著者
神保 太樹
出版者
星薬科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、我が国では認知症の治療効果をはじめとして、匂いの持つ機能性(嗅ぐことによって心身に与えられる影響)に注目が集まっています。しかし、特に脳に対する機能性についてメディア等で広く知られている状態にも関わらず、匂いが脳のどのような部位に作用するかや、個々人の体質によって効果に差があるのかははっきりと分かっていません。そこで、脳機能イメージング技術を用いて匂いが脳のどのような場所に影響を与えるかを可視化しました。さらに匂いによく触れる機会がある人について、匂いが脳に与える影響が異なることも観察しました。この結果を活かし、匂いによる機能性がより有益かつ効果的に利用される為の一助となれば幸いです。
著者
岸本 宏子 羽石 英里 ERICKSON Donna エリクソン ドナ 細川 久美子 鈴木 とも恵 河原 英紀 竹本 浩典 榊原 健一 藤村 靖 新美 成二 本多 清志 中巻 寛子 長木 誠司 八尋 久仁代
出版者
昭和音楽大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

音楽学の学際的な研究の試みとしてとりあげた「ソプラノの声の特性」の研究は、音声学、音響学、物理学、医学、声楽演奏、声楽指導、音楽学、音楽療法等の関係分野それぞれに、有益な収穫をもたらした。しかしそれにも増す成果は、研究の進行と共に個々の分野内の研究成果の枠を超えて、「学際的研究」としての総合的な研究への興味が高まって来た。そして、新たな研究代表者の下、本研究の成果を礎とした新たな研究へと発展的に継承されることである(基盤研究C25370117「歌唱時の身体感覚の解明:MRIによる発声器官の可視化と音響分析を中心とした試み」)。
著者
松村 多美子 DORIBAL T. SIMMONS D. ZHAODONG L. RAHMAN M.D. KANAKAMANI T OPENA M. HUNG T.B. BUDIHARDJO U NETTAVONGS K MILNE L. DINH D.N. TORRIJOS D.E 竹内 比呂也 谷口 祥一 永田 治樹 常磐 繁 内藤 衛亮 原田 勝 小野 欽司 猪瀬 博 LAHIRI A. YEE J. NEES J.M. DORJBAL T NETTAVORGS K NEES T.M. DORJBAL T. KANAKAMARI T 根本 彰 緑川 信之 山田 尚勇 CHEVAPRAPANA O ISMAIL M.S. SHRESTHA K. WIJASURIYA D
出版者
図書館情報大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

本研究はアジア・太平洋地域諸国が参加し,ユネスコ総合情報計画/ASTINFOの枠組みにおいて実施する国際共同研究である。これらの諸国は情報インフラストラクチャはもとより経済的発展段階,分化・歴史・社会制度などきわめて多様性にとんでいることから,本研究を効果的に進めて行くために研究分担者が集まり全体的な実施計画並びに方法について討議を行う必要があった。そこで平成6年10月11-14日に図書館情報大学において第1回国際ワークショップを開催した。これには海外から,インドネシア,タイ,フィリピン,ベトナム,オーストラリア,ユネスコ地域アドバイザーが参加し,調査研究の全体計画と方法論を討議し,さらに平成6年度の具体的実施計画を策定した。この結果研究方法としては,1)質問紙による調査を各国の研究分担者を中心とするナショナルチームが実施する。2)質問紙調査データ集計処理は日本チームが行う。3)現地調査は日本からの派遣研究者と当該国の研究分担者及びナショナルチームが共同で実施する。4)このため各国に研究分担者を中心とし,関連情報機関を網羅する組織(ナショナルチーム)を設置する。この研究方法はその後の実施を通じてきわめて有効であることが立証され、成果報告の場においても高く評価された。また,質問紙調査の調査項目についても討議を行い本研究を通じて使用する質問紙(英語)を作成した。平成6年度にはベトナム,インドネシア、フィリピン,タイにおいてそれぞれ研究分担者と共同で主要な情報センター,国立図書館,大学・研究所図書館など中心的な役割をもつ情報機関を対象に訪問調査を実施した。また,情報政策に関連する政府機関で関係者と意見交換を行うことができた。ベトナムでは研究分担者を中心にベトナム研究班を設置し,Information Infrastructure and Servies in Vietnam:Stuational Reportを作成し,わが国の派遣研究者を加えてハノイ市で全国セミナーを開催し,国立情報センター,国立図書館,文書館,通信関係者など情報関係者が集まり活発な討議を行った。平成7年度には8月21-25日に図書館情報大学において,第2回国際ワークショップを開催した。これには海外からバングラデシュ,ニュジーランド,フィジ-,フィリピン,ベトナムが参加した。ここでは1年間の研究実績をレビューし,平成7年度の研究計画について最終討論を行った。また,既にを完了したフィリピンからナショナル シチューション リポートの報告があり,フィジ-,バングラデシュ、ニュージランドからはカントリーレポートの発表が行われた。現地調査はバングラデシュ,フィジ-,ニュージーランド,モンゴルについて実施した。バングラデシュではベトナムと同様にナショナル シチュエ-ショナルレポートがほぼ完成しており,全国セミナーを開催して討議を行った。また,アジア・太平洋地域で情報基盤整備が進んでいるシンガポールについて特にInformation2000の情報政策を中心に調査を行った。平成8年度には,10月8-11日に第3回国際ワークショップを開催し,これまでの各国における調査結果の分析に基づく,クロスカントリー アセスメントリポートの発表と討議を行った。また,3年間の研究実績の評価を行い,本研究の成果を広くアジア・太平洋地域に伝えるために平成9年度に国際シンポジウムを開催することが決議された。本研究の成果の主な点は,-新しい調査研究方法の確立-情報インフラストラクチャの実態と今後の対応をまとめたナショナル リポートの刊行(ベトナク,バングラデシュ,フィリピン,フィジ-などユネスコから出版)-各国の調査結果の分析に基づき地域レベルで考察を加えたクロスカントリー アセスメントリポートの刊行-各国における調査研究能力の開発に貢献-主な出版物・Proceedings of International workshop,11-14 Octoer 1994.ULIS,1994 (SISNAP Report 1)・学術情報ネットワークの基盤構造に関する調査研究-アジア・太平洋地域における- 平成6年度 研究報告 ULIS,1995 (SISNAP Report 2)・Proceedings of the 2rd International workshop,21-25 August 1995.ULIS,1995 (SISNAP Report 3)・Proceedings of the 3rd International workshop,8-11 Octoer 1996.ULIS,1996 (SISNAP Report 4)
著者
國弘 幸伸 中山 明峰
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.465-472, 2011 (Released:2012-02-01)
参考文献数
14

Along with Epley's canalith repositioning maneuver, the Semont maneuver is also recognized as an effective physical therapy for benign paroxysmal positional vertigo. However, the details of this maneuver are not well known, presumably because of the obscurity of the original description by Semont et al. In Japan, the “Semont liberatory maneuver,” as described by Brandt, is accepted as the “original” Semont maneuver. However, the two maneuvers are not identical. The aim of this paper was to reproduce the original procedure of Semont's as presented by A. Semont himself at the 10th Nagoya Otorhinolaryngological Forum held in Nagoya, Japan, in 2006. This lecture clarified some obscure points in the original paper; however, the procedure described at the forum was not a detailed reproduction of the original Semont maneuver, but was somewhat more complicated. Also of note, Semont decisively denied the cupulolithiasis theory and explained the usefulness of his maneuver according to the canalolithiasis theory.
著者
小林 健二
出版者
岩波書店
雑誌
文学 (ISSN:03894029)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.132-143, 2012-09
著者
松井 龍之介 佃 和弥
出版者
三重大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

熱硬化型のポリジメチルシロキサンをマトリクスとし、ネマチック液晶E7を分散することで5ミクロン径の液晶マイクロドロップレットを作製し、レーザー光照射によるフォトニックナノジェットの生成と外部電界による液晶分子の再配向に基づく動的制御を試みた。自作のレーザー走査型共焦点顕微光学系によりフォトニックナノジェットの観測に成功した。電界印加によるフォトニックナノジェットの動的制御も確認した。金属ナノ粒子を分散させた液晶によるメタマテリアルにおいて見られる特異な表面波についての理論的な解析についても併せて進めた。
著者
李 斗領
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2005

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2121号 ; 学位の種類:博士(法学) ; 授与年月日:2005/10/26 ; 早大学位記番号:新4113
著者
Masahiro Haramoto Homare Yamanaka Hiroyasu Hosokawa Hiroshi Sano Shinsuke Sano Hiroshi Otani
出版者
日本農薬学会
雑誌
Journal of Pesticide Science (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.116-122, 2006 (Released:2006-05-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 11

The control efficacy of a novel fungicide, cyflufenamid, (Z)-N-[α-(cyclopropylmethoxyimino)-2,3-difluoro-6-(trifluoromethyl) benzyl]-2-phenylacetamide was studied. In field trials, a low dosage (25 ppm) of cyflufenamid (10%WG) showed excellent efficacy in almost all plants against powdery mildew caused by various pathogens in agricultural production. Cyflufenamid also had high efficacy against brown rot in stone fruits caused by Monilinia fructicola. The fungicidal properties of cyflufenamid were investigated to elucidate the high performance of the compound in the field. Pot tests against cucumber powdery mildew indicated that cyflufenamid has excellent preventive, curative, long residual, translaminar and vapor phase activities at low concentrations. © Pesticide Science Society of Japan
著者
木部 暢子
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.80-92, 2012-04-30
被引用文献数
1

Two-pattern accent systems of Southwest Kyushu district can be classified into two large groups. One is "Kagoshima type" and the other is "Nagasaki type". "Kagoshima type" has a characteristic that falling tone appears at the end of an accent unit. On the other hand, "Nagasaki type" has a characteristic that falling tone appears on the first part of an accent unit. In this paper, I clarify the features of accent systems of the Kagoshima-shi dialect, Tanegashima dialect (these two dialects belong to "Kagoshima type"), Amakusa Hondo dialect and Yakushima Miyanoura dialect (these two dialects belong to "Nagasaki type") according to the general characteristics of N-pattern accent systems proposed by Uwano (1984, 2011), and I reveal the commonalities and differences between the accent systems of these four dialects. In addition, I present lists of the accents of particles/auxiliary verbs of the Nagasaki-shi dialect, Hondo dialect, Kagoshima-shi dialect and Tanegashima dialect, and I check the correspondences between four dialects.
著者
笹川 千尋
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.ピロリ菌のcag pathogenicity island(cag PAI)遺伝子群にコードされているIV型分泌装置の構造を解析するために、Agrobacterium tumefaciensのIV型分泌装置構成成分と相同性の高いcag PAI上のHP0532(VirB7),HP0528(VirB9),HP0527(VirB10),HP0525(VirB11),HP0524(VirD4)に着目して、それぞれの菌体における局在を、特異的なポリクローナル抗体を用いた蛍光免疫顕微鏡および免疫電子顕微鏡により観察した結果、ピロリ菌のIV型分泌装置は、赤痢菌やサルモネラ菌の菌体表面に存在するIII型分泌装置にみられる注射針のような構造とは大きく異なる不定形の突起物であることが示唆され、ピロリ菌の病原性に深く関与するIV型分泌装置の超分子的構造の概要が初めて明らかになった(Cell.Microbiol.(2003)5,395-404)。2.IV型分泌装置を介して分泌される菌体因子として唯一同定されているCagAタンパク質は、宿主細胞内でGrb2,SHP-2,Cskなどと結合して細胞運動能や増殖能を促進することが報告されており、CagAは様々なシグナル伝達分子を結合しうる多機能タンパク質であることが明らかにされている。今回新たにCagAの宿主内結合因子として、アダプタータンパク質Crkを同定した。ドミナントネガティブ体の過剰発現、もしくはsiRNAによるCrkのノックダウンの結果、CagAによって誘導される宿主細胞運動能亢進が抑制された。また、阻害剤等を用いた実験から、Crkによるシグナルカスケードの下流で活性化されるH-Ras,Rap1,Rac1の活性化がCagAに起因する宿主細胞応答に必要であることが示唆された(論文投稿中)。3.ピロリ菌感染と胃上皮細胞のアポトーシスを解析した結果、感染に伴い注入されるCagAによって、アポトーシスが抑制されることが明らかになった。阻害剤やsiRNAを用いた実験の結果、CagAによる宿主MAPKの活性化が、アポトーシス抑制能に関与することが示唆された(投稿準備中)。これらの結果から、ピロリ菌の胃粘膜長期定着を通じて、CagAタンパク質により引き起こされるシグナル伝達カスケードの亢進が、正常な胃粘膜におけるアポトーシスと細胞増殖のバランスを崩し、病態の発症と悪性化に寄与することが推察された。
著者
宮川 祥子 清木 康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.15-28, 1999-05-15
被引用文献数
17

本論文では 特定分野のドキュメント検索において 意味的連想検索を行うために意味の数学モデルを適用する際のメタデータ空間の作成方式を提案し その有効性を検証する. 本方式は 特定の分野に関連する情報群とその分野に関する用語集 そして一般的な辞典から特定分野におけるメタデータ空間を構築する。意味的連想検索は インターネット上で現在普及しているパターンマッチ型の検索エンジンでは扱うことのできない情報の意味を形式的に扱うことを可能にする. 本方式を用いることにより 特定の分野に関する情報群に対して 文脈に応じて意味的に近い情報を検索するための検索環境を提供することができる. 本論文では また インターネット上に実在する障害者・福祉関連のドキュメント群を対象としたメタデータ空間を構築し パターンマッチによる検索との比較において性能評価を行う.In this paper we present a new construction method for a metadata space. This method enables to establish a metadata space for the mathematical model of meanings from documents related to a specific area, a lexicon related to the area, and a general dictionary. Unlike ordinary search engines employing pattern matching methods, the semantic associative search function enables to deal with the "semantics" of the information. This method makes it possible to provide a semantic information retrieval environment for documents about a specific area on the Internet. We also evaluate the performance of the semantic information retrieval based on the proposed method. We construct an information retrieval system built upon the inetadata space related to information about welfare and people with disability distributed through the Internet and make a comparison with the pattern matching information retrieval system.
著者
David Ramamonjisoa
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 情報学基礎研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2014, no.3, pp.1-6, 2014-01-31

User-contributed comments are one of the hallmarks of the Social Web, widely adopted across social media sites and mainstream news providers alike. While comments encourage higher-levels of user engagement with online media, their wide success places new burdens on users to process and assimilate the perspectives of number of user-contributed perspectives. This paper describes a comparison between two methods for analyzing topic trends from users' comments in social media. The first method is using the information retrieval weight tfidf and empirical topic extraction algorithm. The second one is based on the topic modeling.
著者
橋爪 敏彦
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.447-450, 2003

背景.サウナ入浴に関連した肺疾患の報告は少ない.今回サウナ入浴後に細気管支炎を発症した1例を経験したので報告する.症例.症例は52歳の男性.サウナ入室直後に刺激臭を感じ咳が出始め,その後発熱と呼吸困難を伴うようになり2日後に当院を受診した.胸部で喘鳴を聴取し,胸部CTでは両側肺野びまん性に小葉中心性粒状影と浸潤影が認められた.入院のうえ抗生物質を投与した.気管支肺胞洗浄ではリンパ球分画の増加が認められたが,病原微生物は検出されなかった.患者血清に微生物に対する沈降抗体も証明されなかった.第4病日には浸潤影はほぼ消失し,第5病日に退院となった.結論.本症例の発症機序としては,サウナ室内の何らかの呼吸器系刺激物質による細気管支・肺障害や,病原微生物による過敏性肺炎の可能性が考えられた.