- 著者
-
田中 良哉
- 出版者
- 日本臨床免疫学会
- 雑誌
- 日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
- 巻号頁・発行日
- vol.27, no.1, pp.28-33, 2004 (Released:2004-12-28)
- 参考文献数
- 20
関節リウマチ (RA) や全身性エリテマトーデス (SLE) 等の全身性自己免疫疾患の病態形成の過程で, B細胞は自己反応性T細胞に対する抗原提示細胞, 並びに, 自己抗体産生細胞として中心的な役割を担う. CD20はB細胞に特異的な抗原であり, リツキシマブを用いたCD20抗体療法はB細胞リンパ腫を対象に保険収載される. 欧米では, 造血系自己免疫疾患, SLEやRAに対しても, CD20抗体が試用され, 認容性と有効性が報告される. 著者らは, CD20抗体療法の難治性SLEに対する有効性と免疫異常リセットの可能性を示唆している. 今後, 自己免疫疾患の治療分野で, CD20を標的とした治療が寛解導入へのブレークスルーを齎せばと期待される.