著者
山田 寛康
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.47(2007-SLP-066), pp.13-18, 2007-05-24

本稿では日本語固有表現に対してShift-Reduce法に基づく抽出法を提案しIREX日本語固有表現抽出タスクを用いてその有効性を検証する. 提案手法はShift-Reduce法に基づくことで 文頭から順に固有表現の語境界推定後にその種類を推定するという自然な解析が実現できる. また日本語における形態素単位解析では 形態素語境界と固有表現の語境界が異なる場合の誤抽出が問題となる. この問題に対し 提案手法は簡単な拡張アクションを追加することで 入力文全てを文字単位に解析することなく対処できる. CRL固有表現抽出データを用いた五分割交差検定による評価実験では 文頭から文末に向かって部分的に文字単位解析する効率的な方法で 0.88 のF値を得た.
著者
能勢 卓
出版者
聖トマス大学
雑誌
サピエンチア : 英知大学論叢 (ISSN:02862204)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.101-113, 2005-02-28

The characteristic use of masks in The Great God Brown makes this play attractive and holds fascination for the audience, but at the same time it hinders them in comprehending the connotation of the masks, so different scholars have developed different arguments as for the use of the masks in the play. In this paper we will be concerned with the problem of the personification of the mask and of the transference of personality by the personified mask in Act II. iii. We will briefly examine the problem of the personification of Dion's mask seen in Acts I and II, and then we will discuss the problem of transference of the personality by the personified mask of Dion. In order to explore this issue, we will mainly analyze the following two points: the first is Brown's shift of perception to Dion's mask, from objectified to personified, in the scene where Dion leaves his mask to Brown; the second is varying degree of Dion's mask's independence from Dion himself. It will be found through our examination that showing the shift of Brown's recognition of Dion's mask and of the perspective between Brown and the mask enables O'Neill to dramatize the transfer of Dion's personality to Brown on the stage, by which he enables the development of the following two acts of the play.
出版者
東京創元社
巻号頁・発行日
vol.第2 (私はこうして詩を作る), 1955
著者
藤丸 麻紀
出版者
和洋女子大学
雑誌
和洋女子大学紀要. 人文系編 (ISSN:09160027)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.85-99, 2005-03-31

現在歯止めがかからない少子化の進行に対し、従来以上に包括的な政策として平成14年に発表された「少子化対策プラスワン」の内容を検討すると、大きく分けて、仕事と子育てとの両立支援(政策Aとする)、子育て費用軽減サービス(政策B)、出生力増加の基盤づくり(政策C)の3つの分野から成っている。また、少子化の要因を示す統計からは、仕事と子育てとの両立が難しい中で育児費用負担が大きいという「経済的要因」と、晩婚化・晩産化のために出生力が低下しているという「高齢要因」が大きなネックとなっていることが分かる。そこで本稿では、今後の少子化対策としては、政策Aの公的保育サービス(保育料金の公的負担)と、政策Cの供給サイドの少子化対策が重要であると考え、理論モデルを用いて政策の効果の分析を行なった。その結果、政策Aについては「保育サービスの拡充と費用補助」を行い、育児と仕事の両立という選択肢が妨げられないような支援を行なうこと、および政策Cについては「出生力増加のための不妊治療の負担補助」などの対策が必要であると言える。今後は、本稿のモデルや仮説に合わせた実証分析を充実させ、各政策の効果の測定を行なう予定である。
著者
軍司 聖詞
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.305-310, 2013
被引用文献数
1

実習制度活用の先進地域である茨城県八千代町において,事業協同組合監理の実習生を受け入れている農家に対するヒアリング調査を行い,受け入れ農家の営農状況や受け入れに関する諸費用などについて調査を行う。これをJAによる監理と対比することで,監理団体としての事業協同組合の役割が明らかとなる。また,事業協同組合は,管轄区域のあるJAと異なり,地域を超えて実習生を斡旋することが可能であるため,実習生の斡旋を全国的に行っている事業協同組合も少なくない。さらに,実習生の斡旋を行う事業協同組合の多くは,農業以外の業種に対する斡旋も行っており,よってこの多くは都市部に事務所を置いている。そこで本研究では,東京都内の事業協同組合に対するヒアリング調査を行い,事業協同組合における実習生監理の概況を事例的に明らかにするとともに,事業協同組合による実習生斡旋の特徴について明らかにする。加えて本研究では,事業協同組合に実習生を送り出している中国の送り出し機関へのヒアリング調査を行い,事業協同組合に送り出される実習生が,どのようなプロセスを経て日本での実習を行うに至るのかを明らかにする。また,監理機関としての事業協同組合の位置や現況について,送り出し機関の視点から明らかにする。以上によって,事業協同組合監理の実習生を受け入れる農家の営農のありようが理解されるとともに,事業協同組合を利用した実習生の送り出しから受け入れに至る状況が,送り出し機関,事業協同組合,農家の3者から総合的に理解され,外国人技能実習生の受け入れにおける事業協同組合の役割が明らかとなる。
著者
山田 英津子 有吉 浩美 堀川 淳子 石原 逸子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.41-62, 2005-03-01
被引用文献数
3

男女雇用機会均等法施行(1985)以降, 女性の職域は広がり女性の労働力人口は今後も増えることが予想される.一方, 旧来の性別役割の意識の存在や不十分な支援制度や保障では, 職業生活と子育ての両立が難しく出産を機に退職する女性も多い.育児期にある母親の心身の負担を軽減する為には, ソーシャル・サポート・ネットワークの存在の必要性が指摘されている.しかし, 働く母親を支えるソーシャル・サポートの詳細は不明である.本研究では, 働く母親の意識とそれを取り巻くソーシャル・サポート・ネットワークの実態を明らかにし, 仕事と家事・育児の負担軽減の支援について検討することを目的とした.18名の対象者に, 自記入式質問紙と半構成的面接法を実施した.その結果, 半数以上の母親が, やりがいや自己成長, 気分転換を働く目的とし, 仕事の継続を望んでいた.仕事と家事・育児の両立に必要なソーシャル・サポートは, 夫, 夫以外の家族, 会社や職場の理解であった.夫のサポート内容は, 物理的サポートが主であり, むしろ, 祖母の協力の方が物理的・情緒的・経験的サポートとして家事・育児に役立っていた.また, 保育所への不満や要望は強かった.これらの結果より, 男性が育児に参加できるよう職場の意識改革や労働時間の見直し, さらに, 育児支援の為の保育所や学童保育の充実の必要性が示された.
著者
小池 朋孝 上田 康久 横山 美佐子 辺土名 隆 芝原 美由紀 川端 良治 岩松 秀樹 佐藤 優子 遠原 真一 安達 まりえ 広瀬 真純
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.369-369, 2003

はじめに<BR>呼吸理学療法(CPT)において、特に肺理学療法と呼ばれる用手的排痰手技は、痰の喀出、1回換気量の増大など、その場での効果の報告は良く見受けることができる。しかし、急性期における介入がどの程度の効果をもたらすかという報告は、特に小児急性期には見当たらない。当院では、小児呼吸器疾患重症例にCPTの適応、不適応を検討し、必要な場合にCPTを展開している。今回、小児急性期呼吸疾患により重度呼吸不全を呈した症例に対し、第1病日から医師、看護師、理学療法士から構成される小児CPTチームに参入し、CPTの適応、不適応を検討し、必要な場合にCPTを展開した症例を数例経験した。小児集中治療室(PICU)入室日数、入院日数、再悪化、再入院、人工呼吸器管理中の肺機能の肺コンプライアンスの指標として人工呼吸器の最高吸気圧(PIP)、酸素化の指標としてPaO<SUB>2</SUB>/Fi O<SUB>2</SUB>(P/F比)の推移を数値化し、一定の傾向が見られたので考察を交え報告する。<BR>症例1:1歳男児 クループ 肺炎 二次合併症として気胸を呈する<BR>症例2:6歳女児 ARDS<BR>症例3 4歳女児 ARDS<BR> 気管支喘息以上の3症例に対し可能な限り、早期から参入し、医師、看護師との相互の情報交換によりCPTの施行・非施行を判断し、必要な場合には適宜CPTを行うこととした。抜管後も、吸入時の呼吸介助、用手的排痰法を行い、一般病棟入院中家族指導、退院後外来フォローを行った。<BR>結果<BR>PICU入室日数、入院日数に関しては、病態の相違もあり一定の傾向は見られなかった。再度悪化し、一般病棟から、PICU管理となった症例や、人工呼吸器PIPを上げなければならない症例は認めなかった。P/Fについては悪化の傾向は見られなかった。退院後数ヶ月以内の再入院患者はいない。また、脳血管障害などの二次的合併症を生じた症例はいなかった。<BR>考察<BR>小児呼吸器疾患急性期の呼吸管理において、理学療法士が早期から介入することによる悪影響は示唆されなかった。また、医師、看護師との連帯を密にし、病態理解に勤め、適切な手技を選択することにより、肺二次合併症の予防、治療、肺のコンディションの維持につながると思われた。病態の理解により、CPTが急性期呼吸管理に有用であると示唆され、状態の換気力学的な解釈などの観点から理学療法士の介入に意義があると思われる。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1589, pp.26-31, 2011-05-02

レタスやホウレン草の産地として知られる群馬県昭和村。この山あいの農村も外国人労働力"蒸発"ショックの例外ではなかった。農作業の担い手として受け入れてきた外国人技能実習生は、3月、相次いで帰国していった。 そんな中で1人の帰国者も出さなかった職場がある。タイ人を10人受け入れている農業生産法人、グリンリーフ(昭和村)もその1つだ。
著者
坂田 昌弘
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.147-151, 2006 (Released:2013-02-19)
参考文献数
20

The pollution and sources of mercury in Tokyo Bay were investigated on the basis of about one year of observations. The outputs (557 kg yr-1) of mercury considerably exceeded the inputs (107kg yr-1), and the imbalance between the inputs and outputs for mercury was much larger than that for Cd, Cr, Cu, Pb and Zn. These suggest that there are other major inputs of mercury to Tokyo Bay. In Japan, large amounts of organomercurous fungicides were extensively used in fields in the past, and most of the mercury from these was retained in soil. In this study, the mercury concentration in rivers was measured primarily in ordinary runoff. These lead to the hypothesis that field soil discharged into stormwater runoff is a major source of mercury in Tokyo Bay. As a preliminary approach to validating this hypothesis, we measured the concentrations of mercury and other trace metals (Cd, Cr, Cu, Pb and Zn) in river water during a typhoon. The increase in mercury concentration in stormwater runoff was much higher than the increases in other metal concentrations, which tends to support the hypothesis.
著者
山崎 範夫 遠山 敏之
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.400, pp.82-85, 2008-07

1950年高知市生まれ。73年慶應義塾大学法学部卒業。入社前の学生時代からアルバイトとしてビヤホールで働き、75年にサッポロライオンに入社。営業部課長、北海道事業本部長など、サラリーマン生活のほとんどを現場で過ごす。2003年7月、サッポロライオンとして初の生え抜き社長に就任。在任5年になるが、就任当初から現場主義を貫き、今でも毎晩のように店舗に顔を出している。
著者
加藤 里美
出版者
日本経営診断学会
雑誌
日本経営診断学会全国大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.74-76, 2009

本研究の目的は,岐阜県のA社における中国人研修生・技能実習生,彼らと共に働く日本人従業員,中国人従業員を対象に,改善活動に伴う会社や職場での意識,会社内のコミュニケーションの実態について明らかにしていくことである。外国人研修生・技能実習生を対象とした研究のほとんどが彼らへの聞き取り調査を中心としており,質問紙調査を用いた研究が極めて少ないこと,また協働する日本人従業員の意識に焦点を当てていないことから,本研究による結果は,中国人研修生・技能実習生を雇用する企業に何らかの示唆を与えることができる。