出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.396, pp.40-43, 2006-03-24

2005年5月,福岡県久留米市で架け替え中の「大橋」で,架設していたコンクリート桁が崩落する事故が発生した。2径間連続のPC(プレストレスト・コンクリート)中空床版橋のうち,左岸側の床版が中央からV字形に折れた。コンクリート打設などの作業中だった作業員10人が約6.4m落下し,軽傷を負った。 旧大橋は,筑後川の支川である巨瀬川こせがわに架かっていた。
著者
森 日出丸
出版者
Japanese society of turfgrass science
雑誌
芝草研究 (ISSN:02858800)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.117-121, 1982

ペンクロスベントグラスの乾燥種子に放射線を照射し, その中から栄養体選抜して得られた, スプリングスの地上部栄養形態の特徴を, ペンクロスと比較し調査した。<BR>その結果は, 以下のように要約される。<BR>(1) 茎葉の伸長生長は, 終始ペンクロスが少し大きかったが, いつの時期においても有意差は認められなかった。<BR>(2) 葉身長は, スプリングスが長い形態となる傾向はあるが, 必ずしも有意な差をもって長くなるとはいいがたい。葉巾はいつの時期の測定においても, スプリングスが狭くなる。<BR>その他の葉の形態形質には差は認められなかった。<BR>(3) 節間長はスプリングスが20%ほど短かく, 節間径は, 10%ほど細い形質となる。<BR>(4) スプリングスは, 葉巾が狭く, 稈茎が短少であるため, 密度の高い芝生を形成する。又やや葉長が長いことから, よく低刈りにも耐えるものと考えられ, 極く短かく, 頻繁に刈込んで利用するゴルフ場のパッテンググリーンにはもっとも適応する品種であると考えられる。
著者
安野 洋一 前田 基彰 佐藤 みち子
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.573-578, 1975-08-01 (Released:2012-03-24)
参考文献数
12

Dermadromeとしての脂漏性皮膚炎を検討するために京都府立医大皮膚科外来患者(昭和42~46年)で統計的観察をおこなつた。脂漏性皮膚炎は全体で3.32%にみられ, 疹型別(安田の分類に準ず)ではscalp type, facial type, flexural type, localized typeの順に多かつた。多発型と限局型の比は1:2.7であつた。つぎに全身性疾患との関係を糖尿病, 前糖尿病状態, その他の全身性疾患の3つに分けて検討した。全身性疾患を合併した脂漏性皮膚炎は18.9%にみられ, 40才以上で著明に増加した。高率にみられた疹型はflexural type, psoriasiforme, facial type, scalp typeの順で, とくにflexural typeは糖尿病, 胃腸疾患, 肝疾患で多い傾向がみられた。また全身性疾患を伴う症例では多発~汎発型が増加した。
著者
金子 孝昌
出版者
日本医真菌学会
雑誌
Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.297-303, 2011 (Released:2011-11-28)
参考文献数
18
被引用文献数
2 4

Malassezia 属真菌は,皮膚の脂漏部位に常在する好脂性の真菌であるが,一方で,癜風,マラセチア毛包炎,脂漏性皮膚炎,アトピー性皮膚炎の起因菌もしくは増悪因子として知られている.本属真菌はribosomal DNA/RNA解析により再分類され,さらに新菌種報告も続いた.これらは非常に類似した形態と生化学的性状を有しており,表現形質を利用した鑑別は難しいと考えられてきた.分子生物学的解析法は最も信頼性の高い同定法といえるが,一般の検査施設では利用できない状況にある.われわれは(1)分離培地の開発と簡易鑑別法の開発,(2)簡易鑑別法の検証と再構築を研究し,報告した.

1 0 0 0 OA 脂漏性皮膚炎

著者
清 佳浩 中林 淳浩
出版者
日本医真菌学会
雑誌
日本医真菌学会雑誌 (ISSN:09164804)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.73-77, 1999-04-30 (Released:2009-12-18)
参考文献数
25

脂漏性皮膚炎の発症には,皮脂の異常,内分泌異常,ビタミン代謝異常,癜風菌などの感染,環境因子,ストレスなど様々な因子が関与しているとされている.近年,これら因子のうち癜風菌が注目を集めている,癜風菌は,現在7菌種に分類されているが,各菌種の役割,病原性はまだ確定していない.今回,脂漏性皮膚炎の診断,鑑別診断,検査,直接検鏡,風菌の培養結果,治療について述べた.Parker-KOH染色を用いた直接検鏡で,脂漏性皮膚炎病巣中に認められる胞子には,球型と卵型があった.健常人の総皮脂量に関しては,男性で皮脂の高値例が多く,胞子数も男性に有意に多く認められた.胞子数と皮脂の間には,相関関係は見られなかった.脂漏性皮膚炎の顔面の病巣からMalassezia globosa, Malassezia furfurを多く検出した.抗真菌剤は菌要素陽性例の約80%で有効以上.抗真菌剤使用例のうち著効例ではすべて胞子数が減少した.抗真菌剤による治療は,ステロイドに比べて再発率が低かった.今後,脂漏性皮膚炎に対し,ステロイドに比べて局所副作用が少なく,再発しにくい抗真菌剤がより広く用いられるようになることを期待する.
著者
植木 理恵 清河 幸子 岩男 卓実 市川 伸一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.92-102, 2002-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

「テーマ学習」とは, 児童・生徒が自らテーマを選択し, 情報収集を行い, その結果をまとめて発表する一連の学習活動である。現在は「総合的な学習」の導入への移行期にあたり, このような自己制御的な学習に関する先進的な取り組みがすでに多く報告されている。しかしこれまでの実践事例は, どのようなテーマについて, どのような学習活動を行ったかという記述に留まっているものが多い。教育心理学的な視点からは, 学習者がどのような内的な知識・技能をもち, それをどう高めていくかが問われるであろう。そこで本研究は, 筆者らが大学において地域の児童・生徒を招いて開催してきた実践活動の中で, スタッフがいかにテーマ学習を支援しようと試み, それが子どもたちにどのような効果をもたらしたかについて検討を行った。その結果, 1年間の準備期問とテーマ学習の体験を通して, 子どもたちは「情報どうしを比較すること」「情報を統合すること」といったスキルを自発的に身につけていることが明らかになった。そのような結果をもたらしたスタッフの有効な働きかけとしては「一般的な自己制御学習のスキルを直接教授すること」と「子どものモニタリング機能を担うこと」などがあげられ, 今後のテーマ学習の際にはこのような支援をより意図的に行うことの必要性が示唆された。
著者
竹下 浩 奥秋 清次 中村 瑞穂 山口 裕幸
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.423-436, 2016-09-30 (Released:2016-10-31)
参考文献数
33
被引用文献数
4

近年日本の製造業で生産技術者の育成が急務となっており, 高等教育でも「ものづくりPBL」の取り組みが増加している。しかし実際のチームワーク形成過程は解明されておらず, 効果的な授業評価法を確立するために, その解明が求められている。そこで本研究は, ものづくり型PBLのチームワーク形成プロセスを説明・予測できる理論モデルを提示する。6校13名からデータを収集, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した結果, 42の概念が生成された。ものづくり型PBLにおけるチームワークの形成プロセスは, ものづくり・チーム活動・スキル蓄積という3つの過程で構成されており, 主な特徴は以下の3点である。(1) 製作段階ごとにスキルが試される結果, ものづくり過程はチームワーク形成過程に強制力を有していた。(2) チーム活動課程は, サブチーム(製作物の専攻科別担当チーム)の形成から発達し, 協業あるいは孤島化へと至る。(3) 成員はものづくりを目的としてチーム活動する一方, チーム活動の派生物としてスキルを習得していく。考察では, 先行研究では説明できない点を議論する。さらに, 高等教育や企業の人材育成への示唆を提示する。
著者
安藤 忠雄 平島 寛
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.685, pp.32-37, 2001-02-05

昨年,産業廃棄物の不法投棄で社会的関心を呼んだ香川県・豊島てしまに緑を取り戻そうと,住民側弁護団長の中坊公平氏と共同で「瀬戸内オリーブ基金」を創設した。淡路夢舞台では,建築にかかわった人たちの同窓会を開いた。
著者
山本祥吉 著
出版者
金の星社
巻号頁・発行日
1943
著者
文部省 編
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
1902

1 0 0 0 OA 魚の話

著者
三浦定之助 著
出版者
興亜日本社
巻号頁・発行日
1941
著者
張 淑梅
出版者
日本福祉大学経済学会
雑誌
日本福祉大学経済論集 = The Journal of Economic Studies (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.71-87, 2016-09-30

本稿は, 近年脚光を浴びている共有型経済に注目し, その中核的要素の1 つである協働的消費に焦点を当てて, 経験価値の創出によるサービス・イノベーションのあり方について議論するものである. イノベーションを実現させる最新の事例分析を通じて, 成功したビジネスモデルの本質が消費者の潜在的需要を見抜き, 優れた経験価値の提供にあることを明らかにする. その上で, 既存の企業が共有型経済のトレンドに適応すべく, 経験価値の観点から自社のサービス定義を再考し, その提供方法を実験的に見直すべきであることなど, サービス・イノベーションを実現させるための戦略と課題について考察する.
著者
守屋 文夫
出版者
高知医科大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

尿中濫用薬物の簡易スクリーニングキットであるトライエージ(フェンシクリジン、ベンゾジアゼピン類、コカイン代謝物、アンフェタミン類、オピエイトおよびバルビツール酸類を同時に検出可能)を溶血液にも応用可能な試料の前処理法を考案した。本前処理法は、血液1mlにスルフォサリチル酸50mgを加えて除蛋白後、上清に酢酸アンモニウム25mgを加えて中和するといった極めて簡便かつ迅速な方法であり、僅か5〜10分で透明な除蛋白液を得ることができる。本前処理法を応用したトライエージスクリーニング法によるフェンシクリジン、ジアゼパム、ベンゾイルエクゴニン、メタンフェタミン、モルフィン、フェノバルビタールおよびセコバルビタールの最小検出限界は、それぞれ50ng/ml、900ng/ml、600ng/ml、1,000ng/ml、600ng/ml、900ng/mlおよび900ng/mlであり、中毒レベルのそれら薬物を検出するに十分な感度を有していた。但し11-カルボキシ-テトラヒドロカンナビノールの場合、除蛋白処理操作中に薬物が蛋白と共に共沈してしまうため、十分な検出感度を得ることはできなかった。腐敗試料では、細菌の代謝により産生されるフェネチルアミン等の腐敗アミンによりアンフェタミン類偽陽性となるため、結果の判定に際し注意が必要であった。なおフェネチルアミン単独では、5,000ng/ml以上の濃度でアンフェタミン類偽陽性となった。本スクリーニング法を法医解剖48例の溶血液および混濁尿に応用した結果、薬物検出感度および特異性にやや問題があるものの、法医学実務上非常に有用であることが確認された。
著者
加藤 満利子
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.29, no.10, pp.1249-1259, 1987-10-25 (Released:2011-03-01)
参考文献数
29

The autonomic function was evaluated in 18 hypotensives (HP), 22 normotensives (NT) and 16 hypertensives (HT) patients on longterm hemodialysis (HD) and compared with 8 with Shy-Drayger syndrome (SDS), etc. The interbeat interval response to Valsalva maneuver (Vm) was significantly lower in HP than NT (p<0 .01) or HT (p<0.001) and was similar to those of SDS (n, s.).Overshoot in arterial pressure after Vm was positive in HP 8.3%, NT 71.4%, HT 100% and SDS 0%. Among HD patients, HP showed the most serious baroreflex arc dysfunction. However, the response to cold pressor test in HD patients was as same as those of SDS and controls . Clonidine test demonstrated depressor response in HP. Although, the decrease of SBP (p<0 .01) and DBP (p<0, 02) during orthostasis was smaller in HP than SDS, no change of heart rate was observed between HP and SDS. Thus, the afferent or efferent limbs and central sympathetic activity appeared to be intact. Although the decrease of pressor response to angiotensin II independent of PRA levels in HP, the response to norepinephrine (NE) was related to plasma NE levels. Furthermore, motor nerve conduction velocity was delayed in HP in comparison with NT and HT Administration of midodrine raised SBP from 91.0±7.6 to 110.0±27.2 mmHg and DBP from 51.613.4 to 61.8±19.6 mmHg. The results suggest the abnormalities in baroreflex arc and vascular wall contractility with peripheral neuropathy. Therefore, we conclude that, although the sites remained to be clarified, HP show the autonomic disorders and that midodrine seems to be effective on such patients.
著者
神田 直 林 英人 小林 祥泰 古橋 紀久 田崎 義昭
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.299-306, 1980-09-25 (Released:2010-01-22)
参考文献数
34
被引用文献数
4 1

脳卒中急性期の交感神経活動を知る目的で発症48時間以内の患者64例を対象に血漿カテコールアミンの変動を観察した.血漿ノルエピネフリン (NE) 値は, 脳出血, くも膜下出血, 脳梗塞の順に高く, その平均値はそれぞれ753±116pg/ml, 630±291pg/ml, 397±65pg/mlであった.脳出血の平均値は脳梗塞と対照とした非神経疾患々老19例の平均値292±2gpg/mlよりも有意に高値を示したが, 脳梗塞と対照の間には有意差を認めなかった.血漿NEの上昇はとくに大血腫, 広範な梗塞を伴う重症例で著しかった.死亡した13例の血漿NEの平均値1,199±162pg/mlは生存43例の平均値362±39pg/mlより有意に高く, 入院時の血漿NEは患者の生命予後を良く反映した.血漿エピネフリンについても同様の傾向がみられた.脳卒中急性期には交感神経系の興奮と副腎髄質機能の尤進を伴い, とくに予後不良な重症例で著しい.脳卒中急性期には脈拍,血圧,呼吸,体温などのvital signにしぼしば著しい変化がみられ,また発汗過多,消化管出血などを伴うことが少くない.これら多彩な臨床症状の発現には自律神経系が密接に関与していると推定される.さらに脳卒中患者ではValsalva試験における反応異常, 起立性低血圧, 体位変換に伴う血中ノルエピネフリン (NE) 反応の低下など自律神経機能異常がみられることが報告されている.一方最近では脳循環の調節機序における自律神経系の役割が注目され, 脳卒中急性期にみられる脳循環代謝動態の異常にも自律神経異常を伴うことが推測されるが,現在のところこれを実証するような成績は得られていない.したがって脳卒中急性期の自律神経活動についての観察は, 脳卒中の病態を解明する上でのひとつのアプローチになると考える.血中NEは主として交感神経の末端に由来し, その変動は交感神経活動をかなり鋭敏に反映すると考えられている.脳卒中患者においては尿中カテコールアミン (CA) 排泄量の増加があり, さらに血中 CAレベルが上昇することが報告されている.また交感神経刺激によりNEと共にexocytosisによって放出されるといわれるドーパミン-β-水酸化酵素 (DEH) 活性も脳卒中急性期には血中で上昇する.血清DBH活性の変動からみても, 血中NEの変化は脳卒中発症数日以内の急性期に著しいことが予想されるが, これらの報告者の成績ではその検討が十分になされていない.また血中CAレベルと臨床症状との詳細な関係についても明らかでない.最近のCA測定法の進歩は目覚しく, 特異性と感度に優れた測定法が開発されつつある.一方CTスキャンの導入により脳血管障害の診断精度は著しく向上し, 出血と梗塞の鑑別はもとより, 病巣部位までかなり正確に診断が可能となった.そこで著者らはとくに脳卒中発症後極く早期の患者を対象に血中CAの変動を観察し, さらにその臨床的意義についても検討を行った.
著者
山浦 由郎 中村 和夫 石原 祐治
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.110-115_1, 1997-04-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

長野県内で1970年から1994年までの25年間に発生したきのこ中毒を統計学的に解析した. 中毒は1972年及び1987年を除いて毎年発生し, 年平均約5件の発生, 20人の中毒者があった. 原因きのこの種類別ではカキシメジ, クサウラベニタケ, ツキヨタケの3種のきのこで, 全きのこ中毒事例の約70%を占めていた. 毒きのこを発現する特徴的な中毒症状別に分類した場合, 発症率は胃腸障害型きのこ, 入院率は神経系症状型きのこ, 死亡率はコレラ様症状型きのこでそれぞれ最も高かった.