマー表面改質剤,物性改良剤,相溶化剤としての機能を示した。
著者
江川 正 朝長 國夫 植松 伸久 谷口 育秀 矢部 嘉浩 松永 正彦 船越 衛一
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.1420-1423, 1992

Ten dialysis patients with evidence of R. O. D. were studied on X-ray, chemical finding and bone histology.<br>AL-P, P. T. H. increased in most patients with evidence of R. O. D. but estradiol decreased. In bone histology, four cases were osteitis fibrosa, four sclerotic type and one mixed type. Patients with evidence of osteitis fibrosa was younger than those with other type. It is suggested that the development of R. O. D. is correlated with secondary hyperparathyroidism and other endocrine function.
著者
村上 直之 Murakami Naoyuki
雑誌
論集
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.135-150, 1985-12
著者
阿部 憲男 清水 博
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.98-101, 2006

国立療養所岩手病院は, 医師の名義を借りて診療報酬を不正受給したことにより平成12年6月1日に保険医療機関取消処分を受け, 3ヵ月後に再度保険医療機関として指定されたものの, 5年間にわたって, 標榜科と病床数の制限を受けた. 病院の存亡の危機に直面した時期に院長として務めたわれわれは, 職員の士気の昂揚を図り, 各人の意識改革を行うことに主眼をおいた. 岩手病院の存在の意義を明確にするために職員として何をなすべきかを明快で具体的な内容からなる「病院の目標と基本方針」を策定した. 一連の不祥事に学び, 「情報の共有」の重要性を認識し, 情報の共有の場として「診療支援委員会」を毎週1回開催した. また, 広大な敷地の環境美化を図り, その作業を通じて職員間の意思疎通を図ることを目的とした各職場の代表からなる環境整備の日を毎週1回1時間設けた. さらに, 従来の公務員像から脱却し職員の意識改革を行うために, 情報の共有, プラスα, 現場主義等のキーワードを盛り込んだ職員の行動指針として「十訓」を定めた. 以上の4つを, すべてに優先して病院運営の基本的な4本柱とした. その結果, 重症児(者)病棟では, 全国の国立療養所に先駆けて1週間の入浴回数を2回から3回に増やすことを実現し, 夕食の喫食時間の繰り下げ, 病棟配膳から中央配膳への変更, 在宅重症児(者)の短期入所の著明な増加, 食形態の見直し等へと繋がっていった. 病院全体としては, 独法移行後に労務系職員が本来業務を超えて職種横断的な機能的単位である「サービス班」を形成して, 班全体として院内清掃, 洗濯物の整理, 環境整備, 建物設備の補修等に当たる業務へのスムースな移行が可能になった. 看護業務を軽減するために, 看護課への各職場の協力体制が出てきた. 今後は, 国立病院機構の掲げる質の高い医療を遂行するためには, 病院を変えるリーダーとなりうる医師の確保こそが最大の課題である.