著者
仁木 啓司 松浦 健二 後藤田 中 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.583, pp.139-144, 2007-03-02
被引用文献数
2

近年,パワーポイントによるスライド教材を利用した講義が多くなってきている.しかし,スライド教材での授業を行う場合,授業中は教員から学習者への一方向的な授業になるケースも多い.また,パワーポインドを単にWebコンテンツとして学習者に対して,一方的に配布するだけでは,スライド教材の特徴を十分に生かし切れていないと思われる.そこで,本研究では授業中に用いたスライド教材を,学習者自身が自由にカスタマイズし,それを通じて学習内容だけでなく表現手法の向上も行える学習環境を提案する.
著者
内藤 克彦 水野 幸男 林 和彦 山ノ井 基臣
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

日本およびメキシコにおける避雷器適用による電力供給の高信頼化を図るために、両国の研究者が共同し、送電線用避雷器設置効果のシミュレーション、変電所用避雷器の人工汚損実験などを実施した。具体的成果を以下にまとめる。1.メキシコ首都電力電灯公社および国家電力庁を訪問し、雷事故および避雷器に関して討論・調査を行った。雷事故記録に関する資料を入手するとともに、400-kV変電所などにおいて避雷器の設置状況の実地調査を実施した。2.4回線併架送電線を対象とし、避雷器の設置個数・場所と避雷効果との関連をEMTP(過渡現象解析プログラム)を用いたシミュレーションにより評価した。避雷器の設置個数が多いほど効果的ではあるが経済性も含めた検討が必要であること、同じ設置個数の場合には効果的な設置場所があること、がわかった。また、接地抵抗や雷道インピーダンスに関する評価も実施した。3.変電所用避雷器の人工汚損試験を実験室で行い、避雷器がい管の抵抗を8つの部分に分けて抵抗の時間変化を測定した。避雷器表面は全体が時間とともに一様に乾燥して行くのではなく、ある部分のみが乾燥し、他の部分は湿潤したままであることがわかった。4.前項の試験結果を基に避雷器表面抵抗の時間変化を数式で表わし、避雷器の物理・数学モデルを構築して避雷器表面および内部素子の電位・温度分布の時間変化をシミュレーションにより求めた。表面が乾燥する部分の分担電圧がかなり大きくなるが、素子損傷に至るほどの素子温度は上昇しないことがわかった。また、がい管と内部素子との間の放電発生を想定しても、素子損傷には至らないことがわかった。5.実験室で避雷器碍管表面の電位分布を実測する方法を調査・検討し、ポッケルス効果を利用した光電界センサが適しているとの結論に達した。発・受光回路の設計・製作をして動作を確認した。
著者
加藤 幸治
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.225-241, 2005-09-30

本稿では,企業グループの企業戦略や組織再編の中で,子会社とりわけ情報サービス子会社を中心とするサービス関連子会社がどのように配置・展開され,どのように再編されているのか,IT企業グループであるA社グループの展開とその日本法人・日本A社における子会社・関連会社の展開を跡付けることを通して検討していく.日本の情報サービス産業においては,大企業の影響力がもともと強く,近年におけるグローバル競争の本格化,金融グローバル化(なかでも日本における国際会計基準の導入)によって,大企業グループの動向が情報サービス産業に与える影響がより一層強まっている.グループ全体の利益が優先される中,子会社の生産性や市場での優劣に関係なく,全社的視点から位置付けや方針が決定されているからである.その中で情報サービス産業の子会社・関連会社の立地・配置やその展開は,情報サービス企業の論理によって決まるというよりも,むしろそれを一部として内包する企業グループを取り巻く競争環境・競争条件,それに対応するグループの戦略・行動に大きく左右されている.地域的視点からみれば,企業(子会社)とその立地地域との関係はこれまで以上に希薄なものとなり,「企業の論理」が貫徹される傾向が近年ますます強まっている.こうした「グローバル化」を共通の起動因とした企業グループの行動は日本企業に広くみられており,企業論的視点が産業・企業と地域との関係を捉える上で,より重要性を増している.
著者
日本古文化研究所 編
出版者
日本古文化研究所
巻号頁・発行日
vol.第8 法隆寺西圓堂奉納武器, 1938
著者
上條 俊介 松下 康之 池内 克史 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2597-2609, 2000-12-25
被引用文献数
51

画像上での車両のトラッキングは, 画像処理をITSにおける事故などの異常事象検出に適用するための基礎技術として重要である.しかし, 車両トラッキングでは, 従来から最も困難な課題の一つとしてオクルージョンの問題があり, 安定したトラッキングを実現することが困難な状況であった.特に, 我々の研究では大きな交差点を対象としているため, 平均20台程度の様々な大きさ, 形状の車両が様々な動きをし, オクルージョンも様々な条件で生じる.こういった状況でのトラッキングには, 従来の直線走行や空いている状況に適用していた.線形軌道予測や車両形状モデルを仮定するものとは異なるパラダイムが必要とされる.この問題を解決するために, 我々はMarkov Random Fieldモデルを時空間画像に拡張適用し, 1枚の画像中のみならず, 時空間画像中の隣接した画像同士でテクスチャの相関や移動物体軌跡の連結の確からしさを評価するアルゴリズムを考案した.更に, この時空間MRFでの表された画像のエネルギー分布を確率緩和過程で最適化した結果, 様々な状況でのオクルージョンに対しロバストなトラッキングが可能となった.この時空間MRFを混雑状況での約25分間の交差点画像に適用し, 3214台の通貨車両をトラックした.その結果, オクルージョンが生じていない車両に関しては99%以上の確率でトラッキングが成功し, オクルージョンを生じている541台に対しては95%程度の確率で複数台の車両を分離したトラッキングに成功した.このアルゴリズムでは, 車両形状モデルなども仮定せず, 濃淡画像から得られる情報のみを用いることで実現できるため汎用性が高く, また安定性も高いことから, 交差点における事故検出などへの応用が期待される.
著者
岩田 満 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.532-540, 1996-06-15
被引用文献数
14

本論文では、人間とコンピュータとのコミュニケーションの一例として、目的地までの道順が自然言語で与えられた場合を想定している。そして与えられた道順を理解し、経路決定を行うモデル、およびその経路決定モデルの状況に応じて、「喜びの表情」「不安な表情」などを表現する表情表現モデルを計算機上に実現する。経路決定モデルでは、自然言語の持つ意味のあいまいさを処理するためにファジィ集合を用いている。教示で与えられた言葉の意味を表すファジィ集合とモデルの周囲に見える情報の意味を表すファジィ集合との適合度を定義し、この適合度を用いて経路を決定する。一方、表情表現モデルでは、経路決定モデルの状況からファジィ推論を用いて感情を推測し、学習したニュートラルネットワークを用いて顔の各部の変化量を求め、顔の表情を表現している。いくつかのシミュレーション結果から、あいまいな教示が与えられたとしても経路決定モデルは目的地に到達できること、しかし、あいまいさの程度が大きくなると人間のように道に迷ってしまうことがあることがわかった。また表情表現モデルによって、経路決定モデルがどういう気持ちで目的地まで進んでいるかなどがわかるようになった。
著者
市原 純
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.26(第26回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.295-300, 2012 (Released:2014-09-20)
参考文献数
19

本研究は、地方自治体における国際環境協力の実施に影響を及ぼす要因を明確にすることを目的とする。とりわけ、政治的要因、行政余力などの行政的要因および地域間の波及要因が環境協力の実施や関連予算額の決定に対して影響を与えるのか、計量分析により検討する。計量分析の結果、革新知事、職員数に占める環境関連職員の割合や地域間の波及要因が環境協力実施に影響を及ぼすこと、また、職員数に占める環境関連職員の割合が、環境協力予算額の決定に影響を及ぼすことが確認された。
著者
玉井 由樹 西澤 昭夫
出版者
福山市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、東日本大震災で被災した中小企業の再建過程において疑似エクイティ型クラウドファンディングがどのような役割を果たしえるのか、その機能を明らかにすることである。本研究では主に以下の2点を実施した。第1に、クラウドファンディングに関する既存研究の整理、検討を通じて、定義、分類、分析枠組みを提示した。第2に、事例研究調査を通じて得られた定性分析を行い、震災時におけるクラウドファンディングの機能、資金調達企業に与えた影響、出資者の出資目的について明らかにした。
著者
菅野 昌義
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.36-43, 1981-01-30 (Released:2009-04-21)
参考文献数
24
被引用文献数
4 4

Japan depends most of her energy resources on foreign countries. Therefore, nuclear power generation is considered to be very important, but known domestic uranium resources are very rare. Hence, extraction of uranium from seawater has become of interest. Many investigations on this project have been carried out including the research programme by the Metal Mining Agency of Japan. The selections of the chemical processes, development of adsorbents mainly on hydrous titanium oxide, the elution process, the recovery of eluate by steam stripping or electrodialysis, secondary concentrations, the conceptual designs of the commercial plants, and some tentative cost estimations will be described.
著者
脇坂 季繁
出版者
聖マリアンナ医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

私たちの研究室では片麻痺モデルマウスに対してヒトiPS細胞から分化させた神経細胞の移植研究を行ってきた。Reelinは個体の発生過程において神経細胞の移動と運動皮質の層構造形成の制御を行う蛋白質として同定された。我々の実験系では脳内の炎症細胞と移植細胞はともにReelinを産生した。移植細胞はReelinの受容体を発現して移植細胞はReelinを受け取り損傷部皮質まで遊走しそこで神経ネットワークを再構築した。損傷部皮質まで移動した神経幹/前駆細胞は移動の過程で皮質運動神経への分化を伴った。片麻痺モデル動物への神経細胞移植ではReelinが組織学的な修復と機能回復に重要に関わる事が示された。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1063, pp.60-64, 2000-10-23

東京・西新宿にあるKDDIの本社ビルの27階。さわやかな秋晴れの日には富士山や東京湾がくっきり見える。そのフロアの1室で、10月初旬にKDDIの経営会議が初めて開かれた。 参加するのは、会長以下9人の代表取締役のほかに次期社長の就任が噂される元郵政事務次官の五十嵐三津雄顧問。そして京セラとトヨタ自動車の2大株主を代表する稲盛和夫、豊田章一郎の2人の取締役名誉会長だ。
著者
中林 暁生
出版者
東北大学法学会
雑誌
法学 (ISSN:03855082)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.491-519, 2009-10