著者
藤田 豊久 ドドビバ ジョルジ 定木 淳 村上 進亮 岡屋 克則 松尾 誠治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

リサイクルによるレアメタル回収新技術として以下の選択破砕、物理選別、化学処理の技術を研究した。RFIDによる部品管理、ラマン分光による黒色材料のソーター選別、リサイクルの前処理として水中爆砕と機械破砕を組み合わせた選択的材料剥離、電子基板の炭化法による臭素除去と共に銅薄膜の回収および実装部品の熱処理と物理選別によるタンタルとニッケル回収、リチウムイオン電池からのコバルトとリチウム回収、廃超硬工具からのタングステン回収、液晶ディスプレイからのインジウム回収、研磨材中のジルコン回収、吸着法によるレアアース、ホウ素回収技術を開発した。また、一部は従来技術と比較し、循環型社会に取り入れる検討を行った。
著者
佐伯 和人 金子 克哉
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

活発に活動する火山に観測ロボットを投入する際に、その成果を左右する最大の課題は、観測ロボットとの通信の確保である。本研究では、既存の携帯電話端末に適切なソフトウェアや付加ハードウェアを加えることで、観測ロボットにコマンドを送り、観測ロボットからの観測データを受信するための、火山観測用データ通信コアシステムを開発した。また、このシステムを無人観測飛行機や無人観測車に搭載し、伊豆大島で、次の火山噴火時の観測に備えた実証試験を行った。
著者
美谷島 杏子
出版者
福井大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究ではApc; Id2遺伝子変異マウス(Apc; Id2マウス)を用いて、Id2の腸管腫瘍形成における機能を遺伝学的に解析した。Id2欠損による腫瘍上皮細胞の増殖能とアポトーシスへの影響は認められず、腫瘍の大きさへの影響も僅かであったが、回腸の腫瘍の数が80%減少するという著しい変化が観察された。このことからId2は回腸腫瘍形成のinitiationに重要であることが示唆された。DNAマイクロアレイの解析から、Apc:Id2マウスの腸陰窩ではApc欠損型腸腫瘍形成に必須なc-Mycタンパク質の阻害因子や腫瘍形成抑制因子の発現が変動しておりこれらが腫瘍形成抑制に関与していることが示唆された。
著者
小菅 昌克 板谷 聡子 Peter Davis 梅田 英和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.1160-1163, 2003-11-15
被引用文献数
17

前編ではアドホックネットワークの基礎的な解説を行った.後編ではアドホックネットワークを用いた具体的な応用,研究事例を説明する.
著者
川端 秀仁 藤本 尚也 安達 恵美子
雑誌
日本眼科學会雜誌 (ISSN:00290203)
巻号頁・発行日
vol.101, no.8, pp.648-655, 1997-08-10
被引用文献数
8
著者
Zongli HAN Yanli DU Hui QI Wei YIN
出版者
社団法人 日本脳神経外科学会
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.630-634, 2013 (Released:2013-09-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1 10

To add a further contribution to the literature supporting the relationship between previous head trauma and the development of glioma. We present the first case of pregnancy-related post-traumatic malignant glioma in a 29-year-old female who was admitted because of left sided hemiplegia and epilepsy due to a malignant glial tumor. She had been operated for a right frontal hematoma caused by a motorbike accident 9 years before. Neuroimaging showed a large neoplasia in the right frontal region beneath the material used for cranialplasty, and postoperative pathological revealed a glioblastoma multiforme (GBM) in continuity with the scar resulting from the trauma. While epidemiologic studies may not be conclusive, a pathologic basis has been suggested which show that trauma act as a cocarcinogen in the presence of an initiating carcinogen. Our case fulfilled the widely established criteria for brain tumors of traumatic origin. We believe that in specific cases it is reasonable to acknowledge an etiological association between head trauma and glioma. And additional factors such as pregnancy may promote the manifestation of the clinical symptoms.
著者
佐々木 建昭 櫻井 鉄也 加古 富志雄 稲葉 大樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近似イデアルに基づいて近似グレブナー基底の理論を構築し、部分終結式様の理論を作成して厳密用算法を浮動小数で実行する場合の不安定性を解明し、ブッフバーガー算法を安定化して近似グレブナー基底の構成算法を呈示した。微小摂動のため多変数多項式イデアルの次元が減少した系として近似特異系を定義し、次元を元に戻す操作として近似特異系の特異化の算法を考案し、近似特異型の悪条件代数方程式系の良条件化法を与えた。線形制御理論で近似無平方分解・有効浮動小数・近似因数分解の有用性を示した。モデルに基づく開発への利用を念頭に、パラメータ係数の疎な線形方程式系の誤差低減解法と系の特徴抽出法などを提案した。
著者
石原 進
出版者
静岡大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

車車間の衝突防止および歩車間の事故防止のために、車車間・歩車間の距離、相対的位置関係、密度に応じて各車両・歩行者が発する位置通知無線信号(ビーコン)の送信頻度、送信出力を動的に制御し、無線資源の効率的利用と安全性の確保を両立するアルゴリズムを開発した。開発したアルゴリズムでは、短い周期でビーコンの送信出力を段階的に変更することを繰り返す。これにより単純な制御で、様々な車両密度、車両間距離において良好なビーコン受信率、ビーコン到着間隔を達成できる。
著者
岡島 一雄
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.700-711, 1997-03-01
被引用文献数
2

胃癌患者の予後因子を, 国立がんセンターで切除した6,540例を対象に単変量解析(累積生存率)と多変量解析(Cox比例ハザードモデル)で検討した. 選択した23因子は性を除き5年生存率で有意差を示し, 重要な予後因子と考えられた. しかし, Spearman相関係数による独立性の検討, stepwise法による多変量解析の妥当性の検討により11因子が除外された. 残った年齢, 性, 深達度, リンパ節転移, 肝・腹膜転移, 最大腫瘍径, 占居部位, INF, リンパ管侵襲, 静脈侵襲, リンパ節郭清, 切除断端の12因子の多変量解析で, 最も重要な予後因子は深達度(ハザード比: 4.62)で, 2位リンパ節転移(3.63), 3位年齢(2.07), 4位肝・腹膜転移(1.91), 5位リンパ節郭清(1.58)であった. 30年間の予後因子の順位変動では, 1位深達度, 2位リンパ節転移は不動で, 肝・腹膜転移は3位から4位に順位が下がり, 年齢とリンパ節郭清は順位を上げていた.
著者
木村 凡
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本では、最近、明太子、イクラなど非加熱で食べる水産食品の一部がL.monocytogenesにより汚染されている実態が報告され、申請者らの最近の研究でも確認されている。本研究では、非加熱喫食水産食品に絞り、L.monocytogenesの分布検出調査を実施し、分離した食品分離株の諸性状および水産食品中での増殖性や生存性を調べることにより、水産食品での本菌のリスクに関する基礎知見を得ることを目的とした。平成18年度研究では、汚染実態調査、菌株の分離とともに、基本的な菌株情報を得ることを目的とした。市場流通している水産食品のなかから、すでに実施した調査により高頻度でL.monocyto-genes汚染が認められた明太子、いくら、ネギトロなどについて、網羅的に分布調査、および、菌株の分離を実施した。また、L.monocytogenesの検出は、minividas法(AOAC公認法、免疫法にもとづく)により検出された陽性サンプルについて、鑑別培地塗抹→典型コロニーの同定(公定法に準じた試験に加えてAPI,PCR確認)を実施した。さらに、分離株について血清型、基本的遺伝性状をあきらかにした。平成19年度研究では、平成18年度に引き続き、菌株の病原遺伝子性状等の精査や菌株のタイピング識別法の開発を行なうとともに(病原遺伝子inlAの精査、リステリアの簡易遺伝子タイピング法の開発等)、L.monocytogenesの水産食品中や製造環境等での増殖(ネギトロで5℃保存での増殖試験)や生存性評価(環境でのバイオフィルム形成能試験)への基礎データを得た。これらの結果を踏まえて、水産食品中におけるリステリア・モノサイトゲネスのリスクについての基盤的な知見を整理した。
著者
宇谷 明秀 西元 雅明 山本 尚生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.791-802, 2012-06-15 (Released:2012-06-26)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本論文では高次元連続型多峰性関数の最適化問題に対する解探索性能に優れた Artificial Bee Colony アルゴリズムに着目し,高次元(数百次元)の最適化問題に対して,一つの大域的最適解ではなく,複数の許容解を求めることができるように拡張発展させた実用手法を提案する.数値実験では多峰性を有する代表的な3つのベンチマ-ク関数(Rastrigin関数/ Schwefel関数/ Griewank関数)を用いてその解探索性能を評価した.数値実験の結果は既往の複数解探索手法に対する提案手法の優位性を示している.
著者
畑野 相子 北村 隆子 安田 千寿
出版者
滋賀医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、認知症高齢者の行動・心理学的症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia :以下 BBPSD とする)に対する非薬物療法として、赤ちゃん人形を用いたケア(以下人形療法とする)を展開し、その効果を科学的に実証することを目的とした。様々な BPSD を有する高齢者に人形療法を行い観察した結果、焦燥感や暴言・暴力の緩和に最も効果があった。人形に対する態度や言葉を分析した結果、人形の意味として(1)現在と過去の自分の存在をつなげる役割(2)気持ちの移行対象(3)高齢者自身が能動的に働きかけができる存在であることが示唆された。また、療法のポイントは、(1)高齢者が好みの人形を選択できること(2)導入は、自尊心に配慮して、対象者のために人形を準備したのではなく、セラピストの人形として提示すること(3)人形と高齢者の目線をあわせること(4)人形を渡し放しにするのではなく、療法として人形を用いることである。共通して好まれた人形は、目が開眼しているまたは開閉することであった。