著者
松野尾 裕
出版者
愛媛大学経済学会
雑誌
愛媛経済論集 (ISSN:09116095)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.29-51, 1996-12-25
著者
MORO Shigeki
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.1126-1132, 2015-03

雲英晃耀(きら・こうよう,1831-1910)は,幕末から明治時代にかけて活躍した浄土真宗大谷派の僧侶で,キリスト教を批判した『護法総論』(1869)の著者として,また因明の研究者・教育者として知られる.特にその因明学については,『因明入正理論疏方隅録』のような註釈書だけでなく,『因明初歩』『因明大意』などの入門書が知られているが,その内容についてはこれまでほとんど研究されてこなかった.雲英晃耀の因明学については,いくつかの特徴が見られる.一つは実践的,応用的な面である.雲英は国会開設の詔(1881)以来,因明の入門書等を多数出版しているが,そのなかで共和制(反天皇制)批判などの例をあげながら因明を解説している.また,議会や裁判所などで因明が活用できるという信念から因明学協会を設立し,政治家や法曹関係者への普及活動を積極的に行った.もう一つは,西洋の論理学(当時はJ. S. ミルの『論理学体系』)をふまえた因明の再解釈である.雲英は,演繹法・帰納法と因明とを比較しながら,西洋論理学には悟他がないこと,演繹法・帰納法は因明の一部にすぎないことなどを論じ,西洋論理学に比して因明がいかに勝れているかを繰り返し主張していた.そして,三段論法に合わせる形で三支作法の順序を変えるなどの提案(新々因明)を行った.この提案は西洋論理学の研究者である大西祝や,弟子の村上専精から批判されることになる.雲英による因明の普及は失敗したものの,因明を仏教から独立させようとした点,演繹法・帰納法との比較など,後の因明学・仏教論理学研究に大きな影響を与える部分もあったと考えられる.
著者
中島 志郎
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.728-735, 2015-03
著者
朴 君 小川 貴弘 長谷山 美紀
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J98-D, no.5, pp.823-834, 2015-05-01

本論文では,走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscop,SEM)で撮像された画像を用いた生物の分類法を提案する.提案手法では,生物学者が構築した分類体系に注目し,各ノードにその下位のノードへの分類を行う分類器を割り当てることで,決定木を構築する.これにより,構築された決定木を用いて生物の分類が可能となる.このように,生物の分類に有用な分類体系の構造を導入することで,画像特徴のみに注目する生物の分類法と比較して,高精度な分類が期待できる.また,提案手法では,更なる精度向上のため,以下の二つの処理も導入する.まず,分類体系において,画像特徴が類似する異なるノードに注目した決定木の変更を行い,誤分類を抑制する.次に,同種の生物の異なる撮像倍率の画像に対し,モーフィングを施すことで学習データの充足を行う.以上によって,提案手法では,SEMで撮像された生物の高精度な分類が可能となる.本論文の最後では,提案手法の有効性を確認するための実験結果を示す.
著者
中山 留美子
出版者
弘前大学21世紀教育センター
雑誌
21世紀教育フォーラム
巻号頁・発行日
vol.8, pp.13-21, 2013-03-30

近年、大学教育において「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」の推進が重要課題となっている。平成24年8 月には中央審議会答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」がまとめられ、この課題はより一層明確にされた。弘前大学では平成24年12月8 日に、この課題についてのFDワークショップ「能動的学修(アクティブ・ラーニング)の推進に向けて」が開催された。本稿は、このワークショップでの講演内容を基に、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」推進のためのPBL教育の導入について論じる。まず、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」とは何かということについて心理学的な視点から説明を行い、大学教育の現状について考察する。その上で、「アクティブ・ラーニング(能動的学修)」の推進に効果的な教育方法の1 つとして、PBL教育を紹介する。また、PBL教育を導入する際の困難や具体的な工夫について述べる。
著者
中川 陽之 小林 洋一 渡辺 則和 箕浦 慶乃 勝又 亮 河村 光晴 安達 太郎 小原 千明 宮田 彰 丹野 郁 馬場 隆男 片桐 敬
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.16-20, 2004

38歳の女性,主訴は意識消失発作である.既往歴として2回の失神歴を有した.平成12年1月頃より,起立時の立ちくらみが頻発し始めた.同年12月,起立位で上司との会話中,立ちくらみが出現した.息をこらえ我慢していたところ意識消失発作が出現したため救急車で某病院に搬送され,当院紹介受診となった.理学的所見,非観血的検査に異常は認められず,臨床経過よりneura11y mediatedsyncopeが疑われたためhead-up tilt test,頸動脈洞マッサージを施行したが,失神発作は誘発されなかった.Valsalva試験は第II相,第IV相における異常反応が認められ,valsalva ratioは低下しており,自律神経系異常パターンが認められた.このことより,再度80度受動起立下で息こらえをしたところ,開始直後より急激な血圧の低下をきたし,約6秒後に臨床症状と同様の失神発作が誘発された.以後,日常生活での息こらえを必要とする動作の禁止を指導し,外来経過観察中である.息こらえにより失神発作が誘発される症例は,我々が検索した限り,成人例においては2報告にすぎず,まれな症例と考えられ報告した.
著者
長谷 洋一
出版者
関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター
雑誌
国際シンポジウム 新発見「豊臣期大坂図屛風」の魅力 ―オーストリア・グラーツの古城と日本― 新発見「豊臣期大坂図屛風」を読む
巻号頁・発行日
pp.41-47, 2009-03-31

補助事業 文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業オープン・リサーチ・センター整備事業(平成17年度~平成21年度)なにわ・大阪文化遺産の総合人文学的研究
著者
子安信成 編
出版者
片山武兵衛
巻号頁・発行日
vol.地, 1880
著者
薩本 弥生 川端 博子 堀内 かおる 扇澤 美千子 斉藤 秀子 呑山 委佐子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

[目的] 現在の衣生活は、旧来の家庭で衣服を作る時代から、既製服を選んで購入する時代となった。日常着が洋装化し、既製服が普及した今日、きもの文化に触れる機会もめっきり減り、これらの技術や文化が若者に理解されにくくなりつつある。一方で、2006年に改正された教育基本法に「伝統や文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」が新たな教育の目標として規定されたことを受けて、新指導要領が2008年に告示され、中学校の技術・家庭科の衣生活分野では「和服の基本的な着装を扱うこともできること」が盛り込まれたため、和服の着装の体験を含めた教育プログラムを模索することは必要不可欠である。そこで本研究では、和服の中でももっともカジュアルで取り組みやすいゆかたの着装を含む体験的学習を通し、きもの文化を次世代に継承する家庭科の教育プログラムを開発し、その学習効果の検証することを目標とし、特に浴衣の着装実習において大学教育学部で事前に浴衣の着装指導に関してトレーニングを積んだアシスタントティーチャーを活用して技能の理解・習得に力点を置いた授業実践を試行的に行い、技能の理解・習得を目標に着装体験することがきもの文化への興味・関心を喚起するかを明らかにすることを目的とする。 [方法]2011年6月から9月に、Y大学附属K中学校において、家庭分野担当教員の協力を得て教育実習の一環で大学の実習生が2年生4クラスを対象とした浴衣を教材とした3時間(50分×3)の授業を実施した。実習直後および夏休み明け(事後)に着装感や技能習得意識に関する項目(23項目)について5件法で調査を実施した。23項目の直後・事後調査のデータがそろっている4クラス分の男女生徒159部(90.9%)を対象として、分析結果から得られた内容をもとに、授業の成果と生徒の意識変容について考察する。 [結果と考察] (1)因子分析によって抽出された全5因子を相関分析した結果、「興味関心因子」と「理解習得因子」に高い相関があることがわかった。(2)共分散構造分析の結果、「理解習得因子」から「興味関心因子」へのパス係数が有意であった。このことから「技能の理解・習得を目標に着装体験することがきもの文化への興味・関心を喚起する」という仮説が成り立つことが立証された。さらに男女による差異、帯結び部分練習の有無による差異を検討した結果、有意に差が見られた。以上の結果から、男女でのゆかたの色柄の違いや着付けの難易度の違いがある中で男女ともに、きもの文化に対する興味関心や理解習得を肯定的にとらえるために授業のさらなる工夫の必要性が明らかになった。着付け技能の理解・習得をめざした授業作りのために部分練習をすると理解習得意識が高まり、それが興味関心喚起に結びつくことがわかった。授業時間数が縮小傾向の中での時間数の確保が課題である。[まとめ]これまでの実践を通して教師自身の「きもの」文化に関わる意識啓発と知識・技能の力量形成が重要であることが明らかとなってきたので、大学で着付けの技能を中心に「きもの」文化に対する意識啓発と技能習得のためのトレーニングを積んだ学生をATとして活用したのが本研究の特徴である。ATの活用により教員に余裕が生じ、生徒への示範や指導が行き届き、授業が円滑に進行し、着装技能の理解や習得意識が向上し、きもの文化に対する興味関心の喚起にも有効であることが明らかになった。附属学校という地域のリーダー的な実践校での実践であり、設備や教材などの学習環境、教師の実践力向上に向けての周りの支援、さらに生徒の質の高さ等々が整っているため出来た実践という面はある。しかし、一般校でも、地域か、保護者の協力を仰ぐ体制づくりを整えて行くことで可能となると思う。
著者
伊藤 孝夫
出版者
宇部工業高等専門学校
雑誌
宇部工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03864359)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.37-57, 2006-03

The main purpose of this research was to discover the behavior of corporate organization. In order to accomplish this, the author reviewed research pertaining to organization theory and investigated five typical theories such as Organizational Ecology Theory, Institutional Theory, Resource Dependence Theory, Transaction Cost Theory and Organizational Network Analysis in this paper. Based upon the comparative study of the five organization theories mentioned above, and the economic theory of Sismonde de Sismondi, the author found that network analysis could be considered as a comprehensive effect perspective. Due to the advances in many application areas such as sociology, economics, and others, it has become increasingly apparent that the study of network organization is of crucial importance. Characters of quantitative measurement and qualitative analysis for network organization are explained in this paper. The new issue of the relationship between network analysis and the architecture of production system are referred to at the end of this paper.
著者
石橋 睦美 上野 佳奈子 橘 秀樹 渡辺 充敏
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.70, no.593, pp.9-16, 2005
参考文献数
20
被引用文献数
5

In order to investigate the subjective impression caused by various kinds of environmental sounds in residential buildings, a series of subjective tests were performed by laboratory experiment using a multi-channel recording/reproduction system. As the test sounds, road traffic noise, railway noise, air-conditioning system noise, rock music transmitted through a wall, structure-borne pump noise and floor impact sound were presented by single sound or by mixing two sounds to investigate the effect of the noises. As a result, it has been found that rock music and pump noise are much annoying/disturbing than road traffic noise and air-conditioning system noise even if they have the same A-weighted sound pressure level. Regarding the effect of complex noises, rock music and pump noise can be masked psycho-acoustically by air-conditioning system noise but railway noise and floor impact sound can not be masked by road traffic noise.
著者
木下 光生
出版者
奈良大学史学会
雑誌
奈良史学 (ISSN:02894874)
巻号頁・発行日
no.29, pp.95-123, 2011

近世日本の村社会における「貧困」や「貧農」の「実在」は、今なお、教科書でも一般向けの歴史書でも、「当たり前」のように説き続けられている。だが、ここで言う村や村人の「貧しさ」とは、いったい何を基準とした「貧しさ」なのであろうか。麻や木綿の服を着たり、雑穀を主食としたり、萱葺きの「粗末」な家に住むことが、なにゆえ「貧しい」ことなのか。「自給自足」の生活が、なぜ「貧しい暮らし」といえるのか。「富の偏在」がもたらした「極度の貧窮」とは、どのような生活実態を意味しているのか。本稿は、教科書におけるこの一見もっともらしい「村の貧しさ」の説明の仕方や、一般所で「所与の前提」とされる「貧農」の規程方法について、あらためて日本近世史研究(以下、近世史研究とする)におけるその研究史的経緯を整理し、村の「貧困」と「貧農」をめぐる研究現状と、今後の課題を検討するものである。
著者
上田 富美子 柴山 謙二
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学教育学部紀要. 人文科学 (ISSN:0454613X)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.47-54, 2010-12-03

本研究では、現代の大学生の職業選択を通して浮かび上がる心理的側面を他者の存在との関連に焦点を当てながら明らかにし、職業既決・未決定状態を規定する要因を検索することを目的とする。The present study was an attempt to identify contributing factors to both vocational decision and vocational indecision during adolescence, focusing on adolescent student's relations to their significant other and their psychological aspects seen through the process of vocational choices. Based on the results obtained from the study, career education which could possibly answer their needs was discussed. In this study, senior university students were surveyed by questionnaire to gauge their vocational awareness. As a result, it was revealed that for male students, independence from others contributed to vocational decision-making, and for female students, self-actualization was an important factor. It was also indicated that a coping strategy, in which a student changes his/her own cognition positively under stressful conditions to lessen stress responses, contributed to vocational decision.
著者
田端 泰子
出版者
史学研究会
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.1-29, 1966-09