著者
山田 明
出版者
名古屋市立大学
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.27-36, 2006-06-24

財政優遇措置により市町村合併を推進してきた合併特例法は、2006年3月末で経過措置も期限が切れ、「平成の大合併」は第2ラウンドに入った。1999年3月末からの合併件数は582、関係市町村は1993にのぼり、基礎自治体のかたちは様変わりした。合併にたどりつく前に破綻したケース、当初の構想とはかなり異なるケースも少なくない。破綻の典型的なケースとして、合併の目的やメリット、新市の名称や庁舎の位置、合併を揺るがす事件、財政状況などの原因があげられる。「3市1町」の合併協議が破綻した愛知県知多北部など、合併破綻の検証から「平成の大合併」の問題点と今後の課題を探っていきたい。
著者
篠原 浩一郎 沼尾 和則 金澤 祥雄 野上 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.666, pp.5-8, 2005-02-17
被引用文献数
1

銀塩写真の如く「水の中」や「鏡の中」のような情感を電子写真で再現するための要件について、デジカメプリントを始めて搭載したマルチファンクショナルプリンタの技術を中心に述べる。
著者
吉田 佳督 吉田 康子 元吉 忠寛 齋藤 充生 齋藤 明子 早瀬 隆司
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.126-137, 2013 (Released:2013-05-29)
参考文献数
11
被引用文献数
3 6

Objectives: The purpose of this study was to clarify the gaps in the recognition of medical terms mainly related to medicines between laypeople and medical practitioners in order to contribute to improving risk communication in the medical care field. Method: A total of 315 laypeople and 211 doctors were surveyed. To examine the gaps between them, we adopted 57 medical terms from the National Institute for Japanese Language and further added 33 medical terms. In total, 90 medical terms were used. Results: For the medical terms group into the “Expressed in other words of vernacular speech”, the recognition by the laypeople was low and that estimated by the practitioners was high. For the newly added medical terms groups into the clinical-trial-related terms and medical terms related to side effects, the recognition by the laypeople was lower than that estimated by the practitioners. Moreover, the recognition values for above two groups were smaller than the other groups. Conclusions: The gaps between the basic recognition of the medical terms by laypeople and that estimated by the practitioners suggest that the possibility that patients cannot recognize much more difficult terms should be considered.
著者
小池 保
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学芸術情報研究 (ISSN:18825370)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-26, 2010-03

マスメディアの経営が、極めて苦しい。不況による打撃だけではない。「マス」広告によるコミュニケーションが、以前のようには効かなくなったことが大きい。論考ではまず、その背景となっている、意識と行動を激変させた「賢い生活者」のあり方に注目し、「クチコミ」というコミュニケーションが表舞台に登場してくる必然性について論じる。続いて、新たな状況に適合すべく、広告ビジネスの先端的クリエイターたちが始めた「コミュニケーション・デザイン」という最新の取り組みが、どんな有効性を持つか検証する。賢い生活者との、最高レベルのコミュニケーションを実現するために、例えば全国の郵便局までをも「メディア」に変えてしまうなど、自由かつキメ細やかにデザインされたコミュニケーションの創出が、どのような新たな時代を拓いてゆくのかについて展望する。
著者
坂口 けさみ 芳賀 亜紀子 徳武 千足 市川 元基 金井 誠 大平 雅美 近藤 里栄 島田 三恵子 米山 美希 上條 陽子
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

現在わが国では少子化が大きな課題となっており、その背景には男性である夫の家事育児への関わりが少ないことが指摘されている。本研究は、父親の家事育児行動の実態と育児意識および父親意識を高める要因について実態調査を行うとともに、全国の自治体を対象に父親の子育て支援に関するWeb調査を実施した。さらに、父親への子育て支援教育プログラムを妊娠中および出産後の2回開催し、その評価を行った。
著者
都甲 康至 田村 良一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、食の地域ブランドに関する定義と構成要素、消費者の脳内に形成されるブランド知識形成モデル等の基礎研究を基盤に、自治体主導の都市ブランド創生活動において食の地域ブランドづくりが果たす役割を、事例研究を通じて地域の利害関係者で構成される協議会の機能・組織、食の地域ブランドの認証制度等を考察し、結論として社会システムデザインの観点に基づく食の地域ブランド戦略デザインプロセスを提案したものである。
著者
川合 豊
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究では,デバイスの演算能力が低い場合にも運用可能な暗号認証方式の研究を行った.現在PRIDのようなデバイスが実運用されるにあたり,デバイス内の個人情報などの流出や,運用システムへの攻撃などが危倶されている.そこで本研究では個人情報を秘匿したまま認証が可能な暗号方式の設計と,その方式の省リソースデバイス上での運用を検討した.個人情報(ここではIDと呼ぶ)を直接認証に使うのではなく,IDを何かのグループに所属させ,IDがグループに属しているかのみで認証を行うSecret handshakeという方式を主軸に置き,その匿名性について研究を行った.Secret handshakeでは,たとえば会社Aに所属しているIDならば認証可能だが,ID自体は認証に用いない方式を構成可能である.ただし,(認証自体は正しく行うが)不正を働いたIDを有事の際に特定するためにある特権を持つ管理人のみその匿名性をはく奪することが可能である.既存の方式は,管理人が何の制約もなく匿名性をはく奪することができた.しかしながらこれは正しく運用しているユーザであっても匿名性をはく奪される危険性があることを示している.そこで,まず,認証システム側から要請があった時のみ管理者が匿名性をはく奪できる方式を構成した.しかしながら,前述の方式では管理者が「自分のグループのユーザが認証したかどうか」ですらわからない方式であった.これは,たとえばSecret handshakeを会社の入退場システムに使った場合,会社の人間がどれほど入退場しているかすら管理人は感知することはできない(匿名性をはく奪しIDを取得すれば可能).そこで,管理者が「自分のグループのユーザが認証したかどうか」は単体でチェック可能だが,「IDが何であるか」は認証システムからの要請がなければ不可能な方式を提案した.これが本研究の成果である.
著者
杉山 広 熊澤 秀雄
出版者
国立感染症研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

南米エクアドルで住民を対象に肝吸虫の調査を実施して、太平洋側の3県にAmphimerus属肝吸虫の流行地を見いだした。淡水魚を20種類以上検査して、Guabinaという魚がメタセルカリアの寄生数が多く、感染源として最も重要であることを明らかにした。メタセルカリアの種同定には、患者由来の成虫を用いて解読した遺伝子配列が、マーカーとして役立った。肺吸虫に関しては、エクアドルでの過去の研究成果を紐解き、総説論文をまとめた。陽性地区の淡水産カニから幼虫を分離し、実験ネコへの感染試験で成虫を回収、本虫(メキシコ肺吸虫)の形態と遺伝子に関する知見も得た。
著者
芦田 明美
出版者
神戸大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012-04-01

本年度は、これまでの研究成果をまとめ、博士論文執筆に専念し学位論文の提出に至った。本研究により明らかになった結果を以下に記す。1)共分散構造分析による修学阻害要因の検討から、子どもたちは家庭や社会背景に関わる要因が背景となって毎日の修学を続けることが困難になり、突如学校に通うことを辞め、低い教育達成へと繋がることが分かった。また、現在の職業と初等教育の修了有無には明確な関連性が見られなかった。すなわち、最低限の読み書きができればそれ以上の学年を修了するインセンティブがこの地域にはなく、留年の有無にかかわらず子どもたちは学校を辞めてしまう。2)教育開発戦略および政策、プロジェクトの分析から、諸政策は先の初等教育修了阻害要因について触れているものの、具体的な方略や指針などは提示していない。他方、プロジェクトは諸要因に触れ、具体的な活動も提示し実施している。対象地域で実施されたプロジェクトは、修学の継続に貢献し得ると考えられるが、これまでの諸政策およびプロジェクトは、留年を繰り返し退学してしまう子どもたちを想定しており、すぐに学校を辞めてしまう子どもたちの存在は考慮されていない。3)修学実態年代推移の分析から、修学状況は改善傾向にあることが分かった。他方、問題として残っているのは、1990年代前半入学グループから1990年代後半入学グループにかけての、年度末評価における落第の減少の頭打ちである。さらに、1980年代後半入学者には、留年が一度あるか無いか程度の卒業パターンと、入学後1年ないしは2年未満で学校を去る退学パターンが共存する、Enrollment Divideとも呼ぶべき修学実態が見受けられた。しかし、年度が新しくなるほど卒業パターンは増加傾向にあり、退学パターンは減少傾向にある。1年生の状況は他の学年よりも相対的に望ましい状態になく、特に入学初年度1年生は深刻である。
著者
菊地 栄治
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

持続可能な高校教育改革の実践と構造について、事例研究と質問紙調査等を通して、以下の知見が得られた。(1)「育成すべき力」は高校階層によって強く規定されており、生徒の現実をふまえた目標設定が必要となる、(2)教員自身が他者と向き合い自己変容しつつ共通の成功体験を重ね「学習する組織」を創ることが鍵を握る、(3)他校に示唆を与えるような改革を実践している高校がきわめて限定されているという事実をふまえ、地域や行政機関などの社会資本を活用することでシステム全体として持続可能性を高めていくことが重要である。
著者
笹倉 秀夫
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

英・米・独・日本を対象に、法解釈上の技法を判決から析出し技法の全体構造を把握する作業と、個別の法的問題の処理にみられる法解釈の技法を、国家法人論、擬制論、社会契約論・立憲主義国家論等をめぐって析出する作業とを進めた。成果は、その都度、著書・論文にして発表した。笹倉がこれまで確認してきた、(A)法解釈の際に参照・考慮する諸事項(論点)と、(B)そうした参照・考慮を踏まえて条文を適用する際の諸技法とを区分した、法解釈作業の全体構造が、各国における法解釈分析でも有効であることを確認しえた。この点については論文執筆を進めるとともに、成果を総合すべく単著2冊の出版というかたちでの具体化を進めている。

1 0 0 0 OA 考古画譜

著者
黒川春村 著
出版者
東京帝室博物館
巻号頁・発行日
vol.8, 1901