著者
溝口 誠 麻生 茂
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.55, no.637, pp.74-81, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
12
被引用文献数
3 2

A numerical analysis of a piston motion in a free piston driver has been conducted including a diaphragm rupture. Quasi-one-dimensional flow is assumed in the driver. Various losses, which are generated in a compression process, are simplified. A process of the diaphragm rupture is assumed by Outa’s model. Experiments are also conducted by using a free piston shock tunnel. Calculated pressure histories show excellent agreements with experimental results. The numerical analysis shows that the piston motion is strongly affected by the diaphragm rupture. Especially, pressure histories in front of the piston change significantly with compact compression tubes. Diaphragm opening time is necessary to be considered to increase test time and to obtain soft landing conditions in compact free piston drivers.
著者
楠本 憲一
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, 2011-03-15
参考文献数
4

メタゲノムとは,ある生物の遺伝子全体を意味する「ゲノム(genome)」に,さらに「超越」を意味するメタ(meta-)を融合した造語であり,微生物群集のゲノムを培養に依存することなく網羅的に解析することをメタゲノム解析と呼ぶ.この解析技術の特徴は,試料中の微生物のDNAを混合物として抽出し,このDNA集合体の塩基配列を解読することである.試料中に含まれる微生物(培養法の不明なものを含む)の種類やその存在比率を推定することを目的として実施される.また,これまで知見のない新たな酵素遺伝子の候補を見出すことが可能である.<BR>塩基配列を自動的に解読するDNAシークエンサーの開発から20年以上を経て,解読能力が大幅に向上した次世代高速シークエンサーが開発され,ゲノム解析は新たな局面を迎えた.その超高速解読能力を利用し,膨大な遺伝子配列情報が蓄積されつつある.メタゲノム解析は,現在,次世代シークエンサーを利用して行われている.<BR>2000年,E. DeLongを中心とする研究グループが,試料中に存在する数十キロ塩基対の長鎖DNAをバクテリア人工染色体ベクターに連結し,これを網羅的に配列解析することで海水中の菌叢解析を実施した<SUP>1)</SUP>.彼らの研究が実質的なメタゲノム解析の端緒であった.次いで,2004年,J. Venterらはサルガッソ海の海洋細菌群集のメタゲノム解析を行い,合計で1兆塩基対の非重複塩基配列を取得し,それらの解析結果から,少なくとも1800種の細菌種の存在と,148種の未知細菌種の存在を推定した.また,12億種類の未知遺伝子を同定し,Science誌に発表した<SUP>2)</SUP>.彼らの研究成果から,彼らのようなアプローチが環境中の微生物群集の解析や,新規有用遺伝子の発見につながることが広く認識されるようになった.その後,上述した次世代高速シークエンサーの開発に伴い,239件(平成22年8月現在)のメタゲノムデータが蓄積されている.現在までに公開されたメタゲノムデータは,Genomes Online Database (http : //www.genomesonline.org/cgi-bin/GOLD/bin/gold.cgi)で公表されている.主として海水,ヒト腸内,土壌,淡水,温泉環境中の微生物群集が解析されている.<BR>このメタゲノム解析は,次世代シークエンサーと共にバイオインフォマティクスの進展が必須であった.バイオインフォマティクスとは,生物学に関わる情報解析学の総称である.通常のゲノム解析は,1種類の生物の網羅的遺伝子解析であり,得られる遺伝子情報は全てその生物に由来した情報である.一方,メタゲノム解析では,複数の生物種の混合した配列情報が得られる.また,存在比の低い種の情報が得られにくい等,試料に含まれる全ての生物種のDNA情報が取得できるとは言えない.そこで,これまでのゲノム解析と異なる概念が必要となる.ゲノム解析の流れとしては,断片化した個々のDNAの配列からなる生データ取得,これらの中から末端配列が共通している配列同士を順次連結していくアセンブリー,その配列の中から遺伝子をコードする領域を見つけ出す遺伝子予測となる.メタゲノム解析では,遺伝子予測をアセンブリーの前に行う場合と後に行う場合があり,研究目的により使い分けられている.また,メタゲノム解析に特化した遺伝子予測プログラムが開発されている.また,予測した遺伝子が由来する生物種を推定する手法も総説で解説される等,一般化されてきている.注意すべきは,次世代シークエンサーもメーカーと機種によりその塩基配列解読原理が異なり,解読鎖長や精度等が異なるため,目的に応じた機種を選択する必要がある.<BR>メタゲノム解析のデータは,次世代シークエンサーの機能改良に伴い,今後急速に増加すると期待される.今後の応用分野としては,エネルギー分野や環境浄化で力を発揮する新規遺伝子資源の開拓<SUP>3)</SUP>,栄養学・医学分野からのヒトの腸内細菌叢解明<SUP>4)</SUP>,難培養微生物を含む環境微生物群集の生態解明等であり,基礎研究成果としてメタゲノム解析に関する学術論文数が多数蓄積している.メタゲノムデータの蓄積と,バイオインフォマティクスの発展,他分野との研究連携によるメタゲノム解析技術の発展が,人類の健康や環境,エネルギー問題等,我々社会の課題解決につながることが期待される.

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著者
高浜虚子 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1908
著者
佐々木 交賢
出版者
創価大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

社会学の主たる起源は哲学思想、心理学であり、E,デュルケームの努力によって哲学思想,心理学から独立して独自の学問としての社会学が確立された。しかし社会学の独立後も哲学からの影響あるいは社会学への批判が続いており、最近になって再び顕著になった。哲学においてプラグマティズムの占める地位は必ずしも高いとはいえないが社会学に与えた影響は小さくはなく、アメリカにおいてはプラグマティズム社会学も存在する。逆に社会学の立場からプラグマティズムに対して体系的に批判を加えたのはデュルケームであった。彼はプラグマティズムの非合理主義,社会と個人の関係説,副現象説,真理論,道徳的善の観念,宗教論,認識論,論理的功利主義,思考と行動との関係論,還元主義,多元論的形而上学,カテゴリー論,知識と実践との関係説,知識の構成論等に対して彼独自の社会学的立場から批判を加えている。しかもアメリカのプラグマティストの中でもとりわけW.ジェームズの立場を厳しく批判している。それはジェームズの哲学がフランスで有力な哲学者達,とくにH.ベルグソンに支持され,彼の諸著作の翻訳もなされているからである。当時のフランスの思想界はデュルケームとベルグゾンによって二分されており,デュルケームにとってはベルグゾンの哲学はプラグマティズムに近いものとされたのである。そこでデュルケームはプラグマティズム批判と同時にベルグソン哲学の批判も行なったのである。しかしデュルケームの社会学説とプラグマティズムとの間には相点点とともに共通するいくつかの側面がある。これらの点をさらに明確にするとともにデュルケームのプラグマティズム批判の再検討,「プラグマティズム論」に集約されているデュルケームの社会学説そのものを再検討する必要がある。
著者
片山 真也 合田 拓史 白松 俊 大囿 忠親 新谷 虎松
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

本研究では,複数人のユーザが,サーバ上の資料に対して,協調的な作業を行うことのできるWebアプリケーションの実現を目的としている.本Webアプリケーションは,サーバ上の資料が増加するに連れて,ユーザが目的とする資料へのアクセスが遅くなるという課題がある.これは,資料の読み込みがボトルネックとなっているためである.本稿では,資料アクセス前処理機構を提案,実装することにより,その有用性を示した.
著者
永塚 規衣 大野 隆司 大川 祐輔 河村 フジ子 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.364-370, 2003-11-20
参考文献数
17
被引用文献数
2

ゼラチン溶液に糖及びアルコールを添加した場合のゲル化機構を動粘度モニタリングシステム,旋光度,動的粘弾性,レオメータの測定により検討した結果を以下にまとめた。1)糖及びアルコールの添加はアルカリ処理低温抽出ゼラチンのゾル-ゲル変換に影響を及ぼした。糖添加によりゲル化開始時間は短く,ゲル化が完了した時間は長く,ゲル化温度は高くなった。一方,エタノール20%添加ではゲル化開始時間,ゲル化時間は長く,ゲル化温度を低下させた。2)本試料ゼラチンのゲル化では,粘性率の増加から始まり,続いて弾性率の増加が起こり,最後に旋光度という順で変化が起きていた。3)ソルビトール添加はゼラチン分子のへリックス形成に有効であり,弾性率も上昇し,硬いゲルを形成したが,高濃度のエタノール添加はゼラチンのヘリックス形成に抑制的に働き,弾性率も低下し、破断波形において延性を増した。
出版者
南米銀行
巻号頁・発行日
1994
著者
Seishiro CHIKAZAWA Yasutomo HORI Kazutaka KANAI Naoyuki ITO Fumio HOSHI Koichi ORINO Kiyotaka WATANABE Seiichi HIGUCHI
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
pp.13-0286, (Released:2013-07-23)
被引用文献数
1 10

We evaluated diurnal variation and hyperferritinemia as factors that influence the values of serum iron concentration in dogs, using the International Committee for Standardization in Hematology (ICSH) colorimetric method. Serum iron levels were significantly higher in the morning than in the evening in 6 clinically healthy beagle dogs, and the maximum decrease in serum iron concentration was 47.3%. Moreover, the change in serum iron concentrations in 22 clinical canine cases with various serum ferritin levels were evaluated by immunoprecipitation of ferritin. The rate of decline in the serum iron concentrations positively correlated with serum ferritin levels (r=0.48, P=0.024). These results show that it is necessary to consider the sampling time and serum ferritin level for accurate interpretation of serum iron concentrations in dogs.
著者
加藤好郎著
出版者
勁草書房
巻号頁・発行日
2011