著者
岡本 正明
出版者
財団法人日本世論調査協会
雑誌
日本世論調査協会報
巻号頁・発行日
no.88, pp.3-12, 2001-10-31
被引用文献数
1
著者
川谷 尚平 小林 元 清野 達之
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.10, pp.85-90, 2012-03

閉鎖林冠下に生育するヒノキとサワラの後継樹を対象に,主に枝下高と樹冠半径に着目し,伏条更新を行わないヒノキは受光効率を高めるように,伏条更新を行うサワラは伏条更新の機会を高めるように樹形をデザインしているという仮説を検証した。ヒノキ後継樹は,樹高成長によって明るい光環境に葉を配置し,樹冠下層の枝をより高い位置まで枯らして暗い光環境への葉の配置を回避していた。一方,サワラ後継樹は生枝下高を低く保持することと,樹冠を水平方向に大きく広げることによって,枝が地面に接する機会を高めていた。これらより,伏条更新を行わないヒノキは受光効率を高めるように,伏条更新を行うサワラは伏条更新の機会を高めるように樹形をデザインするという本研究の仮説が支持された。実生更新が困難な暗い環境において,伏条更新の機会を高めるサワラの樹形形成様式は,その生活史戦略を理解する上で重要である。
著者
池田 貴子 (原島 貴子)
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究は、英国チューダー朝初期という変革期-すなわち、人文主義の芽生え・宗教改革・写本文化から印刷文化への移行などの変化のあった時代-における、歴史叙述・時間意識の表象の問題を取り扱っている。人文主義の印刷業者John Rastellが自著出版したThe Pastyme of People(1529-30)を中心に、チューダー朝初期年代記の形態(叙述および挿絵・レイアウトを含めた書物の構成要素)を分析し、一つ一つの年代記の頁に表出する歴史観・時間意識について考察を続けてきた。各種の年代記を精査するなか、本年度は特にLondon Chronicles伝統に注目した。これまでの調査の総括より、中世を通じて主に修道会などの聖職者による制作が盛んであった状況が徐々に変わり、ことにチューダー朝初期には年代記の形態やジャンルの意識にも変化が生じていたことが分かってきた。London Chroniclesとは、15世紀以降に盛んになった市民による歴史叙述で、現在も多数の写本が伝わっている年代記を総称して学者が呼んだもので、作者不詳のまま、市民階級の書き手によって叙述が引き継がれていった特色がある。写本間で、内容と形態(本文構成・パラテクスト要素)に共通の要素も認められている。そして調査からは、それらの伝統と一見無縁のような印刷本の年代記の中にも、様々な形でその影響の継続性と変質の模様がうかがえた。本研究は、John Rastellおよび息子の印刷業者のWilliam Rastellがそこに果たした役割を明らかにした。このような、15世紀のLondonChronicles伝統の成り立ちの過程、さらに16世紀における変容は、ルネサンス期の英国文学研究において極めて重要な歴史的背景を与えるにも関わらず、未だ殆ど注目されていない。本研究の成果が公表されることで、状況打開へ向けての一石を投じる意義が期待されよう。
出版者
日経BP社
雑誌
日経ア-キテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.706, pp.60-63, 2001-11-26

徳島県北島町が発注した体育館工事で,アンカーボルトの約3割が,施工図の規定より短いことが判明。別のボルトを重ねてミスを隠ぺいしたものもあった。施工管理と工事監理のあり方が問われている。 徳島県北島町の北島北公園総合体育館新築工事は,施工ミスが発覚し,工事が一時中断した。
著者
藤井 健作 大賀 寿郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.314-322, 1995-03-25
参考文献数
16
被引用文献数
30

学習同定法を適応アルゴリズムとするエコーキャンセラにおいてダブルトークは,適応フィルタの係数を乱し,ハウリング発生の危険を増大させる.その対策としてエコーキャンセラでは通常,ダブルトークの発生を検出する回路を別に設け,検出時には適応フィルタ係数の更新を休止してその乱れを小さく抑える構成をとる.このダブルトーク検出には,エコーに埋もれたダブルトーク成分の検出が可能となる残留エコーの増加を監視する方法が有効である.しかし,その増加はエコー経路変動によっても生起するため,同検出法においてはエコー経路変動検出の併用が必須となる.本論文では,エコーを含む入力と疑似エコーの相関の大小からダブルトークとエコー経路変動を識別する方法を提案する.すなわち,疑似エコーとエコーの相関はダブルトークのときに大きく,エコー経路変動のときに小さくなることが利用される.更に,残留エコーと疑似エコーのパワー比をパラメータとするダブルトーク検出法も併せて提案し,係数更新演算に遅延を前置する構成によってエコー消去量が全く減少しないダブルトーク検出が可能となることを示す.
著者
青木 香苗 春山 富義 槙田 康博
出版者
大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

高エネルギー加速器研究機構においては、多くの超伝導電磁石冷却用ヘリウム冷凍システムの開発、運転の経験がある。そこでまず機構内で超伝導電磁石とヘリウム冷凍システムの調査とトラブル例の収集を行った。その過程でどのような種類のデータを対象にするか決定された。データの種類は二つに大別される。1.一般的な超伝導電磁石とそれ専用のヘリウム冷凍システムのパラメータ2.故障、トラブルに関する事例次に、国内外の過去、現在稼動中、そして将来計画予定のシステムの調査を行った。故障、トラブルも調査するため、各研究所の担当者と連絡を取った上で、データベース公開の原則が決定された。・「1.一般的な超伝導電磁石とそれ専用のヘリウム冷凍システムのパラメータ」「2.故障、トラブルに関する事例」のどちらにおいても一切製造メーカー、担当メーカーの名前を出さない。・「2.故障、トラブルに関する事例」においては、研究所等の名前を出さない。・「2.故障、トラブルに関する事例」においては、データの公開は2段階とし、ユーザーが自由にアクセスできるのは、故障原因が生じた場所によって分類された簡易的な記述のみとした。さらに詳細な情報を得るためには、フォームに使用目的を書き込み申し込みを受け付けてし、目的が開発、研究、実際の運転等に限られた場合に詳細情報へのアクセスを許可するという形式を取った。この原則に基づき、日本国内、海外の研究所における対象装置を調べた。故障、トラブルという情報を提供してもらうためには、極力担当者と連絡を取り、実際に装置を見学して具体的に説明を受けるという方法を取った。また、実際に我々が直面した故障、トラブルの内、環境要因として放射線による低温システム制御系への影響の実験的な調査を行った。この結果は、開発されたデータベースのtop pageから「Useful Notes」として参照できるようにした。これらの原則と情報を元に実際のデータベースの開発を行った。データベースはKEK内で閉じられたネットワーク環境の上でテストされ、最終的にWWW上で公開された。
著者
梅永 武之
出版者
石灰石鉱業協会
雑誌
石灰石 (ISSN:02873761)
巻号頁・発行日
no.251, pp.p23-30, 1991-05
著者
梅野 健 Ken UMENO
出版者
総合研究大学院大学教育研究交流センター
雑誌
新分野開拓記
巻号頁・発行日
pp.91-100, 2004-06 (Released:2012-01-23)

自然現象と計算論との整合性 梅野 健[独立行政法人 情報通信研究機構/株式会社 カオスウエア]*所属は当時のものを記載
著者
Tatsuhiko Urakami Shigeo Morimoto Yoshikazu Nitadori Kensuke Harada Misao Owada Teruo Kitagawa
出版者
日本小児内分泌学会
雑誌
Clinical Pediatric Endocrinology (ISSN:09185739)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.53-58, 2007 (Released:2007-05-17)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

This study evaluated recent changes in the annual incidence of childhood type 2 diabetes in the Tokyo metropolitan area. From 1974 to 2004, a total of 236 students were diagnosed as having type 2 diabetes by the urine glucose screening program at school. The overall incidence of type 2 diabetes was 2.55/100,000. Overall, 83.9% of students with diabetes were obese; junior high school students had a significantly higher incidence than primary school students (0.75 vs. 6.27/100,000). The annual incidences over the 5-yr periods from 1974-2004 were 1.73, 3.23, 3.05, 2.90, 2.70 and 1.41/100,000, respectively. The incidences in 1974-1980 and 2001-2004 were significantly lower than those in 1981-1985, 1986-1990 and 1991-1995, because primary school students in 1974-1980 had a significantly lower incidence (0.27/100,000), and junior high school students in 2001-2004 had a somewhat lower incidence (3.66/100,000) than during 1981-2000. In recent years, Japanese children's lifestyle and eating habits have gradually improved, and this may have contributed to the trend toward decrease in the incidence of type 2 diabetes in 2001-2004 in the Tokyo metropolitan area.
著者
六角 僚子
出版者
日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 : 日本老年看護学会誌 : journal of Japan Academy of Gerontological Nursing (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.114-122, 2001-11-01
被引用文献数
3

「アクティビティケア」(以下,AC)という視点から痴呆性高齢者のケア実践を1年間試み,その有効性を見てきた結果,以下のことが確認された.1)高齢者のアセスメントを重視したACの提供の結果,AC時のみならず日常生活全般での社会的交流能力やIADLを引き出し,日常生活自立度が改善された.2)そのことが,グループACにおいても対象者を取り囲む他の高齢者にもプラスの影響を与え,それぞれの社会的交流能力が引き出された.3)継続的なACの提供とそれに対する評価により,対象者にとって意味のある/ないACサービス項目をふるい分けることが可能であることが示唆された.4)対象者の変化が,ケアスタッフのケアに取り組む姿勢を積極的にするなど,ケア提供者と対象者との相互作用が両者の態度変容を生み出していることが確認された.以上から,ACに焦点を当てたケアプランの策定とそれに基づいたケア実践は,痴呆性高齢者の日常生活機能の改善,社会的交流能力や生活意欲の向上に対して有効であるばかりでなく,看護・介護職者らのケアの質の改善意欲の昂進にもつながっていく可能性も示唆された.

1 0 0 0 OA 愛媛県報

出版者
愛媛県
巻号頁・発行日
2002-05-28
著者
杉本 政繁 水野 忠文
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.177-184, 1975-12-10

ルキアーノス(120〜190A.D.)の『アナカルシス』を検討した結果, 次の3点が明らかになった. I. 彼は競技の目標を, (1)市民および国家の自由, (2)安寧, (3)栄誉, (4)先祖伝来の祝祭の喜び, (5)一族の繁栄といった伝統的な精神的遺産に求め, また競技者像を, (1)男らしい勇気, (2)身体美, (3)最高の身体的状態, (4)栄誉, (5)勝利への不屈の意志, (6)敢闘の精神をもったものと捉えている. したがって, これらは倫理的教育的競技観といえる. II. 国家防衛者の教育方法に関しては, 魂の教育と体育を重視し, 具体的な資質としては, (1)軽快で強靭な身体を持つこと, (2)勇気があること, (3)優秀な人間であること, の3点を挙げているので, これらはプラトーンの国家篇における防衛者の把握の仕方と類似したものといえる. III. 競技見学に関しては, 青年の魂をふるいたたせることによって, 競技への動機づけになると把えているとみられる. 以上の3点は, 体育思想史的に有意義なものと考える.
著者
阿部 俊克 大塚 勝弘 大熊 誠一
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.101, no.1, pp.78-81, 1981-01-25

Rice bran lectin (RBL) agglutinated human erythrocytes regardless of their ABO and MN blood-group systems. The receptor activity of erythrocytes against RBL was completely abolished by treatment with pronase for two hours and partially abolished by treatment with trypsin or α-chymotrypsin for three hours. Sialoglycopeptides released from human erythrocytes by treatment with protease such as pronase, trypsin or α-chymotrypsin inhibited the hemagglutination by RBL. Removal of sialic acid residues of sialoglycopeptides diminished their inhibitory activities. Among sugars tested, only N-acetyl-D-glucosamine showed hemagglutinating inhibition.
著者
大井 正典 本山 直樹
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.475-480, 1991-08-20

殺虫剤の相乗作用の大きさはおのおのの薬剤の解毒酵素に対する親和性, 解毒速度および解毒酵素の存在下での作用点阻害のI_<50>値によって予測できるという理論的解析の結果を証明するために, in vitro実験を行なった.単一の酵素(ブタ肝カルボキシルエステラーゼ)(CE)による解毒と作用点(電気うなぎAChE)阻害のみが含まれる単純なモデルを用いて, 相乗作用の予測に必要な各パラメータを求めたところ, マラオクソンとパラオクソンおよびマラオクソンとジクロルボスの組合せが最も相乗作用の条件を満たしていた.各種組合せによるAChE阻害のI_<50>を比較したところ, 上記の組合せは実際に高い相乗作用を示し, また, 相乗作用の最も大きくなる混合比は薬剤単独でのI_<50>の比に等しかった.以上の結果はコンピュータシミュレーションによる理論的解析の結果を支持した.