著者
狩野 泰則
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

深海の熱水噴出孔・冷湧水域の化学合成群集,クジラ骨・沈木などの生物遺骸群集に生息する腹足綱貝類の6系統(ユキスズメ科・ネオンファルス上目・ホウシュエビス上科・ワダツミシロガサ上科・ワタゾコニナ上科・ミジンハグルマ科)について, DNA塩基配列の比較に基づく分子系統樹を構築した.その結果,深海の化学合成生物群集がこれまでの一般的認識より開放的な系である可能性が示された.
著者
藪谷 勤 吉原 法子 井上 公一 濱砂 紳也 黒木 鉄治 松尾 勇一朗
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ダッチアイリスにおけるアントシアニンとフラボンのコピグメンテーション分子機構を解明するために本研究を実施した。その結果、アントシアニン生合成遺伝子として、CHS、CHI(断片)、F3H、DFR、ANS及び3GT遺伝子を単離し、花蕾の発育時期別のこれら遺伝子の発現レベルとアントシアニンやフラボンの蓄積量との関係も明らかにした。さらに、コピグメンテーション発現の鍵酵素、F3Hの基質特異性を解明するともに、F3H遺伝子のペチュニアへの導入にも成功した。
著者
近藤 信太郎 内藤 宗孝 松野 昌展 高井 正成 五十嵐 由里子
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

下顎骨の外側面に見られる隆起の形態的特徴と機能を明らかにするために非ヒト霊長類778個体を観察した。比較検討のために下顎骨外側面に見られる窩を同時に観察した。マカク属,サバンナモンキー属,マンガベイ属では隆起と窩の両方が見られた。隆起は緻密骨から成り,ヒトの下顎隆起に類似していた。発達の良い隆起は頬袋の入り口に近接していた。深く大きい窩はヒヒ属,ゲラダヒヒ属,マンドリル属の全個体に見られた。窩は第一大臼歯部が最も深く,この部位では骨質が薄くなっていた。隆起より前方に位置した。隆起と窩は下顎骨を補強する,あるいは負荷の軽減の機能をもち,咀嚼に対する適応的な形態と考えられる。
著者
竹蓋 幸生
出版者
外国語教育メディア学会
雑誌
Language Laboratory (ISSN:04587332)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-28, 1981-06

The apparent similarities (or dissimilarities) of all possible pairs of twenty-four English consonants were estimated by two independent panels of eighteen Japanese and twenty-four American listeners by using a psychophysical method of magnitude estimation. The normalized responses were analyzed by a statistical technique of cluster analysis (SPSS, V-6: RMODE, AVERAGE DISTANCE METHODE), the program of which was made available through the Computer Center of the University of Tokyo. The results of analysis were obtained in the forms of tree-diagrams and correlation matrices. The apparent interconsonantal differences of all possible pairs of consonants were examined by observing these diagrams and matrices. The results suggested a strong tendency of the listeners to be affected by the manners of articulation in determining the apparent similarities among the consonants they heard. A closer look at the results may give some valuable information to predict the systems of distinctive features for both American and Japanese sound systems.

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1939年06月06日, 1939-06-06
著者
徐 国鈞 徐 珞珊 田中 俊弘
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬学雑誌 (ISSN:00374377)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.287-291, 1984-12-20

Method for the identification of powdered crude drugs, when not mixed with other crude drugs, has already been established. However, many of the Chinese patent medical preparations often include mixtures of several powdery crude drug ingredients. For the identification of individual ingredients in such powdery mixtures, microscopic method may advantageously be used as it requires only a small amount of specimens. In this paper, effectiveness of this method will be exemplified by the identification of the ingredients in niuhuang shangqing wan (牛黄上清丸) which contains 19 powdered crude drug ingredients.
著者
陳 昭能 竹内 俊郎 高橋 隆行 友田 努 小磯 雅彦 桑田 博
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.542-547, 2004-07-15
被引用文献数
13 41

タウリンで強化したワムシをふ化から20日齢までマダイに給餌することにより, タウリンの有効性を検討した。マダイ仔魚中のタウリン含量は対照区, タウリン強化区でそれぞれ37,252mg/100gとなり, 6.8倍の差となった。マダイの成長をみると, 20日齢では対照区, タウリン強化区でそれぞれ全長6.26, 6.99mmとなり, 有意差が認められた。飢餓耐性試験においても差が認められ, タウリン強化区が優れていた。本研究結果からマダイ仔魚に対してタウリンが有効であることが明らかとなった。
著者
長内 剛 丸山 清
出版者
松本歯科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

我々は昭和63年以来、X線CTに組み込まれた3D(3次元画像)ソフトを用いて顎口腔領域疾患の3D像を構成し、観察を行ってきた。平成2年度においては、顎口腔領域特に顎関節部の撮影補助装置の改良と、その性能の検定に力点を置き、実験代用骨・顎骨疾患の摘出物・臨床検査例を被写体として、3D像の処理条件を検討した。平成3年度に入り、3Dソフトに「カッティング」という機能が加わり、一旦構成された3D像から、観察に不用な部分を切り取ることが可能になった。我々はこの手法を用いて、顎骨内襄胞性疾患を対像に、3D画像上で手術のシミュレーションを試み、成功した。今年度に入ってからCT値の選択によって、下顎骨の輪廓をかろうじて示す程度の、極めて疎造な3D像(輪廓像と仮称)を構造することに成功した。この画像と、病巣の3D像を同一画面内に併せて描出した結果、病巣の顎骨内に占める位置、形、大きさ、方向が一目瞭然となり、同時に病巣の体積も表示される様になった。病巣体積に比し、輪廓像の体積が占める割合は極めてわずかで、病巣体積測定の成績に殆ど影響を与えなかった。これを開窓手術症例に適用して、手術後病巣の縮少して行く過程を、3D像の上で観察し、その術式と臨床応用例について学会に報告した。術式が定着してから日数が浅いため、未だ多数症例の成績は得られていないが、顎骨疾患のX線診断に、新手法を来たしたと考えている。
著者
寺田 怜史 三輪 敬之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.552, pp.63-66, 2008-03-15
参考文献数
7

体内由来の振動には,身体全体を統括するリズムといった医療やコミュニケーション支援における応用が期待できるパラメータが低周波の領域に隠れている可能性がある.従来は低周波の振動は施術者によって感覚的に捉えられていたため客観的な観察や評価はなされておらず,観察や評価を可能とするセンサーも存在していなかった.本研究では低周波の特性に優れたポリフッ化ビニリデンを素子とした小型のワイヤレスセンサーモジュールを開発し,超低周波の振動分布の観察を可能とするシステムを構築した.その結果,0.1[Hz]並びに0.01[Hz]の帯域における生体リズムの存在を確認した.
著者
高桑 誠明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.286, pp.31-36, 2009-11-12
参考文献数
35

屋外で低周波音を計測する場合には風雑音の混入が問題となる。このため,2重,3重のウインドスクリーンを用いる風雑音対策も行われて効果があるが,特に低周波域ではなお問題が残されている。この問題に対し,マイクロフォン近傍の風速情報や,結果的に混入した風雑音自身の超低周波成分情報を用いて,妨害となる混入風雑音成分を推定する事に基づく風雑音対策法を提案している。これらの手法の有効性は確認しているが,より推定精度を向上させるためには,風雑音についての引き続く実験的研究が不可欠である。ここでは,従来の成果を再検討し,さらに精度向上に寄与すべく実験的に検討した結果を報告する。

1 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1918年05月28日, 1918-05-28
著者
延廣 良香 向井 美紀 小倉 由美 藤田 悦則 村田 幸治 亀井 勉 辻 敏夫 金子 成彦 吉栖 正生
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2011, pp._207-1_-_207-10_, 2011

For the homeostatic control, there are Ultra Low Frequency (ULF) fluctuations on the backbone of the control. We think we can extrapolate state of human by capturing variation of ULF fluctuations. In this study, a method was conceived for capturing ULF fluctuations by performing the time series of the gradients analysis of the pulse wave taken from the surface of the back, which was defined as an aortic pulse wave (APW) with zero-cross detection method or peak detection method. APW was recorded during an experiment with an induced sleep test in the sitting position. The results indicated that we can find drowsiness, a predictive signal for falling asleep and an impending sleep by catching variability of 0.0017Hz, 0.0035Hz and 0.0053Hz of ULF fluctuations of APW obtained by the analytical method we had invented.
著者
中山 文
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は中国と日本における女性演劇の可能性を探るものである。楊小青演出の『班昭』のヒロイン像が、女性ばかりで演じられる越劇と男女合演の昆劇では大きく変化していることを明らかにした。また中国女性演劇の現状を把握するために、大阪で女性演出家銭〓の講演会を実施した。さらに国によるジェンダー認識の差異を明らかにするために、『それでもワタシは空を見る』上海公演をサポートし、日中女性演劇人による座談会を行った。
著者
山崎 美惠子 梶本 市子 矢野 智恵 吉田 亜紀子 中井 寿雄 石川 由美 片岡 亜沙美 中平 紗貴子 岡本 雅佳 高藤 裕子 大沢 たか子 三浦 かず子 棚田 秀子 吉村 澄佳 池畠 千恵子 岡林 美枝 小島 一久
出版者
高知学園短期大学
雑誌
高知学園短期大学紀要 (ISSN:03894088)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.73-80, 2011-03-10

看護学教育のあり方に関する検討会報告で提示された「看護実践能力習得のためにコアとなる臨地実習(平成14年3月26日)」を指針として、本学看護学科の7領域看護実習中における看護実践能力習得の現状の把握と課題を明らかにした。 看護実践能力に関する課題(5項目)、人間関係形成能力に関する課題(7項目)、臨床判断・問題解決能力、マネジメント能力に関する課題(3項目)、看護専門職の役割・責務に関する能力に関する課題(2項目)が得られた。また指針で示されている到達目標の基盤となる「成熟性」に関する課題が新たに抽出された。これらの課題についてさらに検証が必要であるが、本学独自の教育への取り組みの方向性が明確になり、教育の「質」改善にむけた方法の示唆を得た。
著者
小林 賢司 高島 俊
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002

本研究は, トランペットを人間と同様に演奏することのできる自動演奏ロボットを開発しようとするものである。これまでに開発した演奏ロボットでは, ピッチの安定した制御が困難, 音域が広く出来ない, などの問題があった。今回の報告では, ピッチを安定に制御するための機構として, 開閉ボールねじに取り付けた一対のローラーで, 人工唇を押さえながらローラーの間隔を変えることにより, 唇の緊張度を変化させる機構を採用した。この機構の有効性を実験により検証した。
著者
久保田 ひろい
出版者
千葉大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本研究では、英語発話に見られる"語尾上げ口調(High rising terminals:以下HRT)"の多用の拡大という言語現象を対象とし、その機能を解明することを目的とする。1.映像資料への非言語情報および韻律のラベリング作業統計的な分析に向けデータ量を増やすため、昨年度に引き続き、収集したチュートリアル形式の説明談話の映像資料に対し、動画編集ソフト上で、動作・視線・句末音調のラベリングを行った。2.節・発話・談話情報のラベリング作業1.で統語的・語用論的境界によって分割した「発話」をさらに、韻律的境界で「節」に分割し、発話と節の関係性を表現するために、それぞれにIDを付与した。さらに談話構造との関係性も変数として取り入れるために、談話境界の認定を行い、談話IDも追加した。これによりどの発話がいくつの節から構成され、どの談話のどの位置にあるのかというような情報を分析に取り入れられるようにした。3.データベースの分析1.2.により作成したデータベースを用い、昨年度の事例分析で示唆された「新しいトピックへの移行段階でのHRTの生起とそれに同期する指さし、視線の切り替え」という傾向を統計的に検討した。これにより、HRTの生起はそれぞれの工程の冒頭部に集中し、多くの場合、指さし、視線の切り替えという順番で生じていることが確認された。また、上記の結果について「視点の操作」という観点から考察を行った。新情報を導入する際に、視線と指さしによって聞き手との間に視覚の共有状態を作り出した上で、それを共有基盤に追加したという確認の合図としてHRTのような音調が使用されているだけでなく、非言語情報・発話・それに伴う韻律が協働して新たな工程へ移行する場面が定型化されることにより、結果として全体の談話の構造化が促されていると考えられる。