著者
黄瀬 浩一 岩田 基 岩村 雅一 内海 ゆづ子 クンツェ カイ デンゲル アンドレアス 外山 託海
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Knowledge Logとは,人が日々獲得している知識の記録である.従来から存在するライフログとの違いは,Knowledge Logが知識という高次記号情報をログの対象とするのに対して,ライフログは,信号情報あるいは記号であっても単純なもの(例えば人の座る,歩く,食べるなどの行動)を記述する点にある.人の知識の大半は,人の読むという行為によって獲得されていることに着目し,本研究では,読むことに関連した知識のログを中心に,その量や質について推定するための各種手法を構築した.また,その基礎となる特徴照合,文書画像検索,文字,顔,物体などの認識技術,大規模文字画像データベースについても開発した.
著者
宗像 源博 中野 佳央 新中 康史 樋口 雅俊 原田 清
出版者
Japanese Stomatological Society
雑誌
日本口腔科学会雜誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.123-127, 2010-07-10

Endogenous bacterial endophtalmitis is a rare but serious condition. It occurs in the eyeball when bacteria cross the blood-ocular barrier. We report a case of endogenous bacterial endopthalmitis arising from severe periodontitis without any noticeable systemic anamnestic.<br>A 53-year-old man was referred to the ophthalmology department in our university hospital complaining of reduced visual acuity in the right eye. His visual acuity was hand movements right and 0.7 left eye, respectively. His right eye showed hypopyon, dense vitreous opacity and retinal hemorrhages. Because of a finding peculiar to infective endocarditis from an echocardiography, we diagnosed the patient with endogenous endophthalmitis that caused infective endocarditis. Although there was no infection impact on his general condition, <i>α-streptococcus</i> was detected in his blood culture examination. Therefore, he was referred to our clinic for oral examination and care. He was diagnosed with chronic periodontitis and severe resorption of alveolar bone and gum swelling by oral examination and X-rays. The <i>α-streptococcus</i> was detected in a bacterial examination of the exudate from the gingival pocket. Fourteen teeth with severe periodontitis were extracted. The visual acuity in the right eye increased up to 0.07 at 6 months after the teeth extraction.<br>Though bacteriological identification was not accomplished completely, the endogenous endophtalmitis in the present case seemed to be affected with mitral regurgitation and vegetation, following infective endocarditis by oral <i>Streptococci</i>.
著者
山本 祐輔
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2011-03-23

新制・課程博士
著者
角家 暁
出版者
日本脊髄外科学会
雑誌
脊髄外科 (ISSN:09146024)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-14, 1999
被引用文献数
1

わが国の脳神経外科における脊椎・脊髄外科の歴史を考察した.日本脳神経外科研究会から学会となった1948年から1951年代には脊髄の解剖, 生理についての貴重な発表, 論文が多数存在するが, 今回は脊椎・脊髄の外科の歴史をたどるのが目的であるため除外した.今回の考察は多くの人々から提供された資料と私個人で行った調査を基に記述した.しかし先駆者の重要な貢献を取りこぼしている可能性があるとも考えられ, そのような場合はお詫びするとともに, 補筆したいので是非著者にお知らせいただきたいと願っている。
著者
青柳 正規 岸本 美緒 馬場 章 吉田 伸之 越塚 登 大木 康 長島 弘明 今村 啓爾 田村 毅
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
1999

本研究プログラムは、人文科学の基礎となる「原資料批判の方法論」に関する再評価と情報科学と連携した新たな資料学の構築を目的としている。この目的遂行のために象形文化資料のデジタル画像とその記載データに基づく象形文化アーカイブを構築する一方で、積聚された文書資料による研究を併用し、歴史空間の復元とその解析について、以下のような成果をあげた。A.古代ローマ文化および日本近世文化を中心とした象形文化アーカイブを構築した。特に、ポンペイとローマに関するアーカイブの完成度の高さは、国際的に注目されている。B.アーカイブ構築過程に置いて、その媒介資料となるアナログ写真とデジタル画像の比較研究を行い、資料の色彩表現に関してはアナログ写真が優れていることを明らかにした。C.象形文化資料の記載について、多言語使用の可能性を研究し、複数の言語システムを活用し、成果をあげた。D.稀覯本などの貴重文献資料のデジタル化を行い、資料の復元研究を行った。たとえば、1800年ごろに活躍した版画家ピラネージの作品をデジタル化し、そこに表された情景を現代と比較し、新古典主義の特質を明らかにした。E.こうした象形文化アーカイブを活用し、共時的研究を行った。特にポンペイに関するアーカイブ構築によりポンペイ遺跡内における地域的特徴を明確にし、新たな社会構造に言及するまでに至った。F.日本近世文化に関しては、回向院周辺の広場的空間復元研究を行った。上記した数々の実績を基礎として、今後も古代ローマに関する象形文化資料を中心とした収集・公開を進め、研究を推進する予定である。このため、現在の研究組織を継続させるのみならず、象形文化研究拠点のハード・ソフトの両面で改善をはかり、国際的な「卓越した研究拠点」として成長させることが期待されよう。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.648, pp.144-146, 2006-03-20

中堅GMS(総合小売業)のポスフールは、販売管理システムの刷新に失敗、一から開発し直すことになった。開発を請け負ったベンダーが赤字に耐えきれず、途中でプロジェクトから降板したことが原因だ。ベンダーは、仕様が膨らんで開発規模が予定の3倍程度になったため、赤字に耐えきれなかった。 ポスフールは、北海道に20店舗を展開する。
著者
松田 暁子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

平成24年度は、会津若松と郡山をフィールドに、それぞれ以下のようなことを研究し、明らかにした。まず会津若松に関しては、簗田氏の家の経営について検討した。特に、商人司としての側面がどのように変化するのかに注目して研究した。その結果、簗田氏は18世紀以降、商人司が本来持っていた商人を統括する権限を喪失し、一介の町役人として存在していたことが明らかになった。ただ、町役人としての職務の中に、会津若松を通過する商人の荷物の改めがあるところを見ると、商人司としての職務が町役人のそれの中に引き継がれていることがうかがえる。また、簗田氏はこの時期、小規模ながら町屋敷経営を行っており、こうしたところから収入を得ていたものと思われる。次に郡山に関しては、永原家の経営分析を行った。永原家は城下では比較的大規模な酒造屋であった。しかし、18世紀末に一時、酒造経営を休止する。そして、それと時を同じくして酒造仲間内の役職である酒造改役を降板する。このことから、酒造屋経営の盛衰と酒造仲間内での地位のあり方は、相互に連関しあっていると評価できる。また、郡山の株仲間と町についても分析を試みた。その結果、近世半ば以降、郡山では株仲間の種類と町域との間に関係性は見られないことが判明した。以上の点から、地方城下町の社会構造の一端を、家の経営・仲間組織・町の三つの要素から明らかにし得たと言える。
著者
谷村 吉隆 DIJKSTRA ArendG. DIJKSTRA A.G.
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

本年度は昨年度行った非マルコフ性について研究をさらに発展させ、系と熱浴が強く結合していることにより生じる平衡統計力学からのずれについて詳細に研究した。具体的には2スピン系に2つの熱浴をつけた研究を行った。この計算は2つの独立した階層を扱うことになり、計算コストは大変高いが並列化等の処理により初めて可能になった。系と熱浴との相関に関しても、非線形応答関数を計算する手法を応用することでより深く研究しBathentanglementという概念を導入して、その解析を行った。結合強度が強い領域で熱浴とのエンタングルメントにより、通常の熱力学と様相が大きくことなることをパンプ・プローブなどの非線形分光スペクトルと結びつけながら研究を行った。光合成FMO系についてこのような概念を導入することで、これまでの結果を変えるかについてもチェックを行った。これまではドルーデ型という構造をもたないスペクトル分布関数にを用いて主に研究をおこなったが、ブラウニアン型という、共鳴周波数をもつスペクトル分布関数に対する階層方程式をもちいることで、電子移動反応についての2次元分光についても研究を開始した。マーカスのインバーテッドパラボロと呼ばれる化学反応律の変化を、シーケンシャルからスーパーエクスチェンジと呼ばれる電子移動反応領域について、階層方程式を用いることで統一的に議論し、それがどのように多次元分光スペクトルに反映されるかについてのシミュレーションを開始している。結果はヨーロッパやシンガポール等の国際会議で発表し、投稿中を含む2本の論文として出版した。
著者
芦間圭 著
出版者
文化書房
巻号頁・発行日
1932
著者
柳田 友尚 清水 昭伸 小畑 秀文 縄野 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.579, pp.101-106, 2005-01-14
被引用文献数
6

本論文では, 人体の3次元アトラスを用いて, 腹部CT像から複数臓器を同時に抽出するアルゴリズムを提案する.この手法では, あらかじめ用意されたアトラスを浮動画像とし, 入力の3次元画像を参照画像として位置あわせを行ない, 位置合わせ後の参照画像の各画素にアトラスの臓器ラベルを割当てることで臓器を抽出する.ただし, アトラスと未知画像の臓器の間では, 個人差によって位置や形が大きく異なるため, それらにも対応出来るように工夫した.本論文では, 提案手法を実際の画像に適用した結果を評価し, 有効性について考察する.
著者
時実 象一
出版者
日本図書館協会
雑誌
図書館雑誌 (ISSN:03854000)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1, pp.46-48, 2011-01
被引用文献数
1
著者
横井 勝彦 奈倉 文二 阿倍 悦生 鈴木 俊夫 小野塚 知二 千田 武志
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

平成17年度は、過去3年間の研究成果を踏まえて、国内外の研究ネットワークの拡大につとめた。これまで各研究分担者は「第二次大戦前における日英間の武器移転・技術移転」という共通テーマの下で、経済史の視点より多角的かつ実証的な研究を進めてきた。その一応の成果は、奈倉文二・横井勝彦・小野塚知二『日英兵器産業とジーメンス事件-武器移転の国際経済史-』(日本経済評論社、2003年)および奈倉・横井編『日英兵器産業史-武器移転の経済史的研究-』(日本経済評論社、2005年)に取りまとめることができた。そうした成果を踏まえて、平成17年10月には政治経済学・経済史学会の下に「兵器産業・武器移転フォーラム」を設置し、研究者ネットワークの拡充に着手した。それとは別に同年11月には第41回経営史学会全国大会(神戸大学)において、安部悦生が学会報告(自由論題「戦間期イギリス兵器企業の戦略と組織-ヴィッカーズとアームストロング」)を行い、これまでの研究成果の一部を紹介した。また、海外の研究者としては、マリーナ・カッタルッツァ(Marina Cattaruzza スイス、ベルン大学・教授)、エーリッヒ・パウアー(Erich Pauer ドイツ、マールブルグ・フィリップス大学・教授)、アンドリュー・ポーター(Andrew Porter イギリス、ロンドン大学・教授)、以上3氏との国際的な共同研究体制を確立することが出来た。「日英関係史における武器移転・技術移転」というこれまでのテーマを今後は「帝国史・国際関係史における武器移転の総合的研究」へと広げていく予定である。
著者
西山 智 横田 英俊 小花 貞夫 鈴木 健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.12, pp.2762-2773, 1994-12-15
被引用文献数
2

これまでOSIディレクトリは、MHS(メッセージ通信システム)等のOSI通信システムや通信利用者に必要なアドレス等の通信情報を提供する目的で実装が進められてきたが、近年インテリジェントネットワーク(IN)等の実時間交換システムでのネームサーバとしての適用が検討されるようになった。このような適用では、DSA(ディレクトリサービスェージェント)は大量のエントリ(例えばINのSDF(サービスデータ機能)では交換機1台の加入者数である10;件以上)を格納し、交換処理に影響を与えない時間(例えばSDFでは数十ミリ秒)内にディレクトリ操作を実行できなければならない。従来のOSIディレクトリの実装はDSAの大規模化を想定しておらず、DSAの大規模化に伴い名前解析処理性能が急激に低下するため、実時間交換システムのネームサーバとして適用できない。そこで本論文は、ハッシュを用いることで、大量のエントリを格納した場合にも十分高速な名前解析処理が実現できる、新しい名前解析処理方式を提案する。本提案方式では、まずDSAが操作対象のエントリをローカルに格納しているか否かを、識別名のハッシュ値をキーとして直接2次記憶上のエントリの惰報を検索し確認する。もし、ローカルに格納していない場含は、操作対象に最大一致する分散処理知識を、名前のハッシュ値をキーとして主記億上で検索する。本提案方式に基づくソフトウェアを、筆者らが既に実装した○SIディレクトリ専用DBMSに追加実装し、その有効性を評価、実証した。